会社が身売りした後はどうなる?身売り後の処遇と悪影響を防ぐ方法とは

会社の身売りが決定した後、社長や経営陣、従業員はどうなるのでしょうか。この記事では、身売り後の処遇やM&Aの悪影響について解説していきます。また円滑にM&Aを成立させるポイントも解説しているので、会社の身売りに不安を抱いている方はぜひチェックしてください。


目次

  1. 会社の身売りとM&Aは同じ?
  2. 会社を身売りする際の留意点
  3. 身売りをした会社社長の処遇
  4. 身売りをした会社役員の処遇
  5. 身売りをした会社従業員の処遇
  6. 会社の身売りで従業員が離職する前兆3つ
  7. 会社の身売りによる悪影響を防ぐ方法
  8. 会社の身売りについて相談できる場所
  9. 会社の身売りによる悪影響はM&A仲介会社への相談で防ごう
  10. 会社の身売りについてのまとめ

1. 会社の身売りとM&Aは同じ?

一般的に「会社の身売り」と言われる行為はM&Aのことです。M&Aとは英語のMergers and Acquisitionsの略です。Mergersは合併という意味で、Acquisitionsは買収という意味になります。

M&Aには業務提携など他社と経営面で協力する行為も含まれますが、「会社の身売り」という場合会社の株式などを売却し、経営権を他社に渡す行為を指す場合が多いです。

後継者不足の問題などを解決する前向きな手段として、中小企業の中でもM&Aを実施するケースは増加しています。

しかしM&Aに、「身売り」というネガティブなイメージを持つ人も少なくありません。ここからは会社の身売りとM&Aのイメージについて、解説していきます。

1-1.会社の身売りにネガティブなイメージがあるのはなぜ?

会社の身売りは一般にM&Aのことであり、M&Aは会社の今後をより良いものにするためのビジネス戦略です。しかしM&Aという行為自体にネガティブなイメージを持つ人は少なからずいます。

そもそもM&Aが「身売り」というネガティブな言葉で表現されるのは、M&Aに対する悪いイメージが原因です。「M&Aをしているのは経営者の質が低い会社だけ」、「普通の会社なら他の企業の力なんか借りなくても業績を立て直せるはず」と考えている人が少なからずいるのです。

もちろん全ての会社が経営不振、または経営陣の失策でM&Aをしているわけではありません。しかし昔持ったイメージが根強く残り、ネガティブなイメージを持つ人が多くなっているのです。

またM&A後にひどい扱いを受けた社員のエピソードなどがセンセーショナルに取り上げられることなどもあり、「M&Aをする会社はダメだ」「自分の会社がM&Aを決めたら退職するしかない」と考える人もいます。

世間のイメージをすぐに変えるのは難しいですが、M&Aの目的やメリットを説明し会社関係者のこうした誤解は早めに解いておく必要があるでしょう。

1-2.会社の身売りへの印象は変わりつつある

先ほどM&Aにはネガティブな印象が強いと説明しましたが、最近は戦略的なM&Aとしてポジティブに捉えられることも増えてきました。会社の身売りをすることで業務改善に成功した企業のニュースが取り上げられることも、多くなったと言えるでしょう。

しかし、頭でM&Aのメリットや可能性を感じていたとしても、実際にM&Aで買収される側の従業員・役員がすぐに納得してくれるとは限りません。関係者に安心して働き続けてもらうには、M&Aのデメリットや悪影響、処遇などを知り適切な対処をすることが必要です。

1-3.デメリット以上にM&Aのメリットは大きい!

「会社の身売り」としてM&Aに悪いイメージを持つ人はいます。そのためM&Aを検討する段階で、社内から強い反発を受けるケースもあるでしょう。

しかしM&Aには、そうした苦労やデメリット以上にメリットが多くあります。M&Aで会社売却をすることで得られるメリットの例は、以下の通りです。

  1. 譲渡益を獲得できる
  2. 事業承継・後継者問題を解決できる
  3. 債務・債権などから解放される
  4. 従業員の雇用を継続できる
  5. 廃業に関する費用を削減できる
円滑なM&Aを行うことで、こうしたメリットを享受することができます。M&Aの際には仲介会社など専門家に相談し、M&Aのメリットを最大限発揮できるよう準備をしましょう。

M&Aに関する基礎知識やメリットをさらに詳しく知りたい方は、以下の記事を読んでみてください。

【関連】M&Aとは?メリットや流れ・費用を解説!仲介会社ランキングや成功事例も紹介!

またM&Aに関して、社長や経営陣が基本的な知識を持っておくことも必要です。効果的なM&Aを行うため、本などで基礎を身に着けておきましょう。

【関連】M&Aのおすすめ本・書籍40選【入門/実務/法務】

2. 会社を身売りする際の留意点

会社の身売りと言われネガティブなイメージを持たれやすいM&A。実際に行う上でどのような留意点があるのでしょうか。

ここからは以下5つの留意点について解説していきます。

  1. 従業員が退職する可能性がある
  2. 非難を受ける可能性がある
  3. 社員のモチベーションが下がりやすい
  4. 社長や役員・従業員の待遇が悪くなりやすい
円滑にM&Aを行うため、起きやすいトラブルは事前に把握しておきましょう。

留意点1.従業員が退職する可能性がある

現在はどの業界においても人材の需要が高まっているため、M&Aにより待遇が悪くなれば、従業員が別の会社に移り経営が危うくなる事態も考えられます。

貴重な人材の離職を防ぐため、M&Aを行うなら現状維持ではなく待遇や労働環境を改善するくらいの意識を持つことが必要です。

また従業員が会社に不信感を抱かないよう、事前に話し合いや交流の機会を設けたりなどして少しずつ新しい経営体制を受け入れてもらうようにしましょう。

留意点2.非難を受ける可能性がある

会社の身売りとも言われるM&Aにネガティブなイメージを持つ人にとって、M&Aを行うことは経営陣の失策です。そのためM&Aで会社を売却すると決めた時、同じ経営陣や従業員から非難を受ける可能性があります。

M&Aを行うポジティブな理由を説明しても、不安が先行し話を聞き入れてくれない人もいるでしょう。また会社の名前や組織が変わる場合、現場からの反発は大きくなります。

非難の声が大きい場合、M&Aの手法やタイミングについて再度検討する必要があるでしょう。

留意点3.社員のモチベーションが下がりやすい

「M&Aをすることで出世の道が断たれる」と社員が考えている場合、M&Aが決まった後仕事に対するモチベーションが大きく下がってしまいます。

多くの社員の士気が低い状態だと会社の売上にも悪影響が出てしまい、会社の価値自体が減ってしまうかもしれません。売り上げが大きく下がれば、譲渡価格も下がってしまいます。「どうせ働いても無駄」という雰囲気になってしまわないよう、M&A後の待遇について前向きな説明を行いましょう。

また不用意な噂が出回らないよう、決定するまでM&Aのことは他言しないようにすることも大切です。

留意点4.社長や役員・従業員の待遇が悪くなりやすい

全てのケースではありませんが、会社の身売り後に社長や役員・従業員の待遇が悪くなるケースは少なくありません。買い手によっては、買収した会社のことを考えず、人件費を削減したり不利な条件を付けたりすることもあります。

もちろん買い手との交渉次第で、待遇をこれまでより良くすることも可能です。しかし会社の価値が大きくない場合、買い叩きに遭い処遇も悪くなることがあるので、専門家と共に交渉を進める必要があるでしょう。

身売り後の詳しい待遇についてはここから説明するので、M&Aに不安を感じている方はぜひチェックしてください。

3. 身売りをした会社社長の処遇

身売りをした会社社長の処遇として考えられるのは、以下の4つです。

  1. 子会社の社長になる
  2. ロックアップが発生する
  3. 一部の債務を抱えてしまう
  4. 同じ業務を行うことができなくなる
M&Aの状況によって処遇は異なりますが、今後の仕事について複数の制限が掛けられるケースもあります。今後の処遇について早めに理解し、M&A後の生活をイメージしておきましょう。

3-1.子会社の社長になる

買収側企業が売却側企業が発行する全株式を取得し、会社売却側を「子会社」とした場合、売却側の社長が子会社の経営者となります。

買い手の組織再編などにより現社長以外が売り手企業の社長になることもありますが、買い手との交渉次第では社長として会社に残ることも可能です。

しかし年齢的に経営が厳しい場合、買い手と話し合い信頼できる人物に会社を任せましょう。

3-2.ロックアップが発生する

会社や事業を売却した際、場合によってはロックアップが発生することもあります。ロックアップとは、売却側の経営者が一定期間退職せず、会社に残ることを指します。

ロックアップの目的はスムーズな業務の引き継ぎや経営統合の円滑化であり、前向きな意図をもって実施される場合がほとんどです。

しかし、すでに売却した会社に残り続けることを不満に思う経営者は少なくありません。ロックアップを防ぎたい場合、M&Aの専門家と共に買い手と粘り強く交渉することが必要です。

3-3.一部の債務を抱えてしまう

買い手との交渉次第では、一部の債務を抱えたまま会社を退職せざるを得ないケースもあります。中小企業でよく利用される株式譲渡の場合、会社の抱える債務や債券は買い手が引き継ぐのが一般的です。

しかし事業譲渡の場合、買い手は債務の引継ぎを拒否することもできます。そのためM&A後も、社長が債務を持ち続ける可能性はあるでしょう。

また個人保証を負っている場合、融資を行ってくれた金融機関が拒否すれば買い手に債務を引き渡すことができません。個人保証で起業をした方は、専門家と共にM&Aの有用性を説明し金融機関との交渉を早めに行うべきでしょう。

3-4.同じ業務を行うことができなくなる

会社法の規定により、会社を売却した後一定期間は同じ業種の事業を行うことはできません(競業避止義務と言います)。もしIT企業を売却した場合、同じIT業界での事業に取り組むのは法律違反になってしまいます。

競業避止義務が適用される期間は、会社売却の場合買い手との話し合いで決まります。実際のM&Aでは、買い手側がこの競業避止義務について規定を盛り込むのが一般的です。

事業譲渡でM&Aを行う場合、会社法21条の規定により買い手との合意がない場合、20年の競業避止義務が発生します。同業種で大きなビジネスチャンスがあっても競業避止義務がある限り手を出せないので、注意が必要です。

以上が、身売りをした会社の社長の処遇でした。ここからは会社役員の処遇について、解説していきます。

4. 身売りをした会社役員の処遇

身売りをした会社役員の処遇として考えられるのは、以下の3つです。

  1. 引き続き役員として残される
  2. 一定期間辞職が出来なくなる
  3. 役員待遇を外される
身売り後の処遇がポジティブなものになるか、ネガティブなものになるかは買い手の考え次第です。今後の可能性を理解し、役員の待遇についても検討を進めましょう。

4-1.引き続き役員として残される

中小企業、零細企業などでは業務の引き継ぎなどを行うため、会社が身売りをした後も会社の役員として残されるケースが一般的です。

特に株式譲渡などで会社の現社長がそのまま経営を行う場合、役員の体制もそのまま維持される可能性が高いでしょう。

継続して役員となる場合、報奨金などは会社が身売りを行う前と同水準となるのが多いです。しかし今後の経営に不要な役員であれば、退任を勧められることもあります。

4-2.一定期間辞職が出来なくなる

買い手にとって重要な役員である場合、一定期間辞職を禁じられ会社に残されるケースもあります。しかしこの規定は売却側の会社社長に対し定められたものであり、役員に対して課された義務ではありません。

そのため一定期間会社の残るよう言われている場合でも、役員は退職ができます。退職を希望している場合はなるべく早い段階で会社社長に伝えましょう。

4-3.役員待遇を外される

M&Aでは売主側の役員が全員辞職し、買い手が新たに役員を選出するのが一般的です。買い手により役員として再指名を受けることもありますが、今後の経営に必要ないと判断されれば役員待遇を外されるケースもあるでしょう。

売却側企業の元役員が辞職する際には、経営者・社長の辞職時と同様に役員退職金を受け取ることができます。

ここまでが、身売りをした会社役員の処遇でした。ここからは従業員の今後について、解説していきます。

5. 身売りをした会社従業員の処遇

会社の身売りに関して、最も大きな影響を受けるのが従業員です。ここからは売却側の会社従業員の処遇について、雇用が継続される場合としない場合、さらに退職を選択する場合に分け解説していきます。

M&A後の給与についても紹介しますので、従業員の今後に不安を持っている方はぜひチェックしてください。

5-1.雇用が継続される場合

M&A・会社売却が行われた後、売却側企業に在籍していた従業員は、買収側企業に引き継がれる形で雇用が維持されるのが一般的です。

人材確保を目的にM&Aを行う企業は現在非常に多いため、せっかく獲得した従業員をそのまま解雇するケースは少ないでしょう。

また日本企業にはリストラをしにくい風潮があるため、必要以上に従業員が増えたからといって簡単に解雇することはできないのです。

5-2.雇用が継続されない場合

事業譲渡でM&Aが行われた場合、当該事業に所属している従業員は一旦退職する形になります。そのため雇用は継続されず、そのまま次の会社で働くことが出来ないケースもあります。

しかし買い手が経験を持った人材を求めている場合「転籍同意書」を締結し、買い手企業で引き続き働くよう勧められることも少なくありません。

ただし転籍をすると雇用条件や待遇が変わってしまうので、買い手と雇用契約を結び直す前に今後の処遇について従業員にしっかり説明しましょう。

もし従業員が転籍に同意しなかった場合、退職となるので退職金を受け取ることができます。

5-3.退職してしまう場合

従業員に対して退職を禁じることはできないため、どのM&A手法が選ばれた場合でも特例などがない限り退職は可能です。

会社の身売りを要因とする場合でも通常の退職と同じく、退職金を受け取ることができます。また、退職前に有休を消化することも可能です。

ただし退職する場合は、転籍同意書を交わす前に退職の希望を伝える必要があります。会社社長や役員は、従業員が納得して今後の働き方を選べるよう、退職の注意点をM&A前に周知しておきましょう。

5-4.身売り後の給与はどうなる?

株式譲渡などで経営者が変わっただけの場合、従業員の給与は基本的に変わりません。

退職金が減額されるなどの事態も、一般的なM&Aであればほぼないでしょう。しかし事業譲渡でM&Aを行った場合、買い手と新たに雇用契約を結ぶことになるため、従業員の給与が変化する可能性は高いです。

従業員の処遇に不安を感じるため、M&Aを決断できないという経営者は少なくありません。M&A後に従業員が苦しい思いをしないよう、従業員の給与や待遇について買い手としっかり話し合っておきましょう。

以上が、会社身売り後の処遇でした。従業員はM&A前後で自由に退職できる立場ですので、会社の今後に不安要素があれば離職を選択されてしまいます。

ここからは会社の身売りで従業員が退職する前兆について解説するので、一人でも多くの人材を残したい方はぜひチェックしてください。

6. 会社の身売りで従業員が離職する前兆3つ

会社の身売りをきっかけに、退職を選択する従業員は少なからずいます。従業員が退職する前兆としてここからは解説するのは、以下の3パターンです。

  1. 愚痴や不満を言わなくなった
  2. 今後の待遇について何度も聞かれる
  3. 有給休暇をまとめて消化し始める
退職の兆候を見せている社員には早めに面談などを行い、今後の仕事についての意志を確認しましょう。

前兆1.愚痴や不満を言わなくなった

あまり愚痴や不満を言わなくなった社員は、会社の今後について諦めてしまっていると考えられます。

もともと不満を言わないタイプの社員であれば分かりませんが、今まで上司や給料、会社の戦略についてあれこれと文句を言っていた人が突然静かになった場合は危険です。

「どうせこの会社には将来がないから、不満を言っても無駄」と考え、口を閉ざす社員は少なくありません。また愚痴や不満だけでなく、会社の方針について意見を言わなくなったという場合も注意が必要です。

本来M&Aという大きな決断をした時には、社員から様々な文句や意見が出るのが当然です。社員からの声が聞こえなくなっているという場合、職場全体に諦めムードが漂っているのかもしれません。

前兆2.今後の待遇について何度も聞かれる

今後の待遇について必要以上に何度も質問されるという場合も注意しなければいけません。

M&Aを行う際社員に対して十分な待遇の説明をするのは当然です。しかし説明を終えたにも関わらず会社の今後や自分の処遇について何度も聞いてくる場合、M&Aに強い不安を抱いている可能性があります。

詳しい説明をすることで納得してくれれば良いのですが、必要以上に不安が膨らみ、退職を選択する社員も少なくありません。特に会社全体でM&Aに関するネガティブな噂が出回っている場合には、注意が必要です。

M&Aや待遇に不安を持っている社員がいる場合、M&A後にも残る書類などを使って詳しい説明をすべきでしょう。

前兆3.有給休暇をまとめて消化し始める

有給休暇をまとめて取り始めるのは、非常に退職の危険度が高い兆候です。

退職に当たって、残っている有給休暇を全て消化したいと考える社員は少なくありません。もともと予定されていた休暇以外で休みがちになっているという場合、すでに退職の意志を固めていることもあります。

また別の会社の面接に参加するため、有給休暇を使う社員も多いです。休みが増えている社員がいる場合は個別に面談などを行うのも良いでしょう。

以上が、会社の身売り前後認退職を考えている社員の前兆でした。どれだけM&Aのメリットを説明しても、会社を辞める社員をゼロにすることは難しいです。

しかし社員の事情やこれからの不安に寄り添うことで、退職する社員を減らせるかもしれません。退職の前兆を見抜き、面談などを行いましょう。

ここからは会社の身売りによる悪影響を防ぐ方法について、詳しく解説していきます。

7. 会社の身売りによる悪影響を防ぐ方法

会社の身売りによる悪影響を防ぐには、以下のような方法があります。

  1. 信頼できる買い手に譲渡する
  2. 組織文化が近い買い手を探す
  3. 社内関係者にポジティブな説明を行う
  4. M&Aの専門家に相談する
関係者にポジティブなイメージを持ってもらい、M&Aをよりスムーズに進めましょう。

方法1.信頼できる買い手に譲渡する

M&Aで会社を売却するパートナーは、信頼できる会社でなければいけません。買い手が利益だけを狙い、買収した会社にぎりぎりの経営を強いるようでは、従業員も取引先も不安を感じてしまいます。

また買い手によってはわざとM&A後に売り手企業出身の従業員の待遇を悪くして、退職に追い込む可能性もあります。

買い手を選ぶ際には、

  1. M&Aの手続きを一方的に進めない
  2. 適切な譲渡価格を提示する
  3. 会社の経営陣ときちんと話をしてくれる
会社を選びましょう。またM&A仲介会社など信頼できるアドバイザーの意見を貰うのも効果的です。信頼できる買い手かどうか、第三者にも聞いてみましょう。

方法2.組織文化が近い買い手を探す

会社の身売り後、買収先企業の組織文化に馴染めず退職を選択する従業員は少なくありません。

特に吸収合併という形でM&Aを行う場合、買い手側の社員が上司となるケースも多いため、人間関係が上手く行かず社内が険悪な雰囲気になる可能性もあります。

M&Aでは、なるべく社内文化が近く、社員の雰囲気が似ている買い手を選びましょう。またM&A後のトラブルを防ぐため、あらかじめ社員同士の交流会などを設け企業文化の融合に努めるのも有効です。

 

方法3.社内関係者にポジティブな説明を行う

M&Aに会社の身売りというネガティブなイメージを持つ人は多く、「M&Aをする」と伝えただけでは納得しないケースもあります。そのためM&Aをする際には、M&Aのポジティブな側面を中心にM&Aの目的、意図などを説明しましょう。

もちろん今後の待遇について説明をするうえで、M&Aを行うことによる悪い変化についても伝える必要があります。しかし社長や経営陣がネガティブな発言ばかりしていれば、社員や取引先は会社の今後に不安を感じるでしょう。

社長や経営陣が納得してM&Aを進めていると感じてもらうため、M&Aについては専門家の意見を交え前向きな説明をするのが賢明です。

方法4.M&Aの専門家に相談する

M&Aの最中だけでなく、M&A後にもトラブルが発生する可能性は十分にあります。M&A後の社内分裂を防ぐため、承継後の経営について相談できる環境を整えておくべきです。

M&Aの計画作りから承継後のサポートもしてくれるM&Aアドバイザーであれば、会社の事情をよく理解しているため安心して相談できるでしょう。

さらにM&A仲介会社であれば中小企業のM&A仲介実績を多数持っているため、自社内では想定できないトラブルにも対応してくれます。

M&Aを検討しているなら、一度M&A仲介会社に相談し専門家の意見を聞くのがベストでしょう。ここからは会社の身売りに関して相談できる場所について、解説していきます。

8. 会社の身売りについて相談できる場所

会社の身売りについて聞ける主な相談先は、以下の通りです。

  1. 税理士・公認会計士
  2. 経営コンサルタント
  3. 公的機関
  4. FA
  5. M&A仲介会社

ここからはそれぞれの相談先についてメリット・デメリットを解説していきます。

8-1.税理士・公認会計士

まずは身近な専門家に相談したいという場合、会社の顧問会計士・税理士が候補に挙がります。顧問会計士・税理士は見知った相手ですから、M&Aに関することだけでなく会社の今後の経営や税務についても聞くことができるでしょう。

しかし会社などに付く会計士・税理士はM&Aの専門家ではないことがほとんどです。もちろん気軽に相談できる相手としては良いのですが、会社の身売りにより発生するトラブルへの対処に関しては満足のいく回答が得られないかもしれません。

円滑なM&A方法について真剣に考えていきたいという場合、M&Aの業務を専門にする会計士・税理士に相談すべきでしょう。

8-2.経営コンサルタント

M&A手続きの実行には経営が深くかかわってくるため、経営コンサルタントへの相談を考える方も多いでしょう。中小企業庁が発表した「2017年版 中小企業白書・小規模企業白書」では、経営コンサルタントに事業承継の相談をした人が12%となっています。

経営コンサルタントの業務は多彩ですので、経営に関することであれば何でも相談できます。会社の経営状態や今後に不安がある場合は、コンサルタントに経営の見直しをしてもらい課題解決を目指していくのがおすすめです。

しかし経営コンサルタントはあくまでも企業の自主的な努力をサポートする立場です。会社の身売りで生じるトラブルへの対処は自力で行う必要があるので、不安を感じる経営陣もいるでしょう。

8-3.公的機関

M&Aや事業承継に関しては、国や地域が「事業引継ぎ支援センター」の運営を行っており無料で相談できます。事業承継全般についての相談ができるので、M&Aを含め様々な方法を検討していきたいという方におすすめです。

しかしM&A実務に関しては、公的機関から税理士法人やM&A仲介会社などを紹介されるケースが多くなっています。なるべく短期間で、スムーズにM&Aを成立させることを重視するなら、公的機関を挟まず直接専門のアドバイザーに相談した方が良いでしょう。

8-4.FA

M&Aの相談に乗ってくれる民間のアドバイザーが、FAと呼ばれるファイナンシャル・アドバイザーです。ファイナンシャル・アドバイザーは売り手か買い手、どちらかの立場に立ちアドバイスを行うため、片方の利益が最大となるように交渉を進めます。

もちろん売り手側がFAに依頼をすれば、売却価格が少しでも上がるよう尽力してくれるはずです。

しかし片方の利益だけを優先するあまり、買い手との交渉が決裂してしたり、M&A後の関係に悪影響を与えたりする可能性があります。社内外共に円満なM&A成立を狙うなら、以下の見出しで紹介するM&A仲介会社に依頼するべきでしょう。

8-5.M&A仲介会社

M&A仲介会社とは、売り手と買い手の間に立ち話し合いを進めるM&Aの専門家です。売り手と買い手、両方の立場や目的を重視して話し合いを進めてくれるので、円滑なM&Aを実現できます。

さらにM&A仲介会社はM&Aの専門家なので、M&Aの種類や手法、手続きなどに関して深い知識を持っています。自社に合っているM&A仲介会社を見つければ、会社の身売りに関しておきがちなトラブルにもしっかり対処してくれるでしょう。

以上が、M&Aの方法に関する主要な相談先でした。納得のいく形でM&Aを成功させるために大切なのは、適切なアドバイザー選びです。会社内でも話し合いと検討を行い、気になる相談先については積極的にリサーチしていきましょう。

9. 会社の身売りによる悪影響はM&A仲介会社への相談で防ごう

自社内でM&Aを実行し、手続きを進めていくこともできますが、自力でM&Aのプロセス全てを済ませるのは非常に難しいことです。

また会社の身売りに関する社内外のトラブルを全て社長が解決するのは、ほとんど不可能だと言えるでしょう。

従業員や経営陣、取引先に納得してもらったうえでM&Aを実現したいと考えるなら、M&Aアドバイザーに相談をしてみましょう。M&A仲介会社ならM&Aの専門家として経営に関する様々な観点からアドバイスを行うので、今後の経営に迷っている方も安心です。

「M&Aの種類について詳しく知りたい」「会社の現状に合う手法を選びたい」などの希望や悩みは、M&Aサポートを専門で行うM&A仲介会社に相談することで解決しましょう。

M&A仲介会社は数多くありますが、心当たりがなければ「M&A総合研究所」にご相談ください。M&A総合研究所は相談料、着手金無料の完全成功報酬制なので、M&Aにかかる予算をなるべく抑えたい方でも気軽に相談いただけます。

また経験豊富な公認会計士や税理士がM&Aのサポートをいたしますので、M&A手続きの専門性は非常に高いです。M&Aに興味をお持ちの方は、一度M&A総合研究所のサイトでこれまでの実績をチェックしてみてください。

10. 会社の身売りについてのまとめ

M&Aを行う会社は増えてきましたが、会社の身売りだと考えネガティブなイメージをもつ関係者は少なくないはずです。

会社の今後のためにM&Aを選択した場合でも、従業員などに対し悪影響が出てしまう可能性は否めません。M&Aを行う際は必ず専門家に相談し、起こりがちなトラブルへの対処を出来るだけ早く行いましょう。

関連するまとめ

人気の記事

人気のあるまとめランキング

新着一覧

最近公開されたまとめ