M&Aによるシナジー効果の成功事例10社を具体例で紹介!

M&Aを実施する目的は当事者によりさまざまですが、取り分けて多い目的はシナジー効果を期待した業績拡大です。そこで、あらためてM&Aで期待できるシナジー効果の実像について分析し、合わせてフレームワークや事例についても紹介します。


目次

  1. M&Aによるシナジー効果とは
  2. M&Aにおける5つのシナジー効果
  3. M&Aによるシナジー効果を想定したフレームワーク
  4. M&Aの際にシナジー効果が求められる理由
  5. M&Aによるシナジー効果の成功事例10選
  6. M&Aの際にシナジー効果を発揮させるには
  7. シナジー効果とM&A価額の関係
  8. M&Aの相談におすすめの仲介会社
  9. まとめ

1. M&Aによるシナジー効果とは

M&Aによるシナジー効果とは

シナジー効果とは、相乗効果という意味です。つまり、1+1が2以上になる効果のことをいいます。これをM&Aに置き換えると、会社を合併させたり、買収して傘下に加えたりした後、両社の収益が単純合算よりも大きくなるということです。

もう少し別の観点でシナジー効果をたとえると、1社だけでは乗り越えられない壁も、2社が協同してこれに当たることによって乗り越えられることがあります。この場合、壁とは障害のことではなく、売上高の数値と考えましょう。

2社がそれぞれの長所を持ち寄ったり、短所を補い合ったり、あるいはマンパワーを結集させたりなどをしたとき、そこにシナジー効果が起こり、その化学反応が業績拡大という結果をもたらすのです。

本記事では、そのM&Aにおけるシナジー効果について、理論的に分析していきます。

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2. M&Aにおける5つのシナジー効果

M&Aにおける5つのシナジー効果

M&Aにおけるシナジー効果を分類すると、以下の5種類に分けられます。

  1. 販売のシナジー効果
  2. 操業のシナジー効果
  3. 投資のシナジー効果
  4. 経営のシナジー効果
  5. 第5のシナジー効果

1つずつ内容を見てみましょう。

①販売のシナジー効果

販売のシナジー効果とは、販売において相乗効果を得ることをいいます。まずは、コスト削減の面においては、買収会社・被買収会社の流通システムを共同で使用するとコスト削減が可能です。

つまり、M&A後、売上高はこれまでの2社の数字を足し合わせた額であっても、流通コストが削減できている分、利益額の向上が見込めます。

また、買収会社・被買収会社いずれかのブランドを使ってライン拡張を行うことで、売上額が伸びるというシナジー効果も実現可能です。

②操業のシナジー効果

操業のシナジー効果とは、生産について相乗効果を得ることをいいます。たとえば、M&Aにより会社の規模が拡大すれば、製品の生産量も増加するため、原材料もそれに伴って大量に仕入れるなくてはなりません。

M&A前でも、大量仕入れによる数量割引の適用はあったでしょうが、M&A後はさらに仕入れ量が大量増加する分、今まで以上の数量割引を受けられます。

このような操業のシナジー効果は、売上額の増大よりもコスト削減の例の方が多いです。なお、操業のシナジー効果は、生産面にかかわるシナジー効果を指すことから、別名「生産のシナジー効果」とも呼ばれています。

③投資のシナジー効果

投資のシナジー効果とは、経営の投資面で相乗効果を得ることをいいます。投資のシナジー効果を得る方法は、大きく分けると以下の2つです。

  • 研究開発部門への投資による研究開発シナジー
  • ベンチャー企業への投資によるシナジー効果

研究開発シナジー

研究開発に投資をすることで、研究開発シナジーを得られます。近年、自社製品の研究開発を行うためには、莫大な費用と最先端の知識が必要であり、1つの会社が新商品を開発する数には限界があるのが現実です。

そこで、M&Aや資本業務提携という投資を行うことで、関係する会社の人材やデータなどを用いて研究開発シナジーを生み出し、新商品の開発を目指します。

ベンチャー企業とのシナジー効果

ベンチャー企業へ投資することでも、得られるシナジー効果があります。昨今、大手企業を中心に、経営者が面白いと思う事業やベンチャー企業への投資が盛んです。

これは、ベンチャー企業から得られるキャピタルゲインを期待して、行われているものもあります。

しかし、ベンチャー企業が行う事業が自社事業との関連性が高いと考えられる場合、そのベンチャー企業に投資を行うことで、将来的に投資のシナジー効果を得ようと考えている可能性もあるのです。

④経営のシナジー効果

経営のシナジー効果とは、経営のノウハウを共有することで得られる相乗効果のことです。

具体的に、経営の多角化を行うための別業種へ新規参入を考えてみます。一から別業界へ新規参入すると、その業界における経営のノウハウがないため、事業に成功する確率は低いものです。

しかし、別業界への新規参入を目的としたM&Aを行うと、被買収会社の経営ノウハウを得られるため、事業の成功率を上げられます

また、一から新規参入を行うよりも時間やコストを削減できるため、これらの面においても経営のシナジー効果を得られるのです。

⑤第5のシナジー効果

第5のシナジー効果とは、上述した4つのシナジー効果に当てはまらないシナジー効果を指しています。以下が、その具体例です。

製造会社A社は優れた技術を持っており、その製品は知っている人のなかでは高く評価されていました。しかし、さまざまな要因によりA社は資金繰りが悪化し、経営を続けていくことが困難な状態です。

A社の窮状を知ったB社は、会社規模が大きく資金面の余裕もあるため、M&Aのシナジー効果を期待してA社の買収検討を始めました。

このときのB社のロジックは、A社を買収し財務を改善すれば優れた技術を生かせるようになり、それは売上に反映され相乗効果が得られるというものです。

このようなケースのシナジー効果は、上述の4つのシナジー効果には当てはならないものであるため、第5のシナジー効果と呼ばれています。

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3. M&Aによるシナジー効果を想定したフレームワーク

M&Aによるシナジー効果を想定したフレームワーク

M&Aを行うには多額の資金をつぎ込むため、失敗はできません。したがって、M&Aによるシナジー効果を想定した戦略を、フレームワークで策定しておくことが肝要です。ここでは、M&Aにおけるフレームワークについて確認しておきましょう。

フレームワークとは

フレームワークは、直訳すると、構造・骨組み・枠組みという意味です。ただし、用いられる場面で意味合いが異なります。たとえば、バーナーワークの別称であったり、プログラミング用語としての使われ方もあったりするのです。

ここでは、もちろん、ビジネスシーンにおけるフレームワークについて述べます。ビジネスにおけるフレームワークとは、経営戦略立案や問題点の解決策策定、それらのための現状分析などを行う考え方・思考の枠組みのことです。

概念的な説明では、わかりにくいからもしれません。具体例を挙げれば、ロジックツリーやSWOT分析、パーセプションマップや5フォース分析などがフレームワークに該当します。

それらフレームワークを用いて分析・立案・策定を行うためには、買収会社・被買収会社それぞれの会社における社内外の資源(リソース)を強みと弱みに分けて把握することが必要です。

それら資源(リソース)を把握したうえで、M&Aでその強みがどのように増強されるのか、その弱みがどのように克服されシナジー効果を得るのか、思考・検討することになります。

それでは、その把握すべき内部リソースと外部リソースの内容を見てみましょう。

内部リソース

内部リソースには、人・物・金・情報などがありますが、ここでは、内部リソースがもたらすシナジー効果について例を挙げて掲示します。

なお、M&Aを行う際に把握するべき内部リソースは、その会社の状況によって異なるものです。そのため、実際にフレームワークを用いる際には、この記事で紹介する以外のリソースについても把握する必要があることは覚えておいてください。

また、実際にM&Aを行う場合には、検討段階からM&Aの専門家に相談するとよいでしょう。ほとんどの中小企業にとって、おそらくM&Aは初めての経験でしょうから、知識と経験を持つ専門家に頼るべきです。

おすすめの専門家として、全国の中小企業のM&Aに数多く携わっているM&A総合研究所があります。

豊富な経験と知識を持つM&Aアドバイザーが在籍しており、無料相談を随時、受けつけていますから、フレームワークを用いてシナジー効果を検討する場合でも、適切なアドバイスが受けられます。

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①人がもたらすシナジー効果

人がもたらすシナジー効果の例として、経営のシナジー効果があります。

経営のシナジー効果とは、経営のノウハウなどを指しますが、通常、経営のノウハウは文書化されていない場合が多く、人(特に経営者)によって伝えられるものです。

このほかにも、熟練した技術を持っている技術者や営業部での営業ノウハウを持っている社員などは、シナジー効果をもたらす可能性があるため、強みとしてとらえられます。

②物がもたらすシナジー効果

物がもたらすシナジー効果の例としては、操業のシナジー効果があります。

製造業にとって、生産工場は強みです。同じ原料で製品を製造している会社同士がM&Aを行うと、購入する原材料が増加するため、大量購入による割引を受けられるようになります。

つまり、規模の経済性によりコストを抑えられるという、操業のシナジー効果を得られるのです。

③資金がもたらすシナジー効果

資金がもたらすシナジー効果の例として、第5のシナジー効果があります。

被買収会社が優れた技術力・開発力・特許などを持っていても資金繰りが悪化して売上が減少している場合、シナジー効果を得ることが可能です。

つまり、被買収会社にとって現在の資金繰り悪化は弱みですが、M&Aを行い資金を投入することで、その弱みを克服し売上を増大させられます。

外部リソース

外部リソースとしては、顧客や取引先、規制緩和などです。

外部リソースについても、内部リソースと同様に、その会社の状況によって把握するべき外部リソースは異なります。M&Aでフレームワークによる策定を行う際には、M&A総合研究所などM&Aの専門家に相談するようにしましょう。

①顧客がもたらすシナジー効果

顧客がもたらすシナジー効果の例には、販売のシナジー効果があります。

それぞれ、別の顧客層を対象に物の販売を行っている2社の例で確認しましょう。

この2社がM&Aを行うことで、それぞれの異なる顧客層についての情報を共有できるようになります。その情報を基に、どちらの顧客層でも販売できる商品を開発すれば、売上増加は確定的です。

②取引先がもたらすシナジー効果

取引先がもたらすシナジー効果の例として、第5のシナジー効果があります。

具体的には、経済価値の高い原料を用いて商品を製造しているメーカーを一例としましょう。

この原料は希少性も高いため、供給元が数社しかなく、非常に高価格で取引されています。そこで、同じ原料を用いていて、かつ供給元が異なっているメーカーとM&Aを行うとしましょう。

すると、供給元の間で価格競争を起こせるため、希少性が高いにも関わらず、比較的安価で購入できるようになるというシナジー効果の可能性があります。

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4. M&Aの際にシナジー効果が求められる理由

M&Aの際にシナジー効果が求められる理由

M&Aの際にシナジー効果が求められる理由は、リスクを回避して売上を増加させるためです。

通常、売上を増加させるためには、新規事業を立ち上げるという戦略を取ります。そして、新規事業を立ち上げる際には、既存事業からノウハウなどシナジー効果を得る形で進められるものです。

しかし、新規事業を立ち上げても、成功するかどうかはわからないというリスクがあります。その点、M&Aではうまく経営統合できるかというリスクはありますが、新規事業を立ち上げるよりもリスクは低いと考えていいでしょう。

ただし、単にM&Aを行っただけでは利益は足し算的にしか増加しないため、新規事業の立ち上げよりも増加の程度は低くなります。

これらの戦略のメリット部分のみを合わせた戦略が、シナジー効果を考えたM&Aです。この戦略では、新規事業の失敗というリスクは回避でき、かつシナジー効果を得ることで利益を増大させられます。

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5. M&Aによるシナジー効果の成功事例10選

M&Aによるシナジー効果の成功事例10選

この章では、M&Aでシナジー効果を得ることに成功した10社の事例を掲示します。

  1. ソフトバンクによる日本テレコムのM&A
  2. 楽天によるマイトリップネットのM&A
  3. JTによる海外タバコメーカーのM&A
  4. LinkedInによるSlideShareのM&A
  5. Googleによる各種IT企業のM&A
  6. カシオによるリプレックスのM&A
  7. 日本電産による国内外のM&A
  8. 桧家ホールディングスによるレスコハウスのM&A
  9. クリエイト・レストランツ・ホールディングスによるSFPダイニングのM&A
  10. あなぶきグループによるジョイフルサンのM&A

①ソフトバンクによる日本テレコムのM&A

ソフトバンクは、携帯電話事業など通信・情報系の事業をメインに行っています。一方、日本テレコムも通信・情報系の事業を行っており、ODNというインターネットサービスプロバイダーを運営していました。

M&Aの経緯・目的

ソフトバンクが日本テレコムの買収を行ったのは、2004(平成16)年のことです。買収額は約3,400億円と超大型のM&Aであったため、当時注目を浴びました。このM&Aの目的は大きく2つあると、ソフトバンクの孫社長は述べています。

1つ目の目的は、ODNブランドです。2004年当時、ソフトバンクのインターネット事業は、ヤフーを基盤に展開していました。

しかし、ソフトバンクがインターネット事業に参入してからの歴史が浅いことや、情報漏洩問題があったことから顧客からの信用は低下していたのです。そこで、信用低下の改善とソフトバンクユーザーを増やすためにM&Aが行われました。

目的の2つ目は、通信インフラの統合です。当時、顧客数が少なかったため、インターネット回線の整備が進んでいない状況でした。しかし、ODNユーザーはヤフーユーザーよりも多く、インターネット回線の整備が進んでいたため、インフラの統合を目的にM&Aを行ったのです。

M&Aによるシナジー効果

ODNブランドに対するシナジー効果ですが、日本テレコムのノウハウによって、情報漏洩などの問題を起こすことがなかったため信用を回復していきました。

また、各ユーザーの統合を行い、インターネット事業をヤフーに統一することで、営業費の削減を行うことに成功しています。

さらに、インフラの統合を行うことで回線負担を緩和でき、顧客満足度の向上にも成功しました。現在、ヤフーは国内で有名な検索エンジンとなっており、ソフトバンクと日本テレコムのM&Aは成功したといえます。

②楽天によるマイトリップネットのM&A

楽天は、主としてインターネット事業を行っている企業です。一方、マイトリップはインターネットを通してホテル予約ができる旅客事業を行っていました。

M&Aの経緯・目的

楽天がマイトリップの買収を行ったのは2003(平成15)年で、買収額約232億円でM&Aを行いました。

M&Aの目的ですが、当時の楽天は楽天市場というオンラインショッピングの事業に成功しており、次のインターネットを使った事業として、旅行関係の事業を行えないかという考えのもとM&Aが行われたのです。

M&Aによるシナジー効果

現在、マイトリップは楽天トラベルと社名を変更しており、ホテル予約以外にも旅行のパッケージ販売などを行っています。

このM&A事例以降も楽天は積極的なM&Aを行っており、楽天経済圏の構築に成功したといえるでしょう。つまり、楽天を使えばどのようなサービスでも受けられるというビジネスモデルを確立させたのです。

③JTによる海外タバコメーカーのM&A

JTは、日本専売公社のたばこ事業を民営化することで誕生した企業です。

M&Aの経緯・目的

日本でたばこ事業を行っているのはJTのみです。しかし、たばこは健康を害するという教育の広がりや、分煙が積極的に行われていることなどが原因で喫煙者が年々、減少しており、JTの売上も低下していました。

JTはこの状況を打開するため、海外に進出する戦略を取ったのです。

M&Aによるシナジー効果

JTは、海外のたばこ事業を積極的なM&Aで買収した結果、売上高が2015(平成27)年には連結で2兆円を突破する大企業に成長しました。このM&Aでは、経営のシナジー効果などが得られています。

海外でたばこ事業を行うことは、JTにとっては新規参入です。現地でのたばこの需要や好みなどを一から調査するには時間やコストがかかりますが、M&Aを行うことでその手間を省き、利益の向上につながっています。

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④LinkedInによるSlideShareのM&A

LinkedInは、世界最大級のビジネス特化型SNSを行っているアメリカの企業です。一方、SlideShareはパワーポイントなどスライドのサービスを行う企業になります。

M&Aの経緯・目的

2012(平成24)年、LinkedInはSlideshareを約1億2,000万ドルで買収しました。もともと、この2社が行っている事業が近いことや、マイクロソフトの傘下にあることからM&Aが行われています。

M&Aによるシナジー効果

LinkedInはビジネス向けSNSに強みがあり、Slideshareはスライド部門に関して強みがあることから、ビジネスパーソン向けのサービスを提供する点でシナジー効果を得ています。

⑤Googleによる各種IT企業のM&A

Google(以下、グーグル)とは、世界最大の検索エンジンサイトを運営しているアメリカの企業です。

M&Aの経緯・目的

グーグルのIT企業の買収の例として、ユーチューブの買収があります。このM&Aは2006(平成18)年に行われ、買収額は17億ドルでした。

その他にも、グーグルはさまざまなIT企業の買収を行っています。グーグルの数々のM&Aの目的は、デジタル広告やモバイル事業に注力するためとのことでした。

M&Aによるシナジー効果

グーグルのM&Aは、楽天と同様に新規事業への参入や事業の拡大が目的です。そのために、経営のノウハウを入手し、経営のシナジー効果を得ていると考えられます。

⑥カシオによるリプレックスのM&A

カシオは、カメラや計算機の開発・製造を行っている会社です。一方、リプレックスは写真機能に関するアプリケーションの開発を専門に行っている会社になります。

M&Aの経緯・目的

カシオは、2013(平成25)年にリプレックス社の株式を全て取得する買収を行いました。カシオはカメラのハード面については専門的な知識と技術を持っていますが、デジタルカメラのソフト面については他社のデジタルカメラに比べて遅れている状態だったのです。

M&Aによるシナジー効果

このM&Aの事例で得られたのは、投資のシナジー効果、特に研究開発のシナジー効果を得ることに成功しています。

デジタルカメラについて、ハード面はカシオが持っている知識や技術を使い、ソフト面はリプレックスが持っていた技術を使って最新のデジタルカメラの開発を行いました。その結果、最先端のデジタルカメラの開発に成功し、利益増加に貢献しています。

⑦日本電産による国内外のM&A

日本電産は、モーター製造を中心とする電気製品メーカーです。

M&Aの経緯・目的

日本電産は、1984(昭和59)年から現在まで61件のM&Aを行っています。これほどの数のM&Aを行っている理由は2つです。1つは新規技術を手に入れるため、もう1つは経営のリスク分散を行うためです。

M&Aによるシナジー効果

日本電産は楽天やグーグルと同じように、M&Aにより事業の拡大に成功しています。つまり、被買収会社の経営のノウハウを入手して、経営のシナジー効果を得ていると考えていいでしょう。

⑧桧家ホールディングスによるレスコハウスのM&A

桧家ホールディングスとは、子会社に桧家住宅を持っている持株会社のことです。一方、レスコハウスは住宅などの設計・建設を行っている会社になります。

M&Aの経緯・目的

桧家ホールディングスは、2016(平成28)年にレスコハウスを完全子会社化しました。子会社の桧家住宅は、安価で住宅の建設を行うことに強みがありましたが、さらに売上を伸ばすためにM&Aを行ったと考えられます。

M&Aによるシナジー効果

このM&Aの事例では、販売のシナジー効果が得られたのではないかと考えられます。レスコハウスは、コンクリートプレハブのパイオニアであり、この技術は強みです。

レスコハウスの技術を用いた製品を桧家住宅が持っている営業のノウハウで安価に販売することで売上の増加につなげています。

⑨クリエイト・レストランツ・ホールディングスによるSFPダイニングのM&A

クリエイト・レストランツ・ホールディングスは、フードコートやレストランを運営している企業です。一方、SFPダイニングは、磯丸水産などの居酒屋を運営している企業でしたが、現在、社名はSFPホールディングスに変更されています。

M&Aの経緯・目的

この2社のM&Aは2014(平成26)年に行われました。クリエイト・レストランツ・ホールディングスもまた、積極的なM&Aを行うことで事業を拡大させようとしています。

M&Aによるシナジー効果

クリエイト・レストランツ・ホールディングスは、飲食業界に限ってM&Aを行っていますが、被買収会社の経営のノウハウを入手して、経営のシナジー効果を得ていると考えられます。

⑩あなぶきグループによるジョイフルサンのM&A

あなぶきグループは、不動産総合会社です。一方、ジョイフルサンは九州に拠点を置く総合スーパーになります。

M&Aの経緯・目的

このM&Aは、2018(平成30)年に行われましたが、ジョイフルサンは売上が低迷しており、事業再建目的で売却を行っています。

一方、あなぶきグループは、事業展開の多角化を行っているため、シナジー効果を得られそうな事業であれば買収を行っていました。

M&Aによるシナジー効果

あなぶきグループの不動産事業とジョイフルサンのスーパー事業で、シナジー効果が得られると考えられます。具体的な施策としては、あなぶきグループが開発するマンションに、ョイフルサンを出店させるなどです。

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6. M&Aの際にシナジー効果を発揮させるには

M&Aの際にシナジー効果を発揮させるには

M&Aでシナジー効果を発揮させるためには以下の3つが重要です。

  1. M&Aのタイミング
  2. M&A後の統合プロセス
  3. アナジー効果を防ぐこと

これら3つの方法について紹介します。

①M&Aのタイミングが重要

M&Aでシナジー効果を発揮させるにはタイミングが重要です。特に販売のシナジー効果や研究開発のシナジー効果は、タイミングに大きく左右されます。

たとえば、研究開発シナジーの場合、実際に売上につながり出すのは最速でも5年はかかるでしょう。したがって、5年後に新商品を販売して利益を得られるか十分に予測したうえでM&Aを行う必要があります。

②M&A後の統合プロセスが重要

M&A後の経営統合プロセス(PMI=Post Merger Integration)は、買い手側にとってM&Aで一番重要なプロセスです。

M&A後の統合プロセスには、一般的に半年以上かかります。そして、M&Aによるシナジー効果は、統合がうまくいって初めて徐々に効果が表れてくるものです。

経営者は、統合プロセスが完了するまでリーダーシップを発揮する必要があり、なおかつ、シナジー効果を得られるまでにはゆとりのあるスケジューリングが必要になります。

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③ピュアカンパニー化でアナジー効果を防ぐのも手段

アナジー効果とは、相互のマイナス効果のことで、シナジー効果の対義語になります。一方、ピュアカンパニー化とは、会社もしくは事業を分割し、それぞれの会社が経営を行っていくことです。

つまり、M&Aによりアナジー効果が出た場合には、即座にピュアカンパニー化を行い、以前の状態に戻すことでアナジー効果を消滅させます。

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7. シナジー効果とM&A価額の関係

シナジー効果とM&A価額の関係

M&Aで売却側の企業の価額を決める場合、交渉の前段階で行われるのが企業価値算定です。この算定には、さまざまな専門的方法から適するものが選ばれ用いられています。その算定において出てくる概念が、「のれん」です。

一般に、M&Aでののれんとは、売却企業の将来の収益力を評価し期待して加算した金額になります。また、具体的な収益力だけでなく、その企業のブランド力などを評価し金額換算することもあるのが、のれんです。

こう書くと、一見、期待されるシナジー効果も、のれんとして加味されているように感じるかもしれません。しかし、一般的な企業価値算定において、理論的にシナジー効果は、のれん代に算入しないものです。

ただし、交渉過程において売買当事者同士が合意できれば、シナジー効果分も加味された売却価額となることは、大いにあり得ます。

買い手側として気をつけたいのは、売却企業が有望で人気があって、交渉相手を決めるために入札が行われるケースです。

このときの入札額として、シナジー効果分を加味していない、理論上は正しい算定価額にした場合、シナジー効果分を加算した金額で入札した他社に競り負けてしまうでしょう。

M&A後、シナジー効果が得られないリスクもあるため、どちらの金額にするかは考え方次第ですが、念のため覚えておいてください。

なお、企業価値算定についての詳しい解説は以下の記事に掲載されています。よろしければ参考にしてください。

【関連】M&Aによる企業価値評価の算定方法を種類別に徹底解説!

8. M&Aの相談におすすめの仲介会社

M&Aの相談におすすめの仲介会社

M&Aによるシナジー効果を得るためには、買収会社・被買収会社の強みと弱みを把握し、そこからどのようなシナジー効果が得られるか、フレームワークも駆使して戦略を練る必要があります。

そのことも含めて、M&Aの成功率を高めるためには、M&Aの検討当初からM&Aの専門家に相談することがベストです。

シナジー効果の見積り以外にも、M&Aの各プロセスでは専門的な知識が欠かせませんから、M&A総合研究所のように実績あるM&A仲介会社を活用しましょう。

M&A総合研究所では、豊富な経験と知識を持つM&Aアドバイザーが専任となって、相談時からクロージングまで徹底サポートすることによって、通常は10ヶ月~1年以上かかるとされるM&Aを、最短3ヶ月でスピード成約する機動力という強みもあります。

料金システムは完全成功報酬制であり、着手金や中間報酬などはなく、M&Aが成約するまで一切、費用は発生しませんし、仮にM&Aが成約しなければ手数料の請求はありません。

また、成功報酬額は国内最安値水準ですから、安心してリーズナブルにM&Aの実現が目指せます。随時、無料相談を受けつけておりますので、M&Aを検討される際は、お気軽にお問い合わせください。

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9. まとめ

まとめ

本記事では、一般的に考えられるM&Aにより得られるシナジー効果について紹介しました。ここで紹介したシナジー効果を参考に、自社に応じたM&A戦略を策定してみましょう。

また、M&A戦略の策定で困ったことがあったら、M&Aの専門家に相談する必要があります。その際には、ぜひM&A総合研究所までご相談ください

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