M&A方法別のメリット・デメリットとは?4つの分類と手法を解説

M&Aには様々な方法があるため、どの方法が自分の会社に合っているのか迷う人も少なく無いでしょう。そこでこの記事では、代表的なM&A方法とそれぞれのメリット・デメリットを解説。適切な方法の選び方も紹介しますので、ぜひチェックしてください。


目次

  1. ベストなM&Aの方法は目的で決まる!
  2. M&A方法の分類4つ
  3. M&A方法別に詳しい手法を解説
  4. M&A方法それぞれのメリットを知る
  5. M&A方法別にデメリットも確認しよう
  6. 中小企業のM&Aでよく使われる方法は?
  7. 自社に合うM&Aの方法を選ぶポイントは?
  8. M&Aの方法について相談できる場所4つ
  9. 自分の会社に合った相談先を選ぶポイント
  10. M&Aの方法はM&A仲介会社に聞いてみよう!
  11. M&A方法のまとめ

1. ベストなM&Aの方法は目的で決まる!

いくらM&Aについて理解していても、M&Aの目的が明確でなければゴール地点が分からず最適な方法を選択できません。

納得のいくM&Aを実現するためには、具体的に「M&Aをしてどうなりたいのか」「M&Aを行うことで何が欲しいのか」を明らかにして、行動の指針にすることが大切です。

M&Aが始まれば、交渉の場面で非常に多くの選択を迫られることになります。スピーディな意思決定を行うためにも、M&Aの目的作りは最初に行うべき事項です。

1-1.M&Aの方法選びで何が変わるのか

M&Aの方法選びでは、「この方法で目的が叶うかどうか」に注目しましょう。M&Aには合併、買収、分割など複数の方法があるため、自分の会社が抱える経営課題や資金の状況によって最適な方法を選択する必要があります。

M&Aの方法が変われば、

  1. 税金の支払い額
  2. 手続きの内容
  3. M&A成立までの期間
  4. 従業員の雇用状況
などが大きく変わります。特に税金の支払い額は金銭的な影響が大きいので、複数の方法を税理士と共に検討し負担の少ないものを選ぶのがおすすめです。

またM&A成立までの期間や手続き内容は、選ぶ方法によって全く異なります。簡便な手続きで、早くM&Aを済ませたい場合は株式譲渡がおすすめですが、会社の目的次第では別の方法が良いかもしれません。

M&Aの方法を決める際はM&A仲介会社など専門家に相談しましょう。以下の記事では、おすすめの仲介会社と口コミについて解説しています。

【関連】M&A仲介会社を徹底比較!口コミ・評判・実績情報まとめ!

2. M&A方法の分類4つ

M&Aの方法は、大きく以下の4つに分類されます。

  1. 合併
  2. 買収
  3. 分割
  4. 資本業務提携
ここからはそれぞれの分類を解説するので、M&A方法の全体像を理解するため読んでみてください。

2-1.合併

合併とは、2つ以上の企業を合体させ1つの会社にすることです。具体的な手法としては、既存の会社に別の会社が吸収される「吸収合併」と複数の企業で新しい会社を作る「新設合併」があります。

買収資金が不要な手法の1つですので、譲渡価格が大きくなりがちな大企業で良く使われる手法です。

2-2.買収

買収とは、買い手がお金などを支払い売り手企業全体や一部の株式、事業などを買い取るM&A方法です。中小企業のM&Aで良く使われている株式譲渡、事業譲渡はこの買収という分類に入ります。

先ほど解説した合併との大きな違いは、企業が存続するかどうかにあります。

合併の場合、複数の会社が一つになれば吸収された会社は経営を続けられません。一方買収の場合、会社の経営権や資産などが買い手企業に移るだけなので会社自体は存続します。

買収は、M&A後も会社の名前や実績を残したいという企業におすすめです。

2-3.分割

分割とは、1つの会社を複数に分けて別の会社にしたり、事業の一部を別の会社に承継させたりするM&A手法です。

分割には、新たに会社を作る「新設分割」と、事業の一部などを既存の会社に吸収させる「吸収分割」の2種類があります。

合併と似たところもありますが、分割の大きな目的は事業を整理し、採算の取れる事業だけを残すことです。会社のすべてを吸収する「合併」とは異なるので、目的をベースにしてどちらが良いのか選択しましょう。

分割の場合M&Aで扱う対象は事業や事業の一部となるので、複数事業を手掛ける大企業で使われることが多くなっています。

2-4.資本業務提携

資本業務提携は、複数の会社が協力して業務を行う「業務提携」と共通の経営資源を複数の会社が利用する「資本提携」を同時に行うことを指します。

業務提携と資本提携を別々に行うケースもありますが、利便性や手続きなどを考え資本と業務の提携を一緒に行う会社が多いです。

資本業務提携ではあくまでも複数の会社が協力関係になるだけなので、会社の経営権が移動したり、会社が消滅したりすることはありません。

資本業務提携の目的は、お互いの良さを生かし効率的に事業を運営することです。

一般的なM&Aのイメージとは異なりますが、資本業務提携ではお互いに一定数の議決権を与えるケースが多いため手法としてはM&Aの一つに分類できます。

ここまで、M&Aの分類について解説してきました。ここからは詳しいM&Aの方法について、分類別に解説していくのでぜひ参考にしてください。

3. M&A方法別に詳しい手法を解説

M&Aの方法について検討するには、さらに具体的なM&A手法を理解しておく必要があります。

ここからは合併、買収、分割、資本業務提携という4つの分類別に詳しいM&Aの方法を解説していくので、M&A戦略作りに生かしてください。

3-1.合併

合併は、以下2つの方法に分けられます。

  1. 吸収合併
  2. 新設合併
それぞれの違いについて、見ていきましょう。

吸収合併

吸収合併とは、複数の企業が既存の1企業に吸収され、消滅する手法です。例えばA社とB社があり、吸収合併でB社を残すと決まればA社の資源などはそのままB社に吸収されA社は消滅します。

吸収合併の場合、既存の契約などを改める必要がないので以下で説明する新設合併よりも利用される機会が多いです。

新設合併

新設合併とは、複数の会社が新しい会社を作り、その会社に吸収されるM&A手法です。

例として、先ほどのA社とB社の例で考えてみましょう。吸収分割の場合、A社は消滅しB社に吸収されるという形でした。一方新設分割の場合、A社とB社が協力し、新たにC社を設立することになります。

そしてA社、B社は共にC社に吸収され、消滅します。新設合併は吸収合併より手間のかかるM&A方法ですが、対等な立場でM&Aを実行できるというメリットがあります。

3-2.買収

買収は、M&Aで利用される最も一般的な方法です。

  1. 株式譲渡
  2. 株式交換
  3. 事業譲渡
  4. 第三者割当増資
ここからは買収で良く使われる以下4つの手法について、解説していきます。

株式譲渡

株式譲渡とは、会社の株主が保有する株式を買い手に譲渡(売却)することで、会社の経営を承継させる手法です。

株式の対価の支払いと、株主名簿の書き換えのみで完了する手法なので、通常の業務で忙しい中小企業でも実行しやすいと言えるでしょう。

買い手にとっても手続きが簡単であることから、中小企業が丸ごと事業を譲渡する案件のほとんどがこの株式譲渡で行われます。

株式交換

株式交換とは、売り手の企業の発行済株式のすべてを、親会社となる買い手に取得させる方法です。強制的に株式を取得することも可能なので、敵対的買収の方法として使われることが多くなっています。

株式交換の大きな特徴は、M&A後買い手と売り手に完全な支配関係が生まれることです。

買収に反対する株主がいた場合でも、売り手企業の株主のうち3分の2以上の賛成があれば実行できるので、少数派の株主を排除することもできます。

事業譲渡

事業譲渡とは、会社の事業第三者に譲渡(売却)するM&Aの手法です。対象となる事業は、有形、無形の財産・債務、人材、事業組織、ノウハウ、ブランド、取引先との関係など、あらゆる財産の種類となっています。

事業譲渡とは契約によって個別の財産・負債・権利関係等を移転させる手続きなので、一部の事業のみを譲渡することも可能です。

また個人の場合、株式そのものが存在しないため事業譲渡を選択することになります。個人事業主として経営を行っている場合、事業譲渡での承継を考えてみましょう。
 

第三者割当増資

第三者割当増資(新株引受)とは、売り手側の企業が新たに株式を発行し、買い手に引き受けてもらう行為を指します。

第三者割当増資では会社を完全に渡すことはできませんが、現在発行している株式以上の新株を発行すれば経営権を移すことも可能です。

また第三者割当増資を使えば売り手はまとまった資金を得られるので、M&A費用が不足しそうな場合にもおすすめです。

3-3.分割

M&Aにおける会社分割は、以下2つの方法に分けられます。

  1. 新設分割
  2. 吸収分割
それぞれの違いについて、理解しておきましょう。

新設分割

新設分割とは、事業の一部を独立させ新たな会社に承継させる方法です。例えば食品加工と食品販売を行うA社を考えてみましょう。

A社の食品加工は好調で順調に利益を出せていたものの、食品販売については赤字続き。そこで利益を出せる食品加工事業をだけを分割し、新しく設立した子会社に引き継いでもらいました。

この選択により、分割元の会社は不採算事業に集中して対応することが可能になりました。

このように新設分割は、企業再生を目的としたグループ内の再編や経営のスリム化、子会社化といった目的で実施されることがほとんどです。

吸収分割

吸収分割とは新しく会社を設立するのではなく、既存の会社に事業の一部を引き継いでもらうM&A方法を指します。

先ほどの新設分割と同じく、企業再生や売上アップなどを狙って実施されることの多い手法です。

3-4.資本業務提携

資本業務提携の中に、細かいM&A方法はありません。しかし形式上、提携するものや分野に応じて

  1. 技術提携
  2. 生産提携
  3. 販売提携
などの種類に分けることも可能です。

ここからはそれぞれのM&A分類別にメリットを解説していくので、M&A方法にお悩みの方はぜひ参考にしてください。

4. M&A方法それぞれのメリットを知る

ここからはM&Aの分類別に、メリットを解説していきます。M&A方法検討のため、ぜひチェックしてください。

4-1.合併のメリット

最初に、合併を選択するメリットを紹介していきます。

メリット1.スケールメリットを得られる

合併により会社を大きくすれば、その分スケールメリットを享受できます。スケールメリットとは、企業規模の拡大に伴って得られる効果の総称です。

スケールメリットには、コストの削減、価格力の向上や規模拡大による知名度アップなど、様々な効果が含まれます。

合併により大きな会社となれば、こうしたプラスの効果を得られるので経営課題を解決し競争力を上げるために合併を行う会社は多いです。

メリット2.シンプルな組織づくりができる

法人格を残す他の手法とは異なり、合併の場合必要な会社一つを除いて残りの会社を消滅させることができます。

そのため業務上協力関係を結ぶよりも、財務、会計などがシンプルになると言えるでしょう。またライバル会社と合併すれば取引先をめぐる争いも無くなり、事業を新たな方向へ進展させることができます。

4-2.買収のメリット

次に、買収のメリットを解説していきます。

メリット1.事例が多いためサポートしてもらいやすい

買収の中には、株式譲渡や事業譲渡など、多くの会社が使うM&A方法が含まれています。そのため買収でM&Aを行う際のサポートは、他の手法と比べ受けやすくなっているでしょう。

また買収であれば、過去のM&A事例も多数出てくるのでM&A戦略作りも容易になります。

メリット2.独立して経営を続けられる

買収の場合、売り手企業は子会社などとして残り続けることができます。そのためM&A後であってもある程度独立して経営を続けることが可能でしょう。

もちろん買い手側が株式を持っている場合、全ての意思決定を自由に行うことは困難です。しかし買い手との関係が上手く行けば、経営陣・従業員をほとんど変えずこれまでの会社を残していくことができます。

4-3.分割のメリット

ここからは、分割を行うメリットについて紹介します。

メリット1.債権者の同意が不要

会社分割で事業を切り離す場合、債権者の同意は不要です。

経営陣の判断のみで会社事業の整理を行うことが出来るので、スピーディな意思決定が必要となるシーンで役立ちます。

メリット2.従業員の引継ぎが簡単

事業の一部を分社化する「分割」では、分割前の会社にあった部署、役職などをほとんどそのまま引き継げます。

従業員の混乱を抑えつつ事業の整理を行いたい会社にとっては、大きなメリットでしょう。

4-4.資本業務提携のメリット

最後に、資本業務提携を行うメリットを解説していきます。

メリット1.不都合が出たら関係を解消できる

資本業務提携は、あくまでも別の企業と協力しているだけの関係です。そのため提携の必要が無くなったり、不都合が発生した場合にはいつでも提携を解消することができます。

ビジネスの状況や競合他社の状況などにより関係を臨機応変に変えられるのが、資本業務提携のメリットです。

メリット2.短期間でシナジー効果を発揮できる

資本業務提携にかかる手続きは他のM&A手法と比べ非常に簡単なので、短期間で大きなシナジー効果を得られます。お互いの資本を利用しあうだけでなく、提携関係を結べば共同で投資を行うことも可能です。

自社だけでは難しい状況も、別の企業の資金力や人材があれば解決できるかもしれません。特定の企業と協力したい場合、合併や買収ではなく資本業務提携を行うのも有効でしょう。

ここまで、M&A方法別にメリットを解説してきました。ここからはデメリットについても紹介するので、ぜひチェックしてください。

5. M&A方法別にデメリットも確認しよう

M&A方法には、それぞれデメリットが存在します。ここからは注意点として、分類別のデメリットを解説しているのでぜひ参考にしてください。

5-1.合併のデメリット

まずは、合併のデメリットです。

デメリット1.従業員間の対立が生まれやすい

合併では複数の会社が完全に同じ会社になってしまうため、内部での対立が深刻化しやすいです。

もちろん元々協力関係にあった会社同士であれば、対立の可能性は少ないでしょう。しかしどの会社出身の従業員であるかによって待遇を変えるなどした場合、従業員間の不満が貯まりやすくなります。

デメリット2.業績を統合しにくい

会社のシステム、従業員の統合は時間をかければ可能ですが、過去の業績を完全に吸収するのはほとんど不可能です。

合併の場合、吸収される会社の名前は完全に消えてしまいます。そのため過去の実績などをそのまま引き継ぎ、顧客を集めるのは困難です。合併でM&Aを行う場合、業績以外のアピールポイントも用意しておく必要があります。

5-2.買収のデメリット

次に、買収のデメリットを紹介します。

デメリット1.社員のモチベーションが下がりやすい

M&Aは昨今一般的になってきましたが、会社買収に対して悪いイメージを持つ従業員もいます。買収と聞くと、今後の雇用が保証されていたとしても、「どうせ出世はできない」と諦めてしまう社員も出てくるでしょう。

また勤めていた会社が買収されたことで将来性を悲観し、退職する従業員も少なくありません。

デメリット2.事例によっては手続きが煩雑

買収の方法によっては、手続きが煩雑で思わぬ時間がかかっていることもあります。特に一部の事業を譲渡する事業譲渡の場合、売却の対象となる事業の範囲を決めるなど複雑な手順が必要です。

買収を考えている方は、早い段階で専門家に相談し手続きのサポートを行ってもらうべきでしょう。

5-3.分割のデメリット

分割のデメリットについても、解説していきます。

デメリット1.従業員間の意思疎通が難しくなる

もともと1つであって会社を分けることで、従業員間の意思疎通に時間がかかるようになります。別の会社になれば、オフィスも部内の人事も変わってしまうケースが多いです。

分割の際はそれぞれが独立して経営を行うか、意思疎通を簡単にする方策を立てる必要があります。

デメリット2.財務手続きが煩雑になりやすい

会社を分ければ、財務手続きの煩雑化は避けられません。

特に分割を済ませてから数年後は担当の社員も手続きに慣れず、業務にかかる時間が増大してしまう可能性があります。

5-4.資本業務提携のデメリット

最後に、資本業務提携のデメリットを解説していきます。

デメリット1.利益配分の話し合いが難しい

お互いの良さを生かせる資本業務提携ですが、別々の会社として経営を続けることで適切な利益配分が難しくなります。

資本業務提携を行う時は、利益配分について事前に明文化しておくのが良いでしょう。

デメリット2.経営の自由度が下がる

資本業務提携を行っている間は提携先企業と話し合い、今後の経営について合意を得ておく必要があります。

そのため今まで通り、自由に経営を行うことは難しいでしょう。従業員や経営陣の間で不満が高まらないよう、提携先企業と共にスピーディな意思決定が出来る方法を検討しなければいけません。

ここまで、それぞれのM&A方法別にデメリットを紹介してきました。M&A方法を検討する際は、それぞれのメリット・デメリットを比較する必要があります。

自社にとってメリットが大きく、デメリットが少ない方法を選びM&Aを成功させましょう。

ここから参考として、中小企業のM&Aで使われやすい方法を解説していきます。

6. 中小企業のM&Aでよく使われる方法は?

中小企業のM&Aで最も多く使われる方法が、株式譲渡です。中小企業M&Aのうち株式譲渡が8~9割を占めるとも言われており、手続きが簡便な株式譲渡が広く使われていることが分かります。

一方複数の事業を行う中小企業の場合、特定事業売却のため事業譲渡を活用するケースも少なくありません。一部事業を手放すことを考えている場合は、事業譲渡を選択するのが一般的です。

中小企業の場合、株式譲渡と事業譲渡の方法が使われるケースは非常に少なくなっています。基本的にはこのどちらかでM&Aを進めるのがおすすめですが、特別な目的がある場合別の方法を選択することも可能です。

M&A仲介会社などから他の中小企業M&A事例を紹介してもらいつつ、自社にとってベストな方法を検討しましょう。

ここからは経営課題に沿ったM&A方法を選択するポイントについて、解説していきます。「M&Aの目的は決まっているけど、どの方法を選べば良いか分からない」という方は参考にしてください。

7. 自社に合うM&Aの方法を選ぶポイントは?

ここまでM&Aの方法とメリット・デメリットについて解説してきましたが、たくさんの方法がありどれを選べば良いか分からないという方も多いでしょう。

そこでここからは、M&A方法を選ぶ際注目しておきたいポイントについて解説していきます。

  1. 会社の名前を残すべきか決める
  2. 売買対象を明確にする
  3. 専門家からのアドバイスを受ける
自分の会社を最大限発展させるため、適切な方法を選びましょう。

ポイント1.会社の名前を残すべきか決める

M&Aの方法によっては、経営している会社自体が消滅してしまうこともあり得ます。M&Aについて考えていくときは、会社の名前が消えて良いかどうか、関係者と意思確認をしておきましょう。

新しい会社としてスタートしたいという場合は合併、引き続き独立して経営を行っていきたいという場合は買収を選ぶのがおすすめです。

また会社の名前だけでなく経営陣や従業員の雇用なども変えたくないという場合、資本業務提携で他社と協力関係になるのも良いでしょう。

ポイント2.売買対象を明確にする

M&Aの方法は、売買対象によって異なります。例えば会社全体を売る場合と、特定の事業を売る場合では、使う方法が大きく異なります。会社全体を売る場合は株式譲渡などの方法で、事業を売る場合は事業譲渡を選択しなければいけません。

また会社や事業を第三者に売却するのかどうかも、はっきりさせておく必要があります。会社などを売却するつもりがない場合、シナジー効果の見込める相手との業務提携などが候補に挙がります。

M&Aで何を売るのか、そもそも売却という形を取るのか早い段階で明確にしておきましょう。

ポイント3.専門家からのアドバイスを受ける

M&A仲介会社に所属するアドバイザーはM&Aの専門家であるため、豊富な実績と経験を持っています。

M&Aには法的な定めがないため、「顧問会計士と税理士さえいればM&Aを進められる」と考える方も少なくありません。しかし自力でM&Aを進めるには、M&A手続きの進め方、売却価格の相場など専門的な知識が必要です。

同じ税理士・会計士であってもM&Aに関わった経験や実績が異なるので、顧問税理士などがいる場合でもM&Aの際には仲介会社に相談した方が安心でしょう。

以上が、M&A方法を選ぶ際のポイントでした。中小企業の多くが選択する株式譲渡以外にも、M&A手法はたくさんあります。

自分と相手企業にとってベストな経営が実現できるよう、専門家と共に方法の検討を行っていきましょう。

ここからはM&Aの方法について相談できる場所を解説しているので、ぜひ参考にしてください。

8. M&Aの方法について相談できる場所4つ

M&Aの方法について相談できる場所として代表的なのは、以下の4つです。

  1. 会計士・税理士
  2. 経営コンサルタント
  3. 公的機関
  4. M&Aアドバイザー

M&Aを進めるにあたって何をすれば良いか分からないという方も、信頼できるアドバイザーを見つけM&Aを成功させましょう。 

8-1.顧問会計士や税理士

まずは身近な専門家に相談したいという場合、会社の顧問会計士・税理士が候補に挙がります。顧問会計士・税理士は見知った相手ですから、M&Aのことだけでなく会社の今後の経営や税務についても聞くことができるでしょう。

しかし会社などに付く会計士・税理士はM&Aの専門家ではないことがほとんどです。もちろん気軽に相談できる相手としては良いのですが、具体的な方法や計画については満足のいく回答が得られないかもしれません。

M&Aの方法について真剣に考えていきたいという場合、別の専門家に相談すべきでしょう。

8-2.経営コンサルタント

M&A方法の検討には経営が深くかかわってくるため、経営コンサルタントへの相談を考える方も多いでしょう。中小企業庁が発表した「2017年版 中小企業白書・小規模企業白書」では、経営コンサルタントに事業承継の相談をした人が12%となっています。

経営コンサルタントの業務は多彩ですので、経営に関することであれば何でも相談できます。会社の経営状態や今後に不安がある場合は、コンサルタントに経営の見直しをしてもらい課題解決を目指していくのがおすすめです。

しかし経営コンサルタントはあくまでも企業の自主的な努力をサポートする立場です。具体的なM&Aの方法、スケジュールを決めたり手続きを代行してくれるわけではありませんので、実務では少し心許ないかもしれません。

8-3.公的機関

M&Aや事業承継に関しては、国や地域が「事業引継ぎ支援センター」の運営を行っており無料で相談できます。事業承継全般についての相談ができるので、M&Aを含め様々な方法を検討していきたいという方におすすめです。

しかしM&A実務に関しては、公的機関から税理士法人やM&A仲介会社などを紹介されるケースが多くなっています。短期間でM&Aを成立させることを重視するなら、公的機関を挟まず直接専門のアドバイザーに相談した方が良いでしょう。

8-4.M&Aアドバイザリー

M&Aの方法に関して最もおすすめできる相談先が、M&Aアドバイザリーです。M&AアドバイザリーはM&Aに関する仲介やアドバイスを専門にしているため、経験も豊富ですしM&Aの案件も多数持っています。

M&Aアドバイザリーには大きく分けて

  1. ファイナンシャル・アドバイザー(FA)
  2. 仲介会社

の2種類があります。

どちらもアドバイザリー契約を行いM&Aのサポートを行う点では同じですが、2社の間にはM&Aにおける立場の違いが存在します。

まずファイナンシャル・アドバイザーは売り手か買い手、どちらかの立場に立ちアドバイスを行うのが一般的です。そのため片方の利益だけを優先してしまい、交渉がまとまりにくくなってしまうこともあります。

一方仲介会社は、売り手と買い手の間に立ち話し合いを進めるので円滑に関係企業との話し合いを進めていきたい会社におすすめです。ただしM&A仲介会社は非常に多いため、どこが自分に合っているか見分けるのに時間がかかることもあります。

しかし自社に合っているM&A仲介会社を見つければ、心強いパートナーになってくれるでしょう。

以上が、M&Aの方法に関する主要な相談先でした。納得のいく形でM&Aを成功させるために大切なのは、適切なアドバイザー選びです。会社内でも話し合いと検討を行い、気になる相談先については積極的にリサーチしていきましょう。

ここからはM&Aを成功させるためのポイントを紹介していきます。自社でM&Aの目的や方法について話し合いを進めるのに不安を感じる方は、ぜひチェックしてください。

9. 自分の会社に合った相談先を選ぶポイント

ここまでM&A相場についての相談先を解説してきましたが、どうやって自分に合った相談先を選べば良いか分からないという方も多いでしょう。

実際にM&Aを進めていくにあたって、最低限チェックしておきたいポイントは以下の4つです。

  1. 料金体系ははっきりしているか
  2. 丁寧な対応をしてくれるか
  3. M&Aサポートの実績を持っているか
  4. M&A後のサポートをしてくれるか

これらのポイントをもとに相談先を検討し、実際に相談に行きながら自社に合ったアドバイザーを選びましょう。

ポイント1.料金体系ははっきりしているか

M&Aに関して専門家に相談する中小企業は増加していますが、小規模な会社にとってM&Aのサポートに支払う費用はやはり大きいものです。

出来れば料金を抑え、低価格でサポートしてもらいたいと考えている会社は多いでしょう。しかし見積もりの段階では低い価格を出し、後日追加料金として様々な名目の費用を請求してくるアドバイザーもいます。

そのため後日料金が発生するケースがあるかどうか、事前に確認しておくことが大切です。また料金体系が分かりやすく、追加料金が発生しにくいアドバイザーを選ぶのも良いでしょう。

費用をなるべく抑えたいという方は、M&Aの成功時のみ費用が発生する完全成功報酬型のところがおすすめです。

ポイント2.丁寧な対応をしてくれるか

M&Aのサポートをしてくれる機関は多数ありますが、担当者がいつでも真摯に対応してくれるとは限りません。アドバイザーによっては、会社の事業や考え方を尊重せず短期間で無理にM&Aを進めようとすることもあります。

またアドバイザー自身に問題がない場合でも、人間同士の関わりですから担当者と相性が合わず、話し合いが上手く進められないというケースもあるでしょう。

担当者や相談先に不信感や不安を抱いたままM&Aを進めても、納得のいくM&A、事業承継は実現できません。実際に相談に行き、相性がいいな、と感じるところでM&Aのサポートを依頼しましょう。

ポイント3.M&Aサポートの実績を持っているか

M&Aの実績を持っている相談先でなければ、安心してM&Aサポートを任せられません。

特に昨今はM&Aを行う企業が増加していることもあり、実績のないままM&Aの専門家を名乗っているアドバイザーが多くいます。

もちろん出来たばかりの仲介会社の中にも質の高いアドバイザーはいますが、初めてM&Aを行う会社が正しく専門家の質を見分けることは難しいでしょう。

トラブルなく自社にとって良いM&A方法を選択するため、M&Aの仲介実績をもとに専門家を選ぶのがおすすめです。

多くの仲介実績を持っている、M&Aアドバイザリーとして長い歴史を持っているなど、安心できる要素を持った相談先を選びましょう。

ポイント4.M&A後のサポートを行ってくれるか

M&A成立後の対応によっては、会社の統合が上手く行かず様々な問題が発生することもあります。そのためM&A後の経営に関して、長期的な相談ができるアドバイザーを選ぶのが望ましいでしょう。

M&Aをしたはいいものの、経営体制の変化に戸惑い従業員が大量に離職したり、社内で派閥が生まれギスギスした雰囲気になることもあります。そうした場合会社を離れた身であっても、前経営者として精神的負担が大きくなってしまいます。

こうした問題を防ぐためM&Aの手続きに関することだけでなく、会社の成長について共に考えてくれるアドバイザーを選びましょう。アドバイザーによっては、公式ページでM&A後のケアについて説明していますのでぜひチェックしてください。

ここからはM&Aを成功させるためのポイントを紹介していきます。費用面での不安などからM&A相談を迷っている方はぜひチェックしてください。

10. M&Aの方法はM&A仲介会社に聞いてみよう!

自社内でM&Aの方法を検討し、買い手探しをすることもできますが自力でM&Aのプロセス全てを済ませるのは非常に難しいことです。

M&Aを短期間で終わらせたい、納得のいくM&Aを実現したいと考えるなら、M&Aアドバイザーに相談をしてみましょう。M&A仲介会社ならM&Aの専門家として経営に関する様々な観点からアドバイスを行うので、今後の経営に迷っている方も安心です。

「どういった方法でM&Aをすればよいか分からない」「会社の現状に合う買い手を見つけたい」などの悩みは、M&AのプロフェッショナルであるM&A仲介会社に任せましょう。

M&A仲介会社は数多くありますが、ぜひ最初の相談先として「M&A総合研究所」をお選びください。M&A総合研究所は相談料、着手金無料の完全成功報酬制なので、M&Aにかかる予算をなるべく抑えたい方でも気軽に相談できます。

また経験豊富な公認会計士や税理士がM&Aのサポートをしてくれるので、M&A手続きの専門性も安心です。M&Aに興味をお持ちの方は、一度M&A総合研究所のサイトでこれまでの実績をチェックしてみてください。

11. M&A方法のまとめ

M&Aの方法は非常に多く、選択肢がありすぎて困ってしまう会社も少なくありません。

しかしそれぞれの手法をしっかり理解し、自分の会社に合ったM&Aの方法を選ぶことで、目的に合ったM&Aを達成できます。

M&Aの方法に関してはM&Aの仲介会社に相談し、会社の経営課題を解決しましょう。

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