会計士・税理士事務所のM&Aは早く決断を!事例や相場など解説

会計士・税理士事務所のM&Aは、現在増加しています。今回は、会計士・税理士事務所のM&Aについてメリット、相場、事例など徹底解説!会計士・税理士事務所のM&Aは買い手市場に移行しつつあるため、M&Aを考えている所長は早くM&A仲介会社に相談しましょう。


目次

  1. M&Aにおける会計士・税理士の役割
  2. 会計士・税理士事務所におけるM&Aの動向
  3. 会計士・税理士事務所のM&A活用方法
  4. 会計士・税理士事務所におけるM&Aのメリット
  5. 会計士・税理士事務所におけるM&Aの流れ
  6. 会計士・税理士事務所を売却するときの相場
  7. 会計士・税理士事務所のM&A事例4選
  8. 会計士・税理士事務所を高く売るポイント
  9. 会計士・税理士事務所のM&AにおすすめのM&A仲介会社
  10. まとめ

1. M&Aにおける会計士・税理士の役割

M&Aにおける会計士・税理士の役割

M&Aにおいて、会計士や税理士の役割は重要です。どのような役割を担っているか確認しましょう。

M&Aとは、企業や事業の売買、また複数の企業を統合することです。事業の成長や拡大、人材不足や後継者不在の解決などに用いられています。M&Aを行うためには、M&Aについてはもちろん、財務や法務など様々な分野の知識が必要です。

会計士や税理士は、M&Aの財務・会計部分に関わっています。以下のようなM&A業務に携わるのです。
 

  • 企業価値評価の算定
  • 財務、税務デューデリジェンス
  • M&A戦略の策定

企業価値評価は、M&Aでの取引額の目安ともなるためM&Aにおいて非常に重要です。特に非上場企業の場合、株式が出回っていないため企業価値評価を行って市場価値を算定しなければなりません。

高度な会計知識を要する企業価値評価において、会計士や税理士が活躍するのです。

また、M&Aには買い手企業が売り手企業の経営状況を調査するデューデリジェンスがあります。財務や税務のデューデリジェンスで、会計士や税理士の協力が必要となるのです。

さらにM&A戦略においても、会計士や税理士がアドバイスをすることで合理的な戦略を策定することができます。

このように、M&Aにおいて会計士と税理士はM&A業務のあらゆる部分でとても重要な役割を担っているのです。

2. 会計士・税理士事務所におけるM&Aの動向

会計士・税理士事務所におけるM&Aの動向

会計士と税理士のM&Aにおける関係が分かったところで、会計士・税理士自身のM&Aについて見ていきましょう。

「会計士・税理士事務所をM&Aで譲渡する」という考え方は、近年浸透してきました。そのため、以前は譲渡件数が少なく売り手市場でしたが、徐々に買い手市場となってきています。

もし事務所を売却したいなら、なるべく早くM&A仲介会社などM&Aの専門家に相談すべきです。

会計士・税理士事務所のM&Aは増加している背景は、主に以下の2つとなります。
 

  1. 所長の高齢化と後継者不在
  2. 顧客獲得競争の激化

それぞれの背景を順番に確認しましょう。

背景1.所長の高齢化と後継者不在

中小規模の事務所では、所長の高齢化と後継者不在が経営課題となっています。特に税理士事務所の所長の年齢は、過半数が60代以上なのです。

少子化や労働人口の減少で税理士資格の受験者数も減っており、人材不足も深刻となっています。人材が確保できないため、後継者を見つけることも難しいのです。

所長の高齢化と人材不足を要因に、後継者不在に悩む事務所のM&Aが増加しています。

背景2.顧客獲得競争の激化

会計士・税理士事務所の場合、大手が報酬の高い業務を中心に行っており、報酬の低い業務を中小規模の事務所が取り合っている状況となります。

会計士・税理士事務所は全国に3万件以上存在していますが、小規模な個人事務所が多く顧客獲得競争が激化しているのです。特に、税理士事務所は約80%が個人事務所となります。事務所数も会計士や弁護士など他の士業事務所に比べて多く、競争が激しい業界です。

さらに会計や税務のIT化、顧問先の廃業や倒産も競争激化の要因となっています。

このような理由から、中小規模の会計士・税理士事務所はいかに事務所を存続させるかが課題となっており、生き残りのためにM&Aを選択する事務所も多いのです。

3. 会計士・税理士事務所のM&A活用方法

会計士・税理士事務所のM&A活用方法

M&Aに関わっている会計士・税理士は少数です。通常、会計士は企業の財務諸表の適正を評価する監査業務、税理士は企業の代わりに税務業務を行っています。

M&Aに関わったことのない会計士・税理士は、M&Aをどのように活用できるか明確に分からないこともあるでしょう。M&Aで事務所を売却することは、必ずしも「引退をすること」ではありません。

ここでは、会計士・税理士事務所をM&Aしたとき、所長の選べる道を確認しましょう。

M&Aで事務所を売却する場合、所長には次の3つの選択肢があります。
 

  1. M&Aで売却してすぐに引退する
  2. 後継者を見つけて引き続き働く
  3. M&Aで売却後、数年働いてから引退する

それぞれ順番に詳しく見ていきましょう。

方法1.M&Aで売却してすぐに引退する

会計士・税理士事務所を売却して、引き継ぎを済ませるとすぐに引退することも可能です。

所長が高齢で体調が良くない場合や「すぐに引退したい」という場合は、事務所を引き継いでくれる買い手企業に譲渡して、完全に業務を終わらせることができます。

競業避止義務違反にならないよう注意しよう

ただし、引退後に再び事務所を開くことは難しいです。なぜなら、競業避止義務があるからです。

競業避止義務とは、売り手企業が譲渡した事業のノウハウや人脈を利用して事業を行わないという義務を指します。買い手企業の利益を守るための条件です。多くの場合、競業避止義務をM&Aの条件に含むことが一般的となります。

引退後に事務所を開きたいなら、あらかじめ買い手企業と交渉する必要があるでしょう。

方法2.後継者を見つけて引き続き働く

引退せず、引き続き働くこともできます。「経営よりクライアントとの仕事がしたい」「大手事務所の傘下に入って経営を安定させたい」という所長もいるでしょう。

このような所長は、M&Aによって買い手企業に経営を任せ、自身は会計士・税理士として働くことができます。

また、買収後も引き続き所長に働いてほしいという買い手企業は多いです。M&A後も引き続き働くつもりでいる方が、買い手企業を見つけやすいでしょう。

方法3.M&Aで売却後、数年働いてから引退する

「数年働いてから、引き継ぎをして引退したい」という譲渡の仕方も、M&Aなら実現できます。

会計士・税理士事務所は、多くの顧問先を抱えているものです。突然引退すると顧問先に不安を与えてしまうと考えるなら、数年かけて引き継ぎを行い引退することが可能です。

すでに後継者はいるため、後継者に悩まず希望のタイミングで引退することができます。

4. 会計士・税理士事務所におけるM&Aのメリット

会計士・税理士事務所におけるM&Aのメリット

続いて、会計士・税理士事務所におけるM&Aのメリットを整理しましょう。会計士・税理士事務所のM&Aには、次の4つのメリットがあります。
 

  1. 後継者不在を解決できる
  2. 従業員の雇用を継続できる
  3. 事務所の経営を安定させられる
  4. 引退後の資金を獲得できる

順番にメリットを詳しく確認しましょう。

メリット1.後継者不在を解決できる

M&Aをすることで、後継者不在を解決できます。

中小規模の会計士・税理士事務所の場合、後継者不在に悩んでいることも多いです。M&Aで引き継ぎ先を見つければ、安心して引退や業務を行えるでしょう。

また、M&A仲介会社に依頼すると複数の買い手企業を見つけてくれる可能性があります。自身で後継者を見つけるより、時間や労力を節約でき、優良な買い手企業に引き継いでもらえるでしょう。

メリット2.従業員の雇用を継続できる

M&Aをすることで、従業員の雇用を継続できます。

もし廃業をすれば、従業員はリストラしなければなりません。しかし、M&Aで引き継ぎ先が見つかれば従業員を雇用し続けられます。

所長が引退しても別の経営者がいるので、従業員に迷惑もかけません。従業員の雇用が心配で引退できないなら、M&Aがおすすめです。

メリット3.事務所の経営を安定させられる

M&Aで他の事務所に引き継いでもらうことで、業務をバックアップしてもらって経営を安定させられます。

人材不足なら人材を派遣してくれる可能性があり、仕事が受注しやすくなるでしょう。研修体制がしっかりしている買い手企業なら、従業員のレベルを上げて事務所を成長させられます。

資金繰りが厳しい場合も、買い手企業のサポートを受けられるので安心して業務を行えるでしょう。

メリット4.引退後の資金を獲得できる

M&Aをすると、まとまった現金が手に入ります。引退後も余裕をもって生活できるでしょう。

ただし、獲得した資金で新しい事務所を開くことはできません。先にも説明した競業避止義務があるからです。

譲渡代金だけでは生活に不安がある場合、他の業種で働くか、すぐに引退せず譲渡した事務所で働き続けましょう。

5. 会計士・税理士事務所におけるM&Aの流れ

会計士・税理士事務所におけるM&Aの流れ

会計士・税理士事務所におけるM&Aのメリットを確認しました。実際に会計士・税理士事務所を売却する流れを見ていきましょう。

ここでは、会計士・税理士事務所のM&Aを以下の7つに分けています。
 

  1. 経営・顧客の整理
  2. M&A仲介会社への相談
  3. M&A仲介会社と契約
  4. 買い手企業の選定と打診
  5. 基本合意契約の締結
  6. デューデリジェンスの対応
  7. 最終契約の締結

それぞれ順番に確認しましょう。

流れ1.経営・顧客の整理

まず初めに、何が経営課題なのか洗い出しましょう。後継者不在、資金繰りの悪化、人材不足など経営を見直すことが大切です。

財務状況や従業員、顧客についても整理します。顧客の数、報酬額を確認してまとめましょう。

M&Aをして何を実現させたいかも、この時点で考えておきます。M&Aで経営を立て直したいのか、引退したいのかなどM&A後をイメージしましょう。

経営の見直しとM&Aの目的を明確化すれば、M&A仲介会社に相談します。

流れ2.M&A仲介会社への相談

M&Aを検討したら、M&A仲介会社へ相談しましょう。ほとんどのM&A仲介会社では、相談無料です。

M&A仲介会社によっては、決算書などを持っていくと譲渡価格も見積もってもらえます。譲渡価格を参考に、M&A後の生活を考えてみましょう。

M&A仲介会社にいきなり買い手企業探しを依頼するのではなく、複数のM&A仲介会社に相談して、一番相性が良いと思ったM&A仲介会社に依頼することをおすすめします。

以下のようなことを聞いておくと、M&A仲介会社を比較しやすいでしょう。
 

  • 会計士・税理士事務所のM&A動向
  • 譲渡価格の相場
  • M&A仲介会社の実績
  • M&Aにかかる費用

依頼するM&A仲介会社は、M&Aを成功させるために非常に重要です。しっかり比較して、M&Aを任せられるM&A仲介会社を選びましょう。

流れ3.M&A仲介会社と契約

M&AをサポートしてもらうM&A仲介会社を見つけたら、M&A仲介会社とアドバイザリー契約をします。アドバイザリー契約は、本格的にM&A支援を依頼するために交わす契約です。

アドバイザリー契約を交わすと、買い手企業候補の選定に進みます。M&Aの疑問や不安は、アドバイザリー契約前に解決しておきましょう。

M&A業務を行うための着手金を必要とするM&A仲介会社もあります。着手金は、アドバイザリー契約時に支払うことが多いです。相場は50万円~200万円となります。

着手金は一度払うと戻ってこないため、金額やM&Aの進め方についてしっかり聞いてから支払いましょう。

流れ4.買い手企業の選定と打診

M&A仲介会社と契約すれば、M&A仲介会社のコンサルタントが買い手企業候補を探してくれます。買い手企業候補を複数提示してくれるので、コンサルタントと一緒に事務所にとって良い相手を選びましょう。

打診する買い手企業候補を選んだら、コンサルタントが打診してくれます。同時に複数打診できるM&A仲介会社もあるので、打診の方法についても相談時に聞いておくと良いでしょう。

買い手企業候補に打診して、M&Aに了承してもらえれば、面談に移ります。面談で、経営者同士の考えや経営方針などを話し合って互いの事務所に対する理解を深めるのです。

面談をしてから、いよいよ交渉に入ります。交渉では自分の意思をしっかり伝え、譲渡条件について合意形成を行いましょう。

流れ5.基本合意契約の締結

交渉で譲渡条件が大体決まれば、基本合意契約を締結します。基本合意契約とは、買い手企業と大まかな条件でM&Aを進めていくと約束する契約のことです。

基本合意書には、以下のような内容を記載します。
 

  • 今後のスケジュール
  • 譲渡方法
  • 譲渡価格
  • 譲渡条件
  • 独占交渉権
  • デューデリジェンス協力義務

基本合意書に記載した内容に基づいて、最終交渉が行われます。基本合意書に記載する譲渡条件については、コンサルタントと共に内容を確認しましょう。

M&A仲介会社によっては、基本合意契約時に中間報酬が発生します。中間報酬は、成功報酬の10%が相場です。着手金と同じく一度払うと戻ってこない料金となります。

流れ6.デューデリジェンスの対応

基本合意契約を結ぶと、デューデリジェンスが行われます。デューデリジェンスでは、事務所の経営について複数の資料を提出しなければなりません。

事務所だけでデューデリジェンスに対応できるなら、外部に協力を要請する必要はありません。しかし、デューデリジェンスは時に膨大な資料を要求されることがあります。必要であれば、M&A仲介会社に協力してもらい、迅速に提出できるようにしましょう。

以下のような資料を用意しておくと、スムーズに対応できます。
 

  • 定款
  • 直近3期分の決算書・税務関係の書類
  • 顧問先の名簿
  • 従業員一覧
  • 給与台帳
  • 固定資産台帳

また、デューデリジェンスで債務や問題が見つかると、基本合意契約で決めた譲渡価格を下げられる可能性があります。債務や経営上の問題については、面談や交渉時に話しておきましょう。

流れ7.最終契約の締結

デューデリジェンスの結果と基本合意契約の内容に基づいて、最終交渉を行います。譲渡価格や譲渡条件について、さらに詳細を詰めていく段階です。M&A仲介会社にサポートしてもらいながら、交渉しましょう。

最終交渉で互いに納得した内容にまとまれば、最終契約を締結します。譲渡代金を受け取り、事務的な手続きを終えるとM&Aは完了です。

M&A仲介会社に成功報酬を支払いましょう。

6. 会計士・税理士事務所を売却するときの相場

会計士・税理士事務所を売却するときの相場

ここまで、会計士・税理士事務所のM&Aについて見てきました。「実際、いくらで売却できるんだろう」と思う経営者もいるでしょう。

会計士・税理士事務所の売却は、一般的に事務所の年間顧問報酬または営業利益の3年分をベースに、売り上げや顧問料を考慮して算定されます。

詳細な譲渡価格については、M&A仲介会社に見積もってもらいましょう。

7. 会計士・税理士事務所のM&A事例4選

会計士・税理士事務所のM&A事例4選

会計士・税理士事務所の売却相場が分かったところで、会計士・税理士事務所のM&A事例を見ていきましょう。

会計士・税理士事務所のM&Aは、いずれも似た理由で取引が行われています。売り手企業の場合、後継者不在が主な理由です。買い手企業の場合、営業基盤の拡大が大きな理由となります。

M&Aの結果として、後継者不在を解消し、所長は引き続き買い手企業のもとで働くケースが多いです。

実際の事例を4つ確認しましょう。
 

  1. 経営不安と後継者不在を解消した事例
  2. 従業員のモチベーションアップに繋がった事例
  3. 徒歩圏内での税理士事務所合併で顧客争奪戦を避けた事例
  4. 後継者不在とサービスの充実が一致した事例

それぞれ詳しく見ていきましょう。

事例1.経営不安と後継者不在を解消した事例

  売り手企業A社 買い手企業B社
所長の年齢 70代 50代
売上 6,000万円 1億3,000万円
従業員数 6名 16名
理由・目的 売上の減少
後継者不在
営業基盤の拡大

売り手企業A社は、約35年続いている税理士事務所です。売り上げの減少と後継者不在に悩んでいました。仕事は好きなため、事務所を売却後も働きたいという希望があります。

買い手企業B社の税理士事務所は、全国に基盤を設けて営業を展開していきたいため税理士事務所を買収していました。買収する事務所の所長や従業員には残ってもらい、事業拡大に貢献してほしいと考えています。

互いの条件が一致し、M&Aは成立。売り手企業A社の経営不安や後継者不在は解消されました。

事例2.従業員のモチベーションアップに繋がった事例

  売り手企業C社 買い手企業D社
所長の年齢 60代 50代
売上 8,000万円 2億円
従業員数 7名 30名
理由・目的 後継者不在 営業基盤の拡大

売り手企業C社の税理士事務所は、後継者として考えていた従業員が独立してしまい後継者不在のためM&Aを検討しました。

買い手企業D社の税理士事務所は、支店展開のためにM&Aを活用しています。事務所を拡大していくため買収する事務所の所長に残ってもらい、本部からの新所長を指導してほしいと考えていました。

売り手企業C社は本部からの新所長を育てることで合意し、M&A成立。買い手企業D社の研修制度や福利厚生が充実していたため、待遇も上がり従業員のモチベーションアップにも繋がりました。

事例3.徒歩圏内での税理士事務所合併で顧客争奪戦を避けた事例

  売り手企業E社 買い手企業F社
従業員数 非公開 36名
理由・目的 非公開 顧客獲得
事業拡大

売り手企業E社の税理士事務所と買い手企業F社の税理士事務所は、徒歩圏内にある事務所です。

買い手企業F社は顧客獲得と事業拡大のため、M&Aを行っていました。税務調査で評判の売り手企業E社を買収することで、顧客の取り合いを回避することができたのです。

さらに売り手企業E社の所長に残ってもらい、顧客離れも阻止できました。

事例4.後継者不在とサービスの充実が一致した事例

  売り手企業G社 買い手企業H社
所長の年齢 60代 非公開
従業員数 12名 190名
理由・目的 後継者不在 サービスの充実

売り手企業G社の会計事務所は、所長が60歳を過ぎたころから体力に不安を感じており、後継者不在もあり今回のM&Aを検討しました。

買い手企業H社は大手税理士事務所で、若い税理士、会計士、行政書士などを集めて顧客の業務をサポートしています。会計業務などサービスの充実を目指して、売り手企業G社の買収を行いました。

M&A成立後、売り手企業G社の所長は買い手企業H社の会長職を辞退し、第一線で引き続き働いています。

8. 会計士・税理士事務所を高く売るポイント

会計士・税理士事務所を高く売るポイント

事例だと譲渡価格は非公開で、実際の価格は分かりませんでした。会計士・税理士事務所を売却する場合、どのような点に気を付ければ高く売れるのか疑問に思う人もいるはずです。

会計士・税理士事務所を高く売るポイントは3つあります。
 

  1. 所長が元気で業績が良いときに売る
  2. 準備をしっかり行う
  3. M&A仲介会社に相談する

それぞれのポイントを詳しく確認しましょう。

ポイント1.所長が元気で業績が良いときに売る

事例で確認したように、会計士・税理士事務所の売却を考える経営者は高齢で後継者不在や自身の体調不良に悩んでいます。

所長の体調が悪いと、引き継ぎが満足に行われない不安を買い手企業が抱きM&Aを進めづらくなるのです。所長に引き続き働いてほしい買い手企業も多く、所長が体調不良だと交渉で不利となります。

同様の理由で、業績が悪いと譲渡価格を引き下げられるのです。そのため会計士・税理士事務所は、所長が元気で業績の良いときが売り時なのです。

ポイント2.準備をしっかり行う

M&Aは準備をしっかり行うことが大切です。資料の収集や作成など事務的なものだけでなく、従業員や顧問先への説明も必要となります。突然の事務所売却は、従業員や顧問先に不安を与えるでしょう。

従業員には売却後の雇用や待遇について、顧問先にもサポート内容や報酬額についてきちんと説明しなければなりません。説明するタイミングについては、最終契約を結んだ前日や翌日が一般的です。

準備をしっかり行うと言っても、現在会計士・税理士事務所のM&Aは買い手市場に移行しつつあるため、長い期間をかけて準備をすると高く売るチャンスを逃してしまいます。短期間でも準備を行うためには、M&A仲介会社に協力してもらいましょう。

ポイント3.M&A仲介会社に相談する

M&Aを検討したら、なるべく早い段階でM&A仲介会社に相談しましょう。M&Aについて理解してから相談することも大切ですが、買い手市場に変わりつつある会計士・税理士事務所の売却は急いだほうが良いです。

M&A仲介会社に相談することで、M&Aの疑問も解決できます。相談しながら準備を進めていきましょう。

また、会計士や税理士の中にはM&A支援を行っている人もいて、「なぜM&A仲介会社に相談すべきなのか」疑問に思う人もいるでしょう。同じ職業の方が相談しやすいかもしれません。しかし、M&A仲介会社の持つ情報量やノウハウの方がM&Aには向いています。

なぜなら会計士や税理士だと、会計や税務の部分は詳しいかもしれませんが、M&A全般となると弱くなる可能性があるからです。M&A仲介会社ならM&A業務だけでなく、会計士や税理士が社内に在籍していたり、提携していたりするため会計や税務のサポートも行えます。

このような理由もあり、会計士や税理士よりもM&A仲介会社に相談することをおすすめするのです。しかし、M&A仲介会社へ相談すること自体に不安がある人もいるはずです。

続いて、M&A仲介会社に依頼したときの費用や情報漏洩について確認しましょう。

M&A仲介会社に依頼したときに必要な費用

M&A仲介会社には、主に次の5つの費用があります。
 

料金 内容 相場
相談料 相談時に支払う料金 無料
着手金 M&A仲介業務を依頼したとき(アドバイザリー契約時)に支払う料金 50万円~200万円
月額報酬 M&A仲介業務を継続する限り支払う月額報酬 30万円~200万円
中間報酬 M&Aがある程度進んだ時点(基本合意契約時)で支払う報酬 成功報酬の10%
成功報酬 M&Aが成立したときに支払う報酬 譲渡価格の1%~5%

以上の料金から、各M&A仲介会社がそれぞれ料金設定を行っています。たとえば、「着手金+中間報酬+成功報酬」や「月額報酬+成功報酬」などです。

料金比較では、成功報酬以外の料金に気を付けましょう。なぜなら、M&A成立前に支払う成功報酬以外の料金は、一度支払うと戻ってこない料金だからです。

着手金や中間報酬などの料金を支払った後にM&Aが不成立となっても、支払った費用は返還されません。このような費用をリスクと捉えるなら、「成功報酬のみ」のM&A仲介会社に相談することをおすすめします。

M&A仲介会社へ相談する際に、どのような料金体系か、具体的にいくらかかるのかを必ず確認しましょう。

M&A仲介会社に相談して情報漏洩しないか

M&A仲介会社に相談すると、大まかな譲渡価格、事例、動向など様々なことが分かります。しかし譲渡価格を出すためには、事務所の売上や債務、経営課題など他社に知られたくないことも話さなければなりません。

多くの場合、M&A仲介会社では相談時に秘密保持契約を交わします。秘密保持契約とは、提供した情報を第三者に渡さないことを約束する契約のことです。

秘密保持契約を結ぶため、他社だけでなく顧問先や従業員にもM&Aを検討しているとばれないよう配慮してくれます。情報漏洩が心配な経営者も、安心して相談できるでしょう。

9. 会計士・税理士事務所のM&AにおすすめのM&A仲介会社

会計士・税理士事務所のM&AにおすすめのM&A仲介会社

会計士・税理士事務所の売却はM&A仲介会社に相談すべきと分かったものの、「M&A仲介会社を知らない」という人もいるでしょう。

会計士・税理士事務所のM&AにおすすめのM&A仲介会社を、3つ確認しましょう。
 

  1. M&A総合研究所
  2. 山田コンサルティンググループ
  3. インテグループ

それぞれの特徴を知り、自社に合ったM&A仲介会社を選びましょう。

①M&A総合研究所

①M&A総合研究所

出典: https://masouken.com/lp01

M&A総合研究所は、専任の公認会計士が成功報酬のみでM&Aを成立させてくれるM&A仲介会社です。

着手金や中間報酬は不要で、支払いはM&A成立後に成功報酬のみとなります。もし途中でM&Aが不成立となっても、支払う費用は一切ありません。費用のリスクが心配な経営者も、安心して利用できるでしょう。

また、平均3ヶ月~6ヶ月というスピードでM&Aを成立させてくれるのです。通常、M&Aは6ヶ月~1年以上かかります。

しかし、M&A総合研究所はM&Aに詳しい専任の会計士のサポートやAIを導入することで、素早くM&Aを成立してくれるのです。

「すぐに引退したい・売却したい」という経営者におすすめなM&A仲介会社です。

M&A総合研究所については、『支払いは成功報酬だけ!M&A総合研究所の特徴・手数料・事例など解説』で詳しく説明しています。

②山田コンサルティンググループ

②山田コンサルティンググループ

出典: https://www.yamada-cg.co.jp

山田コンサルティンググループは、豊富な実績とネットワークを誇るコンサルティング会社です。

M&A仲介以外にもコンサルティング業務も行っているため、経営について相談すると的確なアドバイスをしてくれます。

山田コンサルティンググループの母体である山田グループは、公認会計士・税理士事務所として設立されました。現在でも山田グループ全体で多くの会計士や税理士を抱えており、M&A仲介もサポートしてくれます。

料金は業務委託手数料と成功報酬です。業務委託手数料は、案件によって支払い方や金額が変わるので相談時に確認しましょう。

M&A仲介会社の中でも大手なので、「大手企業の方が信頼できる」という経営者は相談してみても良いでしょう。

山田コンサルティンググループについては、『山田コンサルティングが行うM&Aコンサルの特徴や手数料を解説』で詳しく説明しています。

➂インテグループ

➂インテグループ

出典: https://www.integroup.jp/

インテグループは、中小企業に特化してM&AをサポートしてくれるM&A仲介会社です。

支援してきた企業の9割が未上場企業で、個人事務所の多い会計士・税理士事務所の売却も任せやすいM&A仲介会社でしょう。

料金は成功報酬のみです。最低限支払わなければならない最低手数料が500万円と安く、小規模な案件もM&Aにかかるコストを抑えられます。

M&A交渉の訓練を受けたコンサルタントも魅力です。通常、コンサルタントの平均年間成約数は1~1.5件ですが、インテグループの場合3~4件成約しています。経験を積んだコンサルタントが相談にのってくれるのです。

このように、インテグループならリーズナブルな料金体系で熟練したコンサルタントの支援を受けられます。「なるべく安くM&Aを済ませたい」という経営者に納得いくプランを提案してくれるでしょう。

10. まとめ

会計士・税理士事務所のまとめ

会計士・税理士事務所の売却は、なるべく早く検討しましょう。なぜなら、会計士・税理士事務所のM&Aは増加していて、売り手市場から買い手市場に変わりつつあるからです。

会計士・税理士事務所をM&Aで売却するメリットは、4つあります。
 

  1. 後継者不在を解決できる
  2. 従業員の雇用を継続できる
  3. 事務所の経営を安定させられる
  4. 引退後の資金を獲得できる

M&Aを自力で進めるとなると、時間と労力がかかります。M&A仲介会社に協力してもらって進めましょう。

M&A仲介会社は、数多く存在しています。各M&A仲介会社によって、料金や特徴が異なるのです。複数のM&A仲介会社を比較することが大切です。

自社と相性の良いM&A仲介会社を見つけ、会計士・税理士事務所のM&Aを成功させましょう。

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