M&Aの仲介手数料の種類や支払うタイミング、相場を徹底解説!

M&Aの仲介手数料について知識を持っておけば、低コストで仲介会社への依頼も可能です。しかし、M&A仲介会社によって手数料の相場や支払いのタイミングが違うことから失敗してしまう人も少なくありません。M&A仲介手数料の相場やポイントを理解して、仲介会社を有効活用しましょう。


目次

  1. M&A仲介手数料の6つの種類と相場
  2. 成功報酬の算出で使うレーマン方式とは?
  3. 仲介手数料を払ってでもM&A仲介会社に依頼すべき!
  4. M&Aの仲介手数料で起きうるトラブル3選
  5. できるだけM&A仲介手数料を下げる3つのコツ
  6. まとめ

1. M&A仲介手数料の6つの種類と相場

M&A仲介手数料の6つの種類と相場

M&A仲介手数料はそれぞれの仲介会社によって異なりますが、大きく6つの種類に分けることができます。

6つの種類とは以下のようなものです。

  1. 相談料
  2. 着手金
  3. 企業調査手数料
  4. 月額報酬(コンサルタント料)
  5. 中間報酬
  6. 成功報酬

各M&A仲介会社の公式サイトで各種手数料の金額が記載されていますが、内容がわからない人も多くいます。ですので、それぞれの手数料について詳しく説明していきます

手数料1.相談料

相談料とは、M&A仲介会社に依頼をするときに発生する手数料のことです。

自身に合った仲介会社を選び動き出すときには、必ず相談するところから始まります。

相談料は1時間5,000円〜1万円程度が相場です。近年は、M&A仲介会社では「相談料無料」としている会社が増えているので確認してみてください。

相談をすることで、専門家の目線で以下のようなアドバイスを受けることができます。

  • M&Aで自社が売れるのか
  • どれくらいの価格で売れるのか
  • スケジュールはどれくらいになるのか

M&Aを検討し始めるとき「どうしたら良いのかわからず相談してみよう」と考える経営者が多いでしょう。

専門家目線でのアドバイスをもらったり、M&Aを成立させたときの手数料総額を見積もりで出してもらったりする場として活用することをおすすめします。

手数料2.着手金

着手金とは、相談を受けたM&A仲介会社が実際に動き出したときに発生する手数料のことです。

相談のあと、正式にM&A仲介業務を依頼すると決めたらアドバイザリー契約を結びます。アドバイザリー契約時に着手金を支払うのです。

着手金の相場は、50万円〜600万円程度と仲介会社によって違いが出てくる部分となります。会社の規模によって変動する仲介会社もあれば、一律で決まっていることもあるので事前に確認しておきましょう。

ちなみにこの着手金はM&Aの成功・不成功にかかわらず返金されません

着手金を支払っていても必ず成立が保証されるわけではないのです。ですから、指導や助言と一緒にアドバイスをもらいながら書類や手続きを進めていくために必要なものと割り切るようにしましょう。

出費を徹底的に抑えたい人の場合は、無料となっているところを探してみるのもおすすめです。

手数料3.企業調査手数料

企業調査手数料とは、仲介会社による売り手企業の内部調査のために支払う手数料のことです。

M&Aでは正しく企業価値を算定するために、仲介会社が売り手の内部調査を行います。財務や法務などを調べ、M&Aを実施しても問題ないかをチェックするのです。

企業調査手数料の相場は、数十万円〜数百万円と幅があります。

一方、着手金に企業調査手数料が含まれているケースがあったり、無料としているケースもあるので事前に確認してみてください。

費用がかなりかかるので、調査をしないで進めていきたいと考える人もいるかもしれません。しかし、企業調査を省くとM&Aの相手企業を正しく選出できなかったり、売却価格の予測を立てることもできません。

中には「思わぬ負債や訴訟を抱えていた」ということもあるので、トラブルを未然に防ぐためにも必ず調査はしておきましょう。

手数料4.月額報酬(コンサルタント料)

月額報酬とは、助言や指導を行う専門家に支払う手数料のことです。

リテイナーフィー(定額顧問料)と呼ばれ、M&Aを成立させるための活動費・アドバイス料として支払うことになります。

この月額報酬の相場は月額30万円ほどです。

助言や指導などのアドバイスを専門家目線でもらうことができるので、そのお礼としての報酬となります。M&Aは長い時間を要するものなので、ある程度は資金に余裕をもって依頼するようにしましょう。

近年では、月額報酬を成功報酬に含めて途中請求しない仲介会社が増えてきている傾向があります。しかし、もともと弁護士事務所などの士業事務所がM&A仲介業を行っている場合は月額報酬が必要となるケースがあるので必ず確認してみてください。

M&Aの活動中に費用を抑えたいという人は、月額報酬の必要のない仲介会社を選びましょう。

手数料5.中間報酬

中間報酬とは、基本合意書を交わした時に支払う手数料のことです。第一次成功報酬と呼ばれることもあります。

基本合意書を交わすとデューデリジェンスで問題がなければ、そのままM&Aは成立します。そのため、第一段階をクリアしたという意味合いで支払う手数料として考えると良いでしょう。

中間報酬の相場は、50万円〜200万円程度です。手数料の額を決めずに、M&A成立時に支払う「成功報酬の10%」と定めている会社もあるので確認してみてください。

ただし、M&Aが成立に至らなかった場合中間報酬の返金はありません。成立した場合は、中間報酬を差し引いて成功報酬を支払うことになります。

この点だけは留意点として覚えておきましょう。

手数料6.成功報酬

成功報酬とは、M&Aが成功した時に支払う手数料のことです。当然、M&Aが不成立の場合の支払いの必要はありません。

成功報酬の額は、取引金額などに応じて一定の料率をかけて算出するレーマン方式という計算方法を用いて算出します。会社の規模によって、大きく金額が左右されるのです。

そのため、費用相場という考えはありません。しかし、最低報酬額を設定している仲介会社もあるのでこちらについても解説しておきます。

最低成功報酬とは

最低成功報酬とは、最低限支払わなければならない成功報酬の金額のことです。

最低成功報酬が1,000万円と設定されていたと仮定しましょう。取引金額が800万円であっても1,000万円を仲介会社に支払わなければなりません。

最低成功報酬の額によっては、レーマン方式で算出した金額よりも高い価格を支払うケースもあります。レーマン方式については、次の章で詳しく確認しましょう。

別途料金がかかる可能性のある手数料

M&A仲介会社によっては、紹介した手数料以外に発生する手数料があります。

例えば、以下のようなものは別途料金がかかるのです。

  • 契約書作成費
  • 相手企業紹介料
  • 弁護士など専門家の紹介料・顧問料
  • デューデリジェンス費用
  • 不動産鑑定や登記費用
  • 打ち合わせや視察などのための実費(交通費・宿泊費)

これらはすべて必要な費用というわけではなく、別途で請求される可能性があるものを並べています。

意外にもこれらの細かい金額については説明してもらえないことが多いです。不要なトラブルを避けるためにも確認しておくと失敗をしなくて済むでしょう。

ここまで手数料について詳しく解説してきました。

では、料金に大きく関係するレーマン方式について具体例を用いて説明するので確認してみてください。

2. 成功報酬の算出で使うレーマン方式とは?

成功報酬の算出で使うレーマン方式とは?

レーマン方式とは、取引金額などに応じて一定の料率をかけて算出する方法です。一般的にM&A仲介会社や弁護士事務所などの成功報酬を算出するときに使われます。

レーマン方式は、以下の料率を使うことが一般的です。

  • 5億円以下の部分 ・・・ 5%
  • 5億円超・10億円以下の部分  ・・・ 4%
  • 10億円超・50億円以下の部分   ・・・3%
  • 50億円超・100億円以下の部分  ・・・2%
  • 100億円超  ・・・1%

提示した料率は、M&A仲介会社によって違うので注意しましょう。

2-1.レーマン方式を使った成功報酬の算出例

料率だけを見ても、どのように計算するのかわからないと思います。レーマン方式を使った成功報酬の算出例を確認していきましょう。

算出方法が分かりやすいように、取引金額を高く設定して計算方法を見ていきます。

  • 取引金額が20億円

このとき、以下のように計算しましょう。

  • 5億円(5億円以下の部分)× 5%
  • 5億円(5億円超・10億円以下の部分)×4%
  • 10億円(10億円超・50億円以下の部分)×3%

これらを全て足すと以下のようになります。

  • 2,500万円+2,000万円+3,000万円=7,500万円

取引金額が20億円のとき、成功報酬は7,500万円です。

2-2.同じレーマン方式でも「元」になる費用によって報酬額が異なる

レーマン方式で気をつけなければならないのは、「元」になる費用によって算出される報酬額が異なることです。

同じ料率であっても、移動総資産ベースか株式価格ベースかによって、報酬額は大きく変化します。

移動資産ベースとは、株式価格に上乗せして負債総額まで含めた金額を取引金額とすることです。一方、株式価格ベースなら株式価格が取引金額となります。

たとえば、以下のような会社のM&Aで違いを確認していきましょう。

  • 株式価格・・・5億円
  • 負債総額・・・1億円

このとき、移動資産ベースにおける取引金額は「5億円+1億円=6億円」となります。

移動資産ベース

  • 5億円(5億円以下の部分)× 5%=2,500万円
  • 1億円(5億円超・10億円以下の部分)×4%=400万円
  • 成功報酬=2,500万円+400万円=2,900万円

一方、株式価格ベースにおける取引金額は5億円です。

株式価格ベース

  • 5億円(5億円以下の部分)× 5%=2,500万円
  • 成功報酬=2,500万円

このように、取引金額が大きくなると成功報酬も高くなります。つまり、株式価格ベースを採用しているM&A仲介会社の方が成功報酬の金額は低くなるのです。

同じレーマン方式でも「何を取引金額とするのか」を事前にチェックしておきましょう。

3. 仲介手数料を払ってでもM&A仲介会社に依頼すべき!

仲介手数料を払ってでもM&A仲介会社に依頼すべき!

M&A仲介会社などは手数料がかかるので依頼しにくいという人も多いかと思います。ですが、手数料を出してでも相談するべきです。

M&A仲介会社へ依頼することで成功率が格段に上がります

なぜなら、M&Aは個人で進めていくのには難しい交渉や手続きなどが多くあるからです。まったく知らないことを調べながら進めていくのには多大な時間と労力を必要とします。

例えば、現状の経営を維持して売り上げを落とさないで交渉に必要な時間と戦略、手続きを不備なく進めることはできるでしょうか。

多くの場合、法務・税務・手続き・交渉などに無理が出てきてしまうことからスムーズに進めることはできません。またM&Aに集中していては本業に集中できないことから、経営に影響を与えてしまうこともあるのです。

では、依頼した場合はどうなるでしょうか。M&A仲介会社はM&Aのプロですから「相手企業探しから交渉まで、あらゆる業務を任せる」ことができます。本業に集中することもできるので、経営状態も維持できるでしょう。

また、仲介会社に依頼したとしてもM&A成立には3ヶ月〜1年程度かかります。個人で進めていくより長い時間が必要となるのです。

このように、M&Aの手数料を払ってでもスムーズに進めるためには依頼することが大切なことがおわかりいただけたかと思います。

ですが、依頼するときにはいくつか知っておきたいことがあります。まずは、起こりやすいトラブルについて確認しておきましょう。

4. M&Aの仲介手数料で起きうるトラブル3選

M&A仲介会社に依頼すべきではあるものの、M&A仲介会社と手数料の内容やサービス面でトラブルが起きてしまうことがあります。事前に知っておくことで、トラブル回避ができるので確認しておきましょう。

今回は、トラブルに発展しやすい3つのケースをご紹介します。
 

  1. 見積もりに入っていない手数料がかかる
  2. 経験の少ないアドバイザーに当たってしまった
  3. 無理にM&Aを成立させられた

3つのトラブルについて確認していきましょう。

トラブル1.見積もりに入っていない手数料がかかる

よくあるトラブルとして知っておきたいのが「見積もりに入っていない不鮮明な請求」です。

十分な説明を怠り、実際に支払う段階になってから見積もりになかった請求が含まれているという不誠実なケースは少なからずあります。公式サイトを参考に費用の目安としていても、変更されているのに更新されておらず大きく異なる請求が出てくることもあるでしょう。

このようなトラブルを防ぐためにも、M&A仲介会社に相談した段階で全ての手数料を支払うケースで見積もりを作ってもらうことをおすすめします。疑問があればその場で率直に質問してトラブルを回避しましょう。

また、その日に契約するのではなく別の仲介会社でも見積もりをもらって比べてみるのも効果的です。自身で判断できない場合は社内での話し合いを設けるなど工夫をしてみてください。

料金に関しては焦ると失敗しやすいので冷静に判断できる環境で進めていきましょう。

トラブル2.経験の少ないアドバイザーにあたってしまった

専門家からのアドバイスを求め、仲介会社に相談したにもかかわらず経験の少ないアドバイザーにしか対応してもらえなかったというトラブルもあります。経験の少ないアドバイザーにあたると、M&Aを一方的に進めようとしたり買い手との交渉をテキトーに済ませてしまうこともあるのです。

プロの知識を期待して仲介手数料を払うわけですから、なるべく質の高いサービスを受けたいと思うのは当然のことです。担当アドバイザーに不安を感じたら別の人に代わってもらうなどの相談をしてみてください。

なぜなら、完全に任せている間に意図していない内容での契約が進んでしまう可能性が捨てきれないからです。他にも、条件をいつの間にか緩和して、あまりメリットのない契約になってしまっていることも少なくはないでしょう。

これはあくまでも最悪の場合を想定しているものなので、必ずしもなるとは限りません。ですが、専門家はあくまでも力添えをしてくれる立場ですから、何を目的としてどうしたいのかという意思は必ずもって選ぶようにしてください。

まったく知識がないよりも、最低限の知識を持てるように学んでおくとトラブルを未然に防ぐこともできるでしょう。

トラブル3.無理にM&Aを成立させられた

無理にM&Aを成立させられたというトラブルもあります。

というのも、M&A仲介会社のほとんどは、M&A成立時の成功報酬で利益を出しています。すると、条件を緩和・変更してでも契約できるようにしてしまう可能性は捨てきれません。

では、どうしたらこのようなことを防ぐことができるのでしょうか。それは、口コミのチェックや話し合いで見極めていくしかありません。

また、交渉を進める中で納得いかないことがある場合、弁護士などの専門家に相談するのも良いでしょう。契約書の内容を第三者にチェックしてもらうことで、不利な条件で契約するリスクを防ぐのです。

少しでもおかしいと思ったら、「M&Aをしない」という判断をすることも大切です。

以上のように、M&A仲介手数料によってトラブルに発展することも考えられます。しかし、しっかりと注意することで避けることのできるトラブルばかりです。

相談時には必ず見積書を提示してもらい、アドバイザーやコンサルタントに違和感があれば交代してもらうなど対処しましょう。トラブルを回避し、M&Aを進めていきましょう。

5. できるだけM&A仲介手数料を下げる3つのコツ

できるだけM&A仲介手数料を下げる3つのコツ

M&Aでまとまった資金を得られるとしても、必要な費用をできるだけ抑えて進めていきたい人がほとんどかと思います。

経費を減らすことができれば、その分手元に残る資金も増えるので以下3つのコツを参考にしてみてください。

  1. 着手金・中間金無しの仲介会社を選ぶ
  2. 短期間でM&Aを成立させる
  3. 複数のM&A仲介会社を比較する

順番に確認していきましょう。

コツ1.着手金・中間金無しの仲介会社を選ぶ

まず1つ目に考えておきたいのが「着手金・中間金無しの仲介会社」を探して選ぶことです。

M&Aの成功・不成功にかかわらず必要な経費ですから、とてもリスクが高いと言えます。少なくても3ヶ月から1年程度は成立までにかかりますから、気が付いたら成立しても赤字になってしまうということもあり得るのです。

このようなリスクを減らすためにも探しておきたいのが「完全成功報酬型の仲介会社」となります。

文字通り、M&Aが成立しなければ費用を請求されることはありません。成立までの間に資金繰りなどの不安や出費を抑えるのにも効果的ですから探してみてください。

コツ2.短期間でM&Aを成立させる

2つ目に意識しておきたいのが短期間でM&Aを成立させるように動くことです。

M&A仲介会社を利用した場合はどれだけ時間を短縮できるかが重要となります。

例えば、月額報酬を採用している場合では毎月の支払いによって長引くほど費用がかさんでしまうのです。

任せきりにしても成立までの時間を短縮できますが、無理のない範囲で協力していくようにするといいかもしれません。スピード成約が可能な仲介会社を最初から意識して探すのも効果的です。

このような短期間でM&Aを成立させるための動きは、出費を抑えるのにも良いので試してみてください。

ただし、焦りすぎて失敗しないためにも確認は徹底しておきましょう。

コツ3.複数のM&A仲介会社を比較する

3つ目に意識したいのが複数のM&A仲介会社に依頼をして比べてみることです。

複数のM&A仲介会社に依頼することで見積もりを出してもらい、出費が無理のない範囲の会社で先を見据えて検討するという方法もあります。もちろん費用だけで決めるのはよくありませんが、多くの出費を抱えてしまっては集中することもできません。

どのような内容でどれだけの費用がかかるのかを事前に知っておくだけで、社内でどうすべきかの検討も簡単に相談できます。このように、冷静に判断できる材料を揃えるだけでも失敗は格段に減らすことができるでしょう。

少し手間はかかりますが、複数の中から納得のいく料金設定のところを選んでみてください。

6. まとめ

この記事ではM&A仲介会社で必要となる以下6つの費用について解説してきました。

まとめると以下の通りです。

  1. 相談料・・・実際にアドバイスをもらうために最初に必要な費用
  2. 着手金・・・依頼して動き出してもらうのに必要な費用
  3. 企業調査手数料・・・デューデリジェンスによる内部調査の依頼費用
  4. 月額報酬・・・指導やアドバイスを受けるための費用
  5. 中間報酬・・・基本合意契約を締結したときに必要な費用
  6. 成功報酬・・・すべてが完了したときに必要な費用

依頼する仲介会社によっては必要のない費用もありますから、必ず事前に確認しておくようにしてみてください。

もし、仲介会社選びに迷っているときにはM&A総合研究所へご相談ください。

相談料は無料、そのほかの費用もM&Aが成立するまで請求することはない完全成功報酬型をお約束しております。専門家が在中しておりますので、税務から法務まで細かい部分までアドバイスが可能です。

相談だけでも問題ありませんので、ぜひお声掛けください。

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