2020年09月29日公開
2020年09月29日更新
会社を買うには?個人が利用可能なおすすめのM&Aマッチングサイトを紹介【失敗事例あり】
近年は、M&Aマッチングサイトなどの充実などにより、個人でも会社を買うことのできる環境が整い始めてきました。本記事では、個人が会社を買う方法や、個人が会社を買う場合に利用できるおすすめのM&Aマッチングサイトを紹介します。
目次
1. 会社を買うには?
会社を買うという行為は、大企業同士が行うものというイメージが強い時代がありましたが、法律が改正され中小企業も会社を買う時代になり、会社を買うことは経営者にとって以前より身近な考え方となっていきます。
そして、近年は小規模な会社を買うプラットフォームの提供が増えたことにより、個人が会社を買うケースも増えはじめています。
本記事では、個人が会社を買う方法や、個人が会社を買う場合におすすめのM&Aマッチングサイトなどを紹介します。
今や個人でも会社を買える時代
これまでは、個人が会社を買うという考え方を持った人はほとんどいませんでした。しかし、近年は中小企業のM&Aが活発になり小規模のM&Aも増えており、それに伴って、個人が会社を買うという考え方が広がってきています。
中小企業のM&Aは増えていますが、それでもまだまだ後継者問題を抱えている企業のごく一部にすぎません。
特に、小規模の会社ほどなかなか買い手が付かず、経営状態は健全であるにもかかわらず、廃業に至ってしまうケースが少なくありません。
そのような事情から、個人が会社を買うケースもこれからさらに増えていく可能性があります。
個人が会社を買う価格の目安は300万円から500万円
個人が初めて会社を買う価格の目安は、300万円から500万円と
ゼロからの起業の場合、
その一方、すでに収益化できている会社を買うことで、
300万円
個人が買える会社に多い業種
個人が300万円から500万円で会社を買う場合、多く選ばれる業種に飲食店・塾・エステサロンなどがあります。
これらの業種をゼロから始める場合、初期投資が想定よりも膨らんでしまったり、開業時期が延びてしまったりと、なかなかスタートが切れないケースも少なくありません。また、事業を開始したとしても、顧客を集めるのが難しく、長い間赤字が続くこともあります。
しかし、会社を買うことで初期投資を抑え、すでに顧客がいる状態で飲食店・塾・エステサロンを始めることができれば、最初から黒字で経営していくことも可能です。
また、会社を買う際は、売り手側の経営者がさまざまなノウハウや技術を教えてくれることもあるので、300万円から500万円で会社を買う以上の価値を得られることも多いです。
2. 個人が買える会社を探す方法
個人が会社を買う場合、どのような方法で案件をさがせばよいのでしょうか。この章では、主な4つの方法を紹介します。
【個人が買える会社を探す方法】
- 後継者人材バンク
- 小規模案件に対応したM&A仲介会社
- M&Aマッチングサイト
- 知り合いの会社や紹介など
1.後継者人材バンク
後継者人材バンクとは、会社を売る経営者と会社を買う個人をマッチングする場のことです。後継者人材バンクは事業引継ぎ支援センター内にあり、事業引継ぎ支援センターで相談し登録することで利用できます。
事業引継ぎ支援センターは公的機関なので、個人が会社を買う場合も無料で利用することができ、後継者人材バンクを通して会社を買う個人は年々増えつつあります。
2.小規模案件に対応したM&A仲介会社
近年は、小規模で会社を買う案件に対応しているM&A仲介会社が増えています。通常であれば小規模の会社を買う案件は、M&A仲介会社にとって利益が多いわけではありません。
しかし、最近ではITの活用などによる業務の効率化で、小規模の会社を買う案件も積極的に取り扱うM&A仲介会社が増加しています。
なかには、個人でも会社を買うことのできる案件を持っているM&A仲介会社もあるので、会社を買うことを検討しているのであれば、まずは無料相談してみることも方法のひとつです。
3.M&Aマッチングサイト
個人が会社を買う場合に活用するケースが急増しているのが、M&Aマッチングサイトです。
以前は、信頼性の乏しいマッチングサイトやサポートがないマッチングサイトが多かったので、サイトを通して会社を買うことに抵抗を感じる個人も多くいました。
しかし最近では、知名度があり信頼性の高い会社が運営を行うケースが増え、サポートも充実しているマッチングサイトが増えています。それに伴って、マッチングサイトを通して会社を買う個人も増えるようになりました。
4.知り合いの経営者や紹介など
知り合いの経営者から会社を買うケースや、知り合いから紹介してもらった会社を買うケースもあります。信頼できる相手からの話であれば、会社を買う成功率も高くなります。
ただし、専門知識のない個人が専門家を通さずに会社を買う場合、トラブルのリスクがあることも忘れてはなりません。
信頼できる相手だからこそ、関係がこじれないようにM&Aの専門家を通して会社を買うことが大切です。
3. 個人で会社を買う際に利用可能なおすすめのM&Aマッチングサイト
現在M&Aマッチングプラットフォームは乱立していますが、この章では特におすすめのM&Aマッチングサイトを5つ紹介します。
【個人で会社を買う際に利用可能なおすすめのM&Aマッチングサイト】
- 株式会社M&A総合研究所
- Batonz(バトンズ)
- TRANBI(トランビ)
- ビズリーチ・サクシード
- スピードM&A
1.株式会社M&A総合研究所
M&A総合研究所は、独自のAIマッチングシステムを採用して常に膨大な量のデータを収集することで、精度の高さとスピーディーなマッチングを実現しています。
売り手買い手ともにマッチングプラットフォームの利用料は無料となっているため、小規模事業者や個人が会社を買う際も気軽に利用することができます。
また、専門家によるサポートが必要な場合は、多くの実績を積んだM&Aアドバイザーの支援を受けられるプランもあります。
M&A総合研究所では最短3ヶ月での成約も可能です。全国のさまざまな規模、業種に対応しており、専門家への無料相談ができる点も魅力です。
2.Batonz(バトンズ)
Batonz(バトンズ)はM&A仲介会社大手の日本M&Aセンターが運営しているマッチングプラットフォームです。
Batonz(バトンズ)では安価な手数料で専門家によるサポートを提供しており、売り手はプラットフォーム利用料が無料、買い手は成約時に2%の利用料が発生します。
小規模の案件数も多いので、個人が会社を買う際も使いやすいマッチングサイトとなっています。
また、Batonz(バトンズ)では平均5ヶ月での成約を実現し、全国のさまざまな規模、業種にも対応しています。さらに、Batonz(バトンズ)独自のデータやツールの提供も行っています。
3.TRANBI(トランビ)
TRANBI(トランビ)は現在急成長中のマッチングプラットフォームです。TRANBI(トランビ)は、売り手のサイト利用料が無料、買い手はM&Aが成立した際に成約金額の3%または30万円のどちらか高い方の手数料が発生します。
また、無料の株式価値算定もあり、低価格・スピーディーな点が会社を買う際の強みとしており、幅広い規模や業種に対応しています。
4.ビズリーチ・サクシード
ビズリーチ・サクシードは、今勢いのある人材関連ベンチャー企業のビズリーチが運営しているマッチングプラットフォームです。
ビズリーチ・サクシードはすべての利用者に審査を行う完全会員制のM&Aプラットフォームとなっているので、信頼できる優良企業が多く安心して会社を買うことができます。売り手企業はプラットフォーム利用料無料となっています。
5.スピードM&A
スピードM&Aは、個人案件から大規模案件まで登録可能なマッチングプラットフォームです。
ユーザー同士のやり取りはプライベートチャットで行われるので、情報漏えいのリスクが低い点が利点です。
売り手の利用料は無料であり、専門家への無料相談も可能です。また、スピードM&Aはスピーディーな手続きで、個人が会社を買う際も利用しやすいサポート内容となっています。
4. 個人で会社を買った際に起こった失敗事例
個人で会社を買う場合、必ずしも成功するわけではありません。本章では、個人で会社を買うことで起こった失敗事例を紹介します。
【個人で会社を買った際に起こった失敗事例】
- 従業員との対立
- 性急な改革による失敗
- 準備不足による失敗
1.従業員との対立
M&Aによりエステサロンの経営者となったMさんは、前経営者からアドバイスをもらいながらエステサロン経営を始めました。
しかし、エステサロンで長く働いていた2人の従業員と、なかなか信頼関係を築くことができません。
前経営者もそのことを気にしていろいろと手を打つものの、結局溝が埋まることはなく、2人の従業員はエステサロンを辞めてしまいました。
この事例のように、なかなか従業員との信頼関係が築けず失敗するケースは、少なからず見受けられます。
従業員との関係をうまく築いて成功したケースでは、会社を買う前にアルバイトなどの形で働き、従業員と関係を築いてから会社を買うなどがあります。
事前にどのようにして関係を築いておくか、前経営者にどのように協力してもらうかなど、従業員とのトラブルを防ぐ対策が必要です。
2.性急な改革による失敗
個人塾を買い取ったSさんは、塾を引き継いだ直後から前経営者のやり方を変え、自身のノウハウに塾の方針を変えました。
しかし、急なやり方の変更に不安や不満を感じた子どもや親が増え、塾を辞めていく生徒がでるようになります。
その個人塾は、近隣の中学校と高校での口コミで成り立っていたため、経営者が代わり塾の方針も急に変わったことで悪い口コミが広がってしまいました。
Sさんの事例のように、会社を買う際にやる気が空回りして急な改革を断行し、結果として失敗してしまうケースもあります。
会社を買う際は、前経営者の価値観などをしっかり把握したうえで、尊重しながら進めていくことも大切です。
3.準備不足による失敗
老舗のカレー店を買い取ったTさんは、味の継承を十分に終える前に会社を買うことになりました。
カレー店の前経営者も高齢で体調があまり良くなかったことから事業承継を急ぎ、事業承継後に味の継承をしていくことにします。
しかし、Tさんがカレー店の味を身に付けるには時間がかかり、その間常連客から厳しい言葉をかけられることもしばしばあったため、最終的にTさんは経営を諦めてしまい、カレー店は廃業することになります。
この例のように、十分にノウハウを引き継ぐ前に会社を買うことで失敗するケースも少なくありません。特に飲食店の場合、常連客は厳しい目で後継者をみています。
飲食店の引き継ぎに成功した例では、2年や3年など長いスパンで店に通ったりアルバイトをしたりしながら味を継承し、常連客とも関係を作っていることで成功しているケースがあります。
5. なぜ個人で会社を買った場合、失敗しやすいのか?
前章で紹介したように、個人で会社を買ったものの経営に失敗してしまうケースは少なくありません。失敗の理由は多岐に渡りますが、ここでは特に多い理由について解説します。
【個人で会社を買った場合に失敗しやすい理由】
- 経営者の感覚がない
- 従業員がついてこない
1.経営者の感覚がない
サラリーマンが会社を買う場合に必要となるのが、経営者になるための経験と覚悟です。
経営者としてやっていくには、自らリスクをとりにいく姿勢や、不条理なトラブルなどをうまくこなすことなど、経営者独特の感覚が必要になります。
しかし、サラリーマン生活が長いとサラリーマンとしての感覚のまま会社を買うことになり、失敗してしまうケースがあります。
失敗事例でも紹介したように、個人が会社を買う場合は十分な準備を行い、経営者としての覚悟と感覚を身につけておくことで成功確率を上げることが可能です。
2.従業員がついてこない
個人が会社を買う場合に多いのが、従業員からなかなか受け入れてもらえないケースです。
従業員がベテランであるほど働き方などにこだわりがあり、急に経営者が変わることでやり方も変えられることを嫌うことがあります。
従業員との信頼関係を築くには、会社を買う前の準備段階や、全経営者との協力、従業員の価値観を尊重する姿勢などが欠かせません。
6. まとめ
本記事では、個人が会社を買う場合におすすめのM&Aマッチングサイトなどを紹介しました。現在は信頼性の高いM&Aマッチングサイトが増え、個人でも会社を買う環境が整いつつあります。
手軽に案件が探せるようになっていますが、実際の交渉や手続きでは専門的な知識や経験が必要になる場面も多いため、不安な場合はM&A仲介会社に相談することをおすすめします。
個人が会社を買う場合、以下の方法で会社を探すことができます。
- 後継者人材バンク
- 小規模案件に対応したM&A仲介会社
- M&Aマッチングサイト
- 知り合いの会社や紹介など
【おすすめのM&Aマッチングサイト】
- 株式会社M&A総合研究所
- Batonz(バトンズ)
- TRANBI(トランビ)
- ビズリーチ・サクシード
- スピードM&A
【個人で会社を買うことで起こった失敗事例(要因)】
- 従業員との対立による失敗
- 性急な改革による失敗
- 準備不足による失敗
【個人で会社を買う場合の注意点】
- 経営者の感覚が必要
- 従業員がついてこない可能性がある