M&Aでのデューデリジェンス(DD)の手続き方法!DD項目別に注意点も解説!

M&AにおけるDD(デューデリジェンス)をご存知でしょうか?M&AにおけるDD(デューデリジェンス)とは、売却側企業側の評価価値を決めるとても大事な要素になります。今回は、そんなM&AにおけるDD(デューデリジェンス)について解説していきましょう。


目次

  1. M&Aとは
  2. デューデリジェンス(DD)とは
  3. M&Aでのデューデリジェンスの目的
  4. M&Aでのデューデリジェンス(DD)の手続き方法
  5. デューデリジェンス(DD)の際の必要資料一覧
  6. M&A実施の際のデューデリジェンスの注意点
  7. デューデリジェンスの種類と項目別注意点
  8. デューデリジェンス(DD)の必要性
  9. M&A実施のご相談は仲介会社まで
  10. デューデリジェンス(DD)までの簡単な流れまとめ
  11. まとめ

1. M&Aとは

M&Aとは

DD(デューデリジェンス)について解説していく前に、まずはM&Aとは何なのか?から解説していきましょう。

M&Aとは、英語の「Mergers(合併) and Acquisitions(買収)」の頭文字を取った言葉です。

Mergers(合併)とは、複数の会社が一つの会社になること、Acquisitions(買収)とは、売却側企業の株式の過半数を買い取ったり、資産を買い取ったりすることです。

M&Aは、広義では資本提携や業務提携を含みますが、狭義では企業(事業)の経営権を移転させることを意味します。一般的には、後者の意味でよく使われています。

合併と買収の観点でM&Aの種類を分けると、以下のような種類があります。

  • 合併:吸収合併、新設合併など
  • 買収:株式買収(株式譲渡など)、事業買収(事業譲渡など)

M&Aの目的とは?

売却企業側と買収企業側で分けると、M&Aには次のような目的があります。

  • 売却企業側:事業承継(後継者対策)、事業(企業)の再生、事業の集中化
  • 買収企業側:事業の規模拡大、新規事業の獲得、人材・技術の獲得

それぞれに目的は違いますが、基本的に「合併・買収することで事業(企業)を発展させること」です。

M&Aは何をもって成立する?

今回のテーマであるDD(デューデリジェンス)もそうですが、M&Aは、手続きが多いイメージがあります。何を以てM&Aは成立したことになるのでしょう?

M&Aは選択するスキーム(方法)によって、成立が異なります。例えば、株式譲渡の場合、契約内容の確認をし、締結を行った後、売却側の株主が株式を譲渡し、買収企業側の株主が対価を支払うことで成立します。

事業譲渡だと、資産と負債と譲渡対象が個別に選べるため、手続きが多くなります。最終契約の締結後も、資産などへの確認作業を行ってから対価の支払いとなるので、契約書の締結日とクロージング日(売買の取引が完了した日)が違うケースが多い特徴があります。

M&A成立までには、いくつかの手続きが必要になります。今回紹介するDD(デューデリジェンス)も、M&Aにおいて、とても大事なプロセスの一つです。

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2. デューデリジェンス(DD)とは

DD(デューデリジェンス)とは?

ここからは本題の「DD(デューデリジェンス)」について解説していきましょう。M&AにおけるDD(デューデリジェンス)とは何なのでしょうか?

M&Aにおいての役割

DD(デューデリジェンス)とは、英語で「due diligence」と書きます。そのまま訳すと「当然の努力」という意味になります。M&Aにおいての意味では買収企業側による売却企業側への「買収監査」になります。DD(デューデリジェンス)を行うことで、互いの企業に対する、情報量の差異を埋めます。

DD(デューデリジェンス)は、主に次のように分けて詳しく調査します。

  • ビジネスデューDD(デューデリジェンス)
  • 人事DD(デューデリジェンス)
  • 技術DD(デューデリジェンス)
  • 法務DD(デューデリジェンス)
  • 事業DD(デューデリジェンス)
  • 財務DD(デューデリジェンス)

これらのDD(デューデリジェンス)については、また後ほど解説します。

M&AでDD(デューデリジェンス)をすることで、売却企業側が持っている問題点が、契約前に明らかになります。DD(デューデリジェンス)で問題点が見つかった場合、買収価格を減額してもらうことも可能です。買収企業側は、安心してM&Aを進めていくことができます。

依頼費用

M&Aの売買価格やM&Aの判断にも大きな影響を与えるDD(デューデリジェンス)ですが、M&Aの専門家に依頼すると、費用はどのくらい必要なのでしょう?

DD(デューデリジェンス)の費用は、大まかに「弁護士1時間当たりの単価(2~5万円)×作業時間数」です。時給にして一万円以上の高額です。

「DD(デューデリジェンス)って依頼費用が高くなるのか」と思われるかと思いますが、これはDD(デューデリジェンス)には、高い専門知識が要求されるためです。例えば、株式に関する知識にしても、法的な知識経験が求められます。

そのため最終的に、デューデリジェンス(DD)全体で何百万の金額になります。ただし、DD(デューデリジェンス)は、売却企業側の規模や構成によります。詳細な費用は、一度M&A専門家に尋ねてみるといいでしょう。

デューデリジェンス(DD)の期間

DD(デューデリジェンス)にかかる期間は、一連の流れでは、非上場企業で約一ヵ月、上場企業で2~3ヵ月ほどになります。実際に対象となる企業の現地に赴いて調査を行う際には、短くて2~3日、長くて1~2週間ほどになるのが一般的です。

費用と同様に、DD(デューデリジェンス)の期間も、対象企業の規模や構成によります。

3. M&Aでのデューデリジェンスの目的

DD(デューデリジェンス)の目的

DD(デューデリジェンス)はM&Aにおいて、大事な役割を果たすことは分かりました。ここでは、さらに具体的な目的について解説しましょう。

①ディールブレイカーの確認

M&Aでは、「ディールブレイカー(deal breaker)」の有無を確認する必要があります。ディールブレイカーとは、DD(デューデリジェンス)によって分かった問題点の中でも、M&Aを断念せざるを得ない問題点や課題点のことです。

ディールブレイカーも解決策があればいいですが、残念ながら解決策が見当たらない場合、M&Aは断念せざるを得なくなります。例えば、売却側企業の持つ技術を目的にM&Aを進めようとしたのに、肝心のその技術を実は持っていなかった、といった場合です。

ディールブレイカーは、DD(デューデリジェンス)の中でも初期段階で見つけたい要素です。

②M&A先企業の企業価値評価

DD(デューデリジェンス)は、人事・技術・法務・事業・財務など様々な角度から、売却企業側の価値を調査します。そして、本当にその企業価値は正しいのか、検討し、企業価値評価をつけます。

後ほど解説しますが、特にM&Aの売買を決める価値で大事なDD(デューデリジェンス)は、事業DD(デューデリジェンス)です。売却企業側の事業が、市場の中でどのような位置付けで、価値はどれくらいなのかを、事業DD(デューデリジェンス)から分析していきます。

③M&A手法の検討及び、決定

DD(デューデリジェンス)によって、M&Aの手法(スキーム)の検討、決定ができます。場合によってはM&Aの手法(スキーム)を変更することも視野に入れます。というのも、M&Aの手法(スキーム)の検討や変更することは、リスク対策となるからです。

例えば、株式譲渡でM&Aを進めるはずだったのに、DD(デューデリジェンス)で調べてみた結果、実は売り手側企業が資産総額を上回る負債総額の債務超過になっていたことが分かったとします。この場合、株式譲渡から事業譲渡に手法(スキーム)を変更します。

事業譲渡を手法(スキーム)として選ぶと、資産と負債と譲渡する対象が選べるため、リスクの大きい負債を引き継がずにM&Aできます

M&Aの手法(スキーム)は、株式譲渡など確かに簡単な方を選びたくなりますが、契約締結後の経営統合作業(PMI)のことを踏まえて選ぶことが大事です。

④判明している問題を含んだ契約内容の作成

DD(デューデリジェンス)をしたことで、新たな問題、課題が浮上した場合、改めてM&Aの最終契約書の内容を検討し、作成し直す必要があります。後のトラブルを回避するためです。

先ほど例として挙げたような、債務超過の問題点などが判明した場合、売買価格を下げたり、クロージング手続きが完了する前に解消させたりなど、問題点の回避を盛り込むよう、最終契約書を作成します。

最終契約書の表明保証条項では、正確な情報を開示することが保証されています。もし簿外債務などの問題が判明した場合は、売却企業側に賠償させることも可能です。買い手側企業は、こういった問題点を負わないことを、契約書に記載しておきます。

売却側企業は、DD(デューデリジェンス)でマイナスとなる要素を隠すと、かえって後ほど問題の種になりかねません。

⑤M&Aの手続きを開始

DD(デューデリジェンス)で分かった内容を元にして、M&Aの手続きを行っていきます。

売却企業側によっては、持っている資産や権利を確認するだけで多くの量になります。それらには法的手続きも必要な場合があります。手続きを怠ることがあれば、罰則も発生しかねません。

M&Aの専門家の力を借りて、M&Aの手続きを進めていくことが大事です。

⑥M&A後の運営方針のための情報収集

M&Aは、最後のクロージングを終えた後も、契約締結後の経営統合作業(PMI)があります。統合作業(PMI)は、実はM&Aの実質的な成功の鍵を握っているともいわれており、「事前交渉が2割、PMIが8割」ともいいます。

M&Aの事前交渉である、DD(デューデリジェンス)を正確に計画的に行うことで、M&A後の運営方針も定めることになります。DD(デューデリジェンス)で、M&A後の経営に役立てることができます。

【関連】M&Aのクロージング手続き・流れを解説!期間はどれぐらい?

4. M&Aでのデューデリジェンス(DD)の手続き方法

デューデリジェンス(DD)の手続き方法

M&AでのDD(デューデリジェンス)の手続きの流れについて、解説していきましょう。

①M&A先のデューデリジェンス(DD)依頼

まずは、売却企業側であるM&A先に、DD(デューデリジェンス)を依頼します。DD(デューデリジェンス)は、譲渡対象となる事業を中心に調査します。

中には、対象事業以外にも、DD(デューデリジェンス)が必要な場合があります。対象事業と密なやり取りをしている企業がある場合、その企業もDD(デューデリジェンス)していきます。

②M&A先企業の資料確認

はじめに必要な手続きが、売却企業側の(M&A先企業)の資料開示の請求です。この時点において、買収企業側には売却企業側の具体的な情報はないといってもいい状態です。資料を元に、売却企業側の分析が行われます。

売却側企業に、DD(デューデリジェンス)の素材となる必要な資料の開示を請求し、用意してもらいます。相手先の業種や現在の状況などを踏まえ、ほぼ全ての資料開示が求められます。このとき必要な資料については、また後ほど紹介します。
 

③M&A戦略ミーティング及び、調査範囲の確認

DD(デューデリジェンス)で開示された資料は、DD(デューデリジェンス)の当日に資料室に集めてもらったり、送付してもらうのが一般的です。

小規模のM&Aであれば、売却企業側が十分に資料を持っていない可能性もあります。その場合は、資料を一部除くことも考慮します。その資料を持っていなかった場合は、「該当資料存在せず」の回答になることもあります。

買収企業側は、資料開示の漏れがないように、開示請求を行わなくてはいけません。開示された資料を元に、M&A戦略を練っていきます。

④M&A先企業の事前分析

売却企業側から用意、開示してもらった資料を詳細に調べていきます。場合によっては、追加資料が発生することもあります。このとき、売却企業側は、開示要求のなかった資料に関して、開示しなくてよいことになっています。

⑤M&A先企業の資料リストの閲覧及び、分析

開示された資料の閲覧、分析を行っていきます。資料の詳細な調査のことを、デスクトップDD(デューデリジェンス)と呼びます。中には、デスクトップDD(デューデリジェンス)で、DD(デューデリジェンス)が完了することもあります。

⑥M&A先関係者へのインタビュー・現地調査

資料を元にM&Aの方針が決定した後は、売却企業側(M&A先)のマネジメント関係者(M&A担当者や役員、経営者など)を中心に実際にインタビューを行います。

M&Aによっては、売却側企業の重要な施設などを管理している関係者にも、インタビューするケースもあります。インタビューには、開示資料の内容に関しての確認作業や、資料では確認できなかった情報を補完する目的があります。

インタビューが完了したら、DD(デューデリジェンス)を行う企業に、現地調査に行きます。不動産関係の資産は、資産の見た目の確認や、法律違反をしていないかなど、現地調査が大事です。

こういったDD(デューデリジェンス)では、M&Aの関係者以外の従業員などに悟られないようにするために、日程に考慮する必要があります。

⑦デューデリジェンス(DD)結果の報告書を作成

DD(デューデリジェンス)を行う前の対象企業の評価価値では、一般的な問題点しか反映されていません。ここまでDD(デューデリジェンス)を進めてきた結果から、得た情報を、企業の評価価値として報告書に反映、作成していきます。

⑧デューデリジェンス(DD)報告書の提出及び、確認

以上のDD(デューデリジェンス)のプロセスを経て、DD(デューデリジェンス)の報告書の提出と、確認をします。

報告書の内容から見つかった問題点がすぐに対処可能ならば、クロージングが完了するまでに「売却企業側に対処してもらう」などの内容を、条文として契約書に盛り込ませるなど、最終契約書の内容の見直しをします。

また、DD(デューデリジェンス)の結果から、M&A後の統合作業(PMI)も検討する必要があります。

5. デューデリジェンス(DD)の際の必要資料一覧

DD(デューデリジェンス)で必要資料一覧

前述で、用意してもらう資料開示について解説しましたが、ここではその主な資料について紹介します。

ここでは例として、財務DD(デューデリジェンス)で必要な資料を挙げています。財務DD(デューデリジェンス)では、「対象企業の財務が分かる資料であること」が求められます。主に資産勘定や負債勘定に関する資料です。必要な資料の保存期間は過去3期分です。

資産勘定に関する資料

  • 現金出納帳・預金通帳・手形帳
  • 得意先元帳
  • 棚卸表
  • 固定資産台帳
  • 固定資産税課税明細
  • 出資証券・保険証券 など

負債勘定に関する資料
  • 支払手形記入帳
  • 仕入先元帳・請求書
  • 残高証明書
  • 金銭消費貸借契約書
  • 退職金規程・積立年金 など

また、財務DD(デューデリジェンス)と、事業DD(デューデリジェンス)で共通する資料も記載しておきます。
  • 会社案内・沿革
  • 商業登記簿謄本(全部履歴)
  • 定款
  • 役員一覧役員変遷表(過去3~5期間程度分)
  • 組織図(人数含む)
  • 工場・事業所の一覧
  • 業務フロー
  • 株主一覧
  • 経理規程・原価計算規程・会計処理マニュアル
  • 人事関係規程(就業規則・賞与規程・退職金規程・役員退職慰労金規程)

必要な資料は、業種など、対象企業によってまた異なります。

6. M&A実施の際のデューデリジェンスの注意点

デューデリジェンス(DD)の注意点

デューデリジェンス(DD)を実施する際に、注意すべきことは何でしょうか?

①デューデリジェンス(DD)の依頼はプロに任せる

DD(デューデリジェンス)の実施には、高い専門知識が求められます。DD(デューデリジェンス)は、M&Aでの売買価格は元より、M&A契約締結後の経営統合作業(PMI)に大きな影響を与えます。

例えば、財務DD(デューデリジェンス)であれば、資産のチェックなどが必要になるため、専門知識を持った公認会計士と税理士が担当します。

法務DD(デューデリジェンス)であれば、主に弁護士が担当しますが、許認可に関しては行政書士、登記関係は司法書士が担当したりします。

見通しのないままにDD(デューデリジェンス)を行うと、成立するはずだったM&Aも成立しなかった、なんてことになりかねません。

各々の専門知識を持ったプロが集まることで、円滑なDD(デューデリジェンス)が可能になります。DD(デューデリジェンス)の依頼は、素直にプロにお任せしましょう。

②デューデリジェンス(DD)依頼の際は実施時期は綿密に

DD(デューデリジェンス)が実際に実施されるのは、売却企業が決まり、トップ面談を終え、基本合意契約書の締結が完了した後になります。

この時点で、売却企業側に関する情報はほぼ出揃った状態になっていますが、DD(デューデリジェンス)を行い、M&Aをして本当に大丈夫なのか?売買価格は正しいか?など改めて詰めていきます。

後の経営統合作業(PMI)にも影響を与えるため、DD(デューデリジェンス)の実施時期は、綿密に計画を立てましょう。

③デューデリジェンス(DD)の方針を明確に

DD(デューデリジェンス)は、DD(デューデリジェンス)ごとにそれぞれ方針が異なります。例えば、財務DD(デューデリジェンス)あれば、賃借対照表に計上されている、資産と負債のチェックをすることです。

資産であれば、実際にあるのか実在性の確認、負債であればM&A後にどう影響してくるのかなど、分析する必要があります。

また、DD(デューデリジェンス)は対象となる売却企業によって、調査の重きを置く部分が異なってきます。集めた資料を元にして、戦略や調査範囲と、DD(デューデリジェンス)の方針を明確にしておきます。

④M&A先関係者へのインタビューは信頼できる協力者に

M&A先関係者へのインタビューは、マネジメント関係者として、M&A担当者や役員、経営者などがいます。

インタビューは、DD(デューデリジェンス)の種類によっては、専門的な技術分野を担っている社員にも、行うことがあります。インタビューの内容は、弁理士などの専門家が評価します。

M&Aの最終契約書の締結前ということや、資料やインタビューを元にして、DD(デューデリジェンス)の報告書を作っていくことなどから、インタビュー相手は信頼できる関係者に依頼しましょう。

7. デューデリジェンスの種類と項目別注意点

DD(デューデリジェンス)の種類と注意点

DD(デューデリジェンス)は、主に5、6個に分けられます。ここでは、それぞれのDD(デューデリジェンス)ごとに、解説しましょう。

①ビジネスDD(デューデリジェンス)

まずは、ビジネスDD(デューデリジェンス)について解説していきましょう。

目的と業務

ビジネスDD(デューデリジェンス)とは、引継ぎ後、「どうビジネスを進めていくか」「引継ぎ後、円滑にビジネスを進められるか?」を目的としたDD(デューデリジェンス)です。

ビジネスDD(デューデリジェンス)で分析すべきポイントは、売却企業側のビジネスモデル、営業スタイル、業務フローなどです。これらは全て、企業の経営実態が確認できる要素です。

M&A後、企業がどう成長していくのか、あるいはどんなリスクが潜んでいるのかを調査します。得た情報は、企業内の収益や統合作業(PMI)にも使われるため、企業の具体的なビジネス面と直結しています。

ビジネスDD(デューデリジェンス)は、買収企業側の総務部長や、営業部長、経営コンサルタントなどが行います。

注意点

ビジネスDD(デューデリジェンス)は、M&A後の具体的なシナジー効果と直結するため、重要な位置を占めます。後ほど解説する、法律面の法務DD(デューデリジェンス)などよりも大事と考えられています。

売却企業側が行っていたビジネスモデルは、M&Aに大きな影響を与えます。買収企業側は、M&A後のリスクや、自分達がどんなビジネスを進めていくのか、しっかりと決めてビジネスDD(デューデリジェンス)する必要があります。

②人事DD(デューデリジェンス)

人事DD(デューデリジェンス)とは、売却企業側の人事面について調査するDD(デューデリジェンス)のことです。

目的と業務

人事DD(デューデリジェンス)の目的は、売却企業側全体の人事の把握、組織風土の確認、現在の会社像や体制の確認から、契約締結後の統合作業(PMI)で行われる人事異動について検討していくことです。

事前にキーパーソンとなる人物や人事コストを把握しておくことで、キーパーソンとなる人物の流出による現場のモチベーション低下を防ぐことや、M&Aの統合後の無駄な人事コストを抑えることにつながります

人事DD(デューデリジェンス)では、全体の人事や売却企業側のキーパーソン(役員や技術者など)の調査、人件費の調査、労働組合の有無の確認、社内の人間関係について調査していきます。他にも、相手企業の価値観や、風土なども人事DD(デューデリジェンス)において大事な調査事項です。

注意点

人事DD(デューデリジェンス)で注意したいのは、M&Aに合意できない企業内のキーパーソンや、出資の受け入れができない労働組合の反対などによって、M&Aの妨げとなることです。違う企業が一つになるわけですから、当然互いの風土の違いに戸惑うこともあります。

実は、人事DD(デューデリジェンス)は、他のDD(デューデリジェンス)と比べて軽視されがちなDD(デューデリジェンス)です。企業は、人がいないと成り立たないからこそ、慎重に行うべきDD(デューデリジェンス)です。

③技術DD(デューデリジェンス)

技術DD(デューデリジェンス)とは、売却企業の持っている技術、商品やサービスなどを開発し、販売する技術力について調査するDD(デューデリジェンス)のことです。

目的と業務

技術DD(デューデリジェンス)の目的は、売却企業側の持つ技術が、どれほどの力を持っているか、そこから市場での位置付けを調べる目的があります。前述でも少し触れましたが、事業DD(デューデリジェンス)と被る部分があります。

技術DD(デューデリジェンス)では、その企業の独自性も問われるため、産学連携(民間企業と大学が共同で研究し、商品やサービスの開発をする事業のこと)型の研究開発を行っている企業や、ベンチャー企業とのM&Aでの判断基準にもとなります。

技術DD(デューデリジェンス)では、弁理士などが調査を行っていきます。

注意点

技術DD(デューデリジェンス)は、大企業だと商品やサービスの量に比例して、所有している技術が多くなります。そのため、調査に多くの時間が必要となるケースがあります。

技術DD(デューデリジェンス)は、大きな企業が相手の場合、綿密に計画を立てましょう。

④法務DD(デューデリジェンス)

法務DD(デューデリジェンス)とは、売却企業側の法律面についてのDD(デューデリジェンス)です。

目的と業務

法務DD(デューデリジェンス)の目的とは、売却企業側が、企業活動の中で締結している契約内容と、コンプライアンスの励行はどうなっているのかを調査することです。

法務DD(デューデリジェンス)で、M&Aを行っても法律面においてリスクが発生しないかを確認する必要があります。

法務DD(デューデリジェンス)は、社内規定の閲覧を行い、そこから法律に関係する規定を検討します。

さらに、最終契約書の内容との照らし合わせ、許認可の詳細な調査などを行い、いくつかのプロセスを経た後、最終的に最終契約書に反映させます。企業の現状の確認から、最終的な価格反映までつなげます。

前述でお伝えしたように、法務DD(デューデリジェンス)は、主に弁護士が担当し、許認可に関しては行政書士、登記関係は司法書士が担当したりします。外部の公平かつ中立的な立場の人間に任せます。

注意点

近年、ビジネスにおいて叫ばれるようになったコンプライアンス(法令遵守)の存在。M&Aにおいても、法務DD(デューデリジェンス)の存在が重視され、よく行われるようになっています。

法律の違反は企業の存続そのものに大きく関わってくるため、法務DD(デューデリジェンス)はしっかりとした調査が必要です。

例えば、売却側企業がなんらかの訴訟リスクをはらんでいるにもかかわらず、法務DD(デューデリジェンス)で見落としていた場合、後々企業の財務に大きな影響を与えたり、評判を落とすことになりかねません。

⑤事業DD(デューデリジェンス)

事業DD(デューデリジェンス)は、DD(デューデリジェンス)の中でも、大きなウエイトを占めるDD(デューデリジェンス)です。事業DD(デューデリジェンス)は、はじめに紹介したビジネスDD(デューデリジェンス)ともいいます。

ここでは、また少し異なった切り口から解説します。

目的と業務

売却企業の内部環境と外部環境の、それぞれの視点からDD(デューデリジェンス)を行うことで、将来性を見極めること、分析することが求められます。

事業DD(デューデリジェンス)における内部環境は、事業モデル、商品やサービス、市場占有率、ノウハウや営業力などの分析から、企業の長所短所を明らかにしていくことです。

外部環境とは、売却企業の環境を外から分析することで、その業界の将来性、ライバル企業との関係について分析していきます。外から見ることで、売却企業の、市場内における位置付けを見ていきます。

注意点

事業DD(デューデリジェンス)は、特に大事な部分のDD(デューデリジェンス)です。しっかりとDD(デューデリジェンス)していきます。

M&Aの目的は、M&Aは、基本的に「合併・買収することで事業(企業)を発展させること」であり、「M&A完了させること」そのものが目的ではありません。

売却企業の将来性やリスクについて、明確にしておかなかったり、しっかりと把握していないと、M&A後に企業の価値が下がってしまったり、リスクを見落としてしまうこともあります。

⑥財務DD(デューデリジェンス)

最後は財務DD(デューデリジェンス)です。財務DD(デューデリジェンス)は、売却企業側の資産と負債のチェックを行います。財務、会計、税務に関する調査になります。

目的と業務

財務DD(デューデリジェンス)を行うことで、売却企業側の賃借対照表で計上されている資産の確認や、財務状態や経営状況確認をしていきます。また、簿外債務や潜在債務の有無を確認することで、潜在的なリスクも確認します。

財務DD(デューデリジェンス)では、主に損益計算書、賃借対照表、キャッシュフローの確認などが行われます。

財務DD(デューデリジェンス)は、ビジネス(事業)DD(デューデリジェンス)同様、大事なDD(デューデリジェンス)ということもあり、ビジネス(事業)DD(デューデリジェンス)と情報を共有させて、判断する場合もあります。

財務DD(デューデリジェンス)では、公認会計士と税理士が担当します。
 

注意点

財務DD(デューデリジェンス)の注意点は、粉飾決算や不適切な処理や、資産が過大に評価されていた、潜在リスクを見落としてた、などがあります。

8. デューデリジェンス(DD)の必要性

DD(デューデリジェンス)の必要性

ところで、M&AにおいてDD(デューデリジェンス)をしないと、どうなるのでしょう?

M&AでDD(デューデリジェンス)をしないと、とてもリスクの大きなM&Aになります。

DD(デューデリジェンス)をせずに、M&Aをすることは、売却企業側の持っている将来性やリスクを明確に分析せずに、企業価値を決めることになります。

企業の持つ価値を分析しないと、本来の価値よりも高額で売買してしまったり、隠れたリスクに何の対処もしないまま、契約をしてしまう可能性が考えられます。DD(デューデリジェンス)をせずにM&Aをすることは、支払う対価が無駄になることもあります。

実際に、「M&Aで買収したものの、蓋を開けてみると実は破産状態だった」という実例が、海外でも日本国内でもたくさんあります。

M&Aは、売却企業側と買収企業側の価値観のすり合わせが大事です。M&A成立後のトラブルを招かないためにも、必要な資料は提示すること、分析することで、しっかりとDD(デューデリジェンス)を行います。

9. M&A実施のご相談は仲介会社まで

M&Aは仲介会社に

ここまで、M&AにおけるDD(デューデリジェンス)について解説してきました。売却企業側の実態が分からない以上、DD(デューデリジェンス)で資料を集め、関係者にインタビューをし、様々な角度から検証することで、売却企業がどんな企業なのか探っていきます。

今回の記事を通じて、DD(デューデリジェンス)について気になった方のためにも、M&A総合研究所では、M&Aがスムーズに行えるよう、DD(デューデリジェンス)もサポートしております。

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M&Aの経験豊富なスタッフが在籍しているため、「M&Aを考えている」「DD(デューデリジェンス)についてもっと知りたい」といった方も、安心して相談できます。

M&A総合研究所の相談は無料です。M&Aを検討されている方や、DD(デューデリジェンス)が気になった方は、どうぞお気軽にご連絡ください。

10. デューデリジェンス(DD)までの簡単な流れまとめ

DD(デューデリジェンス)流れまとめ

M&Aのはじまりから、DD(デューデリジェンス)までの実務の流れをイメージしやすいように、流れを記載しておきます。

  1. 専門のマッチングプラットフォームなどに相談
  2. 事前準備(ニーズや関係者の整理・調整)
  3. アドバイザー選定
  4. 対象企業の選定
  5. 秘密保持契約書の締結
  6. IM(企業概要書)提示
  7. トップ同士の面談実施
  8. 意向表明書の提示
  9. 基本合意契約書の締結
  10. デューデリジェンス(買収側企業による詳細調査)
  11. 条件交渉
  12. 最終譲渡契約書の締結
  13. クロージング
  14. PMI(M&A後の統合作業)

(M&Aのスキームによって異なる手続きもあります)

今回ご紹介したDD(デューデリジェンス)と、デューデリジェンス(DD)を受けた後の、最終契約書に向けての交渉は10、11番目です。DD(デューデリジェンス)の後も、M&A後の統合作業PMIがあるので、慎重かつ確実にM&Aを進めていきましょう。

11. まとめ

DD(デューデリジェンス)まとめ

M&Aにおける、DD(デューデリジェンス)について解説しました。M&Aは対価のやり取りです。M&Aに相応しい企業評価を決めるには、DD(デューデリジェンス)なくして成り立たないのだと、お分かりいただけたのではないかと思います。

今回のDD(デューデリジェンス)をはじめ、M&A総合研究所では、M&Aの進め方や全体的なアドバイスをはじめ、最終譲渡契約書のクロージングまでしっかりサポートします。

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