国内のM&A動向「2019年は過去最多4,088件」過去の推移も解説

国内のM&A件数は年々増加しており、2019年は国内M&Aが3000件、クロスボーダーM&Aが1088件の、トータル4088件と過去最多を記録しています。本記事では、国内M&Aの動向や過去の推移に加え、2020年の国内M&A件数予想などを解説します。


目次

  1. 日本におけるM&Aの歴史
  2. 国内M&Aの動向
  3. 2019年の国内M&A件数は過去最多を記録
  4. 国内M&Aの過去の推移
  5. 2020年も過去最多を更新する?国内M&A件数予想
  6. 国内M&Aが求められる理由
  7. 国内M&Aを成功させるポイント
  8. 国内M&Aの相談におすすめの仲介会社
  9. まとめ

1. 日本におけるM&Aの歴史

M&Aの歴史

日本国内におけるM&Aの歴史を紐解くと、20世紀初頭の財閥によるM&Aにまで遡ることになります。しかし、現在のようにM&Aが活況になったのは1990年代に入ってからです。

1990年代はバブルがはじけて不況に入った時期であり、業界再編の必要性からM&Aが増えていきました。それに加えてベンチャー企業が増加したことも、国内M&Aに拍車をかけた形になります。

2000年代に入ると、経営者の高齢化による事業承継問題の解決策として、国内M&Aが注目されるようになります。さらに、株式上場に代わるエグジットの手段として、ベンチャー企業による国内M&Aが活発になっています。

2. 国内M&Aの動向

国内M&Aの動向

最近の国内のM&A動向としては、主に以下の3点が挙げられます。

【国内M&Aの動向】

  1. 中小企業・個人を中心とした小規模M&Aが急増
  2. 大企業は日本から海外へのM&Aも増加中
  3. 買収金額も過去を塗り替え続けている

①中小企業・個人を中心とした小規模M&Aが急増

国内M&Aの歴史をみると、かつては財閥によるM&Aが行われ、その後は主に大企業がM&Aを行っています。しかし、近年は大企業のM&Aに加え、中小企業や個人事業を中心とした小規模M&Aが急増しています

決して大企業の国内M&Aが減っているわけではありませんが、中小企業や個人事業主というのは大企業に比べて圧倒的に数が多いので、必然的に小規模M&Aの割合が高くなります。

2020年代は、団塊世代が完全に引退する時期になるので、小規模M&Aの増加はさらに加速すると考えれらます

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②大企業は日本から海外へのM&Aも増加中

大企業による国内M&Aは現在も活況ですが、それに加えて海外の企業を買収する「クロスボーダーM&A」も盛んになっています。

クロスボーダーM&Aには、日本の会社が外国の会社を買収する「IN-OUT」取引と、逆に外国の会社が日本の会社を買収する「OUT-IN」取引があります。

割合としては、IN-OUT取引の方が圧倒的に多いのが現状です。OUT-IN取引は割合としては少ないですが、ここ10年は微増の傾向にあります。

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③買収金額も過去を塗り替え続けている

国内M&A・海外M&Aの買収金額の合計については、2018年に大幅に過去最高記録を塗り替えて、2019年はそれに比べて落ち込んだものの、2018年に次ぐ水準をキープしています。

ただし、2018年はクロスボーダーM&Aの金額が増えたことによる記録更新であり、国内M&Aはむしろ減少しています。

逆に、2019年はクロスボーダーM&Aの減少により、トータルの買収金額は2018年を下回りましたが、国内M&Aに関しては2018年より大幅に増加しています

3. 2019年の国内M&A件数は過去最多を記録

2019年の国内M&A件数は過去最多を記録

国内M&A・海外M&Aによる買収金額は年によってばらつきがありますが、それに対してM&A件数はここ10年順調に増加しており、2017年から2019年まで3年連続で過去最高を更新しています

M&A件数が伸びているのに対して買収金額がばらつくのは、M&A案件によって買収金額が違うからだと考えられます。つまり、M&A件数が少なくても1つ1つの買収金額が大きければ、トータルの買収金額も増えるためです。

2019年の国内M&A件数

レコフデータによると、2019年の国内M&A件数は3000件となっており、クロスボーダーM&Aが1088件で、トータル4088件となっています。

3000件の国内M&Aのうち、約1000件がベンチャー企業によるもので、ベンチャー企業の経営戦略として国内M&Aが積極的に活用されていることがみてとれます。

2019年の国内M&A業界別ランキング

業種別でみた2019年の国内M&Aは、ハイテク関連が首位で全体の約25%2位が工業で約12%3位が不動産で約11%となっています。

4. 国内M&Aの過去の推移

国内M&Aの過去の推移

この章では、国内M&Aの過去の推移を解説します。国内M&Aの推移は時代によって傾向が変わるので、90年代以前・91~00年まで・01~06年まで・07~11年まで・12~19年までに分けて解説していきます。

①90年代以前の国内M&A推移

90年代以前の国内M&A推移は、データが存在する1985年以降でみると、どの年も約200件程度で横ばいとなっています

ただし、クロスオーバーM&Aは大幅に増えているので、トータルのM&A件数は260件から754件に増加しています。

②91~00年までの国内M&A推移

91~00年までの国内M&A推移は以下のとおりです。1996年まではほぼ横ばいですが、1997年から急激に増えていることが分かります。

【91~00年までの国内M&A推移】

国内M&A件数
1991年から1996年 約250件前後
1997年・1998年 500件弱
1999年 約700件
2000年 1000件強

③01~06年までの国内M&A推移

01~06年までの国内M&A推移は以下のとおりです。この期間は順調に国内M&A件数が伸びています

【01~06年までの国内M&A推移】

国内M&A件数
2001年 約1200件
2002年・2003年 約1300件
2004年 約1600件
2005年・2006年 約2100件

④07~11年までの国内M&A推移

07~11年までの国内M&A推移は以下のとおりです。この時期はリーマンショックの影響などで、国内M&A件数が大きく減少しています。

【07~11年までの国内M&A推移】

国内M&A件数
2007年 2000件強
2008年 約1800件
2009年 1500件強
2010年 約1200件
2011年 約1100件

⑤12~19年までの国内M&A推移

12~19年までの国内M&A推移は、以下のとおりです。2007年から2011年までの国内M&A件数は減少しましたが、2012年以降は再び増加に転じ、2019年は過去最高の3000件に達しています

【12~19年までの国内M&A推移】

国内M&A件数
2012年 約1200件
2013年 約1400件
2014年 1500件強
2015年 約1700件
2016年 約1800件
2017年 約2200件
2018年 約2800件
2019年 3000件

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5. 2020年も過去最多を更新する?国内M&A件数予想

国内M&A件数予想

ここ数年、国内・国外M&A件数は非常に伸びていますが、この傾向は2020年も続くのでしょうか。この章では、2020年も過去最多を更新するかどうか、国内M&A件数の予想を試みます。

①2020年4月までの国内M&A件数は約1000件

2020年4月までの国内・国外M&A件数は約1250件で、国内M&Aに限ると約1000件となっています

単純に3倍すると約3000件なので、ペースとしては2019年とほぼ同じということになります。海外M&A件数も去年と比べて特別多いわけではありません。

4月までの国内M&A件数をみると、過去最多を更新するかどうか際どいところだといえるでしょう。

②新型コロナウイルスの影響

2020年は新型コロナウイルスの影響により、去年とは全く違った状況になっています。先行きが読みにくい状況なので、落ち着くまで国内M&Aを控える動きが出てくる可能性があります。

一方で、経営基盤の弱い企業の中には、コロナによる収益低下の結果、早めに見切りをつけて会社をたたんでしまう事例も増えてくると考えられます

すると、国内M&Aの需要が増えてくることになり、将来的にはM&A件数の増加につながってくる可能性もあるでしょう。

6. 国内M&Aが求められる理由

国内M&Aが求められる理由

近年は大企業だけでなく、中小企業の国内M&Aも普及してきています。国内M&Aの需要が高まっている理由にはさまざまなものがありますが、ここでは以下の6つについて解説します。

【国内M&Aが求められる理由】

  1. 後継者問題が顕著
  2. 国内市場縮小による将来性の不安
  3. 人手不足・従業員の高齢化
  4. 設備の老朽化・資金不足
  5. 大手グループによる事業規模の拡大
  6. 大手グループによる経営統合・内製化事業

①後継者問題が顕著

経営者の高齢化にともなう後継者問題は非常に深刻で、放置すれば多くの雇用とGDPが失われると試算されています。後継者問題の解決策として、国内M&Aによる事業承継が国をあげて推進されています。

例えば、中小企業庁は「事業引継ぎ相談窓口」「事業引継ぎ支援センター」といった支援機関を全国に設置し、中小企業経営者が国内M&Aの相談をしやすい環境を整備しています。

民間のM&A仲介会社でも、中小企業の事業承継を中心に手がけるところが増えてきており、後継者問題の受け皿を整える動きが活発になっています。

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②国内市場縮小による将来性の不安

2020年代から本格的に日本の人口は減少していくので、国内の市場規模は必然的に縮小していきます。

たとえ、今現在の経営が順調であっても、国内市場縮小による将来性の不安から、早めに会社を国内M&Aで売却してしまう動きも活発になりつつあります

③人手不足・従業員の高齢化

高齢化と人口減少は、経営者の後継者問題以外にも、人手不足や従業員の高齢化という問題ももたらしています。

人手不足に関しては、業種によっては人口減少以外の要因があることもありますが、全体としては日本の高齢化と人口減少による問題であるともいえます。

人手不足や従業員の高齢化を解消したい場合、見切りをつけて国内M&Aで会社を売却してしまう方法と、買収で従業員を補強する方法が考えられます。

人手不足と従業員の高齢化は、国内M&Aによる売却・買収どちらのニーズも増加させる要因になるといえるでしょう。

④設備の老朽化・資金不足

施設が老朽化したにも関わらず資金不足で設備投資ができない場合、国内M&Aで売却してしまうという選択肢もあります

老朽化した設備を高値で売却するのは難しいですが、買い手にとって何らかのメリットがある場合もあるので、ニーズが合致する買い手をうまくみつけることが重要です。

⑤大手グループによる事業規模の拡大

大手グループによる事業規模拡大の手段としては、自社による新規店舗の拡大やフランチャイズの活用などがありますが、それに加えて、国内M&Aで既存の店舗を買収するという手段も活発になっています

例えば、調剤薬局は大手グループによる国内M&Aが盛んな業種の一つであり、アインホールディングスや日本調剤といった数社の大手グループが、全国の中小の調剤薬局を次々と買収して事業規模を拡大しています。

⑥大手グループによる経営統合・内製化事業

成熟期または衰退期にある業種の場合、大手グループによる経営統合により生き残りを図る動きが活発になります

また、下請けや外注をしていた会社を国内M&Aで買収することにより、内製化して生産効率を高める戦略をとる企業も増加しています。

7. 国内M&Aを成功させるポイント

国内M&Aを成功させるポイント

国内でのM&Aを成功させるためには、どのような点を意識して進めればよいのでしょうか。この章では、国内M&Aを成功させるポイントを、売却側・買収側に分けて解説します。

売却側

国内M&Aを成功させる売却側のポイントは以下の5つです。

【国内M&Aを成功させる売却側のポイント】

  1. 特許・権利・免許などを持つ
  2. 売却のタイミングを見失わないこと
  3. 従業員には現役年齢が多い
  4. 健全な運営が行われていること
  5. M&Aの専門家に相談すること

①特許・権利・免許などを持つ

買収側にとって魅力となる特許・権利・免許を持つ会社は、国内M&Aによる売却が成功する確率が高まるとともに、売却金額も高くなる傾向があります。

②売却のタイミングを見失わないこと

会社の経営状態や業界動向は日々変化するので、国内M&Aによる売却を成功させるには、タイミングを見失わないことも重要なポイントです

買い手候補を慎重に選ぶことはもちろん大切ですが、慎重になりすぎてタイミングを失うケースもあるので注意が必要です。

③従業員には現役年齢が多い

国内M&Aで会社を買収する側は、設備などの有形資産とブランドイメージなどの無形資産に加えて、優秀な従業員を獲得したいことも多いです。

たとえ優秀な従業員でも定年間近の場合は、買収先で長く働くことはできません。やはり現役年齢の従業員を多く抱えている方が、国内M&Aの売却では有利になります

④健全な運営が行われていること

国内M&Aの売却を成功させるには、会社の運営が健全に行われていることが重要です。

黒字であることももちろん重要ですが、簿外債務などの分かりにくい負債がないことや、訴訟などの問題を抱えていないことなども大切なポイントになります。

⑤M&Aの専門家に相談すること

国内M&Aの売却を行うためには、できるだけ幅広い選択肢から適切な売却先をみつけなければなりません。

また、M&Aの手続きには法律や財務・税務の知識も必要になるので、経営者が自力で行うのは困難です。

M&A仲介会社などの専門家に相談すれば、仲介会社が有しているネットワークから売却先を探すことができ弁護士や公認会計士の資格を有するスタッフによるサポートを得ることができます

買収側

国内M&Aを成功させる買収側のポイントは以下のとおりです。

【国内M&Aを成功させる買収側のポイント】

  1. デューデリジェンスの徹底
  2. 統合プロセスの実施
  3. M&Aの専門家に相談すること

①デューデリジェンスの徹底

デューデリジェンスとは、買い手側企業が売り手側企業の財務や税務、および業務内容などを詳細に調査することです。

国内M&Aによる買収を成功させるには、デューデリジェンスを徹底することが大切です。しかし、デューデリジェンスは費用と期間がかかるので、重要なポイントに絞って実行しなければなりません。

一般的には、ファイナンシャルデューデリジェンスやビジネスデューデリジェンスを重点的に行い、必要仁応じてほかのデューデリジェンスも追加します。

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②統合プロセスの実施

国内M&Aの買収側にとってM&Aは成約したら終わりではなく、その後は買収した企業を子会社として運営し事業を軌道に乗せなければなりません。そこで重要になるのが「統合プロセス(PMI)」という作業です。

統合プロセスとは、買収した会社を自社とうまく統合させ、期待通りのシナジー効果が得られるようにマネジメントしていくことです。

統合プロセスを怠った結果、期待したシナジーが得られずM&Aが失敗に終わるというケースはよくあるので注意しましょう。

③M&Aの専門家に相談すること

売却側と同様に、買収側もM&Aの専門家に依頼することは重要です。買収側はデューデリジェンスや統合プロセスといった売却側にはない手続きもあるので、専門家のサポートを得ることはなおさら重要だといえます。

8. 国内M&Aの相談におすすめの仲介会社

おすすめの仲介会社

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9. まとめ

まとめ

国内M&Aは年々活発になっており、ここ数年は件数が毎年過去最高を更新しています。大企業だけでなく全ての中小企業経営者にとって、国内M&Aが今後ますます重要になっていくでしょう。

【国内M&Aの動向】

  1. 中小企業・個人を中心とした小規模M&Aが急増
  2. 大企業は日本から海外へのM&Aも増加中
  3. 買収金額も過去を塗り替え続けている

【91~00年までの国内M&A推移】
国内M&A件数
1991年から1996年 約250件前後
1997年・1998年 500件弱
1999年 約700件
2000年 1000件強

【01~06年までの国内M&A推移】
国内M&A件数
2001年 約1200件
2002年・2003年 約1300件
2004年 約1600件
2005年・2006年 約2100件

【07~11年までの国内M&A推移】
国内M&A件数
2007年 2000件強
2008年 約1800件
2009年 1500件強
2010年 約1200件
2011年 約1100件

【12~19年までの国内M&A推移】
国内M&A件数
2012年 約1200件
2013年 約1400件
2014年 1500件強
2015年 約1700件
2016年 約1800件
2017年 約2200件
2018年 約2800件
2019年 3000件

【国内M&Aが求められる理由】
  1. 後継者問題が顕著
  2. 国内市場縮小による将来性の不安
  3. 人手不足・従業員の高齢化
  4. 設備の老朽化・資金不足
  5. 大手グループによる事業規模の拡大
  6. 大手グループによる経営統合・内製化事業

【国内M&Aを成功させる売却側のポイント】
  1. 特許・権利・免許などを持つ
  2. 売却のタイミングを見失わないこと
  3. 従業員には現役年齢が多い
  4. 健全な運営が行われていること
  5. M&Aの専門家に相談すること

【国内M&Aを成功させる買収側のポイント】
  1. デューデリジェンスの徹底
  2. 統合プロセスの実施
  3. M&Aの専門家に相談すること

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