会社を廃業するには?決断のタイミング、手続きの流れ、費用・税金を解説

コロナショック影響などもあり、廃業を選択する経営者は増加しています。しかし、会社の廃業には手続きが必要であり、費用が掛かるため、簡単に廃業することはできません。当記事では、会社の廃業を決断するタイミングや手続きの流れ、費用・税金などについて解説します。


目次

  1. 会社を廃業するには?
  2. 会社の廃業を決めるタイミング
  3. 会社を廃業する際の手続きの流れ
  4. 会社の廃業手続きの際にかかる費用・税金
  5. 会社の廃業に潜むリスク・デメリット
  6. 会社の廃業を検討する際はM&Aも検討すべき理由
  7. 会社のM&Aする際におすすめの仲介会社
  8. まとめ

1. 会社を廃業するには?

会社を廃業するには?

何らかの理由で会社の廃業を決断することもありますが、その際は必要な手続きを経なければなりません。

会社を廃業させるためには、法務局での解散登記申請や税務署への解散申請が必要になります。それに加えて、廃業する会社のその年の確定申告も行う必要があります。

また、会社を廃業させた場合は、二度とその会社の経営を行うことはできません。これらの廃業手続きだけでなく、例えば在庫や機材の処分費用や登記申請費用もかかります。

休眠会社とする場合とは異なり、廃業では会社を復活させることはできないため、よく検討したうえで廃業の選択をする必要があります。

2. 会社の廃業を決めるタイミング

会社の廃業を決めるタイミング

会社の廃業を決めるタイミングには、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、会社の廃業を決めるタイミングに多くみられる5つについて解説します。

【会社の廃業を決める主なタイミング】

  1. 引退年齢になり後継者がいない
  2. 関係先の廃業による連鎖廃業
  3. 借入金を払い終わった
  4. 将来性がないと判断した
  5. 従業員の確保が難しくなった

1.引退年齢になり後継者がいない

会社の廃業を決めるタイミングとして多いものの1つに、引退年齢になっても後継者がいないことが挙げられます。

経営者の引退平均年齢は70歳といわれていますが、ここから逆算すると5~10年前までには後継者を決め、後継者に経営者としての教育を行う必要があります。

しかし、近年は将来への不安や職業選択の自由などの理由により、親族内での事業承継が難しいケースも増えています

後継者人材バンクなどを利用して後継者を探す方法もありますが、適任者がなかなかみつからない可能性もあります。

後継者がみつからないまま経営者が引退年齢を迎えてしまい、経営状態が黒字であっても会社を廃業する決断をするケースは少なくありません。

【関連】【中小企業】後継者不足の原因は?不在割合は55%で廃業を防ぐ事業承継が急務

2.関係先の廃業による連鎖廃業

関係先の廃業による連鎖廃業も、会社の廃業を決めるタイミングになっています。中小企業のなかには、中堅あるいは大手企業の下請けとして経営を行っているところもあります。

下請けのビジネスモデルを採用している中小企業は、元請け会社への依存度が高くなる傾向にあり、経営上のリスクを抱えていることになります。つまり、元請会社がなんらかの理由で廃業してしまえば、自社の経営が成り立たなくなる可能性が高くなります。

このような依存度の高い経営リスクに対しては、経営セーフティという手続きがあります。経営セーフティとは、取引先が廃業して連鎖倒産の可能性が高い時に、必要な手続きを経ることで緊急的に融資を受けられる制度です。

しかしながら、依存度が高すぎる状態であり新規取引先がみつかる見込みがない場合、融資を受けても返済できない可能性が高くなります。このようなケースでは、経営者自ら廃業を決めることが多いようです。

3.借入金を払い終わった

借入金を払い終わったため、会社の廃業を決める経営者もみられます。特に、個人事業主などのように事業規模が小さいところに多くみられる傾向です。

事業を始めるときは運転資金が必要になるため、多くの場合は金融機関などから資金を借り入れます。順調に事業が成長すれば安定した利益を得ることができますが、事業の成長が思わしくない場合、経営者に最終的に残るものは借入金のみです

実際に、借入金を完済するために事業を継続している会社もあり、このような場合は借入金を完済した時点で廃業を決断するケースも少なくありません。

4.将来性がないと判断した

会社の廃業を決めるタイミング4つ目は、将来性がないと判断したからです。規制緩和や顧客ニーズの変化など、経営環境は常に変化しています。会社が安定して成長していくためには、経営環境の変化に対応し、競争に打ち勝っていく必要があります。

しかし、大手企業の参入や需要の大幅な低下など当該事業の将来性がないと判断するときもあります。対応策や新事業の見込みがない場合は、会社の廃業を決めるタイミングのひとつになっています。

5.従業員の確保が難しくなった

会社の廃業を決めるタイミング5つ目として挙げられるのは、従業員の確保が難しくなった場合です。近年は、多くの業界が人手不足であり、賃金を上げなければ従業員を確保できないケースも増えています

また、専門資格を有する人材を確保できないと経営ができない事業もあります。例えば、調剤薬局の場合は医薬品を提供するために薬剤師を常駐させなくてはなりません。しかし、薬剤師は薬局数に対して不足している状況であり、確保することが困難になっています。

従業員がいなければ事業の継続は難しいため、そのようなケースでは会社を廃業させる決断をする経営者も多くみられます。

3. 会社を廃業する際の手続きの流れ

会社を廃業する際の手続きの流れ

会社を廃業する際は、どのように手続きを進めればよいのでしょうか。この章では、会社を廃業する際の一般的な流れ・手続きを解説します。

【会社を廃業する際の手続きの流れ】

  1. 最終営業日を決める
  2. 株主総会で承認を得る
  3. 解散・清算人選任登記、解散の届け出
  4. 官報での解散公告、清算人による清算
  5. 確定申告をする

1.最終営業日を決める

会社を廃業することになったら、まずは最終営業日を決めます。いきなり会社の営業を完全に止めることはできないため、最終営業日を決めて徐々に営業を止めるようにします。

具体的に行うべき内容には、従業員や取引先への報告や在庫処理などがあります。どれだけ早い企業でも営業を止めるまでには2か月程度要するため、スケジュールに余裕をもって最終営業日を決めるようにしましょう。

2.株主総会で承認を得る

最終営業日が確定したら、株主総会で廃業についての承認を得ます。株式会社を廃業させる場合、株主総会で特別決議で承認を得るという手続きが必要になります。

また、株主総会では会社の清算を行う「清算人」を選出する手続きも行わなければなりません。

3.解散・清算人選任登記、解散の届け出

株主総会での承認を得て清算人の選出を終えたら、解散・清算人の選任登記、解散の届け出の手続きをします。

株主総会で承認された清算人は、法務局で解散登記と清算人選任登記の手続きを、最終営業日から2週間以内に行う必要があります。

そのあと、税務署などで解散に関わる届け出の手続きを行います。法人税などの国税については管轄の税務署へ届け出ます。法人住民税や法人事業税は都道府県や市町村が管理しているため、それぞれの管轄部署で手続きを行います。

また、会社の廃業に伴って従業員を解雇する場合は、雇用保険や社会保険の手続きも行う必要があります。

4.官報での解散公告、清算人による清算

次は、官報での解散公告、清算人による清算手続きへ移ります。官報での解散公告は、主に会社の債権者に対して会社が廃業することを伝えるために必要になります。なお、債権者に対しては、官報公告のほかに別途個別で通知を送る手続きも必要になります。

この後、会社に残っている資産について、清算人が清算手続きを進めます。具体的には、資産を債務の弁済にあてたり、資産が残れば株主に分配するなどの手続きを清算人が行います。

清算が完了したら株主総会で決議報告書の承認を受け、清算結了登記完了という手続きを行えば会社は廃業することになります。

5.確定申告をする

ここまでの手続きが完了したら、最後に確定申告を行います。会社を廃業させた後の確定申告は、廃業した日から2か月以内に行わなければなりません

確定申告を行うタイミングが、会社を経営していた時の決算月ではないことに注意が必要です。

4. 会社の廃業手続きの際にかかる費用・税金

会社の廃業手続きの際にかかる費用・税金

会社の廃業には、事務的な手続きだけでなく費用や税金もかかるため、これらを事前に用意しておく必要があります。

会社の廃業手続きにかかる費用には、解散や清算人登記にかかる費用、登記簿謄本、官報公告料金があり、これらを合わせて約7.3万円が必要になります。また、手続きを行政書士や税理士などの専門家に依頼する場合は、報酬が別途かかります

税金については、解散手続き後に行う確定申告によって決定した税金を納めます。そのほかの費用には、設備の処分費用や在庫処分、店舗や工場の原状回復費用などがあります。

これらの費用は高額になることもあり、なかには1000万円を超えるケースもみられます。会社を廃業する手続き・準備を進める際は、税金や廃業に必要な費用も用意しておかなければなりません。

5. 会社の廃業に潜むリスク・デメリット

会社の廃業に潜むリスク・デメリット

ここまで述べたように、会社の廃業にはさまざな手続きや費用が必要になりますが、それ以外に会社の廃業にはリスクやデメリットもあります。この章では、会社の廃業に潜む主なリスク・デメリットについて解説します。

【会社の廃業に潜むリスク・デメリット】

  1. 会社が消滅すること
  2. 資産売却が正当に評価されないこと
  3. 従業員が失職すること
  4. 取引先に迷惑がかかること
  5. 地域に影響があること

1.会社が消滅する

会社の廃業に潜むリスク・デメリット1つ目は、会社が消滅することです。会社廃業の手続きを行うと、その会社では再び事業運営することはできません。

事業を再開したい場合は新たな会社を設立する手続きが必要になり、その手続きには一定の時間がかかります。そのほかに会社の印鑑や通帳の作り直しなど、手続きとは別の準備も必要になります。

廃業するということは会社自体が消滅することを念頭に置き、少しでも事業を再開する見込みがある場合や後継者がみつかる可能性がある場合などは、廃業ではなく会社を休眠させることも選択肢にいれるようにしましょう

ただし、会社の休眠手続きは煩雑なものではありませんが、休眠会社になっている間も申告書の提出など維持コストがかかることに注意が必要です。

2.資産売却が正当に評価されない

会社の廃業に潜むリスク・デメリット2つ目は、資産売却が正当に評価されないことです。廃業手続きに伴う資産売却では、その価格が正当に評価されないことがほとんどです。

というのは、売却先が簡単にみつからないためです。一般的に、企業が保有する資産のほとんどは特殊なものばかりです。

そのため、単体で資産価値を評価すると需要がないため、正当に評価されることはほとんどありません。この価格を精算価格と呼んでいますが、廃業手続きに伴う資産売却は正当に評価されないことを覚えておきましょう。

3.従業員が失職する

会社の廃業に潜むリスク・デメリット3つ目は、従業員が失職することです。当然ですが、会社を廃業させると、その時の従業員は解雇しなくてはなりません。

従業員は職を失うことになるため、廃業手続きに入る前に事前通告しておき、転職や退職後の手続きがスムーズにできるよう配慮する必要があります。

しかし、なかには急に会社を廃業せざるを得ないケースもあるでしょう。そのような場合は従業員との間でトラブルにならないよう、専門家と相談して手続きを進める必要があります。

【関連】廃業による従業員の解雇を解説!もめない方法や注意点、退職金、年末調整

4.取引先に迷惑がかかる

会社の廃業に潜むリスク・デメリット4つ目は、取引先・関係先に迷惑がかかることです。自社が廃業すると、取引先の売上が減少するなど、少なからず影響を与えることになります。

場合によっては取引先が連鎖倒産するケースもあるため、従業員と同様、取引先にも廃業手続きを開始する前に知らせておくことが大切です。

5.地域への影響

会社の廃業に潜むリスク・デメリット5つ目は、地域への影響があることです。後継者不在などの理由により、黒字の状態で会社を廃業することになれば、地域雇用や地域経済にも影響を与えることになります

また、調剤薬局など地域インフラを支える企業の場合、その企業が黒字か赤字かにかかわらず、地域に大きな影響を与えることは容易に想像がつきます。

地域に影響を与えるような廃業を行う場合は、周辺住民や企業に廃業を周知しておくとともに、M&Aで会社を継続する選択肢も考えておきましょう。

6. 会社の廃業を検討する際はM&Aも検討すべき理由

会社の廃業を検討する際はM&Aも検討すべき理由

会社を廃業することは悪いことではありませんが、前述のように周囲への影響もあります。廃業手続きを進める前に、まずはM&Aの実施を検討することをおすすめします。

廃業手続きを始める前にM&Aを検討すべき理由は、主に2つあります。1つ目は、地域や関係先へ影響を与えなくて済むためです。M&Aで事業を他社へ引き継げば、地域や関係先へ影響を与えることはなくなります。

2つ目は、資金面においてもM&Aのほうが有利になるケースが多いことです。M&Aを行えば、廃業手続きにかかる費用が不要になるだけなく、会社が保有している資産も正当に評価されます

また、M&Aによる売却益が得られるため、得たお金を引退後の生活費などに充当することもできます。M&Aの実施により多くのメリットが得られるため、廃業を決断する前にM&Aの実施を仲介会社に相談してみるようにしましょう。

【関連】事業承継で廃業を防ぐ!4つの承継先を徹底解説!

7. 会社のM&Aする際におすすめの仲介会社

会社のM&Aする際におすすめの仲介会社

会社の廃業手続きを進める前に、M&Aや事業承継について検討されたい経営者様は、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。

M&A総合研究所は主に中小・中堅規模のM&Aを扱っており、M&Aや事業承継の支援実績を多数有しています。

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8. まとめ

会社を廃業するには? まとめ

今回は、会社の廃業に必要な手続きや費用などを解説しました。会社を廃業するためにはさまざまな手続きが必要であり、また費用もかかります。

また、廃業すれば会社は消滅することになり、ノウハウや技術もすべて失うことになります。廃業という決断をする前にM&Aを行うことを検討してみることをおすすめします。

【会社の廃業を決めるタイミング】

  • 引退年齢になり後継者がいない
  • 関係先の廃業による連鎖廃業
  • 借入金を払い終わった
  • 将来性がないと判断した
  • 従業員の確保が難しくなった

【会社を廃業する際の手続きの流れ】

  1. 最終営業日を決める
  2. 株主総会で承認を得る
  3. 解散・清算人選任登記、解散の届け出
  4. 官報での解散公告、清算人による清算
  5. 確定申告をする

【会社の廃業に潜むリスク・デメリット】

  • 会社が消滅すること
  • 資産売却が正当に評価されないこと
  • 従業員が失職すること
  • 取引先に迷惑がかかること
  • 地域に影響があること

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