M&Aのスキームを図解!M&A手法のメリット・デメリットを比較!

M&Aのスキーム(手法)はいくつもあり、それぞれメリット・デメリットも違います。そこで、M&Aのスキーム図(手法図)を用いて比較しながら、できるだけわかりやすく解説しました。比較しやすいように各スキームごとの具体事例も掲載します。


目次

  1. M&Aのスキーム(手法)とは
  2. M&Aの各スキーム(手法)をスキーム図(手法図)で解説
  3. M&A各スキーム(手法)のメリット・デメリット
  4. M&Aスキーム(手法)のおすすめ一覧表
  5. M&Aスキーム(手法)の比較評価一覧表
  6. M&A各スキーム(手法)の具体事例
  7. M&Aスキーム(手法)の重要性
  8. M&Aの相談におすすめの仲介会社
  9. まとめ

1. M&Aのスキーム(手法)とは

M&Aのスキーム(手法)とは

ひと口にM&Aといっても、そのスキーム(手法)は数種類におよびます。上図は、M&Aに類似する企業間の関係性も含めた概念図です。ここでは、M&A(Mergers=合併 and Acquisitions=買収)か否かの選別を、資本移動があるかないかで見ています。

したがって、資本移動を伴う資本提携は広義のM&Aと見なしますが、資本移動がない業務提携はM&Aとはいえません。そして、上図で示している狭義のM&Aに分類されているものが、一般的にいうところのM&Aの各スキーム(手法)です。

本記事では、その狭義のM&Aに記されている事業譲渡株式譲渡株式交換、株式移転、会社分割、会社合併について、スキーム図(手法図)を用いて、各スキーム(手法)を比較しながら解説します。

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2. M&Aの各スキーム(手法)をスキーム図(手法図)で解説

M&Aの各スキーム(手法)をスキーム図(手法図)で解説

それでは、以下のM&A各スキーム(手法)について、スキーム図(手法図)を用いて解説します。なお、会社分割については、吸収分割と新設分割で異なる説明が必要となるため、項目を分けました。
 

  1. 事業譲渡
  2. 株式譲渡
  3. 株式交換
  4. 株式移転
  5. 会社分割・吸収分割
  6. 会社分割・新設分割
  7. 会社合併

①事業譲渡

①事業譲渡

事業譲渡とは、企業が有する事業の一部または全部を事業譲渡契約により、他の会社に譲渡売却)するM&Aのスキーム(手法)です。事業に関連する資産なども合わせて譲渡されますが、それらは選別され双方が合意したもののみ譲渡されます。

事業譲渡の手続きは会社法の規定によりますが、特に、事業を構成する債権債務、契約上の地位の移転などには、それぞれの契約の相手方の承諾を得ることが必要です。この点が、一見、類似して見えるスキーム(手法)である会社分割とは異なります。

②株式譲渡

②株式譲渡

株式譲渡とは、売り手と買い手の間で対象企業の株式売買を行います。具体的には、対象企業の株式を対象企業の株主から取得して、対象企業を子会社化するM&Aのスキーム(手法)です。

当事会社においては原則として特段の手続きを必要とせず、対象会社の株主との間の個々の合意によって株式を取得します。株式売却によって会社の経営権を譲渡する、つまりは会社を丸ごと譲り渡すのです。

仮に、売却側においてM&Aの対象にしたくない資産があったとしても、株式譲渡では、事業譲渡のような選別はできませんから、M&A成立後に買い戻す必要があります。

従来は、最も簡単なM&Aのスキーム(手法)だったので主流でした。しかし、近年、会社分割スキーム(手法)が使いやすくなった影響で、状況が変わりつつあります。

③株式交換

株式交換とは、売り手企業の発行済株式の全部を、買い手企業の株式または社債、新株予約権、現金と交換するM&Aのスキーム(手法)です。株式交換の特徴は、強制的に売り手企業の株式を買い取れることであり、結果として完全親子会社関係となります。

強制的に売り手企業の株式を買い取れる特徴から、上場企業のM&Aでよく用いられるM&Aのスキーム(手法)です。株式譲渡と同様に、M&Aの対象にしたくない売り手企業が所有する資産は、M&A成立後に買い戻す必要があります。

株式交換の手続きは会社法の規定によりますが、会社法上の組織再編行為に当たるので、当事会社の双方で株主総会の特別決議が必要になるとともに、双方の会社の株主に株式の買取請求が認められており、当事会社は対応が必要です。

下のスキーム図(手法図)では、株式交換対価が自社株式の場合と、自社株式以外の場合に分けて示しています。

株式交換(自社株式を交付)

③株式交換(自社株式を交付)

買い手企業は売り手企業株式の全部を取得し、対価として、売り手企業株主に自社株式を交付します。

株式交換(自社株式以外を交付)

③株式交換(自社株式以外を交付)

買い手企業は売り手企業株式の全部を取得し、対価として、売り手企業株主に自社株式以外(現金など)を交付します。

④株式移転

株式移転とは、売り手企業の発行済株式の全部を、新たに設立する企業に取得させるM&Aスキーム(手法)です。結果として、完全親子会社関係ができます。

株式交換と株式移転の違いは、株式交換が発行済株式の全てを他の株式会社または合同会社に取得させるのに対して、株式移転は1または2以上の株式会社が、発行済株式の全てを新たに設立する株式会社に取得させることです。

株式移転は、持株会社を設立するなど、複数の会社がホールディングカンパニー体制に移行する場合に用いられるM&Aのスキーム(手法)です。以下のスキーム図(手法図)では、それぞれのケースに分けて示しています。

株式移転(持株会社設立後、株式譲渡する)

④株式移転(持ち株会社設立後、株式譲渡)

売り手企業が単独で、完全親会社(持株会社)を設立し、その後、買い手企業が売り手企業の株式を取得します。

株式移転(共同で持株会社を設立)

④株式移転(共同で持ち株会社設立)

売り手企業と買い手企業が共同で持株会社を設立し、ホールディングカンパニー体制に移行します。設立した持株会社は両企業の株式の全部を取得し、対価として両企業の株主に持株会社の株式を交付するのです。

⑤会社分割・吸収分割

会社分割とは、売り手企業が該当事業に関して有する権利義務の全部または一部を、買い手企業に包括的に承継させるM&Aのスキーム(手法)です。

会社分割は、まず、権利義務を既存の企業に引継がせる吸収分割か、新しく設立する企業に引継がせる新設分割かによって、2つに分類されます。

さらに、引継ぐ権利義務の対価として承継会社が交付する財産を、分割会社が受け取る分社型分割か、分割会社の株主が受け取る分割型分割かによっても2分されるため、少々難解です。

そして、これらの組み合わせにより、会社分割には4つのタイプがあります。会社分割の手続きは、会社法の規定に従うこととなりますが、この4つのタイプのどれを取るかによって、手続きの内容は異なるので、その選択には注意が必要です。

以下では、会社分割の4タイプそれぞれについて、スキーム図(手法図)で示します。

分社型吸収分割(株式対価の場合)

⑤分社型吸収分割(株式対価の場合)

吸収分割により、分割会社(売り手企業)が承継会社(買い手企業)に事業の権利義務を承継させ、その対価として売り手企業に買い手企業の株式を交付します。

分社型吸収分割(金銭などが対価の場合)

⑤分社型吸収分割(金銭等対価の場合)

吸収分割により、分割会社(売り手企業)が承継会社(買い手企業)に事業の権利義務を承継させ、その対価として売り手企業に金銭など(買い手企業の株式以外の財産)を交付します。

当事会社間に資本関係は残らず、売り手企業は買い手企業に、事業の権利義務を切り売りしたことになるのです。

分割型吸収分割(株式対価の場合)

⑤分割型吸収分割(株式対価の場合)

吸収分割により、分割会社(売り手企業)が承継会社(買い手企業)に事業の権利義務を承継させ、その対価として売り手企業の株主に買い手企業の株式を交付します。

分割型吸収分割(金銭などが対価の場合)

⑤分割型吸収分割(金銭等対価の場合)

吸収分割により、分割会社(売り手企業)が承継会社(買い手企業)に事業の権利義務を承継させ、その対価として売り手企業の株主に金銭など(買い手企業の株式以外の財産)を交付します。

⑥会社分割・新設分割

新設分割は、会社分割のうち、企業がその事業に関して有する権利義務の全部または一部を、新たに設立する会社に承継させるものです。新設分割は、単独で行う場合と、他の会社と共同して行う場合とがあります。

新設分割も、吸収分割のように、さらにタイプが分かれますので、それぞれ分けて以下のスキーム図(手法図)にて示しました。

分社型新設分割

⑥分社型新設分割

新設分割により、分割会社(売り手企業)が設立会社(対象事業のみの子会社)に権利義務を承継させ、その対価として、売り手企業に設立会社の株式を交付します。その後、買い手企業が、売り手企業から設立会社の株式を取得する流れです。

分割型新設分割

⑥分割型新設分割

新設分割により、分割会社(売り手企業)が設立会社(対象事業のみの子会社)に権利義務を承継させ、その対価として、売り手企業の株主に設立会社の株式を交付します。その後、買い手企業は、売り手企業の株主から設立会社の株式を取得する流れです。

共同新設分割

⑥共同新設分割

売り手企業と買い手企業は共同で会社を設立し、分割会社(売り手企業)が設立会社に権利義務を承継させ、その対価として、売り手企業と買い手企業に設立会社の株式を交付します。

⑦会社合併

会社合併とは、2つ以上の会社が契約によってその権利義務全部を他の会社に包括的に承継させ、1つの会社に合体するM&Aのスキーム(手法)です。存続会社以外は、消滅することになります。

会社合併では、既存の会社が存続会社となる吸収合併と、新設会社が存続会社となる新設合併があり、以下のスキーム図(手法図)でも、それぞれ分けて掲示しました。

吸収合併(株式対価の場合)

⑦吸収合併(株式対価の場合)

吸収合併とは、ある会社が他の会社と合併し、その結果、合併によって消滅する会社の権利義務の全部を、合併後、存続する会社に承継させる手法です。

このスキーム図(手法図)の内容は、買い手企業が売り手企業を吸収合併し、買い手企業は合併の対価として、売り手企業の株主に自社の株式を交付しています。

吸収合併(金銭などが対価の場合)

⑦吸収合併(金銭等対価の場合)

買い手企業が売り手企業を吸収合併し、買い手企業は合併の対価として、売り手企業の株主に現金を交付します。

新設合併

⑦新設合併

新設合併は、2つ以上の会社がする合併で、合併によって消滅する会社の権利義務の全部を合併後、存続する会社に承継させる手法です。

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3. M&A各スキーム(手法)のメリット・デメリット

M&A各スキーム(手法)のメリット・デメリット

ここでは、前章で説明した以下の各M&Aスキーム(手法)について、そのメリット・デメリット、そして、どんな会社に向いているかについて解説します。
 

  1. 事業譲渡
  2. 株式譲渡
  3. 株式交換
  4. 株式移転
  5. 会社分割・吸収分割
  6. 会社分割・新設分割
  7. 会社合併

①M&Aスキーム(手法)事業譲渡のメリット・デメリット

①M&Aスキーム(手法)事業譲渡のメリット・デメリット

事業譲渡とは、企業が有する事業の一部または全部を、事業譲渡契約により他の会社に譲渡(売却)するM&Aのスキーム(手法)です。

事業譲渡の主なメリット

事業譲渡のメリットは、事業のみのM&Aであることから、過去のリスクを完全にカットできる(商号を引き継ぐ場合にはその部分のリスクは残る)ことです。

事業譲渡では、事業に関連して移転させる資産・負債などは、それぞれ契約書で明確にします。それ以外の資産・負債は一切、買い手に移転しないため、買い手にとっては安心感のあるスキームです。

なお、M&A対象外の資産は売り手企業に残るので、売り手も無理に保険などを解約する必要はありません。また、会社分割のような法的な手続きがないため、事業規模が小さい場合にはスピーディーなM&Aが可能なこともメリットです。

そして、事業譲渡の場合、その売却益に法人税がかかりますが、売却益の計算では、売却した資産・負債の簿価が売却原価になるので、資本金が売却原価となる株式譲渡と比べ、売り手企業に大きな節税効果が発現することがあります。

一方、買い手企業では、買収対価と移転させた資産・負債の時価との差額があれば、それは税務上ののれんです。こののれんにより、節税効果が発生します。

事業譲渡の主なデメリット

事業譲渡の手続きは小さい事業の売買には適していますが、中規模以上のビジネスでは、従業員や取引先との契約の移転手続きが非常に煩雑です。したがって、ある程度、規模がある場合は、会社分割を使うようにしましょう。

また、従業員は突然、就業先の会社自体が変わるため、譲受企業の社内ルールに合わせなければなりません。急な環境変化は関係者には大きなストレスとなるので、M&A直後の混乱リスクが他のスキームより高いといえます。

譲渡された事業は経営母体が変わるわけですから、事業の許認可は取り直しが必須です。この点の手間も、他のM&Aスキーム(手法)にはないデメリットになります。

なお、事業譲渡では、売買代金が個人(株主)ではなく企業に入るので、売却益の使い方には考慮が必要です。

どんな会社におすすめか

後述する株式譲渡に比べ、事業のみを売却でき、税制面でも優れていますが、従業員や取引先との再契約や許認可の取り直しなどを考慮すると、売買する事業規模が小さい場合におすすめであるM&Aのスキーム(手法)といえます。

②M&Aスキーム(手法)株式譲渡のメリット・デメリット

②M&Aスキーム(手法)株式譲渡のメリット・デメリット

株式譲渡とは、売り手と買い手の間で対象企業の株式売買を行うことであり、対象企業の株式をその株主から取得して、対象企業の経営権を獲得するM&Aのスキーム(手法)です。

株式譲渡の主なメリット

株式譲渡は手法がシンプルなため、スピーディーな取引が可能です。独占禁止法の審査がない限り(中小企業ではまずない)、特に法的な規制はなく、最終契約日当日にM&Aをクロージングすることも可能です。

会社が持っている現預金は、株価に織り込まれて売り手企業の株主個人の収入になるので、税金面では非効率ですが、会社からお金を引き出すことなく個人にキャッシュが入るのは利点といえるでしょう。

従業員にとっては、事業譲渡と異なり、買収と同時に買い手企業の社内ルールに合わせる必要がなく、基本的にM&A直後の混乱リスクがありません。また、事業譲渡と異なり会社ごと売買されるため、事業に必要な許認可の再取得は不要です。

株式譲渡の主なデメリット

株式譲渡は、税金面やリスク面などでデメリットがあります。株式の価額は、M&A対象外資産の分も上乗せされたうえでの課税対象です。また、M&A対象外資産の買戻しの際、資産に含み益がある場合は、これに対しても課税されます。

そして、税金面で非効率なうえ、節税する手段はほとんどありません。売却代金の一部を役員退職金で支払い、売却益を減額することによる節税ぐらいしかできず、節税効果としては数百万円が限度です。

売り手企業の資産として、役員向けの貯蓄型生命保険や養老保険を契約していた場合、解約返礼率のピークで解約しないと損をすることになりますが、株式譲渡では問答無用で解約や買い取りとなります。船舶リースなどの税金対策用オペレーティングリースも同様です。

買い手企業のデメリットとして、会社が過去に行った活動(M&A後にM&A前の労働問題が発覚した場合など)の責任を取らなければならないという問題があります。デューデリジェンスで、ある程度は発見可能ですが、完全にリスクカットはできません

なお、買い手にこれらのデメリットがありますので、売り手にとってはその分、売却価額が下がることになります。

どんな会社におすすめか

事業譲渡と異なり、従業員や取引先との契約の移転手続きが不要ですので、売買する事業規模が比較的大きい場合におすすめとなるM&Aのスキーム(手法)といえます。

事業譲渡に比べ、M&A対象外資産の買戻しが必要であり、税金面やリスク面などでデメリットはりますが、スピーディーな売却が可能で売却代金が株主にキャッシュで入るため、すぐにキャッシュが必要な場合におすすめであるM&Aのスキーム(手法)です。

③M&Aスキーム(手法)株式交換のメリット・デメリット

③M&Aスキーム(手法)株式交換のメリット・デメリット

株式交換とは、売り手企業の発行済株式の全部を、買い手企業の株式または社債、新株予約権、現金と交換するM&Aのスキーム(手法)で、特徴は、強制的に売り手企業の株式を買い取れることです。

株式交換の主なメリット

株式交換では、買い手企業のメリットとして、買収する企業の自社株式・社債・自社株の新株予約権などを買収の対価とすれば、事業譲渡や株式譲渡では必要となる、買収・M&Aの準備資金が必要ないことが挙げられます。

また、株式交換では、買い手企業のメリットとして、株式の移転のみのため、買収・M&A先を別法人にできることです。事業譲渡や同じ会社法上の組織再編スキームの代表格の合併では、買収・M&A先を別法人にはできません。

さらに、株式交換では、買い手企業のメリットとして、買収する企業を完全子会社化できることが挙げられます。買収する企業の少数株主の個別承諾を得ることなく、その保有株式を強制的に取得(スクイーズ・アウトまたはキャッシュ・アウト)可能です。

現金を対価とした場合、会社が持っている現預金は、株価に織り込まれて売り手企業の株主個人の収入になるので、税金面では非効率なことですが、会社からお金を引き出すことなく個人にキャッシュが入ります

そして、事業譲渡と異なり、従業員には買収と同時に買い手企業の社内ルールを押しつける必要がなく、M&A直後の混乱リスクがありません。また、事業譲渡と異なり会社ごと売買されますので、事業に必要な許認可の再取得が不要です。

株式交換の主なデメリット

株式交換は会社法上の組織再編スキーム(手法)であり、株式交換による買収・M&Aでは、株主総会特別決議などの一連の法定手続きが必要となり、手続きがほかのM&Aスキーム(手法)と比べ複雑になります。

また、株式交換では株式譲渡と同様、不要な資産や簿外負債などの引き受けリスクを回避できないうえ、M&A対象外資産の買戻しの際、含み益があると課税対象です。

売り手企業の資産として、役員向けの貯蓄型の生命保険や養老保険を契約していた場合、即時での解約や買い取りとなります。船舶リースなどの税金対策用オペレーティングリースも同様です。

買い手企業のデメリットとして、会社が過去に行った活動の責任を取らなければならないという問題があり、完全にリスクカットはできません

株式交換による買収・M&Aでは、買収する企業の自社株式・自社株の新株予約権などを買収の対価とすれば準備資金は不要です。

しかし、新株発行により結果的に発行済株式総数が増加すれば、1株当たりの利益が小さく(希薄化)なり、親会社の株価が下落する可能性があります。

なお、株式交換による買収・M&Aでは、買収される子会社の株主が買収する親会社の株主となることにより、子会社が親会社の経営に参画できることに注意が必要です。

どんな会社におすすめか

事業譲渡と異なり、従業員や取引先との契約の移転手続きが不要ですので、売買する事業規模が比較的大きい場合におすすめとなるM&Aのスキーム(手法)といえます。

株式交換の最大のメリットは、買収する企業の少数株主の個別承諾を得ることなく、その保有株式を強制的に取得可能なことであり、買い手企業が公開会社などで、少数株主の同意を得ることが難しい場合に有効なM&Aのスキーム(手法)です。

​株式交換では、自社株式・社債・自社株の新株予約権などを買収の対価にできるので、買収・M&Aの準備資金の確保が難しい場合に有効なM&Aのスキーム(手法)ともいえます。

現金を対価にすれば売却代金が株主にキャッシュで入るので、すぐに現金が必要な場合におすすめのM&Aのスキーム(手法)でしょう。

④M&Aスキーム(手法)株式移転のメリット・デメリット

④M&Aスキーム(手法)株式移転のメリット・デメリット
④M&Aスキーム(手法)株式移転のメリット・デメリット

株式移転とは、売り手企業の発行済株式の全部を、新たに設立する企業に取得させるM&Aのスキーム(手法)です。株式交換と同様、結果として完全親子会社関係ができます。

株式交換と株式移転の違いは、株式交換が発行済株式の全てを他の株式会社または合同会社に取得させるのに対して、株式移転は1または2以上の株式会社が、発行済株式の全てを新たに設立する株式会社に取得させることです。

株式移転の主なメリット

株式移転では、株式交換と同様、買い手企業のメリットとして、新設する会社の自社株式が買収の対価なので、事業譲渡や株式譲渡では必要となる、買収・M&Aの準備資金が必要ないことが挙げられます。

また、株式移転では、株式交換と同様、買い手企業のメリットとして、株式の移転のみのため、買収・M&A先を別法人とすることが可能です。

さらに、株式移転では、株式交換と同様、買い手企業のメリットとして、買収する企業を完全子会社化できることが挙げられます。そして、買収する企業の少数株主の個別承諾を得ることなく、その保有株式を強制的に取得可能です。

持株会社を設立して子会社を売却する場合、会社が持っている現預金は、株価に織り込まれて売り手企業の株主個人の収入になるので税金面では非効率ですが、会社からお金を引き出すことなく個人にキャッシュが入るのは利点でしょう。

事業譲渡と異なり、従業員には買収と同時に買い手企業の社内ルールを押しつける必要がなく、M&A直後の混乱リスクがありません。また、事業譲渡と異なり会社ごと売買されるので、事業に必要な許認可の再取得が不要です。

株式移転の主なデメリット

株式移転は会社法上の組織再編スキームであり、株式移転による買収・M&Aでは、株主総会特別決議などの一連の法定手続きが必要となり、手続きがほかのM&Aスキーム(手法)と比べ複雑となります。

株式移転では、株式譲渡・株式交換と同様、不要な資産や簿外負債などの引き受けリスクを回避できません。また、M&A対象外資産買戻しの際に資産の含み益があると、これが実現して課税されます。

売り手企業の資産として、役員向けの貯蓄型生命保険や養老保険を契約していた場合、即時解約・買い取りです。船舶リースなどの税金対策用オペレーティングリースも同じになります。

買い手企業のデメリットとして、会社が過去に行った活動の責任を取らなければならないという問題があり、完全にリスクカットはできません

そして、株式交換による買収・M&Aでは、株式交換と同様、買収される子会社の株主が買収する親会社の株主となることにより、子会社が親会社の経営に参画できるようになることに注意が必要です。

どんな会社におすすめか

事業譲渡と異なり、従業員や取引先との契約の移転手続きが不要なので、売買する事業規模が比較的大きい場合におすすめとなるM&Aのスキーム(手法)といえます。

株式移転は、一般的に持株会社を設立したり、複数の会社がホールディングカンパニー体制に移行したりする場合に用いられるM&Aのスキーム(手法)です。

株式移転の最大のメリットは、買収する企業の少数株主の個別承諾を得ることなく、その保有株式を強制的に取得可能なことであり、買い手企業が公開会社などで少数株主の同意を得ることが難しい場合に有効なM&Aのスキーム(手法)といえます。

​また、株式移転では新設する会社の自社株式を買収の対価にでき、買収・M&Aの準備資金の確保が難しい場合に有効なM&Aのスキーム(手法)です。

持株会社を設立して子会社を売却する場合、売却代金が株主にキャッシュで入るので、すぐに現金が必要な場合におすすめとなるM&Aのスキーム(手法)といえます。

⑤M&Aスキーム(手法)会社分割・吸収分割のメリット・デメリット

⑤M&Aスキーム(手法)会社分割・吸収分割のメリット・デメリット

吸収分割は、会社分割のうち、売り手企業がその事業に関して有する権利義務の全部または一部を、既存の買い手企業に承継させるものをいいます。

会社分割・吸収分割の主なメリット

吸収分割は、株式譲渡から財産面のデメリットを排除・緩和したスキーム(手法)になります。

M&A対象外資産は、株式譲渡と異なり無意味な売買が発生しないので、株価が無意味に高くなることもなく、無用な税金が発生せず資産の買戻しがないので、そのための税金も発生しません。

貯蓄型生命保険・養老保険契約やオペレーティングリースなど、タイミングを見て解約すべき投資は、引き続き売り手企業に残るので、急いで解約する必要がありません。

分社型分割の場合、株式売却益に法人税がかかりますが、この売却益の計算では事業譲渡と同様に売却した資産・負債の簿価が売却原価になるので、資本金が売却原価となる株式譲渡と比べ、売り手企業に大きな節税効果が発現することがあります。

事業譲渡と同様、買い手企業では買収対価と移転した資産・負債の時価との差額を、税務上、のれんにできるため節税効果が発生するのです。

事業譲渡は、従業員や取引先との契約の移転手続きを行う必要があるので小規模事業以外は不向きですが、会社分割であれば全ての契約関係を一括して移転できます。

買い手企業としては、余計な資産がなくなった状態で買えるので、買いやすくなります。そして、その分、入札が多く集まれば、売り手企業にとってもメリットです。

事業譲渡の場合は、全ての許認可は再取得が必要ですが、会社分割であれば自動的に承継されるもの・再取得ではなく管轄省庁の承認で済むものがあります。

会社分割・吸収分割の主なデメリット

吸収分割は、デメリットが少ない手法ですが、強いていえば、時間がかかることがデメリットです。ただし、ほかのスキーム(手法)である株式譲渡などでも数ヶ月間は引き継ぎ作業などが続くので、あまり大きなデメリットではないかもしれません。

会社分割は会社法上の組織再編スキームであり、株主総会特別決議などの一連の法定手続きが必要となり、手続きがほかのM&Aスキーム(手法)と比べ複雑となり、この手続きに1ヶ月程度の時間がかかります。

分社型分割の場合は、株式譲渡と異なり、売り手企業に売却代金の全額が入ります。その全てを役員退職金で個人に還元すると、税率が高くなり過大退職金のリスクもあるため、売却益の用途などには考慮が必要です。

従業員は、譲受企業の社内ルールに合わせなければならないため、M&A直後の混乱リスクが他のスキームより高いといえます。また、売り手企業が残り、余剰現金や保険契約などが残存するので、事業を手放す場合、これらをどうするか考えることも必要です。

一般的な活用方法は、投資会社として親族を役員に置き、低税率で財産を分配していきます。また、事業の一部を手元に残すケースもあるでしょう。

なお、メリットでも述べましたが、許認可の再取得が必要になることもあり得ます。スケジュールに大きな影響を与えるので、事前に管轄省庁に確認しておきましょう。

どんな会社におすすめか

事業譲渡と異なり、従業員や取引先との契約の移転手続きが不要なので、売買する事業規模が比較的大きい場合におすすめとなるM&Aスキーム(手法)です。

また、会社分割では、自社株式を買収の対価にできますので、買収・M&Aの準備資金の確保が難しい場合に有効なM&Aスキーム(手法)といえます。

分割型で現金を対価にした場合は売却代金が株主に支払われるため、すぐにキャッシュが必要な場合におすすめとなるM&Aスキーム(手法)です。

⑥M&Aスキーム(手法)会社分割・新設分割のメリット・デメリット

⑥M&Aスキーム(手法)会社分割・新設分割のメリット・デメリット

新設分割は、会社分割のうち、企業がその事業に関して有する権利義務の全部または一部を新たに設立する会社に承継させるM&Aスキーム(手法)です。また、新設分割は、単独で行う場合と他の会社と共同して行う場合とがあります。

会社分割・新設分割の主なメリット

新設分割のメリットは、吸収分割のそれとほぼ同じものが享受できます。それに加えて、新設分割独自のものとしてあるのが、経営統合面のメリットです。

事業譲渡や吸収分割の場合、買収と同時に買い手企業の社内ルールが適用されますが、新設分割の場合、一旦、子会社化され独立した会社として買収されるので、一気に社内ルールを押しつける必要がなく統合に関して時間的余裕が生まれます。

会社分割・新設分割の主なデメリット

新設分割は、事業譲渡の多くのデメリットを克服する方法ですが、吸収分割と同様のデメリットはあります。ただし、それ以外の新設分割独自のデメリットは、ありません。デメリット内容については、吸収分割の項をご覧ください。

どんな会社におすすめか

売買する事業規模が比較的大きい場合におすすめとなるM&Aスキーム(手法)といえます。また、買収・M&Aの準備資金の確保が難しい場合に有効なM&Aスキーム(手法)です。

分割型で現金を対価にした場合、売却代金が株主に現金で支払われるため、すぐに資金が必要な場合におすすめなM&Aスキーム(手法)でもあります。

⑦M&Aスキーム(手法)会社合併のメリット・デメリット

⑦M&Aスキーム(手法)会社合併のメリット・デメリット

会社合併とは、2つ以上の会社が契約によってその権利義務全部を他の会社に包括的に承継させ、1つの会社に合体するM&Aのスキーム(手法)です。

会社合併の主なメリット

金銭などが対価の場合、会社が持っている現預金は株価に織り込まれて、売り手企業の株主個人の収入になります。税金面では非効率なことですが、会社からお金を引き出すことなく、個人に現金が入るので便利な方法です。

許認可については、会社合併では、自動的に承継されるもの、再取得ではなく管轄省庁の承認で済むものがあります。

会社合併の主なデメリット

会社合併は、税金面やリスク面などでデメリットがあります。株式の価格には、M&A対象外資産の分も上乗せされるため課税対象となり、M&A対象外資産の買戻しの際に含み益があると、これも課税の対象です。

また、会社合併は会社法上の組織再編スキームであり、株主総会特別決議などの一連の法定手続きが必要となり、手続きがほかのM&Aスキーム(手法)と比べ複雑になるため、手続きには1ヶ月程度の時間がかかります。

売り手企業の資産として、役員向け貯蓄型生命保険や養老保険を契約していた場合、即時解約や買い取りとなります。船舶リースなどの税金対策用オペレーティングリースも同様です。

買い手企業のデメリットとして、会社が過去に行った活動の責任を取らなければならないという問題があり、完全にリスクカットはできません

従業員は、存続会社の社内ルールに合わせなければならないので少なからずストレスになるため、M&A直後の混乱リスクが他のスキームより高くなります

なお、買い手にはこれらのデメリットがあるので、売り手としてはその分、売却価額が下がることになるでしょう。

どんな会社におすすめか

売買する事業規模が比較的大きい場合におすすめとなるM&Aスキーム(手法)です。また、会社合併では自社株式を買収の対価にできるので、買収・M&Aの準備資金確保が難しい場合に有効なM&Aスキーム(手法)といえます。

逆に現金を対価にした場合、売却代金が株主に現金で支払われるため、早急にキャッシュが必要な場合におすすめとなるM&Aスキーム(手法)といえるでしょう。

各M&Aスキーム(手法)のメリット・デメリットまとめ

ここまで解説した各M&Aのスキーム(手法)のメリット・デメリットをまとめると、以下のようになります。
 

スキーム
(手法)
メリット デメリット
事業譲渡 ・事業のみをM&Aできる
・保険などを無理に解約する必要なし
・売り手に節税効果が出ることあり
・買い手の節税効果が大きい
・中規模以上では契約移転手続きが煩雑
・売り手の税金が高くなることあり
・M&A直後の混乱リスクが大きい
・許認可は取り直し
・売買代金が会社に入る
株式譲渡 ・M&A完了までのスピードが速い
・現預金の全額精算が可能
・M&A直後の混乱リスクがない
・許認可再取得が不要
・税金面で非効率
・節税手段がほとんどない
・大きな投資損失が出ることもある
・リスクカットがほぼできない
株式交換 ・買収資金の準備が必要ない
・現預金の全額精算が可能
・M&A直後の混乱リスクがない
・完全子会社化できる
・許認可再取得が不要
・法定手続きに時間がかかる
・買収した親会社の株価が下がることがある
・買収した会社の株主が自社の株主になる
・税金面で非効率
・大きな投資損失が出ることもあり得る
・リスクカットがほぼできない
株式移転 ・買収資金の準備が必要ない
・現預金の全額精算が可能
・M&A直後の混乱リスクがない
・完全子会社化できる
・許認可再取得が不要
・法定手続きに時間がかかる
・買収した会社の株主が自社の株主になる
・税金面で非効率
・大きな投資損失が出ることもあり得る
・リスクカットがほぼできない
会社分割
(吸収分割)
・無用な税金を発生させない
・保険などを無理に解約する必要なし
・分社型では売り手に節税効果の余地
・余計なものがなく買いやすい
・許認可再取得が不要の場合あり
・法定手続きに時間がかかる
・売り手の手元に会社が残る
・分社型の場合、会社に売却代金が入る
・M&A直後の混乱リスクが大きい
・許認可再取得が必要なこともある
会社分割
(新設分割)
・事業のみをM&Aできる
・保険等無理に解約する必要なし
・分社型では売り手に節税効果の余地
・買い手の節税効果が大きい
・時間をかけてM&Aできる
・許認可再取得が不要の場合あり
・法定手続きに時間がかかる
・売り手の手元に会社が残る
・分社型の場合、会社に売却代金が入る
・売り手の税金が高くなることあり
・許認可再取得が必要なこともある
会社合併 ・現預金の全額精算が可能
・許認可再取得が不要の場合あり
・税金面で非効率
・法定手続きに時間がかかる
・大きな投資損失が出ることもある
・リスクカットがほぼできない
・M&A直後の混乱リスクが大きい
・許認可再取得が必要なこともある

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4. M&Aスキーム(手法)のおすすめ一覧表

M&Aスキーム(手法)のおすすめ一覧表

前章で述べました各M&Aスキーム(手法)のおすすめ企業についても、ここに一覧表にまとめ掲示します。比較の際にお役立てください。
 

スキーム
(手法)
どんな会社におすすめか
事業譲渡 ・売買する事業規模が小さい場合
株式譲渡 ・売買する事業規模が比較的大きい場合
・すぐにキャッシュが必要な場合
株式交換 ・売買する事業規模が比較的大きい場合
・少数株主の同意を得ることが難しい場合
・M&Aの準備資金確保が難しい場合
・すぐにキャッシュが必要な場合
株式移転 ・売買する事業規模が比較的大きい場合
・持株会社を設立する場合
・少数株主の同意を得ることが難しい場合
・M&Aの準備資金確保が難しい場合
・すぐにキャッシュが必要な場合
会社分割
(吸収分割)
・売買する事業規模が比較的大きい場合
・M&Aの準備資金確保が難しい場合
・すぐにキャッシュが必要な場合(分割型)
会社分割
(新設分割)
・売買する事業規模が比較的大きい場合
・M&Aの準備資金確保が難しい場合
・すぐにキャッシュが必要な場合(分割型)
会社合併 ・売買する事業規模が比較的大きい場合
・M&Aの準備資金確保が難しい場合
・すぐにキャッシュが必要な場合

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5. M&Aスキーム(手法)の比較評価一覧表

M&Aスキーム(手法)の比較評価一覧表

各M&Aスキーム(手法)を項目別に評価すると以下のようになります。それぞれの特徴を比較して、自社に合ったスキーム(手法)を選択することが大切です。
 

項目 事業譲渡 株式譲渡 株式交換 株式移転 吸収分割 新設分割 会社合併
スピード感
リスクカット × × × ×
完全子会社化 × × × ×
売り手の節税 × × × 分社型:〇
分割型:×
分社型:〇
分割型:×
×
買い手の節税 × × × ×
対象外財産処理 × × × ×
許認可 ×
入金先 会社 株主 株主 株主 分社型:会社
分割型:株主
分社型:会社
分割型:株主
株主

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6. M&A各スキーム(手法)の具体事例

M&A各スキーム(手法)の具体事例

ここでは、今まで説明してきた各M&Aスキーム(手法)が実際に用いられた、M&A事例を見てみましょう。各スキーム(手法)について最新のものをピックアップしています。

事業譲渡の具体事例:デサント子会社の事業譲渡

2020(令和2)年11月、デサントの子会社ベンゼネラルは、これまで行ってきたスポーツ用品卸販売事業について、ゼットに事業譲渡することを発表しました。事業譲渡予定月は2021(令和3)年4月で、譲渡価額は未確定となっています。

デサントとしては、グループ内の事業を直営店とEC(電子商取引)ビジネスに絞り込み、経営資源を集中させる狙いです。一方、ゼットとしては、営業力の増強、仕入れ共通化によるコスト削減などで高いシナジー効果が得られると判断しました。

株式譲渡の具体事例:任天堂への株式譲渡

2021年1月、任天堂は、カナダのゲーム開発会社Next Level Games Inc.(以下NLG)の全株式を取得し完全子会社化すると発表しました。株式譲渡予定月は同年3月、譲渡価額は公表されていません。

自社製ゲーム機販売を行う任天堂としては、専用ゲームソフトのラインアップ充実は必須になります。そこで、すでに任天堂タイトルの開発実績もあり評価も高いNLGを傘下に加えることで、よりハイクオリティなゲームソフト制作を実現しようとしたものです。

株式交換の具体事例:IDホールディングスとウィズ・ホールディングスの株式交換

2020年11月、IDホールディングスは、ウィズ・ホールディングスについて、まず、その株式の一部を取得して子会社化した後、株式交換を実施して完全子会社化することを発表しました。株式交換予定月は2020年10月です。

具体的には、まず、IDホールディングスがウィズ・ホールディングスの株式78.4%相当分を10億9,800万円で取得します。その後、親子会社間において一定の手続きを省略できる簡易株式交換を実施し、ウィズ・ホールディングスは完全子会社となるのです。

IDホールディングスは、ソフトウェア開発、システム運営管理、クラウド・セキュリティ、BPO、およびそれらのコンサルティングとともにITアウトソーシングサービス事業を行っています。

一方、ウィズ・ホールディングスはITソリューション開発を展開しており、IDホールディングスとしては、さまざまな業務においてシナジー効果が得られると判断した模様です。

株式移転の具体事例:アイペット損害保険の株式移転

2020年4月、アイペット損害保険は、株式移転を実施し完全親会社である純粋持株会社アイペットホールディングスを設立することを発表しました。設立予定月は、2020年10月となっています。

これまでペット保険事業を行ってきたアイペット損害保険ですが、今後は広くペットビジネス全般に参入していくことを決し、それを戦略的に行っていくための体制として持株会社制を選択しました。

吸収分割の具体事例:LINEの吸収分割

2020年12月、LINEは、完全子会社であるLINE Payとの間で吸収分割を実施し、LINE PayのLINE公式アカウント販売・運営事業を承継することを発表しました。吸収分割効力発生予定月は、2021年2月となっています。

LINEとしては、これまでLINE Payが行ってきたLINE公式アカウント販売・運営事業は、LINEの行っている広告事業との一体営業が必要であり、両方をLINEに集約する方が事業を強化できると判断したものです。

新設分割の具体事例:トライステージの新設分割

2020年11月、トライステージは、完全子会社トライステージメディアを設立し、トライステージの行う広告代理事業についてライステージメディアに新設分割で承継することを発表しました。新設分割予定月は、2021年2月となっています。

トライステージとしては、新設会社に事業を継承させることで、メディア企画力の強化と仕入れ効率化になると目論んでいます。

会社合併の具体事例:日清紡ホールディングスグループにおける会社合併(吸収合併)

2021年1月、日清紡ホールディングスは、グループ会社である新日本無線とリコー電子デバイスを、2022(令和4)年1月予定で合併させることを発表しました。新日本無線が存続会社、リコー電子デバイスが消滅会社となる予定です。

新日本無線は日清紡ホールディングスの100%子会社、リコー電子デバイスは日清紡ホールディングスが80%、リコーが20%の株式を持っています。両社は、日清紡ホールディングスグループにおいて、マイクロデバイス事業を行っている会社同士です。

日清紡ホールディングスとしては、マイクロデバイス事を成長・発展させ企業価値を上げていくためには、両社を統合させることが最良と判断しました。

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7. M&Aスキーム(手法)の重要性

M&Aスキーム(手法)の重要性

ここまで解説してきたように、M&Aスキーム(手法)によって、売り手企業(株主)と買い手企業(株主)のメリット・デメリットはそれぞれ異なります。

実際の企業売却・企業買収・M&Aを実行する場合には、これらのメリット・デメリットを考慮して、M&Aスキーム(手法)を選択することが重要です。

また、ケースにより節税できる場合・できない場合があるうえ、法制改正などにより手続きや税制などが変更となることも多いので、M&Aスキーム(手法)の選択には専門家への相談が必要です。

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8. M&Aの相談におすすめの仲介会社

M&Aの相談におすすめの仲介会社

出典: https://masouken.com/

M&Aを検討する際は、メリットだけでなくデメリットを把握しておくことも大切になります。買収後に不要な資産や簿外債務が残るなどのリスクを回避するためにも、M&Aを実施する際は、M&A仲介会社などの専門家に相談しながら進めるのがおすすめです。

全国の中小企業のM&Aに数多く携わっているM&A総合研究所では、豊富な実績・知識を持つM&Aアドバイザーが専任となり、相談時からクロージングまでM&Aを徹底サポートします。

これまでの実績で培った独自ネットワークを駆使し、通常は10ヶ月~1年以上かかるとされるM&Aを、最短3ヶ月でスピード成約する機動力も強みです。

料金システムは完全成功報酬制となっており、着手金や中間報酬などはなく、M&Aが成約するまで一切、費用は発生しませんし、仮にM&Aが成約しなければ、手数料の請求はありません。

また、成功報酬額は国内最安値水準ですから、安心してリーズナブルにM&Aの実現が目指せます。随時、無料相談を受けつけておりますので、M&Aを検討される際には、お気軽にお問い合わせください。

M&A・事業承継ならM&A総合研究所
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9. まとめ

まとめ

M&Aを成功させるためには、スキーム(手法)の選択などの専門知識が必要となる事項も多く、M&A仲介会社のサポートを受けながら進めていくことをおすすめします。

M&A総合研究所では、M&Aに豊富な実績・知識を持つアドバイザーが専任につきフルサポートいたしますので、スムーズなM&Aが可能です。M&Aを検討される際には、まずはお気軽に無料相談をご利用ください。

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