2020年04月14日公開
2021年01月30日更新
事業譲渡契約書の記載内容や注意点、印紙について解説【見本あり】
会社譲渡・事業譲渡契約書は、譲渡を確定させる法的効力のある契約書なので、経営者の方も詳細について理解しておく必要があります。本記事では、会社譲渡・事業譲渡契約書の記載内容や注意点、雛形やテンプレート、印紙などについて解説します。
目次
1. 事業譲渡契約書とは
会社譲渡・事業譲渡契約書とは、会社譲渡や事業譲渡の契約を締結させる契約書です。
会社譲渡・事業譲渡契約書は、基本合意書や意向表明書などと異なり、契約が確定する最終的な契約書なので、記載内容は慎重に吟味する必要があります。
会社譲渡・事業譲渡契約書は、一般的には弁護士などの専門家の指導のもとで作成するので、経営者にあまり知識がなくても作成できます。
しかし、経営者が会社譲渡・事業譲渡契約書について理解がない状態で契約書を締結すると、後々トラブルになる可能性もあります。
経営者自身が会社譲渡・事業譲渡契約書の内容についてきちんと知っておくのは、やはり重要といえるでしょう。
事業譲渡契約書の重要性
会社譲渡・事業譲渡の手続きでは、意向表明書や基本合意書など、いくつかの契約を締結します。
しかし、最終的に法的効力が発生するのは会社譲渡・事業譲渡契約書なので、ほかの書類よりも重要性が高いといえます。
事業譲渡のメリット・デメリット
事業譲渡のメリット・デメリットにはどのようなものがあるのか、まとめると以下のとおりです。
メリット
事業譲渡は、譲渡する資産や債務などの対象を自由に決められられます。そのため特定の金銭債務を譲り受けない、不要な事業を譲り受けないなども可能です。
また合併や会社分割などと異なり、契約書の備置や、債権者異議手続などが不要です。
デメリット
財産関係が総合的に移転しないため、1件ずつ対抗要件を持てるように登記などを具備する必要があります。従業員や取引先との関係など、契約上の地位を引き継ぐには、原則としてそれぞれ相手方の承諾が必要です。
なお、譲受企業が事業を引き継ぐ際に、事業における許認可を持っていない場合は、改めて許認可が必要になりますので注意が必要です。なぜなら事業譲渡においては、譲受企業は許認可の引き継ぎができないからです。
事業譲渡契約書はどんなタイミングで交わされる?
会社譲渡・事業譲渡契約書は、譲渡企業のデューデリジェンスを行い、譲渡企業が抱えるリスクなどについて調査が終わった後、それを踏まえて譲渡企業・譲受企業両社が会社譲渡・事業譲渡について合意したタイミングで交わされます。
2. 事業譲渡契約書の記載内容
この章では、会社譲渡・事業譲渡契約書に記載すべき内容について解説します。会社譲渡・事業譲渡契約書に記載する主な内容は以下のとおりです。
ただし、会社譲渡・事業譲渡契約書の記載内容は、必ずしもこれらの内容を全部含む必要はなく、内容を追加していけないわけではありません。
個々の会社譲渡・事業譲渡の内容に沿って、記載事項を適切に変更していくことも重要になります。
【事業譲渡契約書の記載内容】
- 事業譲渡の目的・譲渡日
- 譲渡資産
- 事業譲渡の対価・支払い方法
- 譲渡日の変更
- 譲渡資産の引き渡し
- 注意義務・協力義務
- 競業避止義務
- 表明・保証・引き継ぎ
- 前提とする条件
- 契約解除について
- 損害賠償
- 公租公課負担について
- 守秘義務
- 協議事項
- 管轄の裁判所
- 表明保証
①事業譲渡の目的・譲渡日
会社譲渡・事業譲渡契約書には、譲渡会社と譲受会社の名前や所在地、会社譲渡・事業譲渡の目的、譲渡日などの基本事項を記載します。
譲渡の目的は詳しく書いてもいいですが、事業の効率化や事業再生のような簡潔な表現でも構いません。
②譲渡資産
会社譲渡・事業譲渡で、譲渡する資産についての対象資産目録を作成して明記します。債務を譲渡する場合も同じように対象債務目録を作成し、どの債務を買い手に承継するのか明記しておきます。
資産目録は、固定資産・流動資産・知的財産などにわけて書くとみやすくなるので、債務の場合も固定負債と流動負債はわけて書くようにしましょう。
譲渡する資産・負債の項目が多すぎる場合は「〜に関する全ての資産・負債」と書き、その後に「ただし〜は除く」などのように書くとよいでしょう。
③事業譲渡の対価・支払い方法
会社譲渡・事業譲渡契約書では、事業譲渡の対価の額、およびその支払い方法を記載します。支払いの銀行口座や口座番号を記載し、さらに譲受企業側が手数料を負担する場合も明記します。
手数料の負担は少額ではありますが、細かい部分もきちんと記載しておかないと後々トラブルの原因ともなるので、忘れずに記載するようにしましょう。
また、支払いが終わった後は、譲渡企業側が領収書を発行する旨も忘れずに記載しておくようにしましょう。
④譲渡日の変更
会社譲渡・事業譲渡契約書では、やむを得ない事情が発生した場合に、譲渡日を変更できる旨を一文加えておくと、後でトラブルが発生するリスクを抑えられます。
⑤譲渡資産の引き渡し
対象資産の引き渡しに関しては、事業譲渡の対価・支払い方法の欄に一緒に記載します。
⑥注意義務・協力義務
会社譲渡・事業譲渡では、契約の締結から事業資産の引き渡しまでに期間が開く場合があります。
もし、この期間中に譲渡企業が資産の価値を大きく下げてしまうような行為をすると、譲受企業としては支払う対価に値する資産を受け取るのができなくなります。
そのため、会社譲渡・事業譲渡契約書には、譲渡企業が資産を適切に管理するとした、善管注意義務を記載しておく必要があります。
また、会社譲渡・事業譲渡がクロージングした後、譲受企業が事業をうまく引き継げるように、譲渡企業側が協力する義務も明記しましょう。
⑦競業避止義務
会社譲渡・事業譲渡契約書では、譲渡企業の競業避止義務について記載します。競業避止義務とは、譲渡企業は譲渡した事業と同じ事業を再び行ってはならない義務のことです。
譲渡してすぐ譲渡企業が同じ事業を始めてしまうと、譲受企業が不利益を被るために、このような規則が設けられています。
競業避止義務は、法律上は禁止期間が20年、禁止する範囲は譲受企業と同じ市町村および隣接する市町村となっていますが、この条件は譲渡側・譲受側の合意によって変更できます。
⑧表明・保証・引き継ぎ
表明保証とは、会社譲渡・事業譲渡契約書に記載されている事項や関連事項について、間違いなく事実であることを保証するものです。
記載内容が事実であることに加えて、訴訟などの問題が発生していないこと、反社会勢力との関わりがないことなども、表明保証に盛り込むのが一般的です。
さらに、クロージング後の業務の引き継ぎ作業への協力や、従業員の引き継ぎに関する事項も記載するとよいでしょう。
⑨前提とする条件
会社譲渡・事業譲渡契約書における前提条件とは、譲受企業が一定の条件を満たしている際に、始めてクロージングが実行できる条項です。
クロージングの時点で、譲受企業が表明保証の内容を守っていなかったり、契約内容に違反していたりした場合、その状態で事業を譲渡すると譲渡企業が不利益を被る可能性があります。
そのため、会社譲渡・事業譲渡契約書では、譲受企業が前提条件を満たしているときにのみ、譲渡企業は事業を譲渡する義務を負うと定めます。
⑩契約解除について
会社譲渡・事業譲渡契約書では、相手に何か重大な違反があった際に、会社譲渡・事業譲渡契約を解除できる条項を盛り込んでおく必要があります。
重大な違反とは、たとえば表明保証に違反した行為をしているとか、倒産して破産手続きの申し立てをしたなどが該当します。
⑪損害賠償
会社譲渡・事業譲渡契約書では、契約違反などによって譲渡企業または譲受企業が重大な損害を被った際、損害賠償を請求する旨を記載しておく必要があります。
損害賠償について記載すると、記載されていない事由での損害賠償の請求はできない意味にもなります。なお、損害賠償の額は、譲渡した事業の額を超えないように設定するのが一般的です。
⑫公租公課負担について
公租公課とは、国や地方自治体に収める税金や保険料のことです。会社譲渡・株式譲渡がクロージングする月の公租公課・賃貸料・光熱費などの費用は、クロージングの前日までは譲渡企業が、クロージング日以降は譲受企業が日割りで支払うことになります。
会社譲渡・事業譲渡契約書では、このような公租公課負担の扱いについても記載しておく必要があります。
⑬守秘義務
会社譲渡・事業譲渡では、M&Aをしている事実や、交渉時に開示した情報などが、外部に漏れないように注意しなければなりません。
会社譲渡・事業譲渡を進めている事実が従業員や取引先に知れてしまったために、交渉が失敗するケースは決して少なくありません。
そのような事態を防ぐために、会社譲渡・事業譲渡契約書では、交渉に関する情報については秘密保持契約を締結した人物以外の第三者に開示しない旨を記載する必要があります。
⑭協議事項
協議事項とは、会社譲渡・事業譲渡契約書に記載されていない事項に関して何か問題が起きた場合や、記載されている事項の解釈について疑問が起こった場合に、譲渡企業・譲受企業双方が協議して解決を図るものです。
想定外のトラブルや契約締結後に明らかになった疑問点などに対応するために、会社譲渡・事業譲渡契約書では協議事項についても記載しておく必要があります。
⑮管轄の裁判所
もし、会社譲渡・事業譲渡契約書の内容についてトラブルが起こったときに、どの裁判所で争うのかについて記載しておく必要があります。
⑯表明保証
会社譲渡・事業譲渡契約書では、表明保証について明記しておくのが重要です。譲渡企業・譲受企業それぞれが、何について表明保証をするのかを明確に定めておくようにしましょう。
3. 事業譲渡契約書のテンプレート・雛形
会社譲渡・事業譲渡契約書は、項目がたくさんあり内容も専門的なので、一から自分で作成するのは困難です。
もし自分で作成したい場合は、ネット上に公開されているテンプレートや雛形を利用できます。
【事業譲渡契約書のテンプレート・雛形の例】
〇〇株式会社(甲株式会社)と××株式会社(乙株式会社)は、以下のように事業譲渡契約を結びます。
第1条(譲渡日)
甲株式会社は、〇〇〇〇年〇〇月〇〇日に、事業を乙株式会社に譲渡する。事情によりこの日に譲渡ができない場合は、両者の合意により譲渡日を変更できる。
第2条 (譲渡財産)
1 甲株式会社と乙株式会社は、本事業の財産が、別紙に記載された資産目録のとおりであることを確認する。
2 甲株式会社は乙株式会社に、自社の負債が別紙に記載された負債目録のとおりであり、それ以外の負債は存在しないことを保証する。
3 甲は乙に対し、必要と認められる事業に関する情報を提供する。
第3条(移転時期)
1 譲渡日をもって、甲株式会社はその資産を乙株式会社に引き渡す。
2 甲株式会社は、譲渡日までに必要な手続きを完了する。
第4条(従業員)
1 乙株式会社は、雇用を希望する甲株式会社の従業員に対して、引継ぎ雇用することを保証する。
2 乙株式会社が甲株式会社の従業員を引継ぐにあたって、以前と同じ雇用条件を適用する。
第5条(譲渡価額)
1 本事業の譲渡価額は〇〇万円である。
2 乙株式会社は、その譲渡対価を指定の口座に振り込む。
第6条(秘密保持)
甲株式会社と乙株式会社は、本契約により知った情報について、相手の許可なく第三者に漏えいしてはならない。
第7条 (就業避止義務)
甲株式会社は、譲渡日の後〇〇年間、本件事業と競合する事業を行わない。
第8条(公租公課)
譲渡日の年度の公租公課については、譲渡日の前日までの分を甲株式会社が、譲渡日以降の分を乙株式会社が日割で負担する。
第9条(契約の解除)
甲および乙は、相手方が義務の履行を怠ったとき、破産手続きを行った時、反社会勢力に属していると判明した時は、契約を解除することができる。
第10条(適用法と管轄裁判所)
本契約に関して紛争がある場合は、日本法を適用法とし、〇〇裁判所を管轄裁判所とする。
第11条 (協議事項)
本契約に定めのない事項については、協議のうえで解決に努める。
本書面2通作成し、記名捺印のうえ各1通を保有する。
令和〇年〇月〇日
甲 株式会社
乙 株式会社
4. 事業譲渡契約書の注意点
会社譲渡・事業譲渡契約書は項目が多く内容も複雑なので、注意して内容を理解しつつ、手続きを進めていく必要があります。会社譲渡・事業譲渡契約書の記載にあたっては、以下の7点に特に注意するようにしましょう。
【事業譲渡契約書の注意点】
- 譲渡対象の資産・支払い資産について
- 従業員の転籍・処遇について
- 競業避止義務について
- 商号の継続使用について
- 雛形・テンプレートの使用について
- 事業譲渡契約書の作成者について
- 各種手続きの実行日について
①譲渡対象の資産・支払い資産について
事業譲渡では譲渡企業の資産を個別に売買するので、どの資産を支払いの対象とするかを、会社譲渡・事業譲渡契約書に記載する必要があります。
譲渡する全ての資産についてリストアップする必要がありますが、資産の数が多く煩雑になる場合は、たとえば「〇〇にかかる全資産」と書き、その後に「ただし××は除く」といったように書くとわかりやすくなります。
また、備品などの細かい資産も漏れのないようにリストアップしておかなければ、後でトラブルになる可能性もあるので注意が必要です。
②従業員の転籍・処遇について
事業譲渡では、従業員の雇用は基本的に引き継がれないので、従業員の処遇をどうするかを会社譲渡・事業譲渡契約書に記載しておく必要があります。
事業譲渡にともなう従業員の処遇としてあり得る主な選択肢としては、以下の3つが考えられます。
【事業譲渡にともなう従業員の処遇】
- 従業員を譲渡企業側で一旦解雇し、譲受企業で新たに雇用契約を結ぶ
- 譲受企業に転籍せず、引続き譲渡企業で雇用する
- 譲渡企業に籍を置いたまま、出向の形で譲受企業へ勤務する
どの選択肢を選ぶにしろ、従業員の同意を得なければこれらの処遇を行うことはできません。会社側から強制はできず、従業員は自らの意思で会社側からの提案を拒否できます。
また、従業員に転籍を拒否された場合は、譲渡企業で何らかのポストを与え雇用を継続しなければなりません。
なお譲受企業は、雇用継続を希望した従業員について、未払いの退職金や給料、残業代などの債務や、消化していない有給休暇、勤続年数を承継時に引き継ぐのかどうかも契約書には追記しておくのが良いです。
③競業避止義務について
競業避止義務は法律上、期間が20年、範囲が譲受企業と同じ市町村または隣接する市町村となっていますが、競業避止義務の期間や範囲は変更するのも可能です。
譲渡側としては、禁止期間ができるだけ短く、禁止する範囲も狭いほうがよいですが、譲受側としては逆のほうがよいので、意見がぶつかってしまう可能性があります。
競業避止義務の期間や範囲については、個々の会社譲渡・事業譲渡の事例によって、譲渡側・譲受側双方が納得できる妥協点を交渉していくのが重要です。
④商号の継続使用について
会社譲渡・事業譲渡では、譲渡企業の商号を継続使用するかどうかを記載しておく必要があります。
商号は、譲渡企業の経営者にとって思い入れのある場合が多いので、会社譲渡・事業譲渡によってそれを消滅させたくない場合は、継続使用について明記しましょう。
ただし、商号を継続使用すると、譲渡企業の債務を譲受企業が引き継がなければならない「商号俗用責任」の法律もあるため、継続使用について記載する際は、譲受企業と十分話し合って理解を得る必要があります。
⑤雛形・テンプレートの使用について
会社譲渡・事業譲渡契約書を作成する際に、ネット上の雛形・テンプレートを使用するのは便利ですが、そのまま使用すると問題が起こることもあるので注意が必要です。
会社譲渡・事業譲渡は個々のケースによって細かい契約内容が変わるので、雛形・テンプレートをそのまま使用すると、必要な事項が抜けたり、逆に必要ない義務や責任が記載されていたりする場合もあります。
会社譲渡・事業譲渡契約書を作成する際は、弁護士など専門家のサポートを受けながら、自分の事例に合った内容を記載していくようにしましょう。
⑥事業譲渡契約書の作成者について
事業譲渡契約書の作成者は、譲渡企業・譲受企業どちらでも構いません。どちらが作成しても、相手側がその内容に合意すれば契約は締結できます。
相手に作成してもらうと手続きが楽な部分はありますが、契約内容について相手に主導権をとられる可能性もあります。
⑦各種手続きの実行日について
会社譲渡・事業譲渡契約書には、各種手続きの実行日を明確に記載しておく必要があります。
特に、資産の譲渡と対価の支払いを行う譲渡日については、必要な書類の一覧とともに記載しておくようにしましょう。
5. 事業譲渡契約書の印紙税
会社譲渡・事業譲渡契約書には、収入印紙を貼付する必要があります。収入印紙は、国が発行する証明書であり、収入印紙を購入し契約書への貼付によって、印紙税を納めた証明になります。
収入印紙は、貼付し忘れたり貼り方が間違っていたりすると、追徴課税の対象となる場合があります。追徴課税額は通常の印紙税の3倍となるので、忘れずに貼付するようにしましょう。
また、収入印紙を貼付しても、消印を正しく押さなければ納税が認められないため、会社譲渡・事業譲渡契約書と、収入印紙の両方にかかるように押印しましょう。
【事業譲渡契約書の印紙税】
契約金額 | 印紙税額 |
契約金額の記載なし | 200円 |
1万円以上10万円以下 | 200円 |
10万円超~50万円以下 | 400円 |
50万円超~100万円以下 | 1,000円 |
100万円超~500万円以下 | 2,000円 |
500万円超~1,000万円以下 | 1万円 |
1,000万円超~5,000万円以下 | 2万円 |
5,000万円超~1億円以下 | 6万円 |
1億円超~5億円以下 | 10万円 |
5億円超~10億円以下 | 20万円 |
10億円超~50億円以下 | 40万円 |
50億円超 | 60万円 |
参考:国税庁「印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで」
6. 海外M&Aの際の事業譲渡契約書について
近年は、海外の企業と会社譲渡・事業譲渡契約を結ぶクロスボーダーM&Aも盛んになってきています。
海外企業との会社譲渡・事業譲渡契約書を作成する際に注意すべきなのは、どちらの国の法律を適用するかの問題です。
この点を明確にしておかないと、国同士の法律の違いから思わぬトラブルが起こる可能性もあります。独占禁止法などの法規制に関しても、双方の国の法規制に注意が必要です。
たとえば紛争になった場合、どの国の裁判所でどの国の法律を適用するのかなども問題となります。日本の法律に従うのであれば「日本法に準ずる」と記載して、適用する法律をはっきりさせておくようにしましょう。
このように、日本企業同士で事業譲渡を行う場合とは違い、クロスボーダーを扱う専門家のアドバイスが必要となるでしょう。
7. 無償での会社譲渡・事業譲渡の際も事業譲渡契約書は必要?
会社譲渡・事業譲渡はほとんどの場合対価を支払って有償で行いますが、対価を支払わず無償で行う方法もあります。
ただし、無償で会社譲渡・事業譲渡を行うからといって、会社譲渡・事業譲渡契約書を作成しなくていいわけではありません。
たとえ無償であっても契約締結にかわりはないので、会社譲渡・事業譲渡契約書を作成する必要があります。
無償で会社譲渡・事業譲渡した場合、贈与税やみなし譲渡所得税といった、有償での会社譲渡・事業譲渡では発生しない税金がかかる場合があります。
譲渡した資産をはっきりさせ、税の計算を正しく行うためにも、会社譲渡・事業譲渡契約書は必要です。
8. 事業譲渡契約書の作成は専門家に相談を
会社譲渡・事業譲渡契約書の作成は、専門家の助けを借りて行う必要があります。会社譲渡・事業譲渡をお考えの方は、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。
M&A総合研究所では、会社譲渡・事業譲渡の経験豊富なM&Aアドバイザリーが在籍しており、会社譲渡・事業譲渡契約書の作成を親身になってサポートいたします。さらに、M&A総合研究所はスピーディーなサポートを実践しており、最短3ヶ月で成約を実現します。
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9. まとめ
会社譲渡・事業譲渡契約書は、法的効力が発生する最終的な契約書なので、M&A仲介会社など専門家のサポートを受けつつ、慎重に作成していく必要があります。
経営者の方も会社譲渡・事業譲渡契約書について理解して、専門家に任せきりにならないようにしておくのが大切です。
M&A総合研究所では、経験豊富なM&Aアドバイザーが、クロージングまで親身になってサポートいたします。無料相談は年中無休でお受けしていますので、会社譲渡・事業譲渡をお考えの方は、お電話またはWebからお気軽にお問い合わせください。