M&Aを行う目的とは?売り手・買い手視点で目的を徹底解説

M&Aについて理解するためには、M&Aの目的や類型を理解しなければいけません。この記事では、売り手・買い手それぞれの視点でM&Aを行う目的や、具体的なM&A戦略の策定方法を解説しています。記事をチェックし、M&Aで会社の課題を解決しましょう。


目次

  1. ベストなM&Aの戦略は目的で決まる!
  2. 売却側におけるM&Aの目的
  3. 明確なM&Aの目的を定めるポイント
  4. 買収側におけるM&Aの目的
  5. M&Aにおけるその他の目的
  6. 目的をもとにM&A戦略を作る手順
  7. 【参考】M&Aの類型から目的を考える
  8. M&Aの目的について相談できる場所は?
  9. M&Aの目的はM&A仲介会社に聞いてみよう!
  10. M&A目的のまとめ

1. ベストなM&Aの戦略は目的で決まる!

M&A戦略を立てるうえで、自分の会社の経営課題やM&Aの最終目標を明確にしておくことは必須です。ゴールの見えないままM&Aを進めても、想像と違った結果に終わります。

売り手の目的については、以下の「売却側におけるM&Aの目的」の見出しで解説しているので、ぜひ参考にしてください。

また、買い手視点に立ち「相手がどんな目的でM&Aをしようとしているか」と考えることも非常に大切です。自社の目的だけでなく買い手の目的を把握することで交渉進めやすくなりますし、お互いの一致点を見つけるのが早くなります。

またスムーズな意思決定を行うため、M&Aの基本的な知識を身に着けておく必要もあります。M&Aについてはこちらの記事で詳しく解説しているので、ぜひチェックしてください。

【関連】M&Aとは?メリットや流れ・費用を解説!仲介会社ランキングや成功事例も紹介!

またM&Aで会社売却を行う際の戦略立案方法については、以下の記事で詳しく解説しています。自社の目的、買い手の目的を正しく把握し、メリットを最大化する戦略を組み立てましょう。

【関連】会社売却の具体的な戦略の練り方!戦略的M&Aを徹底解説!

2. 売却側におけるM&Aの目的

売却側のM&A目的として代表的なのは、以下の7つです。

  1. 後継者問題解決
  2. リタイア後の資金調達
  3. 新規事業に向けた資金調達
  4. 事業の選択と集中
  5. 競争力アップ
  6. 廃業コストの削減
  7. 債務・債権の解消
以上のような経営課題を抱えている会社であれば、M&Aで目的を果たせます。まずはM&Aで実現できる目的について、それぞれ知っていきましょう。

目的1.後継者問題解決

身近に後継者がいない中小企業であっても、M&Aなら会社を残すことが出来ます。またM&Aの手法や買い手との交渉次第では会社の名前もそのまま残せるので、今まで積み上げてきた信頼や実績を守りたい人にもおすすめです。

中小企業庁のアンケート調査によると、廃業予定企業の半数が、事業自体に継続性、将来性はあるものの、後継者不在が原因で廃業せざるを得ないと回答しています。

事業の継続が可能であるにもかかわらず廃業する企業が多く存在する現状は、廃業する企業だけでなく、顧客や取引先、地域にとっても大きなデメリットです。

しかしM&Aによって第三者が事業を引き継ぐことで、後継者問題は解決に向かうでしょう。

目的2.リタイア後の資金調達

M&Aで会社や事業を売却すれば、まとまったお金が手に入るので退職後の暮らしに役立ちます。

贈与や相続と言った形で後継者に会社を引き継いだだけでは利益が得られないので、老後の資金が不安という方はM&Aを選択すべきでしょう。

資金調達目的でM&Aを行う場合、売却価格を少しでもアップさせることが重要になります。戦略について考える前に、会社売却の相場をチェックしてみてください。

【関連】M&Aの売却価格相場はどう決まる?算出方法と相場アップ法を解説

目的3.新規事業に向けた資金調達

M&Aで得た資金を、新規事業への投資に生かすという目的もあります。

会社を売ることにはどうしてもネガティブなイメージがありますが、資金を得て新しい会社を立ち上げたり、新規事業に参入したりとM&Aを活用しビジネスの拡大を狙うことも可能です。

新しくビジネスを始めたい方は、売却価格重視でM&A戦略を組み立てましょう。

目的4.事業の選択と集中

M&Aによって不採算事業を売却することで、コア事業に経営資源を集中できるなどのメリットがあります。

経営者としては不採算事業を買い取る企業などあるのだろうかと不安にもなりますが、買い手側にとって魅力的な事業であれば思わぬ価額で売却できることもあります。

事業売却をきっかけに、買い手企業と協力関係を築けるなどの複合メリットが得られる場合もあるでしょう。

目的5.競争力アップ

M&Aで他企業の傘下に入れば、経営基盤を安定化させることができます。さらにブランド力、知名度、資金力などもアップするため同業他社より優位な立場につくことも可能でしょう。

そのため業界内の競争が激しい場合、あえてM&Aで大手傘下に入り、競争力アップを狙う売り手企業も少なくありません。

目的6.廃業コストの削減

廃業するには解散・清算手続き費用がかかるうえ、手続きを専門家に依頼した場合はさらに代金が必要です。事業によっては、設備の処分費用や在庫商品の処分費用も思っていたよりかさみます。

一般的に企業規模が大きくなるほど廃業コストも大きくなります。しかしM&Aで設備などを売却すれば、廃業にかかるコストを減らせるばかりか会社の経営も存続可能です。

ただしM&Aには仲介手数料、税金などの支払いが必要となりますので、メリット・デメリットを踏まえたうえで効果的な戦略を立てましょう。

目的7.債務・債権の解消

個人経営の小さい会社では、経営者が個人保証を行い開業しているケースが多くあります。経営者として働いているうちは気になりませんが、個人保証は経営者個人にかかる負債ですので退職後も会社の経営が悪化すれば自宅や資産を失いかねません。

しかしM&Aを行うことで、こうした個人保証を買い手に引き継いでもらえます。個人保証から解放されれば心理的なメリットが非常に大きくなるでしょう。

また債務を大量に抱える状態だと従業員の確保も難しくなり、会社のブランド力も低下してしまいます。M&Aにより資金力のある買い手に債務を引き継いでもらうことで、会社のイメージも良くなるでしょう。

ここまで、売り手目線で見るM&Aの目的を解説してきました。以下では目的の決め方について詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

3. 明確なM&Aの目的を定めるポイント

売り手が明確なM&Aの目的を定めるため、意識すべきポイントは以下の3つです。

  1. 自社の課題を明らかにする
  2. 最終イメージを関係者と共有する
  3. M&Aの必要性があるかもう一度考える
社内で具体的なM&A戦略を検討する前に、チェックしてみてください。

ポイント1.自社の課題を明らかにする

効果的なM&Aの目的を定めるためには、自社の課題を正しく把握しておかなければいけません。M&Aを行う企業の多くは、自分の会社が抱える経営課題を解決する目的で戦略を立てます。

具体的なM&Aプランを組み立てる前に、会社の状況を把握し今何が問題となっているのか、関係者間でしっかりと認識しておくことが大切です。

会社の分析については、税理士・会計士・経営コンサルタントなどの専門家に相談すると良いでしょう。

ポイント2.最終イメージを関係者と共有する

経営者が把握している課題と、現場に出ている人たちが感じている課題は異なるものです。また経営陣の中でも立場によって、把握している経営課題、会社の将来像が違うことも少なく無いでしょう。

M&Aは、経営者の意志だけで成立するものではありません。社内でのトラブルを防ぐため、M&Aを実施する目的を関係者間でしっかりと共有しておく必要があります。

また社内関係者から、会社の現状について積極的に意見を出してもらうのも有効です。

ポイント3.M&Aの必要性があるかもう一度考える

後継者問題の解消、資金調達などM&Aの実施で目的を達成した企業は多くあります。しかし会社の課題を解決するための最適解がM&Aであるとは限りません。

またM&A実施が決まっても、買い手が見つからず失敗してしまうこともありますし、想定通りのシナジー効果が得られず経営状況が改善しないこともあります。

M&Aを検討する際は、M&Aを行うこと自体を目的にするのではなく「会社の課題を解決できるか」という視点で色んな手法を検討しましょう。

ここからは買い手視点でM&Aの目的を解説していくので、ぜひこちらも参考にしてください。

4. 買収側におけるM&Aの目的

自分の目的がわかったら、次は戦略策定のために買い手の目的を考えてみましょう。

買い手企業の目的として代表的なのは、以下の8つです。

  1. 事業規模の拡大
  2. コストの削減
  3. 人材の確保
  4. 新たな顧客・取引先の確保
  5. 効果的な経営手法の導入
  6. 新規事業への進出
  7. 海外進出
  8. 売り手企業の支配
ここからはそれぞれの目的を詳しく解説しているので、ぜひM&A計画の作成に役立ててください。

目的1.事業規模の拡大

国内の消費が落ち込む中、競争の激しい業界で生き残るには、競合他社よりも速いスピードでシェアを広げなければなりません。

M&Aであれば、買い手は事業の多角化や販売網の拡大など、短期間で競合他社と差を広げることができます。また、事業規模の拡大は他社からの買収に対抗する手段にもなるため、今後買収されるのを防ぐ方法として、積極的にM&Aを行う買い手もいます。

目的2.コストの削減

スケールメリットにより、事業規模を拡大させることでコスト削減につながります。

スケールメリットとは、企業規模の拡大によって得られるプラスの効果です。事業を拡大させれば、顧客が増え販売コストを減らせますし、まとめて物品を仕入れることができるのでより低価格で商品が提供できるようになるため、買い手にとって非常に魅力的です。

M&Aをきっかけに積極的なコスト削減を行えば、価格面で他社と差をつけることも可能になるでしょう。

目的3.人材の確保

高度な技術や優秀な人材を確保できることもM&Aの大きなメリットです。特に現在は、どの業界でも従業員の数が足りず、激しい奪い合いが起きている状況です。

資金が豊富な大企業や優秀な人材の獲得が難しいベンチャー企業は、事業ではなく技術を持った人材を獲得するためにM&Aを行うことも少なくありません。

このようにM&Aで技術や人材を確保する方法は一般的になっているため、売り手の持つ人材に着目する買い手は多くいます。

目的4.新たな顧客・取引先の確保

M&Aを行えば、短期間で顧客や取引先を一気に獲得できます。M&Aで認知度の高い企業を買収することで、買収先の顧客や取引先だけでなく、買収後の顧客集めや取引先との交渉がスムーズになるでしょう。

ただしM&Aをきっかけに既存の顧客や取引先が離れてしまうこともあるため、買い手は売り手の持つ顧客が継続して利益を出せるか気にしています。

買い手が不安視する顧客の流出を防ぐため、事前に統合後の計画を買い手に示す、取引先への説明をきちんと行うなどの対応が必要です。

目的5.効果的な経営手法の導入

M&Aで買い手が得られるのは、モノや人など目に見えるものだけではありません。M&Aで売り手の持つ効果的な経営手法やノウハウを得れば、今後の会社経営に役立てることもできます。

売り手の持つ無形資産を一気に手に入れれば、買い手はより効率的にビジネスを進められるようになります。特に実績を持つ売り手は優れたノウハウを持っていると考えられるため、買収を狙う企業は少なくありません。

目的6.新規事業への進出

新規事業を収益性のある事業にまで育てるには、多くの時間と資金、人材が必要です。特に未知の分野に参入する場合は失敗のリスクが高くなります。

しかし参入予定だった事業を買収することにより、ゼロから事業を育てるよりも低コストで新規事業に参入でき、失敗のリスクも減らせます。

また新規事業に参入することで事業の多角化も可能です。そのため会社の規模拡大を狙い、積極的に異業種を買収する買い手も少なくありません。

目的7.海外進出

海外進出の第一歩として、M&Aで海外企業を買収する経営者も増えてきました。海外企業の場合、M&A成立までに長い時間がかかることも多く、言語や文化の壁などから話し合いが難しいこともあります。

しかし海外M&Aが成功すれば、貴重な経営資源や人材を一気に手に入れることも可能です。海外進出を考えている買い手であれば、海外に顧客を持つ企業を狙い積極的にM&Aを行うケースも多くあります。

目的8.売り手企業の支配

M&Aに反発する売り手を傘下に収めるため、強制的にM&Aを進める買い手も少なくありません。

こうした敵対的買収の場合、買い手は売り手の合意を得ず過半数の株式を取得してM&Aを行います。

日本でこの敵対的買収を成功させた例は少ないですが、売り手の合意を得ず他企業の持つ資源を狙えるため海外では積極的に実施される事例もあります。

以上が、M&Aにおける買い手の目的でした。ここからは参考としてその他のM&A目的を解説していくので、ぜひチェックしてみてください。

5. M&Aにおけるその他の目的

M&Aには、会社売却・買収だけでなく企業再生や組織の整理を目的としたものもあります。

ここからは以下2つの目的を解説するので、M&Aの目的を定める際に役立ててください。

  1. 企業再生
  2. 組織再編
ここからはそれぞれの目的について順番に解説するので、ぜひ参考にしてください。

目的1.企業再生

M&Aによって不採算事業の売却を行ったり、資金力のある買い手に買収してもらうことで企業再生を目指す売り手も少なくありません。

不採算事業を売却すれば、まとまった資金が得られるため他の事業に資本を集中させ経営を立て直すことも可能になります。また買い手が経営のサポートをしてくれるので、自分の会社だけで経営を立て直すより効率的です。

ただし企業再生を目的としている場合、M&A以外にも使える手法は複数あります。会社を立て直したいという場合、税理士、会計士など専門家からのアドバイスを受けることが大切です。

目的2.組織再編

会社の組織を整理し、新たな体勢を作ることを組織再編と言います。会社内部の人事異動などで行われることが多いですが、M&A手法の一つである会社分割を利用し組織再編を行う会社も少なくありません。

会社分割とは、1つの会社を複数の会社に分けたり、既存の別会社に特定の事業を引き継いでもらったりする方法のことです。

会社分割なら不採算事業を切り離す、採算事業だけを独立させるなど様々な戦略が可能になるので大手企業を中心にM&Aによる組織再編が積極的に行われています。

ここからは、これまで挙げた目的をもとにM&A戦略を作る方法を解説していくので、ぜひ参考にしてください。

6. 目的をもとにM&A戦略を作る手順

会社にとってプラスになるM&Aを実現させるには、理論だった綿密な計画が必要です。M&Aを成功させる、良い戦略を立てるための手順は以下の通りです。

  1. 会社の現状を分析する
  2. M&Aの目的を明確にする
  3. マーケット調査を行う
  4. 戦略案をまとめる
  5. 作った戦略を確認・点検する

ここからはそれぞれの手順と実行のポイントを解説するので、ぜひ参考にしてください。

手順1.会社の現状を分析する

まずは自社の抱える課題と改善点を明確にするため、会社の分析を行います。会社分析の方法は様々ですが、最初に大まかな方針を立てておきたいという場合「SWOT分析」で考えてみるのがおすすめです。

SWOT分析とは、企業の置かれている自社の状況について「強み」「弱み」、競合他社の状況について「チャンス」「脅威」で分析する方法です。

例えば販売経路が豊富なことが「強み」である一方、販売コストが高くなっていることが「弱み」だと分析すれば、自社を取り巻く状況についてはっきりと理解できます。

しかしこのSWOT分析のみではM&A戦略策定に十分な情報が得られないので、M&A仲介会社などの専門家の力を借りて分析を進めましょう。

手順2.M&Aの目的を明確にする

会社の現状を把握したら、「何のために」M&Aを行うのか関係者間でしっかり把握しておきましょう。M&Aのゴールが明確でなければ、どんな売り手を選べば良いか分からず時間やお金を浪費することになってしまいます。

経営陣、関係者との話し合いを行い、「どんな目的でM&Aを行うのか」「そもそもM&Aがベストな手段なのか」といった点を明らかにしましょう。

手順3.マーケット調査を行う

自社にとってベストな買い手を探すため、目標を定めた後は市場調査を行います。

市場調査とは、数字や数値などのデータで市場を分析し、適切な行動が出来るよう戦略を立てることを指す言葉です。M&Aにおける市場調査の場合は、日々変化する市場を的確に分析し、どんな会社とM&Aを行うのが適切か考えることも含まれます。

同じ業種の会社と協力しシナジー効果を狙う場合、マーケット調査は比較的短時間で済みますが、異業種とM&Aをしたいと考えている場合は調査に時間がかかることも少なくありません。

ぼんやりと「異業種とM&Aを行う」と定めるだけでなく、市場調査の後どんな業界の会社と手を組むのか、どれくらいの規模の会社を買い手にしたいのか、などをあらかじめ決めておくと安心です。

手順4.戦略案をまとめる

市場調査を終え、M&Aの計画を定めたらM&A後にとるべき戦略を複数定めましょう。

M&Aを行っただけで、企業の経営課題がすべて解決するわけではありません。目的を達成するために大切なのは、M&A後の動きです。遅くともこの段階ではコンサルタントなど専門家の意見を聞きつつ戦略を立てていきましょう。

そして十分な話し合いができたら、複数出した戦略の中を比較・検討し実行すべき戦略を決めてください。

手順5.作った戦略を確認・点検する

無事戦略が策定出来たら、最終確認を行います。関係者への説明も含め、M&Aをスムーズに進めるため話し合いの場を準備しておきましょう。

またM&Aにかかる費用の準備やかかる税金についても、きちんと理解しておく必要があります。税理士などの専門家に相談しつつ、税金の支払い額や支払いのタイミングについても理解しておきましょう。

ここまでM&A戦略を作る方法について解説してきましたが、会社の分析や戦略作りには、M&A知識を持つ専門家の力が不可欠です。

会社の経営改善を行いたい方、これからも会社や事業を残していきたい方はM&A仲介会社に相談してみましょう。

ここからは参考として、M&Aの類型とその目的を解説していきます。

7. 【参考】M&Aの類型から目的を考える

ここまでM&Aの目的や戦略作りについて解説してきましたが、M&Aの類型ごとに目的を分類することも可能です。

ここからは売り手・買い手の視点に分け代表的なM&Aの類型を解説していきます。

7-1.売り手視点で考えるM&Aの類型

まずは、売り手視点でM&Aの類型を考えてみましょう。売り手視点のもので代表的なのは、以下の4つです。

  1. 事業承継型
  2. ノンコア事業売却型
  3. 再建型
  4. 資金化

事業承継型

次の後継者がいないなどの理由で、事業承継を目的に行うM&Aの総称です。中小企業に多いタイプで、手法としては手続きが簡単な株式譲渡などが利用されます。

M&Aで会社を残すことが一番の目的なので、金額ではなく売却すること自体を重視する会社が多いです。

ノンコア事業売却型

不要な事業を売却することを目的に実施されるM&Aです。複数の事業を行う企業の場合、採算の取れない事業を多数抱えていることも少なくありません。

M&A不採算事業、ノンコア事業を売却することで、本来投資すべき事業に十分な資金が行き渡ります。

再建型

事業や会社の再建を狙い実施するのが、再建型M&Aです。資金力を持つ買い手に事業の一部を売却するなどして、安定した経営基盤を獲得します。

資金化

会社や事業を売却し、まとまったお金を得ることを目的に実施されるM&Aです。M&Aで得た資金は、リタイア後の生活費、新規事業への進出、会社再建などに利用されます。

7-2.買い手視点で考えるM&Aの類型

次は、買い手視点で見るM&Aの類型をチェックしていきましょう。代表的な類型は、以下の4つです。

  1. 水平統合型
  2. 垂直統合型
  3. 周辺事業拡大型
  4. 多角化型

水平統合型

事業の拡大やスケールメリットの享受を目的として、同業他社を買収するM&Aです。

市場シェアやエリアの拡大などを目指すM&Aなので、売り手の持っている資源やシナジー効果の程度を重視します。

垂直統合型

コストダウンなどを目的に、バリューチェーンの上流または下流の会社を買収するのが、垂直統合型M&Aです。例えば化粧品メーカーが、容器メーカーを買収したり、小売店を買収したりするケースが挙げられます。

垂直統合型M&Aで様々な会社を傘下に収めることで、効率的な商品生産・販売が可能になります。

多角化型

新規事業に進出し、事業リスクを分散させるために行われるM&Aです。

複数の事業を行えば、特定の事業で利益が出せない場合のカバーすることができます。事業の多角化でリスクを減らすM&Aは、大手企業を中心に行われています。

以上が、M&Aの類型でした。目的によって、M&Aは様々な種類に分けられます。具体的なM&Aの方針を決める際には、専門家に相談し客観的なアドバイスをもらいましょう。

ここからはM&Aの目的や戦略について聞ける相談先を解説しているので、ぜひ参考にしてください。

8. M&Aの目的について相談できる場所は?

M&Aの目的について相談できる場所として代表的なのは、以下の4つです。

  1. 会計士・税理士
  2. 経営コンサルタント
  3. 公的機関
  4. M&Aアドバイザー

M&Aを進めるにあたって何をすれば良いか分からないという方も、信頼できるアドバイザーを見つけM&Aを成功させましょう。 

8-1.顧問会計士や税理士

まずは身近な専門家に相談したいという場合、会社の顧問会計士・税理士が候補に挙がります。顧問会計士・税理士は見知った相手ですから、M&Aのことだけでなく会社の今後の経営や税務についても聞くことができるでしょう。

しかし会社などに付く会計士・税理士はM&Aの専門家ではないことがほとんどです。もちろん気軽に相談できる相手としては良いのですが、具体的な方法や計画については満足のいく回答が得られないかもしれません。

M&Aの目的について真剣に考えていきたいという場合、別の専門家に相談すべきでしょう。

8-2.経営コンサルタント

M&Aにおける目標の設定には経営が深くかかわってくるため、経営コンサルタントへの相談を考える方も多いでしょう。中小企業庁が発表した「2017年版 中小企業白書・小規模企業白書」では、経営コンサルタントに事業承継の相談をした人が12%となっています。

経営コンサルタントの業務は多彩ですので、経営に関することであれば何でも相談できます。会社の経営状態や今後に不安がある場合は、コンサルタントに経営の見直しをしてもらい課題解決を目指していくのがおすすめです。

しかし経営コンサルタントはあくまでも企業の自主的な努力をサポートする立場です。具体的なM&Aのスケジュールを決めたり手続きを代行してくれるわけではありませんので、実務では少し心許ないかもしれません。

8-3.公的機関

M&Aに関しては、国や地域が「事業引継ぎ支援センター」の運営を行っており無料で相談できます。M&A含む事業承継全般についての相談ができるので、M&Aを含め様々な方法を検討していきたいという方におすすめです。

しかしM&A実務に関しては、公的機関から税理士法人やM&A仲介会社などを紹介されるケースが多くなっています。短期間でM&Aを成立させることを重視するなら、公的機関を挟まず直接専門のアドバイザーに相談した方が良いでしょう。

8-4.M&Aアドバイザリー

M&Aの目的に関して最もおすすめできる相談先が、M&Aアドバイザリーです。M&AアドバイザリーはM&Aに関する仲介やアドバイスを専門にしているため、経験も豊富ですしM&Aの案件も多数持っています。

M&Aアドバイザリーには大きく分けて

  1. ファイナンシャル・アドバイザー(FA)
  2. 仲介会社

の2種類があります。

どちらもアドバイザリー契約を行いM&Aのサポートを行う点では同じですが、2社の間にはM&Aにおける立場の違いが存在します。

まずファイナンシャル・アドバイザーは売り手か買い手、どちらかの立場に立ちアドバイスを行うのが一般的です。そのため片方の利益だけを優先してしまい、交渉がまとまりにくくなってしまうこともあります。

一方仲介会社は、売り手と買い手の間に立ち話し合いを進めるので円滑に関係企業との話し合いを進めていきたい会社におすすめです。ただしM&A仲介会社は非常に多いため、どこが自分に合っているか見分けるのに時間がかかることもあります。

しかし自社に合っているM&A仲介会社を見つければ、心強いパートナーになってくれるでしょう。

以上が、M&A手順に関する主要な相談先でした。納得のいく形でM&Aを成功させるため大切なのは、適切なアドバイザー選びです。会社内でも話し合いと検討を行い、気になる相談先については積極的にリサーチしていきましょう。

最後になりますが、M&Aの目的を具体的に決めるにはM&A仲介会社に相談するのがベストです。M&Aの手順が分からず不安を感じている方、M&A相談を迷っている方はぜひチェックしてください。

9. M&Aの目的はM&A仲介会社に聞いてみよう!

自力でM&Aの目的や戦略を決め、M&Aの手続きを済ませるのは非常に難しいことです。通常の業務と並行してM&Aプロセスを最後まで実行するには、長い時間がかかってしまうかもしれません。

またブレの無いM&Aの目的を定めるには、会社の現状を正しく把握することに加えM&Aの専門的な知識が必要です。

M&Aを短期間で終わらせたい、納得のいくM&Aを実現したいと考えるなら、M&Aアドバイザーに相談をしてみましょう。M&A仲介会社ならM&Aの専門家として経営に関する様々な観点からアドバイスを行うので、今後の経営に迷っている方も安心です。

「会社の経営課題は見えたけれどM&Aが本当に正しい方法なのかわからない」「社内で話し合いをしているがM&Aの目的がどうしてもブレてしまう」などの悩みは、M&AのプロフェッショナルであるM&A仲介会社に任せましょう。

M&A仲介会社は数多くありますが、ぜひ最初の相談先として「M&A総合研究所」をお選びください。M&A総合研究所は相談料、着手金無料の完全成功報酬制なので、M&Aにかかる予算をなるべく抑えたい方でも気軽に相談できます。

また経験豊富な公認会計士や税理士がM&Aのサポートをしてくれるので、M&A手続きの専門性も安心です。M&Aに興味をお持ちの方は、一度M&A総合研究所のサイトでこれまでの実績をチェックしてみてください。

10. M&A目的のまとめ

会社の規模に関わらずM&Aの目的を明確に定めることで、適切な手法を選ぶことができます。この記事で解説したM&Aの類型を参考に、自社の課題や状況に合ったM&A戦略を作っていきましょう。

M&Aの目的について疑問が生じたときは、早めにM&A仲介会社に相談し専門家のアドバイスを聞くのがおすすめです。

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