病院の事業承継ならM&Aをしよう!病院ならではの注意点とコツを解説

病院が事業承継をする方法としてM&Aが一般的になってきました。しかし、病院のM&Aには一般企業と異なる手法や手続きが必要となります。この記事では、病院がM&Aで事業承継を行う方法や注意点、M&Aを成功させるポイントや成功事例などを解説します。


目次

  1. M&Aなら後継者不在でも病院を残せる!
  2. 病院がM&Aで事業承継すべきケース
  3. 病院M&Aの成功事例
  4. 病院M&Aで知っておくべき独自の特徴
  5. 病院M&A成約までにかかる時間
  6. 病院がM&Aを利用し事業承継を成功させるポイント
  7. 病院のM&AならM&A総合研究所にお任せ!
  8. まとめ

1. M&Aなら後継者不在でも病院を残せる!

M&Aなら後継者不在でも病院を残せる!

M&Aなら、後継者が見つからない病院を残すのが可能です。「医師が足りず経営が苦しい」「人材不足で最適な後継者がいない」「息子・娘が医師にならなかった」と事業承継でお悩みの方は少なくありません。

親族・従業員の中で後継者がいない場合、外部から経営者を呼ぶのも良いですが、拠点が地方にある病院では優秀な人材を探すのにも時間がかかってしまいます

そのため「地域のため、患者さんのため病院をどうしても残したい」方は、M&Aを検討してみましょう。

M&Aとは、企業などの合併・買収の意味です。民間企業で多く使われる手法ですが、病院同士でもM&Aを行うことは可能です。M&Aをすれば買い手に経営権を渡せるので、後継者を自力で見つけなくても病院を残せます。

しかし病院のM&Aには民間企業にはない制度上の事情があるため、数カ月でM&Aを完了させるのは困難です。だからこそM&Aによる事業承継を検討している方は、少しでも早くM&Aの準備を行いましょう。

病院の現状

国内の保健医療福祉情報を専門とするJAHISによると、2018年度の病院業界の直接売上高は、1994年度の1,810億円から年々増加ペースの傾向にあります。2016年度は5,631億円と減少しましたが、2018年度は6,072億円と過去最高の売上高となっています。

しかし一方で、病院数は減少しています。厚生労働省によると、全国の医療施設は 79,416 施設あり、そのうち「病院」は 8,300施設で、前年に比べ72施設減少となり、病院の経営状況は厳しい状況に直面しているのがわかります。

続いて、病院がM&Aで事業承継すべきケースを紹介します。

参考:JAHIS:「売上高調査」
   厚生労働省:「医療施設調査(令和元年)」

2. 病院がM&Aで事業承継すべきケース

病院がM&Aで事業承継すべきケース

病院がM&Aで事業承継すべきケースは、以下のとおりです。
 

  1. 地域医療を守りたい場合
  2. 建物や設備が老朽化している場合
  3. 有資格者の不足に悩んでいる場合
  4. 医療人材の労働環境を改善させたい場合

後継者がいない病院が、経営を続けることは困難です。これからも同じ地域で医療を支えていくためM&Aが必要なケース、M&Aで経営課題が解決されるケースについて前向きに考えていきましょう。

①地域医療を守りたい場合

地域医療を守りたい場合、M&Aによる事業承継がおすすめです。

医療業務は公的側面が強く、廃業すれば地域住民の生活が苦しくなるケースも多くあります。しかし後継者不足などで経営を続けるのが難しい病院は少なくありません。

自力での経営継続が困難な場合、地域医療を守るにはM&Aによる事業承継が最適といえます。M&Aなら病院を残しつつ、経営基盤を強化できるので今までより充実した医療サービスを提供するのも可能です。

経営者が高齢になれば、診療できる患者の数も減ってしまいます。より多くの方を救うため、早めにM&Aで事業承継を行いましょう。

②建物や設備が老朽化している場合

病院設備の修繕費用は、M&Aの売却益で賄える可能性があります。

利益が少なく、建物や設備が老朽化したまま修理ができない状況となっている病院は少なくありません。しかしそのような病院も、M&Aによって資金を調達できると、修繕費用を出せる可能性が出てきます。

売却益は基本的に現経営者のものとなりますが、現経営者がM&A後も経営を続ける場合、M&Aで得た資金を病院設備に投資することも可能です。

M&Aで得られる譲渡益は病院の将来性や規模によっても変わりますが、今持っている資産と営業権の額をベースに算定するのが一般的です。売却価格の予想や相場を知りたい場合は、病院のM&Aに詳しい専門家に相談しましょう。

③有資格者の不足に悩んでいる場合

医師や看護師など有資格者が不足している場合、M&Aがおすすめです。

医療法人の買い手のほとんどは同じ医療法人ですので、M&Aを行うことで人材を相互に活用できます。買い手側にも多くの有資格者がいるので、最適な人員配置を行い効率的な運営を行いましょう。

④医療人材の労働環境を改善させたい場合

スタッフの労働環境改善には、M&Aがおすすめです。

医療人材の離職に悩む病院は少なくありません。特に中堅・中小規模の病院では予算不足によりスタッフに十分な報酬を支払えず、不満が溜まったままの状況になりがちです。

しかし大手医療法人との協力によって、経営基盤が安定し従業員の給与がアップするケースもあります

患者のため、長時間の労働が必要となる医療人材。少しでも職場環境を改善させるため、資本力のある大手と協力し安定した経営体制で運営を行うのは離職を防ぐのに効果的です。

M&Aで事業承継を行うべき病院は、以上のとおりでした。病院が抱える課題はさまざまですが、同じ医療法人とM&Aでの協力により、解決できるものもあります。

「経営に使えるまとまった資金が欲しい」「何としても病院を残したい」方は、M&Aによる事業承継を検討しましょう。

次は病院M&Aで成功した事例を具体的に解説します。

3. 病院M&Aの成功事例

病院M&Aの成功事例

M&Aで病院の事業承継に成功した事例を紹介します。病院のM&Aは難しく、実現したケースは少ないともいわれます。しかし専門家の力を借り、きちんと準備を行えば病院業界でのM&Aは可能です。ここからはそれぞれの事例を解説します。

①メディカルネットとPacific Dental CareのM&A

メディカルネット

出典: https://www.medical-net.com/

メディカルネットは2020年10月に、タイ・バンコクの子会社Medical Net Thailandを通じ、Pacific Dental Care Co., Ltd.の全ての株式を取得し、子会社化しました。

メディカルネットはインターネットを活用した医療・生活関連情報サービス業を運営している企業で、歯科医療情報ポータルサイト運営や経営支援マーケティング支援などをメインに事業を行っています。対象会社であるMedical Net Thailandは、歯科医院の運営を行っています。

今回のM&Aにより、タイでの歯科医院運営事業のビジネス拡大を目指します。

②沖縄徳洲会と湯池会のM&A

沖縄徳洲会

出典: https://www.tokushukai.or.jp/

2018年8月に沖縄徳洲会と湯池会の吸収合併が行われました。それに従って、湯池会に所属の北谷病院が徳洲会に取得されました。

北谷病院は、内科・外科・整形外科・泌尿器科のある病院です。徳洲会グループはへき地への医療を積極的に行っており、主に西日本・九州で病院運営を行っているグループです。

今回の合併により、徳洲会が保有する中部徳洲会病院と北谷病院双方の連携強化を目指し、北谷病院が抱えていた高齢化問題や後継者不足が解決できます。また合併により、中部圏域の地域医療の発展に貢献します。

以上が、病院でのM&A成功事例でした。病院M&Aでは、事業拡大、赤字解消などさまざまな目的が実現できます。経営課題に合ったパートナーを見つけ、地域医療を守り続けましょう。

次は病院のM&Aで注意しておくべきポイントを解説します。病院が行うM&Aは一般企業のM&Aとは異なるため、買い手探しを始める前に確認するのがおすすめです。
 

4. 病院M&Aで知っておくべき独自の特徴

病院M&Aで知っておくべき独自の特徴

病院がM&Aで事業承継を行う際に押さえておきたい特徴は、以下のとおりです。
 

  1. 医療法人に合わせM&A方法を変える必要がある
  2. 社員に出資金を返還する必要がある
  3. 買い手が限定される
  4. 経営権のコントロールが難しい

一般にWEBサイトなどで書かれているM&Aは民間企業向けのものであり、病院とは事情が異なることも多くあります。

トラブルなく病院の事業承継を成功させるため、病院M&Aの特徴を事前に確認しましょう。

①医療法人に合わせM&A方法を変える必要がある

病院のM&Aでは、医療法人によってM&A方法や手続きを変えなければいけません。医療法人の場合、財団法人、社団法人など運営にさまざまな形があり、種類や母体毎に手続きのやり方が異なります。

一般的な企業の場合、会社の株式を買い手に売ることでM&Aをするケースが多いです。しかし病院の運営体制として代表的な財団法人の場合、株式に該当するものがありません。

そのためM&Aを行うときは、買い手が理事・幹事・評議員を指定して実質的な買収とする手法が取られます

また社団法人の場合、社員の出資持分を買い取ったまま社員としての立場を退任、そして買い手側の社員が社員総会で過半数を占められるよう社員を送り込まなければいけません。

このように、医療法人ごとにM&Aを行う手続きは複雑です。通常の株式会社のように、経営権がわかりやすく譲渡されないケースもあるので、事業承継の際は必ず病院に詳しいM&Aの専門家に相談しましょう。
 

②社員に出資金を返還する必要がある

病院ではM&Aにより事業承継をする際、退職する社員に対し出資金を返還する必要があります。

一般的な企業では退職する社員に対し退職金が支払われますが、出資金の返還としてお金が支払われることはありません。

しかし社団医療法人の場合、病院に勤務する社員が出資をして組織の維持を行っています。そのため社員が病院を辞めるときは、出資した金額を返金しなければいけません。

M&Aの手法によっては、多くのスタッフが病院を去るケースもあります。多くのスタッフが離職すれば、その分出資金の返還が必要となるので、M&Aを行うことで病院の資金が流出する可能性は高いです。

離職するスタッフが多くなりそうなときは、出資金の返還をしても経営を維持できるか考える必要があります。
 

③買い手が限定される

病院のM&Aでは、基本的に買い手が医療法人に限定されるため、一般企業を買い手にするのはほとんどできません。

医療法人に関する法律の規定により、営利法人(一般的な会社)は医療法人の理事・社員になることはできません。また法的な規制も厳しいので、経営で営利を目指すことも難しい状況です。

今後も法改正などがなければ、病院を積極的に買収し経営権を掌握しようとする営利企業はほとんどいないといえるでしょう。

したがって実質的に医療法人の買い手となるのは、同じ医療法人です。しかし利益率の低下などがあり、他の医療法人を買収できるだけの資本力を持った医療法人は少なくなっています。

病院もM&Aは実現できますが、一般企業のM&Aと比べ買い手を見つけるまでに時間がかかってしまうことは避けられないでしょう。

④経営権のコントロールが難しい

病院のM&Aでは経営権のコントロールが難しいため、買い手に上手く経営を任せられるか不透明な部分もあります。

病院の中で最も一般的な形態である社団法人では株式がなく、株主総会に当たる社員総会が最高意思決定機関となっています。

しかし社員総会では出資額に関係なく社員が1人1票を持つので、買い手がどれだけ出資をしても過半数の票を獲得できません

そのため、医療法人のM&Aでは、
 

  • 直接経営
  • 間接経営

のどちらかの方法が取られます。

直接経営

直接経営では、まず売り手の医療法人の社員から出資持分の過半数を買い取り、資本面で経営権の掌握を狙います。

そして社員総会でも意思決定を行えるよう、社員の票が過半数になるまで買い手が自社の社員を派遣します。

資本面、社員総会での決定権を買い手が掌握できるのが直接経営ですが、売り手企業の病院に勤める社員が多ければ多いほど、自分の病院から過半数を超える社員を派遣するのは困難です。
 

間接経営

直接経営が難しい場合、MS法人の株式取得、不動産を担保に取るなどして経営を行うことも可能です。

直接社員総会に関わるのではなく、債権者や関連法人の株主など間接的な立場になれば、限定的ではありますが影響力を行使できます

しかし間接経営で経営権を全て掌握するのは不可能ですので、どちらが良いかは専門家に相談のうえ、買い手と話し合って決めるのが必要です。

病院のM&A・事業承継には注意すべきポイントが多数あります。M&Aによる事業承継を検討する際は、まずM&Aに詳しい専門家に相談してどのような方法がベストなのか考えていきましょう。

次は病院M&Aが実現するまでの時間を解説します。

5. 病院M&A成約までにかかる時間

病院M&A成約までにかかる時間

病院M&A成約までには、少なくとも1年以上がかかります。

医療法人の売却では買い手探しも限定されているうえ、行政の認許可も必要になるため一般企業のM&Aより時間がかかるのは避けられません。

病院は国民皆保険の観点から多額の公的資金が投入されています。一般企業のM&Aでは行政への手続きが基本不要ですが、医療法人の場合行政への説明・手続きに時間をさかなければいけません

一般企業でも、買い手探しから手続きに半年〜1年程度はかかります。医療法人であれば、少なくとも1年前には動き出す必要があるでしょう。

また拠点が地方にある場合、資本力のある買い手が少ないので成約までに時間がかかる可能性があります。地方の医療法人であれば、2年前には動き出すと良いでしょう。

次は病院がM&Aを利用し、事業承継を成功させるポイントを解説します。
 

6. 病院がM&Aを利用し事業承継を成功させるポイント

病院がM&Aを利用し事業承継を成功させるポイント

病院がM&Aを利用して事業承継を成功させるには、以下のポイントを意識する必要があります。
 

  1. 病院の価値を高める
  2. 少しでも早くM&A準備を始める

病院M&Aと比べ手続きの少ない民間企業のM&Aを含め、M&Aの成功率は3割程度といわれています。

確実に病院を残すため、事業承継前にどんなことを意識すれば良いのでしょうか。ここからは病院がM&Aの成功率を少しでもアップさせる方法を解説します。

①病院の価値を高める

病院のM&Aで買い手が重視するのが、診療科目、患者数、スタッフ数です。診療科目は買い手との相性もあるので無理に増やすことはありませんが、患者数、スタッフ数は病院の価値評価にも関わります。

患者数は多いほど良いですが、スタッフとのバランスが取れていなければ経営体制に難があると考えられてしまうかもしれません。

まずは十分なスタッフの確保を目指し、随時人材の募集を行いましょう。特に周辺地域の人口が今後減っていくと予想されるエリアであれば、医師・看護師の優秀さをアピールし遠方からの患者を集めるしかありません。

優秀なスタッフの確保はもちろん、今働いているスタッフをなるべく離職させないよう労働環境の改善を行うことも必要です。
 

②少しでも早くM&A準備を始める

病院がM&Aで事業承継するには、少しでも早く準備を始めるのが大切です。病院の運営形態によりさまざまなM&A方法を検討しなければならない病院M&Aには、時間がかかります。

売却のタイミングによっては買い手がなかなか見つからないケースもあるので、M&Aを希望する旨を仲介会社などの専門家に相談しておきましょう

また、M&Aが決定した後スムーズに事業承継できるよう、引き継ぎに必要な資料などを用意しておくのも大切です。

明日、経営者が変わるとしたら何が必要になるか考え、M&A手続きを進めるとともに社内でも準備を行いましょう。

次は、病院のM&Aについて聞けるM&A仲介会社をご紹介します。

7. 病院のM&AならM&A総合研究所にお任せ!

病院のM&AならM&A総合研究所にお任せ!

病院のM&Aのことは、業界に詳しいM&A総合研究所にお任せください。

病院のM&Aにおいては、運営形態やM&A手法に関する専門的な知識が必要です。行政への申告も必要なケースがありますので、自力で事業承継を進めるのは難しいといえます。

また、病院のM&A事情を詳しく知らない専門家に依頼してしまうと、「このM&A方法は使えなかった」「必要な書類を作成していなかった」とトラブルになるかもしれません。

しかしM&A総合研究所なら病院M&Aの経験を持つM&Aアドバイザーが専任でサポートを行うので、専門家の経験不足によるトラブルは防げます。

また、税理士や公認会計士など各種専門家とのネットワークも強固ですので、困ったときはいつでも専門家のアドバイスをもらうのが可能です。

さらにM&A総合研究所は全国対応でアドバイザーが出張を行うので、地方に拠点を持つ病院も安心して相談できます

「地域医療を守りたい」「後継者はいないが必ず事業承継を行いたい」とお考えの方はぜひM&A総合研究所にお問い合わせください。

また、M&A業界では対面での面談が慣習となっていますが、M&A総合研究所では2020年4月からテレビ電話やメールでの無料相談も開始しております。M&Aをご検討の際は、どうぞお気軽にM&A総合研究所の無料相談をご利用ください。

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8. まとめ

まとめ

経営者の高齢化、利益率の低下により事業承継を考える病院は多くあります。病院であってもM&Aによる事業承継は可能なので、後継者がおらずお悩みの方はM&Aがおすすめです

ただし病院のM&Aには医療業界を良く知る専門家が必要です。M&Aについて少しでも疑問があればぜひM&A総合研究所へご相談ください。
 

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