旅行会社・旅行代理店の事業譲渡・株式譲渡のポイントとは?動向/事例/相談先も紹介

旅行会社・旅行代理店は、インターネットの普及に伴い業務の仕方が大きく変化しています。今後は市場が減少し競争激化が予測されるため、事業譲渡などM&A件数も増加が見込まれます。当記事では、旅行会社・旅行代理店の動向、事業譲渡・株式譲渡のポイントについて解説します。


目次

  1. 旅行会社・旅行代理店とは
  2. 旅行会社・旅行代理店業界が直面している問題
  3. 旅行会社・旅行代理店業界の今後の動向予測
  4. 旅行会社・旅行代理店の評価を高めるポイント
  5. 旅行会社・旅行代理店の事業譲渡・M&Aは将来性が大切
  6. 旅行会社・旅行代理店の事業譲渡のポイント
  7. 旅行会社・旅行代理店の株式譲渡のポイント
  8. 旅行会社・旅行代理店のその他のM&A手法
  9. 旅行会社・旅行代理店を事業譲渡・株式譲渡する際の引き継ぎ・手続きについて
  10. 旅行会社・旅行代理店を事業譲渡する際の相談先
  11. まとめ

1. 旅行会社・旅行代理店とは

旅行会社・旅行代理店とは

旅行会社・旅行代理店は、旅行者の宿泊施設予約や宿泊券の販売・パッケージ旅行の企画・交通機関の乗車券販売などの業務を行っています

旅行会社・旅行代理店には旅行業法上の区分があり、第1種旅行業・第2種旅行業・第3種旅行業のほか、地域限定旅行業・旅行業者代理業・旅行サービス手配業があります。

それらのうち、第1種旅行業は観光庁長官への登録、第2種旅行業は都道府県知事(本社の所在地)への登録が義務付けられています。

以前まではこれらの業務を店舗で行っていましたが、最近ではインターネットの普及に伴い店舗を持たないオンライン旅行会社も増えており、業界内の顧客獲得競争が激しくなっています。

事業譲渡とは

事業譲渡M&A手法の1つであり、自社の事業を第三者の企業に譲渡することをいいます。事業譲渡の特徴は、会社をすべて売買するのではなく、取引対象とする事業を選べることにあります。

自社に必要な事業を残せるため、不採算事業を売却して主力事業に注力する場合や、売却で得た資金を新たな事業や借入金の返済に充当することもできます。

その他のM&A手法

事業譲渡だけでなく、M&Aに用いられる手法にはさまざまなものがあります。例えば、株式譲渡・分割・合併などがあり、それぞれ異なる特徴を持っています。

なかでも、株式譲渡は手続きが簡便などのメリットも多く、中小企業のM&Aで用いられることの多い手法です。

株式譲渡の特徴は、なによりも手続きが簡便であり、株主名簿の書き換えを行うだけで経営権の移行ができます。

原則として包括承継であるため、権利義務や従業員の契約などもそのまま引き継げますが、負債も対象となることが買い手にとってはデメリットにもなります

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2. 旅行会社・旅行代理店業界が直面している問題

旅行会社・旅行代理店業界が直面している問題

業界内での競争が激しくなっている旅行会社・旅行代理店業界は3つの課題を抱えています。ここでは、旅行会社・旅行代理店業界が直面している問題について解説します。

【旅行会社・旅行代理店業界が直面している問題】

  1. インターネット予約などの影響もあり競争が激化している
  2. 販売手数料の減少により売上が落ち込んでいる
  3. 将来性に不安を覚えている

インターネット予約などの影響もあり競争が激化している

1つ目は、インターネット予約などの影響もあり競争が激化していることです。以前まで、旅行を計画した場合は旅行会社や旅行代理店に足を運んで旅行先を決めることがほとんどでしたが、現在ではインターナット予約の割合が増加しています。

JTB総合研究所が調査した「スマートフォンの利用と旅行消費に関する調査(2019)」によると、50%以上の人がインターネットから宿泊予約など旅行関連商品を購入したことがあるとの結果がでています。

そのため、近年では、多くの旅行会社や旅行代理店が顧客獲得のため、インターネットでの商品販売に力を入れるようになっています。

販売手数料の減少により売上が落ち込んでいる

2つ目は、販売手数料の減少により売上の落ち込みです。販売手数料とはコミッションとも呼ばれており、旅行会社や旅行代理店が販売したパッケージツアー・航空券、・泊券などが購入された際、ホールセラー・航空会社・宿泊施設などから支払われる料金のことをいいます。

販売手数料は販売されている額に対して定率で決められており、その定率は販売実績によって変わることが多くなっています。

しかし、近年では宿泊施設や航空会社自体の収益が少なくなっているため、旅行会社や旅行代理店に支払う販売手数料も同じように減少しており、旅行会社・旅行代理店業界の売上が圧迫されています。

将来性に不安を覚えている

3つ目は、業界の将来性に対する不安です。旅行会社・旅行代理店業界は急速にオンライン化へと進んでおり、店舗での販売売上額は年々低下しています。オンライン化が進めば、店舗販売の縮小やそれに伴う人員削減が予測されます。

また、AIの発達により、今後は従業員が行っていた業務をAIが代わりに行うことも増えると考えられ、旅行会社・旅行代理店業界で生き残るための競争はさらに厳しいものになるとみられます。

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3. 旅行会社・旅行代理店業界の今後の動向予測

旅行会社・旅行代理店業界の今後の動向予測

旅行会社・旅行代理店業界は今度どのように変化していくと考えられるのでしょうか。この章では、旅行会社・旅行代理店業界の今後の動向予測をみていきます。

【旅行会社・旅行代理店業界の今後の動向予測】

  1. 市場規模は縮小していくとともに競争はさらに激化
  2. インターネット予約の影響は大きく、今後もますます影響を与える
  3. 旅行会社・旅行代理店業界の事業譲渡・M&A動向

市場規模は縮小していくとともに競争はさらに激化

今後、旅行会社・旅行代理店業界は市場規模が縮小し、今まで以上に競争が激化すると予測されます。

旅行会社・旅行代理店業界の市場規模は、2020年には3兆1861億円、2025年には3兆44億円と減少し、2030年には2兆7821億円となる予測されています。

市場規模が縮小すれば必然的に競争は激化し、中小企業の旅行会社・旅行代理店が生き残るためにはさまざまな手段を講じなければ厳しくなるといわざるを得ません。

そのため、事業継続の手段として、M&A・事業譲渡を活用するのも非常に有効といえるでしょう。

インターネット予約の影響は大きく、今後もますます影響を与える

2つ目は、インターネット予約件数の増加に伴い、旅行会社・旅行代理店業界にはますます大きな影響がでてくると予測されます。

インターネットが一般家庭に広く普及したことにより、利用者は手軽に旅行関連商品の比較や購入が可能となり、実店舗に足を運ぶ機会も減少しています。

これまでは実店舗で主に業務を行ってきた旅行会社・旅行代理店もインターネットでの予約・販売に力を入れなければ売り上げを維持することが困難な状況になっています。

それに伴い、インターネット専業旅行会社と旅行会社・旅行代理店業界との競争もさらに激化すると考えられます。

旅行会社・旅行代理店業界の事業譲渡・M&A動向

ここまで述べたように、旅行会社・旅行代理店業界は市場規模の縮小だけでなく、インターネット専業旅行会社も増加すると見込まれているため、競争の激化が予測されています。

インターネット専業の旅行会社の市場参入事例では、OTA(Online Travel Agent)がM&Aによって旅行会社・旅行代理店業界への進出を果たしており、今後もM&A・事業譲渡を行うことで新規参入するケースは増加するものと考えられます。

また、顧客層もより多様化すると考えられているため、特に訪日外国人客やシニア層・富裕層を中心としたサービスの充実させる旅行会社・旅行代理店も増えるものと予測されます。

そのようななか、他社との差別化を図るためには独自の企画・サービスが必須となるため、企画力やノウハウを有する企業や事業をM&A・事業譲渡によって獲得するケースもでてくるでしょう。

逆に売り手にとっては、自社独自のサービスや企画ノウハウを持っていれば、よい条件でM&A・事業譲渡が行えるタイミングともいえます。

【関連】【旅行会社のM&Aの基礎知識】業界動向やメリット・成功のポイントや注意点を徹底解説

4. 旅行会社・旅行代理店の評価を高めるポイント

旅行会社・旅行代理店の評価を高めるポイント

旅行会社・旅行代理店業界は規模縮小に伴い、さらなる競争激化が予測されているため、生き残りの手段としてM&Aが活用されるケースも増えると考えられます。

ここでは、旅行会社・旅行代理店の評価を高めるポイントを2つ解説します。自社がこれらポイントを満たしているなら、M&Aの際も高い評価を得られる可能性が高くなるでしょう。

【旅行会社・旅行代理店の評価を高めるポイント】

  1. 従業員の教育が行き届いている事
  2. パッケージツアーの企画力がある事

従業員の教育が行き届いている事

旅行会社・旅行代理店の評価を高める1つ目のポイントは、従業員の教育が行き届いていることです。

新規参入目的でM&Aを行う企業にとっては、即戦力となる従業員の獲得も重要な要素になります。というのは、一から従業員教育を行うとすれば多くの時間やコストがかかりますが、M&Aであればこれらを大幅にカットできるからです。

株式譲渡の場合は包括承継ですが、事業譲渡の場合において従業員の雇用も引き継ぐことを前提とするケースが一般的であるため、従業員教育の行き届いている企業はM&Aの際の評価も高くなる傾向にあります。

パッケージツアーの企画力がある事

旅行会社・旅行代理店の評価を高める2つ目のポイントは、パッケージツアーの企画力があることです。

競争の厳しい旅行会社・旅行代理店業界で顧客を多く獲得するためには、他社との差別化を図る必要があり、独自性のあるパッケージプランが企画できることは大きな強みとなります

例えば、その土地の魅力を活かしたプランや外国人向けのパッケージツアーなど、他社にはない企画力がある会社は評価も高くなる傾向にあります。

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5. 旅行会社・旅行代理店の事業譲渡・M&Aは将来性が大切

旅行会社・旅行代理店の事業譲渡・M&Aは将来性が大切

旅行会社・旅行代理店に限らず、事業譲渡・M&Aを行う際は現状だけでなく、将来をしっかり見据えて行うことが重要です。

予約サイトの普及により経営を大きく圧迫

以前までは旅行の予約を行うためには旅行会社や旅行代理店で予約を行う必要がありました。しかし、現在はインターネットを使用すれば自分自身で旅行の予約を行えるなど手軽に予約ができるようになりました。

また、旅行にかかる費用に関しても予約サイトの方が人件費の必要がない分だけ安く提供している場合もあります。

IT化は今後さらに加速することが見込まれているため、変化への対応が必須となりますが、自社のみで対応が困難な場合はM&A・事業譲渡も視野に入れるのもひとつの方法です。

参入障壁の低さから競合会社は増える一方

旅行会社・旅行代理店は、開業するためには観光庁長官もしくは各都道府県知事が行う登録が必要ですが、基本的には参入障壁が低いといわれています。

インターネットの普及により低コストで旅行会社・旅行代理店に新規参入できることもあり、競合会社が非常に多くなっています。

かかるなか、事業を安定して継続するためには、経営戦略として事業譲渡などのM&Aを活用するのも非常に有効な手段です。

6. 旅行会社・旅行代理店の事業譲渡のポイント

旅行会社・旅行代理店の事業譲渡のポイント

旅行会社・旅行代理店を事業譲渡を行う際は、どのような点を意識して進めていけばよいのでしょうか。ここでは、旅行会社・旅行代理店の事業譲渡のポイントを解説します。

旅行会社・旅行代理店を事業譲渡する際の注目点

旅行会社・旅行代理店の事業譲渡において、買い手側企業はパッケージ旅行などの企画力向上や新たなサービス展開を行うことを目的とするケースが多いでしょう。

そのため、売り手企業は自社の企画力や他社との差別化が可能なノウハウを持っている場合、それらを積極的にアピールしていくことが重要です。

過去に企画したパッケージプランの内容や利用者数を資料としてまとめておくと交渉の際にも役立つので、データの整理もしっかり行っておくようにしましょう。

旅行会社・旅行代理店の事業譲渡事例

ここでは、旅行会社・旅行代理店の事業譲渡事例として以下の3つを紹介します。

【旅行会社・旅行代理店の事業譲渡事例】

  1. ワールドトラベルシステム社が「フリーバード」の事業をアジェンダに譲渡
  2. トレンダースが「ZEKKEI Japan」の事業をティ・エ・エスへ譲渡
  3. インデックスが「アクティビティジャパン」の事業をエイチ・アイ・エスへ譲渡

ワールドトラベルシステム社が「フリーバード」の事業をアジェンダに譲渡

旅行会社・旅行代理店の事業譲渡事例の3つ目はワールドトラベルシステム社が「フリーバード」の事業をアジェンダに譲渡した事例です。

2020年、ワールドトラベルシステム社は海外航空券予約サイトである「フリーバード」に関する事業をアジェンダに譲渡しました。

ワールドトラベルシステムは2015年に楽天の連結子会社となっており、「フリーバード」は2001年にサービスを開始していました。

アジェンタは1991年にワールドトラベルシステムの国際線航空券の予約システム、1996年には基幹システム「NAVI」の開発を受託しており、2002年には共同で、旅行業支援システムである「SkyRep」も発表していました。

アジェンダは企業へのサービス提供を中心に行っていましたが、今回の事業譲渡によりエンドユーザーの意見を直接聞けることとなり、さらなるサービス向上を図る意向です。

トレンダースが「ZEKKEI Japan」の事業をティ・エ・エスへ譲渡

トレンダースが「ZEKKEI Japan」の事業をティ・エ・エスへ譲渡した事例です。

トレンダーズは2017年旅行代理店であるティ・エ・エスに対して、外国人観光客向けのメディア「ZEKKEI Japan」を事業譲渡しました。

ティ・エ・エスはインバウンド旅行を専門としており、メディア事業やマーケティング事業などを行っているトレンダーズから事業を譲受することにより多くのシナジーに期待できるとし、合意に至っています。

インデックスが「アクティビティジャパン」の事業をエイチ・アイ・エスへ譲渡

インデックスからエイチ・アイ・エスへの「アクティビティジャパン」の事業譲渡です。このM&Aは単なる事業譲渡ではなく、新設分割を用いて実施されました。

2016年、インデックスは旅行代理店大手であるエイチ・アイ・エスに、日本国内のアクティビティが予約できるサイト「アクティビティジャパン」に関する事業を譲渡しました。

国内旅行代理店業界で大手のエイチ・アイ・エスですが、最大手であるJTBとの取扱高の差がありました。今回の事業譲渡により、その差を埋めるとともにタビナカ領域における着地型観光を行うこととなりました。

事業譲渡に適した旅行会社・旅行代理店とは

事業譲渡に適した旅行会社・旅行代理店には、ほかに注力したい事業を持っている場合や、同じ法人格を使用して新規事業を始めたいと考えている企業があてはまります。

事業譲渡では取引対象を売り手・買い手が交渉して決定できるため、売り手は不要な事業のみを売却し、買い手も欲しい事業のみを引き継げます。

しかし、個別に承継するスキームであるため、権利義務や従業員の雇用については詳細をしっかり話し合っておく必要もあります。

事業譲渡の具体的な手続きや手順は、以下の記事でくわしく解説していますので、ぜひ併せてお読みください。

【関連】【公認会計士監修】事業譲渡の手続き期間は?流れやスケジュールを解説!

7. 旅行会社・旅行代理店の株式譲渡のポイント

旅行会社・旅行代理店の株式譲渡のポイント

旅行会社・旅行代理店業界のM&Aでは事業譲渡が用いられるケースが多いですが、会社の状況や目的によっては株式譲渡のほうが適していることもあります。ここでは、旅行会社・旅行代理店が株式譲渡を行う際のポイントを解説します。

旅行会社・旅行代理店を株式譲渡する際の注目点

旅行会社・旅行代理店のM&Aで株式譲渡する際、売り手は簿外債務などの発生によるトラブルを防ぐため、事前の徹底した財務チェックを行うことがポイントです。

事業譲渡とは異なり、株式譲渡では負債も買い手側がそのまま引き継ぐことになるため、M&A実施前には徹底したデューディリジェンスが行われます。

財務デューディリジェンスは必ず行われる調査であり、発覚したリスクが大きければ譲渡価格が下げられてしまう場合や、交渉自体が破談となることもあるため、株式譲渡を検討したらまず自社の財務状況をチェックし、可能な部分は改善しておく必要があります。

旅行会社・旅行代理店の株式譲渡事例

ここでは、旅行会社・旅行代理店の株式譲渡事例として以下の3つを紹介します。

【旅行会社・旅行代理店の株式譲渡事例】

  1. JTBプランニングネットワークから大日本印刷への株式譲渡
  2. 西日本日中旅行社から第一交通産業への株式譲渡
  3. アドベンチャーがTETの全株式を取得して完全子会社化

JTBプランニングネットワークから大日本印刷への株式譲渡

2020年に大日本印刷がJTBプランニングネットワークの95%の株式を取得し子会社化するとともに社名をDNPプランニングネットワークに変更しました。

大日本印刷は日本政府が「観光立国」や「地域創生」などを掲げて新しい観光のあり方を検討するさまざまな対策を実施されたことを背景とし、旅行・観光関係の市場拡大を見込んでいました。一方、JTBプランニングネットワークは、JTBグループ企業として、旅行・観光分野の高い専門知識とネットワークを強みに総合販促事業を展開していました。

今回の株式譲渡によりJTBプランニングネットワークの強みやノウハウを活用することにより相乗効果を発揮して旅行・観光事業の拡大を目指しました

西日本日中旅行社から第一交通産業への株式譲渡

2019年に第一交通産業が西日本日中旅行社の99.8%の株式を取得し子会社化しました。

第一交通産業は福岡でグループ展開しておりタクシー・ハイヤー事業や不動産・路線バス・貸金業事業などを行っていました。一方、西日本日中旅行社は中国専業旅行社として日中間の旅行を中心に各種国際航空券の発券、査証・ホテルの手配および個人・団体旅行などの旅行業を行っていました。

今回の株式譲渡により第一交通産業は、ツアー業務の企画・募集を行えるようになるためインバウンドの客層を取り込めるようになります。また、中国子会社(大連・上海)との連携による相乗効果も期待されています。

アドベンチャーがTETの全株式を取得して完全子会社化

2018年にアドベンチャーはJALの認可代理店であるTETの株式を取得し、完全子会社化としました。

アドベンチャーは「skyticket」という航空券などの予約販売サイトを運営しています。一方、TETは、国内国外旅行の販売や取扱業務を行う会社となっており、日本航空の認可代理店として、国内線に強みを持っています。

今回の株式譲渡により、アドベンチャーはskyticketと国内線を中心とした事業の拡大につながると判断しました。

株式譲渡に適した旅行会社・旅行代理店とは

経営者が引退を考えているなどにより、旅行会社・旅行代理店を営む会社自体を売却したい場合などは、事業譲渡よりも株式譲渡が適しているでしょう。

株式譲渡は事業譲渡とは異なり包括承継であるため、自社の従業員や負債などもそのまま買い手へ引き継がれます。また、売却益も経営者(株主)が現金で受け取れるため、リタイア後の生活に充てることも可能です。

株式譲渡の手順や譲渡価格の算出法などは、以下の記事でわかりやすく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

【関連】株式譲渡はどんなメリットのある手続き?必要資料や成功の秘訣も紹介

8. 旅行会社・旅行代理店のその他のM&A手法

旅行会社・旅行代理店のその他のM&A手法

旅行会社・旅行代理店のM&Aで用いられる手法は事業譲渡と株式譲渡が多いですが、場合によってはそれ以外の手法でM&Aを行うこともあります。

【旅行会社・旅行代理店の事業譲渡・株式譲渡以外のM&A手法】

  • 会社分割
  • 合併

会社分割

会社分割は、自社が持っている権利や義務の一部もしくは全部を他社に包括的に承継する手法のことをいい、新設分割と吸収分割の2種類があります。

主に大企業が不採算事業の切り離しを目的として行うことが多く、企業組織再編のひとつにあたります。

会社分割のメリットは、買い手側の会社は対価としては新株を発行すればよいため、買収資金を用意する必要がないことです。

また、包括承継であるため、契約関係の移転手続きも事業譲渡と比較すると簡単に行えます。

合併

合併は、2つ以上の会社が1つの法人格となる手法で、新設合併と吸収合併の2種類があります。

新設合併では新たに会社を設立して、新設した会社が残りの会社の資産などをすべて引き継ぎます。吸収合併では、存続する会社が消滅する会社側の資産などをすべて引き継ぎます。

包括承継である点は株式譲渡と同じですが、合併の場合は存続する会社を残して、残りの会社は消滅するという違いがあります。

【関連】M&Aの手法を一覧比較!〜特徴・メリット・成功ポイント

9. 旅行会社・旅行代理店を事業譲渡・株式譲渡する際の引き継ぎ・手続きについて

旅行会社・旅行代理店を事業譲渡・株式譲渡する際の引き継ぎ・手続きについて

旅行会社・旅行代理店を事業譲渡・株式譲渡する際は、契約上の地位承継や各種契約などの手続きが必要です。この章では、旅行会社・旅行代理店を事業譲渡・株式譲渡する際の引き継ぎ・手続きを解説します。

事業譲渡の引き継ぎ・手続き

事業譲渡では、各契約・許認可・地位などを引き継げますが、契約上の地位移転に関しては同意を得なければ承継されることはありません。

事業譲渡を行う際は必要な契約に関して同意を得たうえで、契約書にその内容を記載しておく必要があります。また、従業員の雇用などは事業譲渡後に個々の社員から同意を得て、改めて契約を結びます

旅行会社・旅行代理店の事業譲渡の場合、許認可は会社自体が対象事業について許可を得ているため、買い手は事業譲渡が完了した後に許認可を取得しなければなりません。

株式譲渡の引き継ぎ・手続き

株式譲渡の場合、事業譲渡と違って包括承継であるため、取引先との契約上の関係や従業員の雇用などは、そのまま買い手に引き継がれます。そのため、契約の結び直しや相手側の同意を得る必要は特にありません

【関連】事業譲渡の際、社員・従業員はどうなる?労働契約や退職金、転籍の手続きは?

10. 旅行会社・旅行代理店を事業譲渡する際の相談先

旅行会社・旅行代理店を事業譲渡する際の相談先

旅行会社・旅行代理店がおかれている現状は厳しくなっており、市場規模縮小やインターネットの活用により、今後は事業譲渡や株式譲渡などのM&Aを活発に行われると考えられます。

旅行会社・旅行代理店の事業譲渡をよりよい条件で成立させるためには、目的に合った相手先を探し、戦略的に進めていく必要があり、専門家のサポートは不可欠ともいえるでしょう。

旅行会社・旅行代理店を事業譲渡をご検討の際は、ぜひ一度M&A総合研究所へご相談ください。

M&A総合研究所では、事業譲渡などのM&A実績豊富なアドバイザー・会計士・弁護士がご相談からクロージングまでサポートいたします

料金体系は完全成功報酬となっているため、事業譲渡が成立して手続きが完了するまでお支払いは一切発生しませんので、安心してご相談いただけます。

無料相談は24時間お受けしていますので、旅行会社・旅行代理店を事業譲渡をご検討の際は、お気軽にご連絡ください。

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11. まとめ

まとめ

今回は、旅行会社・旅行代理店の事業譲渡・株式譲渡について解説しました。旅行会社・旅行代理店がおかれている環境は今後さらに厳しくなると予測されており、それに伴い事業譲渡などのM&Aがより活発になると考えられます。

旅行会社・旅行代理店のM&Aでは事業譲渡が用いられることが多いですが、必要となる手続きが多く煩雑になります。M&A後に早めに効果を得られるよう、専門家のサポートを得ながら進めることをおすすめします。

【旅行会社・旅行代理店業界が直面している問題】

  1. インターネット予約などの影響もあり競争が激化している
  2. 販売手数料の減少により売上が落ち込んでいる
  3. 将来性に不安を覚えている

【旅行会社・旅行代理店業界の今後の動向予測】
  1. 市場規模は縮小していくとともに競争はさらに激化
  2. インターネット予約の影響は大きく、今後もますます影響を与える
  3. 旅行会社・旅行代理店業界の事業譲渡・M&A動向

【旅行会社・旅行代理店の評価を高めるポイント】
  1. 従業員の教育が行き届いている事
  2. パッケージツアーの企画力がある事

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