食品加工会社・食品工場の事業譲渡・株式譲渡のポイントとは?業界動向/事例/相談先も紹介

本記事では、食品加工会社・食品工場の事業譲渡・株式譲渡のポイントについて、食品加工会社・食品工場業界が直面している問題や今後の動向予測、評価を高めるポイントなどを解説します。また、実際に行われた食品加工会社・食品工場の事業譲渡・株式譲渡事例も紹介しています。


目次

  1. 食品加工会社・食品工場とは
  2. 食品加工会社・食品工場業界が直面している問題
  3. 食品加工会社・食品工場業界の今後の動向予測
  4. 食品加工会社・食品工場の評価を高めるポイント
  5. 食品加工会社・食品工場の事業譲渡・M&Aは他社にない強みが大切
  6. 食品加工会社・食品工場の事業譲渡のポイント
  7. 食品加工会社・食品工場の株式譲渡のポイント
  8. 食品加工会社・食品工場のその他のM&A手法
  9. 食品加工会社・食品工場を事業譲渡・株式譲渡する際の引き継ぎ・手続きについて
  10. 食品加工会社・食品工場を事業譲渡する際の相談先
  11. まとめ

1. 食品加工会社・食品工場とは

食品加工会社・食品工場とは

食品加工とは、食品を食べやすくおいしくしたり、保存性を高めたりすることを指し、私たちの食生活と深いかかわりがあります。

その食品加工を事業として営む会社が食品加工会社であり、食品を製造・加工する工場が食品工場です。

事業譲渡とは

事業譲渡とは、ある会社が営んでいる事業(一部または全部)をほかの会社へ売却する取引のことです。事業を買い取った会社は、対価として現金を支払います。

売却する側は自社が営む全ての事業を売却したり、そのなかの一部だけを売却して残りの事業は引き続き自社で営業することもできます。

その他のM&A手法

食品加工会社・食品工場のM&Aにおいて、事業譲渡以外でよく使われるのは株式譲渡という手法です。株式譲渡は自社の株式を他の企業や個人へ売却する取引で、会社の経営権を譲り渡します。

そのほかには、資本提携会社分割なども、食品加工会社・食品工場のM&Aで比較的よく利用されています。

2. 食品加工会社・食品工場業界が直面している問題

直面している問題

食品加工会社・食品工場業界はどのような問題を抱えているのでしょうか。この章では、食品加工会社・食品工場業界直面している3つの問題について解説します。

【食品加工会社・食品工場業界が直面している問題】

  1. 品質管理・保証などに対応する投資負担が経営を圧迫
  2. 従業員が集まらない
  3. 経営者が高齢になり後継者もいない

①品質管理・保証などに対応する投資負担が経営を圧迫

食品は人の口に入るものであり、食品加工会社・食品工場としては、食中毒対策・異物混入対策などの品質管理・保証を徹底することが必須となります。

このような品質管理・保証には多大な投資負担が必要であり、これが食品加工会社・食品工場の経営を圧迫する要因にもなっています。

②従業員が集まらない

近年は少子化による労働力人口の減少で、どの業種でも人材不足が深刻化しつつあります。

食品加工会社・食品工場の場合は、それに加えて労働条件の悪さや給与の低さなども相まって、従業員が集まらないケースが多くなっています

③経営者が高齢になり後継者もいない

日本の会社経営者の平均年齢は60歳代といわれており、特に中小企業経営者の後継者不足が深刻になっています。

食品加工会社・食品工場は中小企業も多く、経営者が高齢になり後継者もいないケースが増えています。

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3. 食品加工会社・食品工場業界の今後の動向予測

今後の動向予測

食品加工会社・食品工場業界の今後はどのようになると予測されるのでしょうか。ここでは、食品加工会社・食品工場業界の今後について予測し解説します。

【食品加工会社・食品工場業界の今後の動向予測】

  1. 原油高・穀物高などのコストにより売上が圧迫される可能性
  2. 海外(アジア圏)へ市場拡大が増えていくと予測される
  3. 食品加工会社・食品工場業界の事業譲渡・M&A動向

①原油高・穀物高などのコストにより売上が圧迫される可能性

食品加工会社・食品工場では、原材料となる穀物価格の高騰が売り上げを大きく圧迫します。

それに加えて、原油価格の高騰も運送費・梱包費・光熱費などを圧迫する要因につながります。

②海外(アジア圏)へ市場拡大が増えていくと予測される

食品加工会社・食品工場の市場規模は約20兆円ほどであり、近年は大きな伸びはなく横ばいからやや縮小の傾向にあります。

食べ物は人間が生きるのに必要なので堅調な需要はあるものの、不況や人口減少などで国内需要に関しては頭打ちの状態だといえるでしょう。

そのため、今後食品加工会社・食品工場の市場拡大を目指すには、特にアジア圏を中心とする海外への進出が重要になると予測されます

③食品加工会社・食品工場業界の事業譲渡・M&A動向

食品加工会社・食品工場業界では、穀物価格・原油価格の高騰、および安全性へのコスト増大などから、事業譲渡・M&Aによる業界再編で生き残りを図る事例が増加しています

また、発展途上国を中心とする海外市場の開拓を目指し、海外企業の事業譲渡・M&Aを積極的に行う企業も増えてきており、食品加工会社・食品工場業界は事業譲渡・M&Aのよいタイミングに入っているといえるでしょう。

4. 食品加工会社・食品工場の評価を高めるポイント

評価を高めるポイント

食品加工会社・食品工場が事業譲渡・M&Aを行う際、評価を高めるポイントには主に以下の2つがあります。

【食品加工会社・食品工場の評価を高めるポイント】

  1. 設備・施設などが整備されている事
  2. 過去に大きな問題がなく安全に運営されている事

①設備・施設などが整備されている事

食品加工会社・食品工場は、設備・施設などがしっかり整備されていることが重要です。食品は人間が口に入れるものなので、特に衛生面での設備が整っていることが重視されます

そのほか、地震対策省エネ・防音対策などが整っていると、食品加工会社・食品工場のM&A・事業譲渡を行う買い手からの評価が高くなります。

②過去に大きな問題がなく安全に運営されている事

食品加工会社・食品工場では、食中毒などの問題が起こると、売上が減少するだけでなくその会社のブランドイメージも損なうことになります。

食品加工会社・食品工場のM&A・事業譲渡で評価を高めるには、過去に大きな問題がなく、安全に運営されていることが重要です。

5. 食品加工会社・食品工場の事業譲渡・M&Aは他社にない強みが大切

他社にない強みが大切

食品加工会社・食品工場が事業譲渡・M&Aをする理由はさまざまですが、買い手企業・売り手企業双方の強みを生かして、シナジー効果を獲得することが最も重要になります。

事業譲渡・M&Aで高いシナジー効果を得るためには、他社にない強みを持っていることが大切です。

安定した販売チャンネルをきちんと持っている

食品加工会社・食品工場の強みとして大事なのは、安定した販売チャンネルをきちんと持っていることです。

売り上げが安定していて経営戦略が立てやすいことが、食品加工会社・食品工場のM&A・事業譲渡では重要になります。

商品ラインナップを豊富に持っている

商品ラインナップを豊富に持っていることも、食品加工会社・食品工場のM&A・事業譲渡では重要になります。

豊富な商品ラインナップは売り上げの安定化にもつながるので、そのような強みを持つ食品加工会社・食品工場は、M&A・事業譲渡で有利になります。

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6. 食品加工会社・食品工場の事業譲渡のポイント

事業譲渡のポイント

この章では、食品加工会社・食品工場の事業譲渡のポイントと、実際に行われた食品加工会社・食品工場の事業譲渡事例を紹介します。

食品加工会社・食品工場を事業譲渡する際の注目点

食品加工会社・食品工場を事業譲渡する際に注目しておきたいのは、必要な許認可についてです。食品加工会社・食品工場を営むには、食品衛生法に基づく各種許認可が必要になります。

しかし、事業譲渡は事業資産の売買なため、売り手側企業が持っている許認可を買い手側が引き継ぐことはできません

したがって、食品加工会社・食品工場の事業譲渡では、買い手側が必要な許認可を取得しておく必要があります。

食品加工会社・食品工場の事業譲渡事例

この節では、食品加工会社・食品工場の事業譲渡事例として、以下の3例を解説します。

【食品加工会社・食品工場の事業譲渡事例】

  1. ホクリヨウが食品事業をエスフーズへ事業譲渡
  2. 三井製糖が食品素材事業をタイショーテクノスへ事業譲渡
  3. 山口本店が食品スーパー事業をマルヤへ事業譲渡

①ホクリヨウが食品事業をエスフーズへ事業譲渡

2018年に、株式会社ホクリヨウは自社の食品事業をエスフーズ株式会社へ事業譲渡しました。

ホクリヨウは鶏卵の生産・販売を手がける食品加工会社・食品工場で、エスフーズは「こてっちゃん」などで知られる食品加工会社・食品工場です。

ホクリョウが鶏卵事業以外の事業を整理して、選択と集中を行うことが事業譲渡の目的となっています。

②三井製糖が食品素材事業をタイショーテクノスへ事業譲渡

2014年に、三井製糖株式会社が、食品素材事業を子会社の株式会社タイショーテクノスへ事業譲渡しました。

三井製糖は製糖業界最大手の食品加工会社・食品工場で、タイショーテクノスは食品素材や添加物などを製造・販売する食品加工会社・食品工場です。

グループ企業間での関係性強化、および食品添加物事業の基盤強化と効率化が事業譲渡の目的となっています。

③山口本店が食品スーパー事業をマルヤへ事業譲渡

2013年に、株式会社山口本店が食品スーパー事業を株式会社マルヤへ事業譲渡しました。

山口本店は岐阜県でスーパーマーケットを展開する食品加工会社・食品工場で、マルヤは関東圏でスーパーマーケットを展開する食品加工会社・食品工場です。

両社の出店地域が近いことを活かして、食品小売事業の強化を目指すことが事業譲渡の目的となっています。

事業譲渡に適した食品加工会社・食品工場とは

事業譲渡は複数の事業のうちの一部だけを売却できるので、複数の事業を営んでいる食品加工会社・食品工場が、不要な事業を売却したい時に適しています

なお、事業譲渡のくわしい手順や手続きは、以下の記事で解説しています。

【関連】【公認会計士監修】事業譲渡の手続き期間は?流れやスケジュールを解説!

7. 食品加工会社・食品工場の株式譲渡のポイント

株式譲渡のポイント

食品加工会社・食品工場のM&Aは事業譲渡がメインですが、そのほかに株式譲渡という選択肢もあります。

この章では、食品加工会社・食品工場の株式譲渡のポイント、食品加工会社・食品工場の株式譲渡事例を解説します。

食品加工会社・食品工場を株式譲渡する際の注目点

株式譲渡は、会社を売却して株主に売却益が入るところが注目点だといえるでしょう。

例えば、高齢の食品加工会社・食品工場経営者が引退して事業承継したい時は、事業譲渡よりも株式譲渡のほうが適したスキームになります。

食品加工会社・食品工場の株式譲渡事例

この節では、食品加工会社・食品工場の株式譲渡事例の中から、以下の3例を解説します。

【食品加工会社・食品工場の株式譲渡事例】

  1. 新日本機能食品が石垣食品へ株式譲渡
  2. カタギ食品がかどや製油へ株式譲渡
  3. コスモフーズが日鉄物産へ株式譲渡

①新日本機能食品が石垣食品へ株式譲渡

2018年に、株式会社新日本機能食品が石垣食品株式会社へ株式譲渡を行いました。新日本機能食品は健康・美容関連のサイト運営などを手がける会社です。

一方の石垣食品は、飲料・珍味を中心に手がける食品加工会社・食品工場です。新日本機能食品のEコマース事業を生かした、販路拡大が株式譲渡の目的となっています。

②カタギ食品がかどや製油へ株式譲渡

2017年に、カタギ食品株式会社がかどや製油株式会社へ株式譲渡を行いました。カタギ食品はゴマ製品を手がける食品加工会社・食品工場です。

かどや製油は、ごま油やラー油などを製造・販売する食品加工会社・食品工場です。当M&Aにより、お互いの強みとブランド力を生かし、ゴマ製品のさらなる事業拡大を目指します。

③コスモフーズが日鉄物産へ株式譲渡

2019年に、コスモフーズ株式会社が日鉄物産株式会社へ株式譲渡を行いました。コスモフーズは畜肉加工食品などを手がける食品加工会社・食品工場です。

日鉄物産は食糧・機械・繊維などを手がける商社であり、販売ネットワークの拡充および中期経営計画の達成が株式譲渡の目的となっています。

株式譲渡に適した食品加工会社・食品工場とは

株式譲渡では事業譲渡とは異なり、会社の経営権を譲渡します。そして、譲渡された会社は買収先企業の子会社として存続します。

したがって、例えば大手の傘下に入って安定した経営基盤を得たい中小の食品加工会社・食品工場は、株式譲渡が適しているといえるでしょう。

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8. 食品加工会社・食品工場のその他のM&A手法

その他のM&A手法

ここまで食品加工会社・食品工場のM&A手法として、事業譲渡と株式譲渡を解説してきましたが、食品加工会社・食品工場のM&Aで利用される手法には、ほかにも以下のようなものがあります。

このうち、株式交換・株式移転・合併・分割は主に組織再編で使われるものであり、中小の食品加工会社・食品工場のM&Aではあまり利用されません。

また、資本提携や業務提携は、大企業と中小の食品加工会社・食品工場の間で締結されることもあります

【食品加工会社・食品工場のその他のM&A手法】

  1. 第三者割当増資
  2. 株式交換
  3. 株式移転
  4. 合併
  5. 分割
  6. 資本提携
  7. 業務提携

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9. 食品加工会社・食品工場を事業譲渡・株式譲渡する際の引き継ぎ・手続きについて

引き継ぎ・手続きについて

食品加工会社・食品工場を事業譲渡・株式譲渡する際の引き継ぎ・手続きですが、前述のように事業譲渡の場合は、権利や義務は引き継がれません。

そのため、工場などの施設の所有権の移転手続きや、食品加工会社・食品工場を営むために必要な許認可の取得などが必要になります。

一方、株式譲渡では、株主名簿の書き換えとそれに関する株主総会の決議などが必要になります。事業譲渡とは異なり権利義務も包括承継されるため、事業資産の移転手続きや許認可の新規取得は必要ありません

10. 食品加工会社・食品工場を事業譲渡する際の相談先

事業譲渡する際の相談先

食品加工会社・食品工場のM&A・事業譲渡をお考えの方は、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。

食品メーカー・食品加工・食品工場会社のM&A実績がある公認会計士・弁護士・アドバイザーが、3名体制でクロージングまでフルサポートいたします。

食品加工会社・食品工場のM&A・事業譲渡では売却価格が重要でますが、M&A総合研究所では、シナジー効果が得られる売却先を選定することで、より高い価格で売却できるようにサポートいたします。

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11. まとめ

まとめ

食品加工会社・食品工場は、今後M&A・事業譲渡が活発になると考えられる業種のひとつです。M&A・事業譲渡について理解しておくことが、食品加工会社・食品工場経営者の方にとっても重要になるでしょう。

【食品加工会社・食品工場業界が直面している問題】

  1. 品質管理・保証などに対応する投資負担が経営を圧迫
  2. 従業員が集まらない
  3. 経営者が高齢になり後継者もいない

【食品加工会社・食品工場業界の今後の動向予測】
  1. 原油高・穀物高などのコストにより売上が圧迫される可能性
  2. 海外(アジア圏)へ市場拡大が増えていくと予測される
  3. 業界再編で生き残りを図るための事業譲渡・M&Aや、海外企業の事業譲渡・M&Aを積極的に行う企業が増加するとみられる

【食品加工会社・食品工場の評価を高めるポイント】
  1. 設備・施設などが整備されている事
  2. 過去に大きな問題がなく安全に運営されている事

【食品加工会社・食品工場のその他のM&A手法】
  1. 第三者割当増資
  2. 株式交換
  3. 株式移転
  4. 合併
  5. 分割
  6. 資本提携
  7. 業務提携

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