会社売却の手続き・流れを徹底解説!期間や売却後はどうなる?注意点は?

近年では、経営者が引退にあたり会社売却を考えるケースが多く、それに伴いM&A成約件数も増加傾向にあります。会社売却を行う時は、経営者自身も手続きや流れを知っておく必要があります。当記事では会社売却の手続きや流れ、売却にかかる期間や注意点について解説しています。


目次

  1. 会社売却とは
  2. 会社売却の基本的な手続き・流れ(手順)
  3. 会社売却の手続き・流れ(手順)に必要な期間
  4. 会社の売却後に社長や社員はどうなる?
  5. 会社売却の注意点
  6. 会社売却に失敗しない方法
  7. 会社売却の相談におすすめ仲介会社
  8. まとめ

1. 会社売却とは

会社売却とは

30年ほど前では、会社売却を行う会社はほとんどありませんでした。当時の会社売却側は、買収側の経営戦略や事業拡大のためにやむを得ず会社を売却するケースが多かったようです。

しかし、近年は売却側の経営陣の決定により会社売却を行う会社の数は増加しています。主な理由としては、中小企業経営者の後継者問題があります。

中小企業経営者の平均年齢は60歳を超えています。経営者が引退する平均年齢は70歳なので、ここからどの中小企業でも経営の引継ぎが行われます。

しかし、引き継ぐ意思のある従業員がいないなど後継者不足が問題となっており、その解決方法として会社売却が行われています。

この記事では、会社売却の基本的な手続きや流れ(手順)、また、会社売却までの期間や売却後の処遇などについても解説いていきます。

【関連】会社を売りたい!会社売却のメリット・デメリット!注意点や成功のコツを解説【案件事例あり】

2. 会社売却の基本的な手続き・流れ(手順)

会社売却の基本的な手続き・流れ(手順)

まずは、会社売却の基本的な手続き・流れ(手順)について紹介します。

基本的な手続きは以下の流れで行われます。
 

  1. 会社売却の方針を決定する
  2. 会社売却の主な手段を検討する
  3. 会社売却の相談先を見つける
  4. 相談先と秘密保持契約を結ぶ
  5. 会社売却先を探す
  6. 経営陣同士の面談・条件交渉
  7. 意向表明書の提示
  8. 基本合意契約書の締結
  9. 買収側によるデュ-デリジェンスの実施
  10. 最終譲渡契約書の締結
  11. クロージング

①会社売却の方針を決定する

まずは、会社売却の方針を決定します。戦略的な会社売却を行う場合は、買収先との相談・交渉で方針を決定します。しかし、経営者の引退に伴う会社売却の場合は、会社に残される従業員の処遇について考える必要があります。

当然のことですが、会社売却時に譲渡できる従業員の数によって、会社売却時の金額は変化します。そのため、買収先の規模が大きいことや、すべての従業員を引き続き正社員として採用するなど、従業員のことを考えた買収先の目途をつけておく必要があります

株式会社の場合、会社売却についての最終的な決定するのは株式総会です。会社売却を行うには、株主総会で特別決議(2/3以上の賛成)が必要なため、説明資料の作成などの準備を入念にし、会社売却を行えるようにします。

②会社売却の主な手段

次は、会社売却の主な手段について解説します。会社売却の方法はいろいろありますが、ここでは株式譲渡と事業譲渡について詳しく解説していきます。

株式譲渡

株式譲渡とは、会社売却側の株式を買収先に譲渡することで会社の所有権を掌握し、実質的な会社運営を行うことをいいます。

通常、譲渡する株式の割合が多いほど影響力を強く持たせたり、子会社化することができます。反対に、譲渡する株式の割合が少ないほど資本業務提携のように連携関係が弱くなります。なお、100%株式を譲渡した場合、売却した会社は完全子会社化されます

株式譲渡のメリットは、手続きが比較的容易である点です。合併などを行う場合、基本合意書の締結など手続きが煩雑になりますが、株式譲渡はそのようなことはありません。

一方、デメリットは包括承継であることです。包括承継の場合、買収側から見ると負債や義務などすべてを受け入れる必要があるため、少しハードルが高くなります。

つまり、負債や義務が多くかつ重大なトラブルを抱えているような売却会社は、すぐに買収先が見つからないことを意味しています。

事業譲渡

事業承継とは、買収側にとって必要な事業だけを売買する方法です。事業譲渡のメリットは、包括承継でないため、買収側からするとハードルが低くなる点です。つまり、すぐに売却先が見つかるため、迅速に事業譲渡を行うことが可能になります。

一方、デメリットは売却した事業以外の部分が残ることです。特に引退するために会社売却を行い、その方法として事業譲渡を選択した場合、残った会社の廃業手続きを行う必要があります。

このような理由により、会社の廃業コストがかかるため、引退を目的とした会社売却の場合は、事業譲渡は不向きな手法といえるでしょう。

③会社売却の相談先を見つける

会社売却の方針と方法が決まったら、次は会社売却の相談先を探します。

M&A専門家は、買収先の探索から会社売却の交渉・手続きまでをサポートしてくれるため、慎重に相談先を選ぶ必要があります。

ここでは、会社売却におすすめの相談先6社をご紹介します。

①M&A仲介会社

1つ目はM&A仲介会社です。M&A仲介会社は、買収を希望している会社と売却を希望している会社の情報を収集し、目的があっている会社同士のマッチングを行います。M&A相手の探索から交渉・手続きまでをM&A専門家が仲介します。

M&A仲介会社の特徴は、中小企業同士のM&Aなど比較的取引額の小さいM&Aを得意としている点です。また、近年のM&A成約件数増加に伴い、各分野に独自の強みを持つM&A仲介会社も増えています。

会社売却を行う際は、目的に合うM&A仲介会社に相談することで、売却利益が高くなったり、手続きがスムーズに進んだりするといったメリットがあります

M&A・事業承継ならM&A総合研究所

M&A総合研究所では、会社売却に精通した公認会計士が、交渉からクロージングまで一括サポートを行っています。

着手金・中間報酬は無料、成功報酬は業界最安値水準となっています。会社売却をご検討中の方は、お気軽に無料相談をご利用ください。

②M&Aアドバイザリー

2つ目は、M&Aアドバイザリーです。M&Aアドバイザリーは、買収側・売却側どちらか一方と専属的に契約を結び、契約相手の会社の利益が最大になるようにM&Aの交渉を行うM&Aの専門家です。基本的にM&Aの交渉は、M&Aアドバイザリー同士で交渉を行い、M&Aアドバイザリーを通して意見や要望を伝えます。

M&Aアドバイザリーの特徴は、大企業同士のM&Aのように比較的取引額の大きなM&Aを得意としています。M&Aアドバイザリー相談料ですが、専属で相談を行う分、ほかの相談先に比べて割高です

③マッチングサイト

3つ目はマッチングサイトです。M&Aにおけるマッチングサイトはネットオークションのようなものであり、ネット上で目的のM&A先が見つかれば直接連絡して、M&Aの交渉・取引を行います。M&A仲介業者を通さないため、M&Aにかかるコストを抑えることができるというメリットはあります。

しかし、その分自社でM&Aの交渉などを行う必要があるため、希望の条件・金額で取引できないリスクがあるというデメリットもあります。M&Aマッチングサイトの手続きや流れ(手順)については以下の記事で詳しく紹介していますのでそちらをご覧ください。

サイト売買(M&A)・M&Aマッチングサイト40選! | M&A・事業承継ならM&A総合研究所

④金融機関・証券会社

4つ目は、金融機関・証券会社です。大手の金融機関や証券会社では、M&Aに関する専門的な部署を設置して、M&A仲介業や相談を受けているところがあります。そのため、そこを会社売却の相談先にすることができます。

また、中小企業の場合は金融機関が経営の相談相手になる場合が多く、そのつてを通してM&Aを行うケースもあります。

⑤公的機関・事業引継ぎセンター

5つ目は、公的機関・事業引継ぎセンターです。特に事業引継ぎセンターは、中小企業基盤整備機構が行っている事業の1つで、中小企業や小規模事業者のM&A支援を行っています。M&A先の探索や会社売却完了までの支援を行うだけでなく、民間のM&A仲介会社を利用するときの金銭面などの相談も行うことができます。

⑥税理・会計・法務事務所

最後は、税理・会計・法律事務所です。税理・会計事務所は、財務会計を専門分野としているため、自社の適正な売却価格を算出することができます。また、中小企業の経営者にとっては経営面での相談先の1つとなっているため、信頼性のある相談先といえます。

法務事務所に関しては、すべてがM&Aに関する相談を行っているわけではありません。経営法務を得意としている法務事務所の場合、M&Aに関する相談を受け付けているところがあります。
 

④相談先と秘密保持契約を結ぶ

会社売却の相談先が決まり、その相談先からサポートを受けたいと感じたら秘密保持契約を結びます。この契約の主な目的は会社の機密情報の漏洩を防ぐためです。

適正な会社の売却価格を算出してもらうためには、会社が保有している有形資産だけでなく、ノウハウや顧客情報などの無形資産も伝える必要があります。無形資産の情報を社外の人に伝えることは情報漏洩のリスクが伴うため、必ず相談先とは秘密保持契約を締結します。

そのほかにもネームクリアや提案資料について確認する必要があるため、それらについても解説します。

ネームクリアの確認

ネームクリアとは、買収先に会社の名前を公表することです。会社売却の流れ(手順)の中でネームクリアが買収先との秘密保持契約の後に行われるかどうか必ず確認します。

会社売却を行う前に会社売却の手続きを行っているという情報が漏洩すると、従業員の退社や株価の暴落など自社にとってデメリットが起こる可能性があります。そのリスクを回避するためにネームクリアについては確認しておきましょう。

提案資料の作成

提案資料とは、今後の会社売却の流れや会社売却の方法を示した資料で買収先に提案します。また、これら以外にも考えられるシナジー効果や取引の希望条件など機密性の高い情報を記載する必要があります

そのため、提案資料の作成・開示についても秘密保持契約締結後に行うかどうかを確認しておきましょう。

⑤会社売却先を探す

相談先が決まり、秘密保持契約を締結した後は会社売却先を探します。M&A仲介業者を利用すると目的とする買収先をいくつかリストアップしてもらえます。その中から会社売却先を決定することになります。

M&Aの手続きの中で会社売却先を探すというプロセスは比較的時間のかかる手続きです。すべての条件を満たすような買収先が見つかるまでには時間がかかるため、妥協するポイントを考えておく必要があります。

⑥経営陣同士の面談・条件交渉

買収先が決まり、両社ともにM&Aの意欲を示したら、次は経営陣同士の面談・条件交渉を行います。基本合意契約書を締結するまでは企業概要書と経営陣同士の面談でしか自社のことについて紹介することができません。

このトップ面談では、直接、会社のアピールポイントを伝えることができたり、直接、買収に関しての条件を聞くことができる重要な機会です。そのため、聞きたいこと話しておきたいことはすべて話せるように準備をしておきましょう。

特に、この手続きで自社がいかに魅力的であるか、どのようにして会社売却価格を引き上げるかという煎薬は考えておく必要があります

⑦意向表明書の提示

経営陣同士の面談・条件交渉を通して、M&Aに意欲がある場合には意向表明書を提示します。意向表明書はとにかくM&A意欲があることを示す資料です。これでM&Aの合意が完全に決まるわけではないので注意しましょう。

両社から意向表明書が提示されて初めて次の手続き・手順に進むことができます

⑧基本合意契約書の締結

次は基本合意契約書の締結です。基本合意契約書では、M&Aを行う意向があることを示すだけでなく、独占交渉権や独占交渉期間などの規定が記載されています。これに関しても基本合意契約書を締結するだけで完全に合意できるわけではありませんので注意が必要です。

つまり、基本合意契約書を締結すると記載されている期間は、ほかの企業との会社売却に関する手続きや、交渉を行うことができないので注意が必要です。

⑨買収側によるデュ-デリジェンスの実施

基本合意契約書を締結すると次は買収側によるデューデリジェンス(企業監査)が実施されます。特に株式譲渡など包括承継によるM&Aの場合、リスクを回避するために徹底的なデューデリジェンスが実施されます。

負債やトラブルなど、自社にとって都合の悪い部分を隠していても表面化する可能性は高いうえ、隠しているトラブルの数やトラブルの程度がひどい場合は、M&Aの交渉が白紙に戻されることにもなりかねません。

負債やトラブルを抱えている場合は、初めから隠さず開示するようにし、M&A専門家と相談して希望売却価格に反映しておくようにしましょう

⑩最終譲渡契約書の締結

デューデリジェンスを実施し、M&A取引価格の修正・交渉を行った後、両社が納得した場合は、最終譲渡契約書を締結します。

最終譲渡契約書を締結することで完全にM&Aに関して合意することになります。つまり、最終譲渡契約書の締結により、売却側の手続きは基本的に終わることになります

⑪クロージング

クロージングとは、M&Aが実施されることです。売却側からするとクロージングで会社売却の対価を受け取ります

会社の資産や従業員の異動に関しては買収先の管理の下で行われるため、これらに関して売却側は基本的に関与することはありません。

M&Aを行う際のスケジュールについては、以下の記事でも詳しく解説していますので、あわせてお読みください。

M&Aのスケジュールを解説!【買収までの流れ・手順】 | M&A・事業承継ならM&A総合研究所

3. 会社売却の手続き・流れ(手順)に必要な期間

会社売却に必要な期間とは

会社売却の手続き・流れ(手順)に必要な期間はそれぞれの会社売却のケースによって異なってきます。一般的には、会社売却の相談先を決めてからクロージングが行われるまでに平均して約3~6か月かかるといわれています。

そのため、会社売却の準備はクロージングが行われるまでに約6か月かかると想定して進めるのが良いと考えられます。

会社売却の手続き・流れの中で期間の長さに影響する手続きには、以下の2つがあります。

  1. 買収先の探索
  2. 会社買収の交渉

会社売却の期間の長さに影響する手続き・流れ①.買収先の探索

会社買収の期間の長さに影響する手続き・流れの1つ目は、買収先の探索です。買収先の探索条件を厳しくすると適切な買収先がなかなか決まらず、手続き・流れの期間が長くなる傾向があります。

M&A専門家と相談して、条件が厳しくしすぎないよう妥協できる点について決めておくようにしましょう

会社売却の期間の長さに影響する手続き・流れ②.会社買収の交渉

期間に影響する手続き2つ目は、交渉です。会社売却の価格や条件について折り合いがつかない場合についても、期間が長くなる傾向があります。

会社売却の期間を短くするためには、必要条件の優先順位を決めておいて、必要に応じて妥協できるように準備をしておきましょう

4. 会社の売却後に社長や社員はどうなる?

会社売却後、社員と社長はどうなるのか

この章では、会社売却後の社長や社員の待遇について紹介します。

中小企業の売却ではほとんどの場合、経営者は社員の雇用維持を優先して考えているため、買収先の社員と同じ待遇が受けられるような条件で会社売却の交渉を行います。

一方で社長の場合は、それぞれが希望しているような結果にならない可能性があります

社長の場合

会社売却後に考えられる社長の処遇や制限には、主に以下の3つが挙げられます。

  1. ロップアップされる
  2. リタイアとなる
  3. 競業避止義務により制限される

①ロップアップされる

ロックアップとは、会社売却後、業務などの引継ぎを行うため、売却側の社長が買収先の会社で働くことを言います。

売却側のメリットとしては、ロックアップ期間中は買収先の会社で従業員として働くため、安定した収入が得られることが挙げられ、ロックアップ期間中の報酬については、会社売却の交渉時に決めることができます。

一方、ロックアップされるデメリットは、その期間中自由にすることができないことが挙げられます。特に引退を目的として会社売却を行う場合、ロックアップされるとすぐに引退することができません。

引退を目的に会社買収を行う方は、ロックアップ期間を考慮したスケジュールを考えておく、またはロックアップされない買収先を選ぶなど、ロックアップの対策を考えておく必要があります。

②リタイアとなる

会社売却後、社長はリタイアとなります。引退を目的とした会社売却を行う場合、クロージングが行われた後すぐに引退することになります。

買収側は、売却会社の影響を排除する目的で近年、売却側の社長のロックアップは行わないケースが増加しています。そのため、会社売却を行った社長の中で最も多い処遇はリタイアです

③競業避止義務により制限される

会社売却を行った後、社長は競業避止義務に注意する必要があります。競業避止義務とは、会社売却後、20年間は同一もしくは隣接する市町村で同じ事業を20年間行うことができないという規則をいいます。

事業譲渡を行った場合、譲渡会社は業務避止義務を負うことになるということを念頭に置いておきましょう。

なお事業譲渡での交渉の際、競業避止義務については交渉することができます。将来のことを考えて制限を受けたくない場合は、必ず交渉をしておきましょう。

社員の場合

会社売却後の社員に対する処遇には、主に以下の2つが考えられます。

  1. そのまま買収先に残る
  2. 退職する

①そのまま買収先に残る

売却先の社員が受ける処遇1つ目はそのまま売却先に残ることです。先ほども述べたように中小企業の経営者は会社売却の際に必ず社員の雇用維持の条件を交渉します。

そのため、会社売却後はほとんどの場合、売却先の従業員と同じ待遇を受けることができます。また、買収先が自社よりも事業規模が大きい場合は、売却先で社員の待遇が良くなるケースが大半です

このような理由により、会社売却に関与する社員のほとんどは買収先に残るという選択をしています。

②退職する

万が一、買収先に残留するという待遇を受け入れなかった場合、その社員は会社売却と同時に退職することになります。

M&Aの際、社員雇用についての法律である労働契約承継法では、包括承継において雇用契約は当然に承継されると定められています。したがって社員は、買収先に残留するか退職するかの選択肢しかありません。

なお事業承継の場合、社員の雇用契約を強制的に買収先に承継させることはできません。事業譲渡先の会社が気に入らなかった場合、譲渡会社に残留するという選択肢も選ぶことができます。

5. 会社売却の注意点

会社売却時の注意点について

会社売却を行う際には注意すべき点がいくつかあるので、事前にしっかり把握しておくことも大切です。

この章では、会社売却時に注意すべき以下の4点について、解説します。

  1. 売却手法によって株主による承認が必要になること
  2. 税金の支払いが発生すること
  3. 会社売却の買い叩きに注意すること
  4. 会社売却時の元社員や役員の雇用契約について

①売却手法により株主による承認が必要

会社の売却手法により株主による承認が必要になります。会社の経営を行うのは、代表取締役や取締役なのですが、会社を所有しているのは株主です。

そのため、会社売却や会社にとって重要な事業の事業譲渡を行う場合には株主の承認が必要になります。株式譲渡による会社売却や事業譲渡を行う場合は、株主総会で特別決議を得なくてはなりません。

株主総会で特別決議を得るためには、議決権を行使できる株主のうち過半数が株主総会に出席し、かつ株主総会で3分の2以上の賛成を得る必要があります。

株式売却や重要な事業の事業譲渡を行う場合には、たくさんの株主の同意が得られるように必ず会社売却についての説明を行う必要があります。

②税金の支払いが発生する可能性

会社売却を行って利益を得ることができた場合は、その利益に対して税金がかかることになります。

課せられる税金は、会社売却の方法によって異なるため、ここでは事業譲渡・株式譲渡それそれのケースについて解説します。

事業譲渡の税金

事業譲渡を行う場合、譲渡する会社が事業を売却し、譲渡会社がその利益を得ることになります。そのため、事業譲渡での利益には法人税(法人税・法人事業税・法人住民税)が課税されます

また、事業譲渡によって収入を得ることになるため消費税の課税対象にもなります。2019年3月現在、消費税は8%ですが、法人税(法人税、法人事業税、法人住民税)は、合わせて約40%にもなります。

法人税が高税率になる理由は、法人税には累進課税制度が適用されているため、事業譲渡による利益が大きくなるためです。

株式譲渡の税金

株式譲渡を行った場合は、どの名義の株式を譲渡して利益を得たかにより、課される税金は異なります。例えば、経営者個人の株式を譲渡した場合では、経営者個人に対して所得税と住民税(合わせて20%)が課税されます

一方で会社名義の株式を譲渡した場合は、会社の収益となるため法人税(約30~40%)が課税されます。

③会社売却の買い叩きに注意

買いたたきとは、下請け業者が親事業者に給付するとき、その給付内容に対して著しく低い対価を渡すことを指します。会社売却に置き換えて説明すると、買収先から不利な契約を強いられている状態であるということになります。

基本的には、買収先のほうが売却側よりも会社の規模が大きいことが多いため、買いたたきが起こる可能性は非常に高くなります。買いたたきを回避できる対策方法としては、次の2つが考えられます。
 

  1. 自社の適正な売却価格を把握しておくこと
  2. 焦らないこと


1つ目は、自社の適正な売却価格を把握しておくことです。もし、著しく低い金額を提示されたとしても、把握しておけば、買収先の提示金額が買いたたきであると気づくことができます。

2つ目は、焦らないことです。何らかの理由により、すぐ会社を売却しないといけないと焦っていると、買収先の条件をうのみにしてしまい、著しく低い金額で会社を売却することになる可能性があります。

そのため、余裕を持ったスケジュールを設定して会社売却の手続きを行うようにしましょう。

④会社売却時の元社員や役員の雇用契約に注意

会社売却時の社員や役員の雇用契約についても注意が必要です。株式譲渡により会社売却を行った場合、社員は基本的に買収先の会社と雇用関係を継続させることになります

社員の労働環境が最低限維持できるよう社員の待遇についてはM&A交渉時に決めておくようにしましょう。

役員に関しては原則退陣することになります。しかし、買収先の役員として抜擢されたり、子会社の役員として残留したりすることもあります。これら関しては、原則的に役員それぞれが交渉することになります

6. 会社売却に失敗しない方法

会社売却に失敗しない方法について

最後に会社売却に失敗しないためのポイントについて解説していきます。会社売却を成功させるためにも、以下4つのポイントをしっかり把握しておきましょう。

  1. 自社の企業価値評価を行い適正価格を知ること
  2. 簿外債務などが発生する可能性を調べること
  3. 従業員や取引先などに事前に伝えること
  4. 会社売却の専門家に相談すること

①自社の企業価値評価を行い適正価格を知る

まずは、自社の企業価値評価を行い、適正価格を知っておきましょう。先述した買いたたきにも関連しますが、自社の企業価値評価を知っておかなければ、適正価格で会社売却の交渉を行うことはできません

企業価値評価を行う際は、企業価値評価の方法や適正価格の算出方法などの知識が必要となるため、M&A仲介会社など専門家のサポートを受けながら進めることを相談することをおすすめします。

M&Aの企業価値評価とは?算出方法を詳しく解説! | M&A・事業承継ならM&A総合研究所

②簿外債務などが発生する可能性を調べる

会社売却を行う際には自社の簿外債務などを把握しておき、発生する可能性があるかどうかも調べておきましょう。

株式譲渡による会社売却は包括承継であるため、買収先は必ずデューデリジェンスを実施します。その際、簿外債務が発生すると会社売却益は減少する可能性があり、また簿外債務の額が大きすぎると会社売却の交渉が白紙になる場合もあります

売却側の信用にも関わるため、簿外債務やその発生リスクについては必ず把握しておくことが大切です。また、可能であれば初めに簿外債務やリスク要因を開示しておき、それを考慮した希望売却価格を提示しておきましょう。

③従業員や取引先などに事前に伝える

会社売却を行う際には、事前に従業員や取引先に伝えておかなければなりません。特に取引先にとっては、取引相手が変わるので準備が必要になるため、必ず事前に伝えておくようにしましょう。

また、従業員に対しては適切なタイミングで会社売却について説明を行うようにしましょう。というのは、会社売却の話を聞き、自社の経営状態が悪いのではないかと考える従業員は、決して少なくないからです。

場合によっては、会社売却により多くの退職者を出す可能性もあるため、従業員への通達はタイミングをみて行うのがいいでしょう。

④会社売却の専門家に相談する

最後のポイントは、会社売却を行う際は専門家に相談しながら進めていくことです。会社の経営者が本業を行いながら、会社売却の準備・交渉などを行うことは困難であるといえます

また会社売却には、適正価格の計算方法や会社売却に関する法律などの専門知識が必要になるため、会社売却の専門家であるM&A仲介会社などに相談ながら行うことが、会社売却の成功ポイントといえるでしょう。

7. 会社売却の相談におすすめ仲介会社

会社売却時におすすめできるM&A仲介会社について

会社売却を成功させるためには、専門家であるM&A仲介会社などに相談することが大切ですが、どのような専門家に相談すればよいかと考える人もいるでしょう。

ここでは、数あるM&A仲介会社の中から、特におすすめする2社をご紹介します。

①.M&A総合研究所

1つ目はM&A総合研究所です。M&A総合研究所の魅力は、M&A専門の公認会計士によるフルサポートと成功報酬が業界最安値であることです。

M&A総合研究所は、会社売却に関して経験と実績が豊富にあり、数多くのM&A成約を行っています。

M&A成約までの手数料は一切かからないうえ、会社売却やM&Aに関する無料相談を行っています。

M&A・事業承継ならM&A総合研究所

②.日本M&Aセンター

2つ目は日本M&Aセンターです。日本M&Aセンターは取り扱っている案件数がとても多いため、希望している買収先がすぐに見つかる可能性があります

買収先の探索期間を短縮できることから、できるだけ早く会社売却を行いたい方には、日本M&Aセンターをおすすめします。

8. まとめ

会社売却についてのまとめ

会社売却を行う際は、事前に手続きや流れだけでなく、注意点も把握しておくことが重要です。会社売却を成功させるためにも、以下のポイントを押さえておくようにしましょう。

  • 会社売却の手続き・流れ、それにかかる期間について
  • →会社売却は平均して6か月かかるが、買収先の探索など手続きによって期間を短縮することができます。
  • 会社売却後の処遇について
  • →社員については問題ないが、経営者自身は希望しない処遇を受けることもあります。
  • 会社売却における注意点について
  • →株主の承認や適正価格算出など事前にすべき準備はたくさんあります。

近年では、会社売却の件数が増加しているため、M&Aについて相談できる専門家や会社も増えており、M&A仲介会社など専門家のレベルも上がっています。

M&A総合研究所では、会社売却に精通した公認会計士が交渉からクロージングまで、一括サポートいたします。

着手金・中間報酬は無料、成功報酬は業界最安値水準となっており、会社売却の実績・知識ともに豊富な専門家が親身になって対応いたします。

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