M&Aを行う際の注意点とは?買い手と売り手ごとに徹底解説!

この記事では、M&Aにまつわる注意点を買い手と売り手の双方の立場から紹介します。M&Aには多くの注意点があるので、スムーズに成功させるには仲介会社への依頼が重要です。信頼できる専門家に相談した上で、不安を解消しつつM&Aの成功を目指しましょう。


目次

  1. M&A成功を目指すなら注意点を知ることが必要不可欠
  2. M&Aの手法ごとの注意点まとめ
  3. M&Aで買い手と売り手の双方が知っておくべき注意点
  4. M&Aにおける買い手側の注意点と対処法8選
  5. M&Aにおける売り手側の注意点と対処法12選
  6. M&A仲介会社選びの注意点は?決め手の10ポイントを紹介
  7. 注意点が多いM&A!実施の際はM&A総合研究所に相談しよう
  8. まとめ

1. M&A成功を目指すなら注意点を知ることが必要不可欠

M&A成功を目指すなら注意点を知ること

M&Aの成功を目指すなら、あらかじめ注意点を知っておきましょう。

M&Aとは「Mergers and Acquisition=合併と買収」の略称を指し、企業を統合する手法の総称です。活用することで、会社を大きく成長させることができたり、事業承継を済ませられるなどのメリットがあります。

しかし、M&Aの手続きは複雑であるだけでなく専門知識が求められるほか、注意点も多いです。注意点を知らなければ、M&Aが失敗したり、成約後に相手と大きなトラブルになったりする可能性があります。

したがって、スムーズに成功させるには仲介会社の協力が必要不可欠です。M&A仲介会社に依頼して、様々な注意点に対処しつつM&Aを済ませましょう。そうはいっても、事前に自分でどのような注意点があるのかを知っておきたいという人も多いはずです。

今回の記事では、M&Aにおける具体的な注意点について詳しく紹介していきます。まずは、M&Aの手法ごとの注意点をまとめたので確認しておきましょう。

2. M&Aの手法ごとの注意点まとめ

M&Aの手法ごとの注意点まとめ

M&Aの手法ごとの注意点として、以下の3つにまとめました。
 

  1. M&Aにおける株式譲渡の注意点
  2. M&Aにおける事業譲渡の注意点
  3. M&Aにおける会社合併の注意点

これら3つのM&A手法ごとの注意点を知っておけば、自社に最適な手法を慎重に選ぶことができます。また、注意点を知ってから手続きをすれば、失敗を避けられるはずです。それでは、それぞれのM&A手法の注意点を順番に見ていきましょう。

①M&Aにおける株式譲渡の注意点

株式譲渡とは、自社の株式を譲り渡すM&A手法を指します。

M&Aにおける株式譲渡の注意点は、以下の2つです。
 

  1. 簿外債務が判明するおそれがある
  2. 株式の買い集めに苦労する可能性がある

これら2つの注意点を知っておけば、株式譲渡によるM&Aにおいて想定外のトラブルを回避できます。それでは、それぞれの注意点を順番に見ていきましょう。

(1)簿外債務が判明するおそれがある

M&Aにおける株式譲渡の注意点1つ目は、簿外債務が判明するおそれがあることです。

株式譲渡でM&Aする場合、会社を丸ごと引き継ぐことになります。そのため債務も引き継がなければなりません。そこでもしも譲渡企業に簿外債務があった場合には、大きなデメリットとなります。

株式譲渡でM&Aする場合、隠れた債務などがないかしっかりとデューデリジェンスを行い調査するようにしてください。

自社を売る場合も、買い手のデューデリジェンスに協力してトラブルを避けましょう。

(2)株式の買い集めに苦労する可能性がある

M&Aにおける株式譲渡の注意点2つ目は、株式の買い集めに苦労する可能性があることです。

一般的に、M&Aの買収側は、株式譲渡によって完全子会社化を目指すことが多いとされています。しかし株式譲渡に賛同しない株主がいた場合、株式の買い集めに苦労する可能性が高まるのです。

なお、ここで株式の買い取りコストが上昇する可能性もあります。M&Aによる株式譲渡を検討するなら相当の株式買取資金が必要になることを押さえておきましょう。

②M&Aにおける事業譲渡の注意点

事業譲渡とは、自社の事業を第三者の企業に譲渡するM&A手法を指します。

M&Aにおける事業譲渡の注意点は、以下の3つです。
 

  1. 事業規模が大きいほど手続きが煩雑になる
  2. 税負担が大きくなる
  3. 売り手に競業避止義務が課せられる

これら3つの注意点を知っておけば、事業譲渡によるM&Aにおいて想定外のトラブルを回避できます。それでは、それぞれの注意点を順番に見ていきましょう。

(1)事業規模が大きいほど手続きが煩雑になる

M&Aにおける事業譲渡の注意点1つ目は、事業規模が大きいほど手続きが煩雑になることです。

事業譲渡は、取引先や従業員を引き継ぐケースにおいて個別に契約をし直さなければなりません。また各種許認可なども取り直す必要があるので、手続きに手間がかかります。契約に抜けがないように、しっかりと買い手と売り手で確認することが大切です。

また、事業譲渡では、事業規模が大きいほど引き継ぐ資産が多くなり手続きが煩雑になるため、大企業には向かないM&A手法であることを押さえておいてください。

(2)税負担が大きくなる

M&Aにおける事業譲渡の注意点2つ目は、税負担が大きくなることです。

事業譲渡は個別資産の売買取引であるため、消費税が課されます。事業譲渡は税負担が大きく、大企業であるほど大きなデメリットとなりやすいです。

その一方で、小規模事業者は税負担によるデメリットが少なくメリットを享受できるので、小規模の中小企業や個人事業主でよく用いられています。

(3)売り手に競業避止義務が課せられる

M&Aにおける事業譲渡の注意点3つ目は、売り手に競業避止義務が課せられることです。

競業避止義務とは、譲った事業と競合する内容の事業を一定期間行わないように定める義務です。これは、譲り受けた企業の経営に不利益を与えないためのものとされています。

M&Aで契約を結ぶとき、書面で競業避止義務についての条項を定めることがほとんどです。その際は、期間と範囲を明確にしておく必要があります。

M&A後にノウハウを習得するまでには多くの時間がかかり、すぐに利益を得ることは困難です。しかしそのノウハウを取得中、前経営者が同一事業を行ってしまえば、ノウハウを用いて利益を獲得してしまうだけでなく、先発の優位性により市場シェアを譲り渡せません。

上記の理由から競業避止義務が設けられているため、売り手側になるときに事業譲渡後に同一の事業を行いたい場合には、とりわけ注意しましょう。また、買い手側も期間と範囲を具体的に定めるべきです。

③M&Aにおける会社合併の注意点

会社合併とは、2社以上の企業を統合するM&A手法を指します。

M&Aにおける会社合併の注意点は、以下の2つです。
 

  1. 統合作業に手間がかかる
  2. 合併コストの負担が大きくなる

これら2つの注意点を知っておけば、会社合併によるM&Aにおいて想定外のトラブルを回避できます。それでは、それぞれの注意点を順番に見ていきましょう。

(1)統合作業に手間がかかる

M&Aによる会社合併の注意点1つ目は、統合作業に手間がかかることです。

会社合併は統合に多くの手間がかかります。それもあって、新設合併は必要な手続きが多いため、吸収合併に比べてほとんど用いられることがありません。

新設合併によるM&Aを検討している際には、余裕を持ったスケジュール確保に努めましょう。

(2)合併コストの負担が大きくなる

M&Aによる会社合併の注意点2つ目は、合併コストの負担が大きくなることです。

会社合併には統合する際にかかるコストも大きくなります。とりわけ新設合併では発生するコストが多いため、吸収合併に比べてほとんど用いられることがありません。なお新設合併は吸収合併に比べて税負担も大きいです。

新設合併によるM&Aを検討している際には、資金調達先の確保に注意してください。

以上、M&Aの手法ごとの注意点を紹介しました。ここまで読んでおけば、それぞれのM&A手法を検討する際に想定外のトラブルに陥ることはありません。

ちなみに、M&Aには注意点がまだ多く存在していて、知っておかなければM&Aによって想定外の不利益を被ることもあります。ここからは、M&Aにおいて買い手と売り手の双方が知っておくべき注意点をまとめたので確認しておきましょう。

3. M&Aで買い手と売り手の双方が知っておくべき注意点

M&Aで買い手と売り手の双方の注意点

M&Aで買い手と売り手の双方が知っておくべき注意点は、以下の3つです。
 

  1. 信頼度の高いM&A仲介会社へ依頼する
  2. 契約そのものだけでなく信頼関係を大切にする
  3. M&Aにおける情報管理を徹底する

これら3つの注意点を知っておくことで、M&Aの成功を目指すための心構えが身につきます。それでは、それぞれの注意点を順番に見ていきましょう。

①信頼度の高いM&A仲介会社へ依頼する

M&Aで買い手と売り手の双方が知っておくべき注意点1つ目は、信頼度の高いM&A仲介会社へ依頼することです。

M&Aの際、仲介会社へ依頼して協力を仰ぐことが基本となります。M&Aに関する豊富な知識と経験があるため、M&Aを成功させたいならM&A会社への依頼が必要不可欠です。

ところがM&A仲介会社によっては、依頼した企業の要望に背いたM&Aを進める場合もゼロではありません。また成約を最優先に目指すM&A仲介会社は、売り手と買い手双方に有利なことばかり伝えがちです。その一方で、M&Aを避けたくなるような不利な情報を伝えないため、正確な判断ができずM&Aに失敗します。

上記の理由から、M&Aは信頼できる仲介会社に依頼するようにしてください。後述するM&A仲介会社を選びの注意点で詳しく解説しています。

②契約そのものだけでなく信頼関係を大切にする

M&Aで買い手と売り手の双方が知っておくべき注意点2つ目は、契約そのものだけでなく信頼関係を大切にすることです。

M&Aでは大きなお金が動くことが多く、つい目先の金額を意識してしまう傾向があります。少しでも安く買い、少しでも高く売ろうとするのは、M&A交渉の中では仕方のない心理なのかもしれません。

ですがM&Aでは交渉を強行的に進めることは控えて、相手企業との信頼関係や将来的な利益を考えて妥協点を見出しましょう。目先の金額だけでM&A相手を決めてしまうと、結果的には不利益をもたらすことが多いためです。

具体的には、不誠実な企業を相手にすることで、基本合意書を交わした後に不当な値下げ交渉を持ちかけられることや想像できないようなリスクが明らかになることがあります。

③M&Aにおける情報管理を徹底する

M&Aで買い手と売り手の双方が知っておくべき注意点3つ目は、情報管理を徹底することです。

M&Aは大きな契約であるため、買い手と売り手双方が情報管理を徹底しなければなりません。たとえわずかでも情報漏洩があれば、成約直前であっても白紙に戻る場合もあります。

具体的には、M&Aを検討していることを周囲に口外しないことです。何気なく周囲の役員に口走ってしまった情報が、M&Aの成功を妨げることになります。

なおM&Aが成立してから、取引先や従業員にM&Aの事実を話しましょう。このように発表のタイミングを工夫すれば、かえって従業員の士気を高められます。

以上、M&Aで買い手と売り手の双方が知っておくべき注意点を紹介しました。ここまで読めば、M&A成功を目指すための心構えが身につけられるはずです。

ここからは、買い手と売り手ごとにM&Aの注意点と対処法を厳選して紹介します。まずはM&Aにおける買い手側の注意点と対処法をまとめたので確認しておきましょう。

4. M&Aにおける買い手側の注意点と対処法8選

M&Aにおける買い手側の注意点と対処法

M&Aにおける買い手側の注意点は、以下の8つです。
 

  1. 期待していたシナジー効果が生まれないことがある
  2. 統合プロセスを失敗することがある
  3. M&A先の従業員の意識が低下することがある
  4. 人材が流出するおそれがある
  5. 簿外債務が見つかる可能性がある
  6. 漫然とした監査ではリスクを発見できないことがある
  7. のれんの減損リスクがある
  8. M&A公表の仕方を誤ると社員の士気が下がる

これら8つの注意点と対処法を押さえておけば、M&Aの買い手側が陥りやすいトラブルを回避でき、スムーズなM&Aが目指せます。それでは、それぞれの注意点と対処法を順番に見ていきましょう。

①期待していたシナジー効果が生まれないことがある

M&Aにおける買い手側の注意点1つ目は、期待していたシナジー効果が生まれないことがある点です。

M&Aのメリットの1つに、事業と事業の掛け合わせによるシナジー効果が生まれる点があります。しかしシナジー効果が得られず、失敗に終わるケースも少なくありません。

思ったようにシナジー効果が得られない注意点に対処するには、買収先企業のデューデリジェンス(企業調査)を綿密に行い、PMI(統合後の経営計画)を的確に実行してください。

とはいえ、想定通りのシナジー効果が得られるかどうかは業界の動向や日本経済の動向にも左右されるため、難しい面もあります。したがって業界に精通したM&Aの専門家に依頼して、成功率を上げる対策を講じましょう。

②統合プロセスを失敗することがある

M&Aにおける買い手側の注意点2つ目は、統合プロセスを失敗することがある点です。

M&Aを実行するには、様々なプロセスを踏まなければなりません。具体的には、売買価額の交渉・取締役会の承認・株主総会での承認、さらにM&Aの手法によっては従業員や取引先や債権者などの承諾も必要です。

それらの多くのプロセスを進めた後、重要となるのが企業同士を統合するプロセスだとされています。せっかくM&Aを完了しても、統合に失敗すれば経営がうまくいかなくなることもあるのです。

統合の過程で経営幹部が離脱したり、従業員が馴染まなかったり、社内システムやルールの統合がうまくいかなかったりと、さまざまなトラブルが起きるリスクが存在しています。

スムーズにM&Aを済ませるためには、豊富な知識と経験を持つM&Aの専門家に相談のもと、統合プロセスを慎重に実施していきましょう。

③M&A先の従業員の意識が低下することがある

M&Aにおける買い手側の注意点3つ目は、M&A先の従業員の意識が低下することがある点です。

M&Aによって子会社になった企業の従業員が、親会社との待遇の違いや経営方針の違いに不満を持つケースが多くあります。またM&Aによって同じ職場で働くことになった場合に、従業員同士がなかなか馴染まず不和が起きたり、担当業務の変更に不満を持つパターンも多いです。

このような従業員のモチベーション低下を防ぐためには、M&A後の従業員への説明を丁寧に実施してください。M&A仲介会社に協力を仰ぎつつ徹底した準備のもとで説明を行い、従業員のモチベーション管理を怠らないことが大切です。

④人材が流出するおそれがある

M&Aにおける買い手側の注意点4つ目は、人材が流出するおそれがある点です。

M&A戦略において、優秀な人材の獲得も重要な目的の1つとなります。そのためM&A後に人材が流出してしまうことは防ぎたいです。M&Aの際は会社に残っていたとしても、その後にやめられてしまっては意味がありません。

M&A後に優秀な人材を流出させないためにも、M&Aの専門家に相談のもと、統合後の事業マネジメントにくわえて、人材マネジメントもしっかりと実施してください。

⑤簿外債務が見つかる可能性がある

M&Aにおける買い手側の注意点5つ目は、簿外債務が見つかる可能性がある点です。

株式譲渡を始めとするM&Aスキームによっては、簿外債務を引き継いでしまう可能性があります。簿外債務とは、帳簿上には表れない隠れた債務のことです。たとえば、ポイントカードに付与したポイントを会計処理していないケースが簿外債務として挙げられます。

M&Aにより事業を引き継いだ側は、ポイント引当金の債務があることに気が付かないまま事業を引き継ぐことになります。しかし実際にポイントの還元資金を負担するのは事業を引き継いだ側なので、大きな注意点となります。

M&A後に簿外債務の発覚を防ぐためには、デューデリジェンスをしっかりと実施してください。

⑥漫然とした監査ではリスクを発見できないことがある

M&Aにおける買い手側の注意点6つ目は、漫然とした監査ではリスクを発見できないことがある点です。

買い手企業はM&Aによる買収の際に、リスクの所在と大きさを確定できないと安心して買収を実施できません。リスクが不確定であれば、万が一に問題が起きたときの対応策や賠償問題を最終契約書に記載できないためです。

リスクをしっかりと確定させるためにも、デューデリジェンスを通じてリスクの洗い出しを行ってください。

ただし中小企業では、管理部門がしっかりしている会社の方が少なく、多くの企業が会計や法務や労務などの管理が行き届いていないのが現状です。そのため簿外債務や経営者個人が会社のお金を私的利用していたりする可能性は、常に疑っておきましょう。

突発的なリスクを見抜くためにはデューデリジェンスが欠かせませんが、それでも見抜けないリスクが発生したときのために、リスク分担の条項をしっかり定めておくことが大切です。

⑦のれんの減損リスクがある

M&Aにおける買い手側の注意点7つ目は、のれんの減損リスクがある点です。

たとえば、事業譲渡によって買収する際、買収先事業の現在の価値に今後その事業が生み出すであろう付加価値分の金額を上乗せして買収します。その差額は「のれん」として計上され、税務上損金算入できるメリットが期待できるのです。

ただし買収後に企業の価値が大幅に下がった場合、のれん代との差額を減損処理しなければならないケースもあります。のれん代は買収の際すでに支払っているので実際に資金が減るわけではありませんが、業績への影響は避けられません。

のれんによる節税メリットには上記のような注意点があることを理解しておきましょう。

⑧M&A公表の仕方を誤ると社員の士気が下がる

M&Aにおける買い手側の注意点8つ目は、M&A公表の仕方を誤ると社員の士気が下がる点です。

M&Aに関する一切の情報は、通常成約にいたるまでは社員に公表してはなりません。しかし、だからといってM&Aの事実を幹部社員などが世間への公表タイミングに合わせて知ったという事態になることは避けたいです。

とりわけ中小企業の幹部社員は、会社や経営者との結びつきが強く、公表の仕方しだいで今後の士気に大きく影響を与えてしまいます。具体的には、今までの創業社長に対する思いから退職してしまうことも少なくありません。

買収先企業に所属する社員たちの士気を高く維持するためにも、買い手側では熱意や夢を語り安心感を与えてください。M&A仲介会社に公表の仕方を相談し、慎重に公表することも大切です。

以上、M&Aにおける買い手側の注意点と対処法を紹介しました。ここまで読めば、M&Aの買い手側が陥りやすいトラブルを回避しつつスムーズなM&Aが目指せます。

そこで次に「M&Aの売り手側の注意点はどんなもの?」と疑問に思う経営者の方も多いはずです。ここからは、M&Aにおける売り手側の注意点と対処法をまとめたので確認しておきましょう。

5. M&Aにおける売り手側の注意点と対処法12選

M&Aにおける売り手側の注意点と対処法

M&Aにおける売り手側の注意点は、以下の12個です。
 

  1. M&A仲介会社選びに難航するおそれがある
  2. 手続きにかかる時間を必要以上に延ばしてしまうことがある
  3. 私的な要求や嘘は売り手企業としての信用を下げる
  4. 買い手が現れない可能性がある
  5. ノンネームシートから情報漏えいすることがある
  6. 価格交渉で不条理な値下げにあうことがある
  7. 最終契約の確認ミスから不本意な契約を結ぶおそれがある
  8. 企業文化が合わない可能性がある
  9. 従業員が離職するおそれがある
  10. 取引先の反発を受けることがある
  11. 顧客が流出する可能性がある
  12. M&A後に雇用・労働条件が変更されることがある

これら12個の注意点と対処法を押さえておけば、M&Aの売り手側が陥りやすいトラブルを回避でき、スムーズなM&Aが目指せます。それでは、それぞれの注意点と対処法を順番に見ていきましょう。

①M&A仲介会社選びに難航するおそれがある

M&Aにおける売り手側の注意点1つ目は、M&A仲介会社選びに難航するおそれがある点です。

M&A仲介会社の中には、サポート対象の事業規模に制約を設けている会社があります。そのため事業規模が小さいとM&A仲介を受けてくれないケースもあるので注意しましょう。

M&A総合研究所は個人事業主の事業承継におすすめの仲介会社です。完全成功報酬型で、支払う費用が成功報酬のみなので、着手金や中間報酬のリスクはありません。

スピーディーなM&Aを成立させてくれるため、「すぐにM&Aしたい」「早く売却したい」といった場合には、M&A総合研究所への依頼を検討してください。

②手続きにかかる時間を必要以上に延ばしてしまうことがある

M&Aにおける売り手側の注意点2つ目は、手続きにかかる時間を必要以上に延ばしてしまうことがある点です。

M&Aにおける売却スキームは初期段階で方針を固めましょう。スキームとはM&Aにおける手法です。

M&Aスキームの方針がいつまでも固まっていないと、買い手は売り手に対して疑いを抱きかねません。信頼関係が崩れたら、M&A進行の妨げとなるほか、失敗へと進んでいきます。

臨機応変にM&Aスキームを変更することは決して悪くありませんが、できるだけ早く方針を固めておいてください。方針が固まることで買い手は圧倒的に検討しやすくなり、M&Aプロセスが順調に進んでいきます。

③私的な要求や嘘は売り手企業としての信用を下げる

M&Aにおける売り手側の注意点3つ目は、私的な要求や嘘は売り手企業としての信用を下げる点です。

M&Aにおいて私的な要件を付けてしまうと、公私の区別がつかない信用できない売り手としてのレッテルを貼られてしまいます。

またM&Aに関して事実と異なることを伝えてしまった場合、他意がなくても信用を失いかねませんので、誤解を招く表現も厳に控えましょう。

もしも過去に粉飾や逆粉飾がある場合には、なるべく早い段階で正直に伝えてください。粉飾や逆粉飾は、デューデリジェンスで必ず発覚するので、早めに伝えて相手からの信用を維持することが大切です。

④買い手が現れない可能性がある

M&Aにおける売り手側の注意点4つ目は、買い手が現れない可能性がある点です。

M&Aによる売却を希望しても、買い手がつかない可能性がある点は念頭に置いておかなくてはなりません。M&Aの専門家の中には、買い手がつきやすいように企業価値を上げる施策をアドバイスしてもらえるところもあります。

また近年は、AIやビッグデータを活用して最適なマッチング機会を提供しているM&Aの仲介会社もあり、マッチングの機会は以前よりも増えています。

M&Aの仲介会社に依頼する際は、買い手の数や自社と合いそうな買い手が登録しているかなど、よく確認してから専門家を選んでください。

⑤ノンネームシートから情報漏えいすることがある

M&Aにおける売り手側の注意点5つ目は、ノンネームシートから情報漏えいすることがある点です。

ノンネームシートは、会社の事業内容・売上規模・地域など、買い手候補が興味ありかなしかを判断する最低限の情報を会社名を伏せた上で案内する書類となります。

ノンネームシートは守秘義務契約がない状態で配布されるため、秘密保持という点で非常に問題です。そのためノンネームシートについて仲介会社に任せきりにせず、必ず売り手自身も確認するようにしてください。

⑥価格交渉で不条理な値下げにあうことがある

M&Aにおける売り手側の注意点6つ目は、価格交渉で不条理な値下げにあうことがある点です。

M&Aにおいて大きなポイントになるのが交渉と言えます。利害が正面から衝突しやすく、理不尽な価格交渉にあうことも少なくありません。

M&Aプロセスの進展に応じて、攻めに出るタイミングと守りに入るタイミングが存在します。臨機応変にスタンスを切り替えることで、不条理な値下げを防ぎましょう。

具体的には、基本合意前にはできるだけ攻めて、基本合意締結後には守りを固めることで、希望額でのM&Aが成功しやすいです。

⑦最終契約の確認ミスから不本意な契約を結ぶおそれがある

M&Aにおける売り手側の注意点7つ目は、最終契約の確認ミスから不本意な契約を結ぶおそれがある点です。

M&Aにおける契約事項は、最終契約書に記載されたことが全てとなります。そのため最終契約の確認を怠ることで、不本意な契約を結ぶおそれがあるのです。

最終契約書は、M&Aの法務に精通した専門家に精査してもらってください。とはいえ、経営者の認識とズレた契約を結ばないためにも、必ず専門家と読み合わせた上で、全文について内容を理解してから締結しましょう。

⑧企業文化が合わない可能性がある

M&Aにおける売り手側の注意点8つ目は、企業文化が合わない可能性がある点です。

たとえ好条件でM&Aが成立したとしても、統合後に企業文化が合わないことが原因で円滑に事業が進まないケースがあります。企業文化の違いは従業員の不和や流出、経営陣の離脱などさまざまなデメリットを引き起こしかねません。

M&Aの際は、条件だけで決めるのではなく、経営者の価値観や企業の雰囲気など数字に表れない面も大事にしてください。

⑨従業員が離職するおそれがある

M&Aにおける売り手側の注意点9つ目は、従業員が離職するおそれがある点です。

M&A戦略によっては、環境・待遇・業務内容などが大きく変化し、従業員が不満を抱くことがあります。従業員も貴重な資産として引き継ぐため、途中で離職されることは売り手と買い手双方にとってデメリットとなります。

場合によっては、契約違反としてトラブルになることもあるでしょう。従業員の流出を防ぐためにも、人材交流を促したり待遇に関する契約を綿密に行ったりと、さまざまな対策を講じなければなりません。

またどうしても流出されては困る経営幹部やキーとなる従業員がいる場合は、人事に強いM&Aの専門家に依頼するようにしてください。

⑩取引先の反発を受けることがある

M&Aにおける売り手側の注意点10つ目は、取引先の反発を受けることがある点です。

取引先の中には、M&Aに対して反対するところや、表立って反対しなくとも不満や不安を持つ取引先が出てくることがあります。

M&Aスキームによっては取引先の承諾も必要になるため、取引先に納得してもらうことが重要です。主要な取引先には早めに経営者が直接説明に行くなど、適切に対応するようにしてください。

⑪顧客が流出する可能性がある

M&Aにおける売り手側の注意点11つ目は、顧客が流出する可能性がある点です。

M&Aをきっかけに顧客が流出するリスクにも備えなければなりません。とりわけ似たような商品やサービスが多く競争の激しい業界の場合、少しの変化やトラブルで顧客が多数流出することもあります。

顧客流出を防ぐためには、KPI(重要業績評価手法)などのマーケティング分析手法で常に顧客の動向を分析・把握しておくなど、迅速に対応するようにしてください。

⑫M&A後に雇用・労働条件が変更されることがある

M&Aにおける売り手側の注意点12つ目は、M&A後に雇用・労働条件が変更されることがある点です。

買い手側はM&Aの際、売り手企業の従業員の不満や流出を防ぐために、待遇を高い方に合わせるのが一般的とされています。しかしM&A後しばらくして、何らかの事情で待遇が下方修正されてしまう可能性があるのです。

売り手側は急な解雇や労働条件の変更をさせないよう、契約書に項目を設けるなどの対応を講じてください。不安であれば、M&Aや法律の専門家に依頼して対応してもらうようにしましょう。

以上、M&Aにおける売り手側の注意点を紹介しました。ここまで読めば、M&Aの売り手側が陥りやすいトラブルを回避しつつスムーズなM&Aが目指せるはずです。

M&Aの成功には仲介会社の協力が必要不可欠ですが、自社に最適な企業を選ぶための注意点も多くあります。ここからは、M&A仲介会社選びの注意点をまとめたので確認しておきましょう。

6. M&A仲介会社選びの注意点は?決め手の10ポイントを紹介

M&A仲介会社選びの注意点

M&A仲介会社選びの注意点として、自社に最適な会社を選ぶ決め手の10ポイントを紹介します。
 

  1. 自社と同規模のM&A実績がある会社
  2. 手数料・相談料・報酬体系などが明確な会社
  3. 親身になって話を聞いてくれる会社
  4. 情報漏えいなど基本的な管理体制が整っている会社
  5. 自社の企業価値評価など適切に判断してくれる会社
  6. M&Aに関する知識・経験が豊富な会社
  7. 相手先を探す幅広いネットワークを有している会社
  8. 相手先との条件交渉などが短時間でスムーズに進む会社
  9. 相談開始から統合プロセスまでサポートしてくれる会社
  10. 自社や担当との相性が良い会社

これら10ポイントに注意することで、自社に最適なM&A仲介会社に依頼でき、スムーズなM&Aの成功に繋げることができます。それでは、それぞれの注意点を順番に見ていきましょう。

①自社と同規模のM&A実績がある会社

M&A仲介会社選びの注意点1つ目は、自社と同規模のM&A実績がある会社に依頼することです。

M&Aは、規模によってスケジュールや必要な専門家の数などが異なります。そのためM&A仲介会社によって得意な案件規模が異なり、M&Aの成功確率も変動するのです。

M&A仲介会社を選ぶ際は、これまでどのような規模の案件を担当してきたか確認し、なるべく自社と同規模の案件実績が多いところを選んでください。

②手数料・相談料・報酬体系などが明確な会社

M&A仲介会社選びの注意点2つ目は、手数料・相談料・報酬体系などが明確な会社に依頼することです。

M&A仲介会社の手数料には、相談料・着手金・中間報酬・成功報酬・月額報酬などが多くの種類があります。そこで報酬体系をしっかり把握しておかなければ、予想よりも多くの手数料が取られてしまいかねません。

近年ではシンプルな報酬体系で手数料も安いM&A仲介会社が増えています。しかし冷静に、どのくらい手数料がかかるか見通しが立ちやすいM&A仲介会社を選んでください。

③親身になって話を聞いてくれる会社

M&A仲介会社選びの注意点3つ目は、親身になって話を聞いてくれる会社です。

M&Aは、仲介会社およびその担当者との信頼関係で成り立ちます。M&Aの際は、さまざまな不安を抱えながら専門家に相談するケースが多いですが、相談の段階でしっかりと話を聞いてくれて的確なアドバイスをくれると安心して任せられるはずです。

仲介会社の口コミを見ても、仲介会社を選んだ決め手は相談の際の対応であったケースが少なくありません。複数のM&A仲介会社の無料相談を利用して、自社に親身な対応をしてくれるところを選びましょう。

④情報漏えいなど基本的な管理体制が整っている会社

M&A仲介会社選びの注意点4つ目は、情報漏えいなど基本的な管理体制が整っている会社に依頼することです。

M&Aでは、たとえ些細な情報漏えいであっても重大な問題に繋がりかねません。つまりM&A仲介会社の危機管理体制はそのまま信頼性に直結します。

相談するM&A仲介会社がどのような管理システムをとっているか、どのようにスタッフの教育を行っているかなど、なるべく確認して依頼先を決めてください。

⑤自社の企業価値評価など適切に判断してくれる会社

M&A仲介会社選びの注意点5つ目は、自社の企業価値評価など適切に判断してくれる会社に依頼することです。

M&Aにおける会社売却は、売却価額を判断するために企業価値評価を行い、算定した価額を基に買い手側と交渉します。そこでのM&A仲介会社の役割は、複数ある企業価値評価を組み合わせつつ、担当する売却企業の希望や状況も踏まえて価額を算定することです。

算定結果は仲介会社によって変わるため、自社の状況や希望をしっかりと汲んでもらえる仲介会社を選んでください。

⑥M&Aに関する知識・経験が豊富な会社

M&A仲介会社選びの注意点6つ目は、M&Aに関する知識・経験が豊富な会社に依頼することです。

M&Aの手続きはマニュアル通りに進まないことが多いため、状況に応じて迅速かつ柔軟に対応できる能力が求められます。そのような能力を身に付けるには、幅広く深い知識と豊富な実務経験が必要です。

M&A仲介会社に依頼する際は、担当者の実務経験も確認しておいてください。

⑦相手先を探す幅広いネットワークを有している会社

M&A仲介会社選びの注意点7つ目は、相手先を探す幅広いネットワークを有している会社に依頼することです。

最適なM&A相手と出会うには、M&A仲介会社にさまざまな相手候補を探せるネットワークがなければなりません。

全国の企業や金融機関、士業専門家などとネットワークを持つM&A仲介会社に相談しましょう。

⑧相手先との条件交渉などが短時間でスムーズに進む会社

M&A仲介会社選びの注意点8つ目は、相手先との条件交渉などが短時間でスムーズに進む会社に依頼することです。

M&Aでは、なかなか経営者同士の交渉がまとまらないケースもあります。このときの交渉が長引くほど、当事者の負担と不安は大きくなってしまうものです。

そのためM&Aを仲介会社に依頼する際には、なるべく短期間で円滑に終えたいという希望を伝えておくのも良いでしょう。

⑨相談開始から統合プロセスまでサポートしてくれる会社

M&A仲介会社選びの注意点9つ目は、相談開始から統合プロセスまでサポートしてくれる会社に依頼することです。

M&A仲介会社はM&Aの手続きを一貫してサポートしますが、どの範囲までサポートするかは仲介会社によって異なっています。つまりM&A完了時点でサポートが終了する仲介会社もあれば、M&A後の統合プロセスまでサポートする仲介会社もあるのです。

M&A後もしっかりと会社を育てて欲しいと考えるのであれば、統合プロセスまでサポートしている仲介会社を選びましょう。

⑩自社や担当との相性が良い会社

M&A仲介会社選びの注意点10つ目は、自社や担当との相性が良い会社に依頼することです。

満足のいくM&Aができるかどうかは、仲介会社の担当者との相性が重要となります。M&Aに成功した人達が、仲介会社を選んで良かった理由としてよく挙げるのが「担当者に好感が持てた」「信頼が置けた」というものです。

M&A仲介業務もIT化が進んでいるとはいえ属人的な要素が大きい分野です。仲介会社を選ぶ際は、担当者との相性を確認するようにしましょう。

以上、M&A仲介会社選びの注意点を紹介しました。ここまで読めば、自社に最適なM&A仲介会社に依頼でき、スムーズなM&Aの成功に繋げることができます。

様々な注意点を紹介しましたが、注意点が多いM&Aは仲介会社のサポートが必要不可欠です。最後に、おすすめしたいM&A仲介会社についてまとめたので確認しておきましょう。

7. 注意点が多いM&A!実施の際はM&A総合研究所に相談しよう

M&Aでは仲介会社のサポートを受けるべき

M&Aには注意点が多く、成功させるには法務・税務・会計に関する深い専門知識が必要です。とりわけスムーズに注意点に対処しつつ手続きを済ませるためには、M&Aに関して深い知識と経験を持つ専門家の協力が不可欠でしょう。

なおM&Aには様々なメリット・デメリットがあるため、M&Aについて考えるときは様々な観点から会社にとってベストな方法を選ばなくてはなりません。

様々な注意点に対処するためにおすすめなのが、M&A仲介会社への相談です。M&A仲介会社であれば、M&A全般について深い知識と経験を持っているだけでなく、税理士や公認会計士といった専門家と提携しているため会社の事情に合わせたM&Aプランを提案してくれます。

さらにM&A仲介会社は、M&Aの専門家としても経営に関する様々な観点からアドバイスできるので、今後の経営に迷っている方も安心です。

「どういった方法でM&Aすればよいか分からない」「様々な手法からM&Aを検討したい」などの悩みは、M&A・事業承継のプロフェッショナルであるM&A仲介会社に任せましょう。

もしもM&Aを検討しているならば、「M&A総合研究所」にお任せください。M&A総合研究所は相談料、着手金無料の完全成功報酬制なので、M&Aにかかる予算をなるべく抑えたい方でも気軽に相談できます。

また経験豊富な公認会計士や税理士が会社売却・事業承継のサポートをしてくれるので、税務に関する手続きの専門性は非常に高いと言えるでしょう。M&Aに興味をお持ちの方は、一度M&A総合研究所のサイトでこれまでの実績をチェックしてみてください。

8. まとめ

まとめ

この記事では、M&Aにまつわる注意点を買い手と売り手の双方の立場から紹介しました。

M&Aには多くの注意点があるので、スムーズに成功させるには仲介会社への依頼が重要です。

スムーズにM&Aを済ませたい場合には、「M&A総合研究所」にお任せください。

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