自社株を売却するなら第三者へ!売却にかかる税金や留意点など解説

自社株を売却することで、資金調達や事業承継が行えます。今回は、自社株売却の税金・流れ・留意点などを解説!自社株売却を詳しく知らないまま自力で行うと、失敗する恐れがあります。自社株売却を理解するためこの記事を読んで、自社株売却を成功させましょう。


目次

  1. 自社株を売却する理由とは?
  2. 自社株を売却するメリットとデメリット
  3. 自社株売却をしたときの税金
  4. 自社株を従業員に売却する従業員持ち株制度とは
  5. 第三者に自社株を売却するときの流れ
  6. 自社株を売却するときの留意点
  7. 第三者に自社株を売却するならM&A仲介会社に相談しよう
  8. 自社株売却に詳しいM&A仲介会社
  9. まとめ

1. 自社株を売却する理由とは?

自社株を売却する理由とは?

自社株とは、自社で発行している株式のことです。

自社株を売却する理由は、3つあります。
 

  1. 資金調達
  2. 組織再編
  3. 事業承継

このような理由がどのように自社株の売却に繋がるのか、それぞれ確認しましょう。

理由1.資金調達

資金調達したい場合、自社株を売却することがあります。自社株を売却した対価として、資金を得るのです。

例えば、新規事業への参入や借入金の返済のために、自社株を売ることで資金を得るといったことができます。

通常、株式を売る場合は新株を発行しますが、自社で保有している自社株を新株として売却することもできるのです。新株を発行しない分、短期間で売却ができます

ただし、経営権は株式保有率によって変わります。経営権を維持したいなら、自社株を過半数以上保持していなければなりません。そのため、安易に自社株を売却して資金調達をしないようにしましょう。

理由2.組織再編

自社株の売却は、組織再編にも利用されます。

組織再編とは、会社の組織や形態を編成し直すことです。子会社を統合したり、特定の事業を他社へ承継したりする行為を組織再編と指します。

例えば、グループ会社A社の自社株を全て同グループ会社B社に譲渡すると、B社が親会社となりA社はB社の子会社となるといった組織再編に自社株売却は使われるのです。

自社株売却での組織再編は、新株発行の手間がかからずスムーズに行えるメリットがあります。

理由3.事業承継

自社株を後継者に売却することで、事業承継を行う場合もあります。

例えば後継者が、先代経営者が保有する自社株を買い取って、経営権を譲り受けるといった事業承継方法があるのです。

事業承継の後継者が親族や従業員の場合、株式を買い取る資金力が問題となります。しかし、株式を贈与でなく買い取ることで、譲渡するより課税される金額を抑えられるため相続税対策になるのです。

※事業承継について詳しくは以下の記事でまとめていますので、こちらを参考にしてみてください。

【関連】【保存版】事業承継とは?目的や税制、補助金の利用方法まで徹底解説!

2. 自社株を売却するメリットとデメリット

自社株を売却するメリットとデメリット

自社株を売却する理由は、資金調達・組織再編・事業承継の3つがありました。

自社株の売却は、新株発行の手間がかからないことや相続対策などメリットがあります。しかし、自社株売却の最大のメリットは「発行済株式の総数を変化させずに資金を獲得できる」ことです。

一方、デメリットもあります。続いて、自社株を売却する主なメリットとデメリットをさらに詳しく確認しましょう。
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  1. 【メリット】発行済株式の総数を変化させずに資金を獲得できる
  2. 【デメリット】株価を下落させる可能性がある

順番に見ていきましょう。

【メリット】発行済株式の総数を変化させずに資金を獲得できる

自社株売却は、発行済株式の総数を変化させずに資金を獲得できるメリットがあります。発行済株式の総数とは、実際に会社が発行している株式の総数のことです。

発行済株式の総数が変わると、一株当たりの価値も変わります。新株を発行すると、株式総数が増えて一株当たりの価値が下がるのです。

しかし、自社株売却だと発行済株式の総数は変わらないため、基本的に一株当たりの価値は維持されます。

【デメリット】株価を下落させる可能性がある

自社株売却は、発行済株式の総数が変わらないため基本的に株価への影響はありません。しかし、発行済株式の総数が変わらないことが、株価を下落させる可能性に繋がるのです。

株価が高いときに自社株を売却するほど、多くの資金を調達できます。しかし、自社で保有している株式を市場に流通させることとなり、結果的に流通量が増えて株価が下がるのです。

事業承継や組織再編で自社株を売却する場合は、内部で株式を交換するだけなので株価に影響する可能性が低いでしょう。しかし、資金調達のときは気を付けなければなりません

自社株売却で資金を得られるものの、自社株売却は慎重にタイミングを見計らって行った方が良いでしょう。

3. 自社株売却をしたときの税金

自社株売却をしたときの税金

自社株売却するメリットとデメリットを確認しました。自社株売却をして資金調達するときは、売却のタイミングや売却株数に注意しましょう。

しかし、自社株売却は資金調達に適しています。なぜなら、まとまった資金を短期間で獲得できるからです。ただし、自社株を売却すると税金がかかります

自社株売却に税金がかかるパターンは、次の2つです。
 

  1. 第三者に自社株を売却した場合
  2. 自社に自社株を売却した場合

それぞれどれくらい課税されるか確認しましょう。

パターン1.第三者に自社株を売却した場合

他社や個人など第三者に自社株を売却した場合、譲渡所得に対して所得税と住民税が課税されます。譲渡所得とは、土地や株式を譲渡することによって生じた所得(利益)のことです。

所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%のため、譲渡所得の20.315%を税金で支払わなければなりません。

譲渡所得は分離課税のため、他の所得が高くても合算せずに計算されます。分離課税でない総合課税であれば、他の所得と合わせるため累進課税となり、最高55%も税金で支払う必要があるのです。

たとえば、2,000万円の譲渡代金を受け取った場合、約406万円が税金で、手元に残るのは約1,594万円となります。

もし譲渡所得が総合課税だった場合、不動産所得などと合算して高額となれば1,000万円弱しか残らない可能性があるのです。

次のパターン「自社に自社株を売却した場合」は累進課税となるため、第三者に自社株を売却する方が税金を安く済ませられる可能性があります

パターン2.自社に自社株を売却した場合

一方、自社に自社株を売却した場合、配当所得に所得税と住民税が課税されます。配当所得とは、株式などの配当金にかかる税金で総合課税に分類されるのです。

総合課税は、総合課税にあたる所得を全て合わせて課税されます。累進課税のため、所得の高い人は最高55%もの税率がかかるのです。

自社株を自社に売る場合は、税率に注意しなければなりません。第三者への売却も可能なら、第三者へ売却した方が税金を抑えられるでしょう。

4. 自社株を従業員に売却する従業員持ち株制度とは

自社株を従業員に売却する従業員持ち株制度とは

自社株を売却するときの税金について確認しましたが、自社株は従業員個人に売却することも可能です。

自社株を従業員に売却して従業員が自社株を持つ制度のことを、従業員持ち株制度と言います。上場企業の9割が導入している制度です。

従業員が持株会を設立して、制度を運用します。制度を利用する従業員は、給与天引きで自社株を毎月購入し配当金を得るのです。

この制度のメリットとデメリットを、会社と従業員それぞれの視点で確認しましょう。

従業員持ち株制度のメリット

まずは従業員持ち株制度のメリットを見ていきましょう。
 

  1. 会社側のメリット①経営を安定させられる
  2. 会社側のメリット②相続対策できる
  3. 従業員側のメリット①資産形成を行える

導入する会社と自社株を購入する従業員が、どのようなメリットを得られるか順番に確認しましょう。

会社側のメリット①経営を安定させられる

従業員持ち株制度の会社側のメリットは、従業員が株主のため経営方針に賛同する株主が増えて経営を安定させられます。

従業員持ち株制度は、業績が上がれば従業員への配当金も上がる仕組みです。配当金というリターンのために、従業員は仕事に精を出します。

従業員の頑張りが反映されて業績が上がれば、配当金が上がってさらに従業員は仕事を頑張るようになるのです。

このように従業員持ち株制度は従業員が業績を実感できるため、経営方針に反対する従業員が少なくなります

会社側のメリット②相続対策できる

未上場企業の場合、経営者の相続対策が可能です。

相続の際に、先代経営者が自社株を多く所有していると相続税が高くなります。しかし、経営権に影響しない程度の株数を従業員に売却または贈与することで、社外に株式を流出させず相続対策を行えるのです。

未上場企業の経営者は、相続時に活用できると覚えておきましょう。

従業員側のメリット①資産形成を行える

自社株を取得する従業員にとっては、資産形成を行えます。投資というよりは、貯蓄の一環としてこの制度を利用している人が多いです。

業績が上がれば配当金も上がるため、仕事のモチベーションアップにもなるでしょう。

また、従業員が購入した金額のおよそ1割を奨励金として追加してくれる会社もあります。たとえば、1万円で自社株を買うと1,000円分を会社が追加してくれて、実質1万1,000円の自社株を購入したこととなり、購入額以上の株式を得られるのです。

通常従業員持ち株制度の株式購入は給与天引きとなるため、気軽に始めやすく積み立てやすいメリットもあります。

従業員持ち株制度のデメリット

一方、従業員持ち株制度のデメリットも会社側と従業員側、それぞれあります。
 

  1. 会社側のデメリット①配当を出し続けなければならない
  2. 会社側のデメリット②従業員が議決権を持つこととなる
  3. 従業員側のデメリット①会社の業績に資産形成を依存してしまう
  4. 従業員側のデメリット②売却しにくい

デメリットも順番に確認しましょう。

会社側のデメリット①配当を出し続けなければならない

従業員持ち株制度を導入した会社側のデメリットは、配当を出し続けなければならないプレッシャーが続くということです。

制度を利用している従業員にとって、配当金が仕事へのモチベーションとなっている人もいます。配当金が下がればモチベーションも下がり、さらに業績悪化を不安に思って離職してしまう可能性があるのです。

特に未上場企業の場合、株式を第三者に売却することができません。配当金だけが、従業員が従業員持ち株制度に参加するメリットとなるのです。配当金を出すために、財務が圧迫される可能性もあります。

会社側のデメリット②従業員が議決権を持つこととなる

また、従業員持ち株制度を導入するということは、株主総会の議決権を株主の従業員が持つことです。

株主の従業員が会計帳簿の閲覧を請求する帳簿閲覧権や、役員などに問題の責任を追及する代表訴訟提起権などを持ち、結果的に経営を不安定にさせることも考えられます。

このような事態にならないよう、持株会で購入する株式には議決権がないなど、会社が対策しなければなりません。

従業員側のデメリット①会社の業績に資産形成を依存してしまう

従業員持ち株制度に参加する従業員は、資産を会社の業績に依存してしまうことがデメリットです。業績が悪化すれば、株価も下がって資産が減ってしまいます。

そのため資産形成は、従業員持ち株制度以外にも分散させて行いましょう。

従業員側のデメリット②売却しにくい

また、自社株は売却しにくいです。売却するには、持株会に売却の旨と理由を伝える必要があります。持株会のルール上、売却できない期間や申請許可が下りない場合もあるのです。

未公表情報をもとに売却しようとすると、インサイダー取引に抵触して刑事罰を受ける可能性もあります。

売却したいときに売却できないことが、従業員の最大のデメリットでしょう。

5. 第三者に自社株を売却するときの流れ

第三者に自社株を売却するときの流れ

従業員持ち株制度は、従業員と会社の共依存状態となる可能性があるため、導入はよく検討しなければなりません。自社内で株式を保持することにこだわらないなら、第三者に売却することをオススメします。

第三者への売却なら税金も安く、従業員持ち株制度のようなリスクもありません。持ち株比率を考慮して売却すれば、経営権は維持したまま資金を調達できます。

「でも、どうやって第三者へ自社株を売却するか分からない」という経営者もいるはずです。続いて、第三者へ自社株を売却するときの流れを確認しましょう。

第三者に自社株を売却する流れは、以下の7つに分けられます。
 

  1. 自社株売却の承認を得る
  2. M&A仲介会社に相談する
  3. アドバイザリー契約を締結する
  4. 買い手企業を選定して交渉する
  5. 基本合意契約を締結する
  6. デューデリジェンスに対応する
  7. 最終契約を締結する

順番に確認し、自社株を売却するイメージを描きましょう。

流れ1.自社株売却の承認を得る

自社株を第三者の会社や個人に売却する場合、株式が譲渡制限されているかによって手続きが異なります。

上場企業は、いつでも誰でも自由に株式を売買することが可能です。そのため経営者は承認なしで自社株を売却できます。

しかし、発行している株式に譲渡制限がある場合は、株式売却の承認を得なければなりません。株式に譲渡制限が設けられている場合、取締役会で承認を得る必要があります。取締役会がない会社なら、株主総会で承認を得なければならないのです。

多くの中小企業が、株式に譲渡制限を設けています。自社株に譲渡制限があるか分からない経営者は、定款を確認しましょう。

流れ2.M&A仲介会社に相談する

自社株売却の承認を得たら、M&A仲介会社に相談しましょう。なぜなら、株式を売却する買い手企業を見つけなければならないからです。

自力で買い手企業を見つけるのは、困難を極めます。M&A仲介会社なら、全国から要望に合った買い手企業を探してくれるのです。

また、相談すると株価算定を行ってくれるM&A仲介会社もあります。未上場企業は株価が分からないため、M&A仲介会社を利用して自社の価値を知りましょう。

自社株売却を相談し、自社株売却を進めることにしたらM&A仲介会社と契約を結びます。

流れ3.アドバイザリー契約を締結する

自社株売却を支援してもらうM&A仲介会社と、アドバイザリー契約を締結します。アドバイザリー契約とは、M&A業務をサポートしてもらうためにM&A仲介会社と結ぶ契約のことです。

アドバイザリー契約を結ぶと、以下のようなサポートを受けられます。
 

  • スケジュール管理
  • 資料や契約書の作成・確認支援
  • 詳細な譲渡価格の見積もり
  • 買い手企業選定・打診
  • 交渉の同席・サポート

自社株売却には、会計や法務などの知識、買い手企業を探すネットワーク、交渉力など専門的な知識と経験が必要です。経営者1人だと、自社株を安く売却してしまうなど失敗してしまうかもしれません。

自社株をなるべく高く売却するためにも、相性の良いM&A仲介会社にサポートしてもらいましょう

流れ4.買い手企業を選定して交渉する

アドバイザリー契約を結ぶと、M&A仲介会社が買い手企業を選定してくれます。売り手企業の希望条件に適った買い手企業を、M&A仲介会社が持つネットワークから探し、リストアップしてくれるのです。

売り手企業の経営者はリストを見て、打診する買い手企業を選びましょう。M&A仲介会社を通して打診が行われ、打診相手が了承すれば経営者同士で面談を行います。

自社株の売却は、少なからず経営に影響を与えることです。持ち株比率によりますが、買い手企業の経営者は経営権を一部または全部譲渡する相手となります。

そのため買い手企業の経営者と、経営方針や今後のビジョンをしっかり話し合いましょう。話し合えれば、譲渡価格や譲渡条件について交渉します。

M&A仲介会社のコンサルタントに支援してもらいながら、納得できるまで交渉しましょう。

流れ5.基本合意契約を締結する

買い手企業との交渉で、基本的な条件が決まれば基本合意契約を締結します。基本合意契約とは、買い手企業と決めた条件でM&Aを進めると合意する契約のことです。

基本合意契約の際に作成される基本合意書には、以下のような内容を記載します。
 

  • 自社株売却の条件
  • 自社株の譲渡価格
  • 今後のスケジュール
  • デューデリジェンス協力義務
  • 独占交渉権

基本合意書の内容をもとに、最終交渉が行われます。内容はしっかり確認しましょう。

基本合意契約を結んだ後は、デューデリジェンスが行われます。

流れ6.デューデリジェンスに対応する

デューデリジェンスとは、買い手企業が売り手企業の事業や財務などに対して行う調査のことです。売り手企業はデューデリジェンス対応として、資料提出や質問に応答する必要があります。

以下のような資料を事前に用意しておくと、スムーズに対応できるでしょう。
 

  • 直近3期分の決算書・損益計算書・給与台帳
  • 株主名簿
  • 直近5期分の株主総会議事録・取締役会議事録
  • 定款
  • 会社の沿革
  • 従業員に関する契約書などの書類
  • 固定資産に関する契約書などの書類

デューデリジェンスは財務、法務、人事など様々な観点から行われ、問題が発見されると売り手企業は最終交渉で不利になります

例えば、債務を隠していたり、事業のキーマンとなる人物が退職してしまうリスクを話さず交渉していたりするとデューデリジェンスでばれて、譲渡価格を下げられる可能性があるのです。

問題点は必ずデューデリジェンス前の交渉で話しておきましょう。デューデリジェンスが終わると、最終交渉を行います。

流れ7.最終契約を締結する

基本合意契約とデューデリジェンスの結果を踏まえ、最終交渉を行います。交渉がまとまれば最終契約を締結しましょう。

最終契約後は、株主名簿の書き換えを行います。最後に譲渡代金を受け取り、自社株の売却は完了です。

売り手企業はこのような流れを経て、自社株を売却できます。あらゆる段階で専門的な知識が必要だと分かったはずです。

そのため経営者だけで自社株売却を進めず、M&A仲介会社にサポートしてもらいましょう

M&Aの流れについては、『M&Aの標準プロセス!具体的な手順・流れを解説!』でも詳しく説明しています。参考にしましょう。

6. 自社株を売却するときの留意点

自社株を売却するときの留意点

自社株を第三者へ売却する流れを確認しました。続いて、自社株を売却するときの留意点を確認しましょう。

自社株売却の留意点は4つです。
 

  1. 株主の承認は得られるか
  2. 持ち株比率は適切か
  3. 個人保証を引き継いでくれるか
  4. 自社株を買収する資金力はあるか

順番に見ていきましょう。

留意点1.株主の承認は得られるか

自社株を売却する際、株主や取締役会の承認は得られるか検討しましょう。「ただ単に資金を得たいから」という理由では承認を得られないはずです。

承認を得るためには、事業計画を作成し、得た資金をどのように使うのか、自社と買い手企業はどのような関係になるのかなど資料にして説明しなければなりません。

経営者の独断で進めてしまうと、株主などから不満が噴出して経営が悪化したり、交渉を進めていた買い手企業に自社株を売却できなかったりする恐れがあります。

自社で意見と方針をまとめてから、自社株を売却しましょう。

留意点2.持ち株比率は適切か

自社株を第三者や後継者のいずれに売却するにしろ、持ち株比率は重要です。

第三者に過半数の株式を売却すれば、多額の資金を得られる代わりに経営権も渡すこととなります。

事業承継として後継者に株式を売却するなら、後継者に株式を集中させられるよう配慮しなければなりません。なぜなら、後継者に過半数の株式を集中させられなければ、事業承継後に後継者は自身だけで経営判断を下すことができなくなるからです。

そのため、自社株売却の際は持ち株比率に注意しましょう。

留意点3.個人保証を引き継いでくれるか

自社株を売却する先が、個人保証を引き継いでくれるかも確認しなければなりません。

経営者は個人の資産を担保に融資を受けていたり、会社の債務の連帯保証人になっていたりします。

自社株売却先が会社である場合は、個人保証について理解もあるでしょう。しかし自社株売却先が個人の場合、個人保証について理解していないことがあります

個人保証を引き継ぐことについて能力や意思があることを、自社株売却の実行前に必ず確認しましょう。

留意点4.自社株を買収する資金力はあるか

自社株売却先が個人の場合、自社株を買収する資金力の有無を見極めましょう。

買い取る相手が会社なら、資金力は問題となりません。しかし個人の場合、自社株を買い取る能力があるかどうか判断する必要があるのです。

後継者に自社株を買い取る資金がなく、仕方なく無償で自社株を渡すなら贈与となります。贈与だと資金を得られません。

そのため有償で取引したい場合、譲る相手に自社株を買い取る資金力があるかどうかを事前に確認しなければならないのです。

また、自社株売却で資金を得たいなら、自社株を買い取る資金力がない可能性の高い親族や従業員を後継者に選ぶことはオススメしません。資金力のある第三者を選びましょう。

7. 第三者に自社株を売却するならM&A仲介会社に相談しよう

第三者に自社株を売却するならM&A仲介会社に相談しよう

自社株売却の留意点を確認しましたが、留意点全てを考慮して自社株売却を自力で進めることは困難です。特に第三者に売却するなら、M&A仲介会社に協力を依頼しましょう。

M&A仲介会社に依頼する理由は3つです。
 

  1. 上場していなくても株価算定をしてくれるため
  2. 適切な買い手企業を見つけてくれるため
  3. 専門的な知識でサポートしてくれるため

順番に確認しましょう。

理由1.上場していなくても株価算定をしてくれるため

M&A仲介会社に依頼すると、株価算定を行ってくれます。

未上場の会社だと、市場に株式が出回っていないため適正な価格が分かりません。自社株売却を行うためには、株式の適正価格を知る必要があります

未上場企業の株価は、会社の規模と純資産価額、上場している類似業種の株価を参考に算定されるのです。株価算定を知識のない経営者が見積もることはできません。

しかし、M&A仲介会社なら売り手企業の事業や財務を詳しく分析し、株価を算定してくれるのです。Web上で簡易的な株価算定を行うサービスを提供しているM&A仲介会社もあります。

ただし、Webで行える株価算定はあくまで簡易的なものです。詳しい金額を知りたいなら、株価算定はM&A仲介会社に依頼しましょう

理由2.適切な買い手企業を見つけてくれるため

M&A仲介会社なら、自社株を売却する適切な買い手企業を見つけてくれるのです。

M&A仲介会社は、それぞれの会社で買い手企業の情報を収集しています。集めた買い手企業情報の中から、売り手企業の要望にぴったりの買い手企業を提案してくれるのです。

経営者が自力で買い手企業を探そうとしても、打診できる範囲は限られるでしょう。しかし、M&A仲介会社なら複数の買い手企業をすぐに見つけてくれます。

買い手企業を比較して自社株売却を行いたいなら、M&A仲介会社に依頼すべきです。

理由3.専門的な知識でサポートしてくれるため

ここまで見てきた通り、自社株売却には会計や税務、法務など専門的な知識が必要です。M&A仲介会社なら、専門的な知識を全てカバーしてくれます。

自社株売却は、M&A仲介会社だけでなく会計士や税理士といった専門家に依頼することも可能です。しかし、専門家は特定分野しか詳しくありません。

M&A仲介会社なら、自社株売却に必要な会計や税務などの知識を備えています。また、専門家が必要な部分はM&A仲介会社が提携している専門家が協力してくれるのです。

そのため専門家に依頼するより、M&A仲介会社に依頼した方が幅広い知識で自社株売却をフォローしてくれます。

8. 自社株売却に詳しいM&A仲介会社

自社株売却に詳しいM&A仲介会社

「自社株の売却はM&A仲介会社へ相談した方が良いと分かったけど、M&A仲介会社ってどんなところがあるの?」と思う経営者もいるはずです。

M&A仲介会社を選ぶときは、複数社比較しましょう。なぜなら、M&A仲介会社は会社によって特徴や料金が異なるからです。

特徴や料金を比較して納得できるM&A仲介会社を選ばないと、M&Aを成立できなかったり、予想以上に費用がかかったりします。

ここでは、自社株売却に詳しいM&A仲介会社を3社見ていきましょう。
 

  1. M&A総合研究所
  2. 日本M&Aセンター
  3. M&Aキャピタルパートナーズ

順番に確認し、自社に合ったM&A仲介会社か判断しましょう。

M&A仲介会社1.M&A総合研究所

M&A仲介会社1.M&A総合研究所

出典: https://masouken.com/lp01

M&A総合研究所は、専任の公認会計士が自社株売却を丁寧にサポートできるM&A仲介会社です。

案件にコンサルタントだけでなく、公認会計士も担当します。公認会計士がサポートしてくれることで、財務に関する資料作成やデューデリジェンス対応をスムーズに進めることが可能です。

また、独自のネットワークとAIを活用して買い手企業を選定します。確かな情報収集力と交渉力で、あなたの自社株を希望価格以上で売却できるようにお手伝い致します。

さらに、公認会計士やAIの導入でM&Aを円滑に進められるため、M&A総合研究所は平均3ヶ月というスピードでM&Aが成約可能です

料金は、成功報酬のみしかかかりません。M&A成立まで費用がかからないので、資金面が厳しい経営者も安心してご依頼ください。

コストを気にせず公認会計士に最後までサポートしてほしい経営者なら、M&A総合研究所にぜひ相談お声がけください。

M&A仲介会社2.日本M&Aセンター

M&A仲介会社2.日本M&Aセンター

出典: https://www.nihon-ma.co.jp/

日本M&Aセンターは、圧倒的なコンサルタント数と経験で自社株売却をしっかり支援してくれるM&A仲介会社です。

経験を積んだコンサルタント約300人が活躍し、累計成約数は4,500件以上、年間770件以上も成約しています。数あるM&A仲介会社の中でも成約数はトップクラスで、幅広い買い手企業とマッチングをしてくれるでしょう。

料金は、着手金と成功報酬です。着手金とは、M&A業務を行ってもらうために支払う料金を指します。

日本M&Aセンターなら、長年培われた経験とノウハウから確実に自社株売却を成功させてくれるでしょう。

M&A仲介会社3.M&Aキャピタルパートナーズ

M&A仲介会社3.M&Aキャピタルパートナーズ

出典: https://www.ma-cp.com/

M&Aキャピタルパートナーズは、中堅・中小企業の事業承継を中心にM&AをサポートしてくれるM&A仲介会社です。

多種多様な実績を持ち、特に調剤薬局業界の実績は国内でもトップの実績を誇ります。3万社以上の経営者と繋がりを持ち、常に買い手企業の情報を豊富に有しているのです。

料金は、中間報酬と成功報酬となります。中間報酬とは、買い手企業が決定した基本合意時に支払う報酬のことです。

M&Aキャピタルパートナーズなら、幅広い買い手企業の中からぴったりの買い手企業を見つけてくれるでしょう。

9. まとめ

自社株売却のまとめ

自社株を売却するなら、第三者への売却がオススメです。まとまった資金を獲得でき、税金も安く抑えられます。

しかし、専門知識も必要な自社株売却を自力で進めることは困難です。M&A仲介会社に協力してもらいましょう。

ただし、M&A仲介会社は多数存在します。安易に選んだM&A仲介会社だと、自社株を売却できなかったり、思った以上に費用がかかったりする可能性があるのです。

比較して選んだM&A仲介会社の支援を得て、自社株売却を成功させましょう。

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