事業譲渡・事業売却の戦略まとめ!成功するポイント10選!

事業譲渡・事業売却を成功させるためには、戦略策定が重要です。戦略策定には時間や手間がかかりますが、メリットを最大限に享受し、リスクを回避するためには必要不可欠といえるものです。本記事では、事業譲渡・事業売却の戦略について、成功するポイントとともに解説します。


目次

  1. 事業譲渡・事業売却とは
  2. 事業譲渡・事業売却の戦略とは
  3. 事業譲渡・事業売却の戦略
  4. 事業譲渡・事業売却の戦略を策定する際の留意点
  5. 事業譲渡・事業売却で成功するポイント10選
  6. 事業譲渡・事業売却の成約までの主な流れ
  7. 事業譲渡・事業売却の際におすすめのM&A仲介会社
  8. まとめ

1. 事業譲渡・事業売却とは

事業譲渡・事業売却とは

M&Aには多くの手法がありますが、どれを用いたとしても戦略をたてて進めなければ成功させることはできません。また、自社の目的に合った手法を選ぶことも重要です。

事業譲渡(事業売却)もM&Aの手法ですが、どのような特徴を持っているのでしょうか。この記事では 事業譲渡・事業売却の戦略について、成功させるためのポイントなどを解説します。

事業譲渡とは

事業譲渡とは、運営する事業の一部または全部を売買するM&A手法を指します。譲渡の対象となる事業には、業務一般のほかにも一定目的のために組織化された有形および無形財産・債務・人材やノウハウ・ブランド・取引先との関係なども含まれます。

事業譲渡の大きな特徴は、譲渡対象を交渉のうえ細かく指定することが可能な点です。そのため、必要な資産や人材のみを譲渡して、負債は引き継がずに清算するといった方法をとることもできます。

事業売却とは

事業売却とは基本的には事業譲渡と同様に、会社にある事業を売却するM&A手法を指します。事業売却で売却する事業も事業譲渡と同様に、設備や機械・ノウハウ・知的財産などが含まれます。

事業譲渡・事業売却ともに事業のみの売却であり、M&Aで多く用いられる株式譲渡とは異なり、経営権は移行しません。

2. 事業譲渡・事業売却の戦略とは

事業譲渡・事業売却の戦略とは

M&A戦略とは、どのような目的で事業譲渡・事業売却を成功させるかを具体的にし、実現のために立てる戦略のことです。

戦略をたてるうえでは、事業譲渡・事業売却のメリット・デメリット、必要な事項や注意すべきこと、起こりうるリスクを把握して、自社がどのような目的でM&Aを行うのかを明確しておくことが大切です。

事業譲渡・事業売却の戦略を策定する理由

事業譲渡・事業売却それぞれのメリット・デメリットに加え、会社も経営者や従業員がどのような状態か、取引先や顧客はどういったものかといった固有の要素が関わります。

自社要素のほかにも、競合相手や業界の現状など、事業譲渡・事業売却の成り行きに関わるさまざまな要素を管理するために戦略策定が必要です。

すべてのケースに当てはまる最良の戦略があるわけではないので、求めた結果を得るための道筋のほか、その過程で起こるトラブルなどを考慮し、会社ごとに異なる戦略が必要です。

各々の現状に合わせた事業譲渡・事業売却の戦略があれば、メリットの最大化やリスクの回避へ最良の方法を選択することに繋がります。

事業譲渡・事業売却の戦略を策定するメリット

しっかりと戦略を策定したうえで事業譲渡・事業売却を行えば、必要資金の調達などにかかる手間や時間の短縮、従業員の不安を減らすために対策を講じるなど、万全の状態で挑むことができます。

戦略を策定することは、事業譲渡・事業売却の成功に繋がります。練り込まれた戦略のうえで事業譲渡・事業売却を行うことで、優秀な人材の確保や相手企業の経営資源活用、事業強化や新規展開につながるチャンスなど、メリットを最大限にすることができる点が大きいでしょう。

3. 事業譲渡・事業売却の戦略

事業譲渡・事業売却の戦略

事業譲渡・事業売却の戦略を立てるときは、どのように進めていけばよいのでしょうか。この章では、事業譲渡・事業売却の戦略を策定する際の流れを説明します。

【事業譲渡・事業売却の戦略を策定する際の流れ】

  1. 事業価値などの分析
  2. 事業譲渡・事業売却を行う目的・理由をピックアップ
  3. 譲渡・売却予定の事業に関する市場調査の実施
  4. 事業譲渡・事業売却の戦略オプション案の策定
  5. 財務・会計などを含め点検

①事業価値などの分析

戦略を立てるためには、まずは自社の事業価値などを分析することから始めます。経営者や従業員などの人材面・顧客網や販売網・生産コスト・ブランド力や技術力など、さまざまなな点について強みと弱みを把握していきましょう。

自社の事業価値の分析においては、競合企業や業種全体の現状などの点を吟味してみてもよいかもしれません。

こうした徹底的に分析を行うことにより、戦略策定の下地となる事業譲渡や事業売却が適切かどうか、または適切な時期かどうかの判断ができます。

②事業譲渡・事業売却を行う目的・理由をピックアップ

自社分析ができたら、次は事業譲渡・事業売却の目的を決定します。事業譲渡・事業売却を用いて何を獲得したいかを、自社分析をすることでみえた現状を元に洗い出します。

どのような相手先企業へ数あるうちのどの事業を譲渡・売却もしくは買収すれば、問題解決につながるかを検討していきます。

目的を明確にしたうえで戦略をたてておくことは、相手企業とのマッチングやその後の交渉でも重要になるため、理由や目的をしっかり設定しておきましょう。

③譲渡・売却予定の事業に関する市場調査の実施

事業譲渡・事業売却を進めるにあたっては、戦略に盛り込むための自社および自社を取り巻く業種・業界の現状を調査し把握する必要もあります。

市場調査をすることで、事業譲渡・事業売却を行なった後にその分野の需要があるかどうか、業界自体の成長性があるかなどの要素から、事前に成功あるいは失敗リスクを予測することができます。

気付かなかったメリットや戦略もみえてくることがあるため、競合相手の様子や動向の把握も踏まえて調査するようにしましょう。

④事業譲渡・事業売却の戦略オプション案の策定

事業譲渡・事業売却が成功した後の運営上の戦略を補助するものとして、戦略オプション案の策定も行っておきます。

具体的には、事業譲渡・事業売却を進めるうえで起こりうるあらゆる可能性を想定し、戦略のパターンを複数用意します。

その際は、事業譲渡・事業売却の成立以前に、どのような戦略オプション案がよいかを検討することが大切です。

M&Aではその過程において、売り手側と買い手側で利害が一致しないことがあって交渉が難航するケースもあるため、あらゆる事態に備えて戦略を用意しておくことが大切です。

⑤財務・会計などを含め点検

事業譲渡・事業売却では、譲渡側には売却益に応じた法人税が、譲受側には消費税がかかります。事業譲渡の際にかかる消費税は事業を行う建物や土地などに加え、のれん代・棚卸資産・特許権・債権などのうち、「課税資産」の合計に消費税率を掛け合わせて算出します。

課税資産にあたるものにはのれん代や棚卸資産などがありますが、この棚卸資産は事業譲渡実行日に行う棚卸によって決まるため、M&A過程で想定した額と実際の額が離れていれば税額が大きく変動する可能性があることに注意が必要です。

また、法人税の負担が高額になる可能性があれば、検討時期の調整などで財務・会計面からの対策を講じることも必要です。

【関連】事業譲渡・事業売却の税金は株式譲渡より高い?節税対策はできる?

4. 事業譲渡・事業売却の戦略を策定する際の留意点

事業譲渡・事業売却の戦略を策定する際の留意点

事業譲渡・事業売却の戦略を策定する際は、どのような点に留意すればよいのでしょうか。ここでは特に重要な4つのポイントについて解説します。

【事業譲渡・事業売却の戦略を策定する際の留意点】

  1. 手法や目的が自社に合ってるかどうか
  2. 採用したM&A戦略が適切かどうか
  3. 自社のリスク対策の検討
  4. 情報漏洩の恐れはないか

①手法や目的が自社に合ってるかどうか

M&A手法によってメリット・デメリットがあるため、M&Aを行う目的に応じて最適な手法が異なります。

M&Aを行う目的が後継者不足の解決なのか、事業展開もしくは縮小のためかなど、理由に応じて事業譲渡・事業売却が合っているものかどうかをまずは判断する必要があります。

事業譲渡・事業売却は事業を個別に選んで承継できますが、雇用契約や許認可は再度取得する必要があることも念頭に置かなければなりません。そのうえで、自社に本当に適切なM&A手法かどうか、繰り返し吟味するようにしましょう。

②採用したM&A戦略が適切かどうか

せっかくM&A戦略を立案しても自社の目的に合致していなければ、想定していたメリットを得ることはできません。

場合によっては、余計なコストが発生したり、不要な資産や負債を引き継いでしまったりといったデメリットが生じる可能性もあります。

明確化したM&Aの目的と照らし合わせて、適切なM&A戦略かどうかをしっかり見極めることが成功にもつながります。

しかし、どの戦略が最適なのかを判断するためには、さまざまな要素を加味する必要があるので、専門家に助言を求めることをおすすめします。

③自社のリスク対策の検討

自社のリスク対策について検討することも必要不可欠です。事業譲渡・事業売却では、第三者と資産をやり取りしたり部分的に統合することになるため、内部事情を共有していない相手との統合にはリスクが付きまといます。

簿外債務などのリスクを見落とさないため、戦略において法務・税務・財務などの観点からリスク対策を検討しましょう。

会社の収益性やリスクなどを総合的に調査・評価するものにデューデリジェンスがあります。デューデリジェンスは主に買い手が売り手に対して実施しますが、自社のリスク対策を検討するために行っておくことも有効です。

デューディリジェンスには高度な専門性と煩雑な手続きが必要なため、M&A仲介会社や公認会計士と提携して進めるようにしましょう。

④情報漏洩の恐れはないか

事業譲渡・事業売却における大きなリスクのひとつは、情報漏洩です。事業譲渡・事業売却を含むM&A全般は、戦略立てから成約までに期間を要します。

その間にもし情報漏洩が起きれば、競合相手による妨害行為ほか、相手先企業を先に買収されてしまうなどの可能性が生じます。

また情報漏洩により取引が打ち切られてしまったり、自社の信頼に関わることでもあるので経営に支障が生じる、株価に影響が出てしまうなどのリスクもあるため、従業員の理解を得るなど最低限の開示にとどめ、一切の情報を守秘するようにしましょう。

5. 事業譲渡・事業売却で成功するポイント10選

事業譲渡・事業売却で成功するポイント10選

この章では、事業譲渡・事業売却を成功させるためポイントを10選を紹介します。ポイントを意識して事業譲渡・事業売却に臨めば、成功率を上げることができます。

【事業譲渡・事業売却で成功するポイント10選】

  1. 譲渡・売却予定の事業の実態・状況を把握する
  2. (1)で確認された実態・状況をまとめて相談者に伝える
  3. 一貫した譲渡・売却目的・理由を決める
  4. 事業譲渡・事業売却のタイミングを見極める
  5. 買収ニーズを調査する
  6. 事業譲渡・事業売却の戦略を綿密に策定する
  7. 適切な譲渡・売却価格を算出しておく
  8. 秘密情報を保持する
  9. 役員・従業員には事前に相談する
  10. 事業譲渡・事業売却の専門家に相談する

①譲渡・売却予定の事業の実態・状況を把握する

まずは、譲渡・売却予定の事業の実態・状況を把握することから始めましょう。譲渡予定の事業価値、実態をじっくり分析して、それぞれの強みと弱み、市場価値を把握して課題と改善点を明確することで、以降のプロセスが進めやすくなります。

分析方法の有名なものには「SWOT分析」というものがあります。各要素を挙げて、方針を少しずつ固めていくのとよいでしょう。

  • 活かすべき強み(Strength)
  • 克服すべき弱み(Weakness)
  • 競合他社の状況を見て、市場機会はあるかどうか(Opportunity)
  • 回避すべき脅威について(Threat)

②(①)で確認された実態・状況をまとめて相談者に伝える

譲渡・売却予定の事業の実態・状況を把握できたら、それらを資料にまとめて相談者に伝えましょう。

相談者に伝えることで、買い手先企業の選定や時期の確定などさまざまなアドバイスが得られ、会社にとって最適な戦略策定と選択を行うことができます。

経営戦略や事業運営に関してのアドバイスがもらえることもあり、企業の魅力向上にも繋がる可能性もあります。

その際の相談先としてはM&A仲介会社がおすすめです。M&Aスキームの選択・戦略策定に関するアドバイスだけでなく、その後の交渉や手続きも一任することができます。

③一貫した譲渡・売却目的・理由を決める

最適なM&A戦略を策定するためにも、事業譲渡・事業売却を行うえでの一貫した譲渡・売却目的・理由を固めておきましょう。定めた目的は戦略策定だけではなく、株主や従業員の説得や共有のためにも必要になるものです。

自社分析の結果としてみえてきた強みと弱み、業界の現状、競合相手の情報、業界の将来性や買収ニーズなどの要素から、「なんのために事業譲渡・事業売却を行いどのような成果をもって成功とするのか」の基準を決めておくことが大切です。

④事業譲渡・事業売却のタイミングを見極める

事業譲渡・事業売却の最適なタイミングは、行う理由や目的、業界の動向によっても変わるため、しっかり見極める必要があります。

例えば、経営者自身が健康上の問題などで引退を考え、事業譲渡・事業売却を行いたいと考えている場合は、最低でも完全引退する1年前を目安にM&Aの戦略立てと準備を進めるのがよいとされています。

また、より高値で事業譲渡・事業売却を成功させたいと考えるのならば、買い手が多くなっているタイミング、いわゆる売り手市場である時期を見極める必要があるでしょう。

一般的に、M&Aは相手先探し・交渉・引き継ぎなどを含めると、最低でも半年~1年かかるといわれており、状況によっては1年以上かかるケースもあります。

事業譲渡・事業売却が適切なタイミングで行えるよう、早めに計画をたてておき、チャンスを逃さないようにすることも重要です。

⑤買収ニーズを調査する

事業譲渡・事業売却を行う際はできるだけ高値で売りたいと考えるのは当然のことです。満足のいく結果を得るためには、譲渡・売却予定である事業の市場価値や買収ニーズがどのようなものかを調査しておくことが大切です。

市場価値や買収ニーズと大きくかけ離れている場合、M&Aが成立しないだけでなく、相手先企業自体がみつからないこともあるため、しっかり調査しておきましょう。

また、事業をいかに高く売るかにのみ目を取られるのではなく、どこまでなら譲歩できるかという具体的な条件も決めておくと、交渉がスムーズに進みやすくなります。

交渉においては譲歩することも大切な一手であるため、チャンスを逃さないためにも譲渡・売却予定の事業の市場価値やニーズを把握した戦略を立て、客観的な視点を備えることが成否を分けうるでしょう。

⑥事業譲渡・事業売却の戦略を綿密に策定する

事業譲渡・事業売却の戦略は綿密に策定することが重要です。戦略決定までの自社分析や意思確認、目的の制定を踏まえて、どのようなタイミングで行うべきか、どこまでなら譲歩できるかなどを盛り込んで戦略を策定していきます。

また、先述した戦略オプションも併せて立てておきましょう。柔軟な対応でチャンスを逃さないようにするためにも、1つの戦略に固執することなく対応ができるような戦略を綿密に策定しておくことが大切です。

⑦適切な譲渡・売却価格を算出しておく

事業譲渡・事業売却を成功させるためには、適切な譲渡・売却価格を把握しておくことも重要です。

M&Aの取引価格は、算出した企業価値をもとに相手先と交渉を重ね、デューデリジェンスの結果を反映して最終的に決まります。

企業価値の算定にはいつかの方法があり、自社に合ったものを選択する必要はあります。専門的な知識が必要になる要素も多いため、専門家に依頼して適切な譲渡・売却価格を算出するようにしましょう。

⑧秘密情報を保持する

事業譲渡・事業売却を進めるうえでは、相手先企業に対して自社の情報を開示しますが、そのなかには基幹部分を担うノウハウや技術も含まれることがあります。

万一、自社の秘密情報が外部漏洩することがあれば、損害が自社の経営だけではなく取引先企業にも及ぶ可能性があり、大きく信頼を損ねる結果となってしまいます。

M&Aを行う際は、秘密保持契約書の締結によって、取引上で知り得た情報を第三者に開示しないことを誓約締結します。

しかし、思わぬところから情報が漏れてしまったという事例もあるため、情報漏洩には十分注意することが大切です。

⑨役員・従業員には事前に相談する

株式譲渡のように包括承継であれば、従業員の雇用はそのまま引き継がれることになりますが、事業譲渡の場合は、従業員自身が譲渡先企業で続けて働くかどうかを決定することができます。

事業譲渡では労働契約を引き継ぐことができないため、従業員の意思を確認したうえで新たに契約を結び直す必要があります。

環境が変わるだけでなく、待遇・処遇が変わる事例もあるため、従業員1人1人と事前に相談しておく必要があります。また、有力な従業員が離職してしまわないよう、対策を講じておくことも必要です。

⑩事業譲渡・事業売却の専門家に相談する

事業譲渡・事業売却の戦略立てや交渉など、M&Aを成功させるためには専門家のサポートは必要不可欠ともいえるものです。

特に事業譲渡・事業売却の交渉においては、専門的な知識や経験が必要となる場面も多いため、できるだけ早い段階で相談し、サポートのもと進めていくことをおすすめします。

M&Aの専門家は多数存在しますが、相手先探しからクロージングまでの一括サポートを受けたい場合は、M&A仲介会社に相談するとよいでしょう。

広いネットワークや経験・実績を有しているうえ、各士業が在籍している会社はほとんどなので、安心してサポートを任せることができます。

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6. 事業譲渡・事業売却の成約までの主な流れ

事業譲渡・事業売却の成約までの主な流れ

最後に、事業譲渡・事業売却の一般的な流れを紹介します。必要な準備を計画的に進めることができるため、一連の流れを把握しておくようにしましょう。

【事業譲渡・事業売却のの成約までの主な流れ】

  1. 事業譲渡・事業売却の相談を行う
  2. 譲受先・買収先を選定・打診する
  3. トップ同士の面談を行う
  4. 基本合意書を締結する
  5. デューデリジェンスを実施する
  6. 事業譲渡・事業売却契約書を締結する
  7. 株主総会の決議
  8. クロージング

①事業譲渡・事業売却の相談を行う

事業譲渡・事業売却を行うと決めたら、まずはM&A仲介会社などの専門家に相談を行います。その際は、自社がどのような目的でM&Aを実施するのか、相手先に求める条件や希望金額などを伝えます。

特に、事業譲渡・事業売却を行う理由や目的は戦略を立てるうえで重要になるため、具体的に伝えることがポイントです。

②譲受先・買収先を選定・打診する

自社の希望条件や目的を伝えると、中外会社が交渉先候補を数社リストアップしてくれるので、そのなかから譲受先・買収先を選定します。

この段階では相手先企業の名称などは伏せた資料(ノンネームシート)をもとに検討を進めます。候補先となる企業が決まったら、交渉の可否について打診します。

【関連】会社売却・事業売却の相場とは?売却価格の決め方と高く売る条件・方法をわかりやすく解説

③トップ同士の面談を行う

交渉先が決まったら、トップ同士の面談を行います。この場では、互いの企業の経営理念を確認したり、相性や人間性を判断します。

④基本合意書を締結する

トップ同士の面談を経て、交渉のうえ条件や金額に大筋で合意が得られたら、基本合意契約を結びます。

基本合意書は最終的な契約書ではなく、あくまで方針を示す中間の契約書であるため、現在時点の条件やスケジュールなどの記載になり、一部内容を除き法的拘束力を持たせないのが一般的です。

⑤デューデリジェンスを実施する

基本合意書の締結が実施されたら、買い手企業から売り手企業に対してデューデリジェンスと呼ばれる企業調査が実施されます。

デューディリジェンスでは法務・人事・会計などの分野から、会社内部のあらゆる状態を調査・評価します。専門的な調査になるため、弁護士や会計士などに依頼して行われます。

ここでの結果によっては、事業譲渡・事業売却額変更したりや条件の新たな付加がされることもあります。

⑥事業譲渡・事業売却契約書を締結する

事業譲渡・事業売却契約書を締結することにより、当事会社間の最終合意が得られたことになります。事業譲渡・事業売却契約書に記載する事項には主に以下のようなものがあります。

また、事業譲渡・事業売却契約書は法的拘束力を持つため、一方的な理由による破棄は認められません。万一、破棄した場合は相手側より訴訟される可能性もあります。

【事業譲渡・事業売却契約書に記載する主な事項】

  • 目的・譲渡日
  • 譲渡財産について
  • 譲渡価額・支払い方法
  • 引渡時期
  • 守秘義務

⑦株主総会の決議

株主総会で承認されなければ効力を発生することができないため、効力発生日までに株主総会特別決議を得る必要があります。

また、事業譲渡・事業売却の当事会社は、効力発生日の20日前までに事業譲渡の実施、そのための株主総会を開くことを、株主に対して周知しなければなりません。

株主総会では議決権の過半数以上を持つ株主の出席、その株主の2/3以上の賛成によって事業譲渡の承認を得ることができます。

⑧クロージング

事業譲渡・事業売却の成立後、一定期間をあけてクロージングが行われます。クロージングとは、代金の支払い・資産や権利を移行させる手続きを指します。

事業譲渡の場合、事業に伴う契約や権利がそのまま引き継がれるわけでないため、新たに名義変更手続きや許認可の手続きを行わなければなりません。

特に、従業員の雇用契約結び直しや引き継ぎには時間がかかるため、クロージングも計画的に進めておくことが大切です。

7. 事業譲渡・事業売却の際におすすめのM&A仲介会社

事業譲渡・事業売却の際におすすめのM&A仲介会社

事業譲渡・事業売却をご検討の際は、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。M&A総合研究所では、50件以上のM&A仲介実績をもつアドバイザー・経験豊富な会計士・弁護士がチーム体制で担当につき、クロージングまで親身にサポートいたします。

また、通常であれば平均10~11ヶ月必要なM&Aも、平均3ヶ月のスピード成約をを実現しています。

料金体系は完全成功報酬制となっており、ご成約まで一切の費用がかかりませんので、ご安心してご利用ただくことができます。

Web・お電話による無料相談を24時間受け付けております。事業譲渡・事業売却をご検討の際は、お気軽にM&A総合研究所へご相談ください。

M&A・事業承継ならM&A総合研究所
電話で無料相談
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8. まとめ

記事まとめ

本記事では、事業譲渡・事業売却の戦略策定において、その理由やメリットを留意点やポイントを解説しました。

事業譲渡・事業売却を成功させるためには、まず自社がM&Aを行う理由や目的を明確にし、そのうえで最適な戦略を立てることが大切です。

綿密な戦略策定が成功につながるため、どのように戦略を立てていけばよいかわからないといった場合はM&A仲介会社に相談して進めることをおすすめします。

【事業譲渡・事業売却の戦略】

  1. 事業価値などの分析
  2. 事業譲渡・事業売却を行う目的・理由をピックアップ
  3. 譲渡・売却予定の事業に関する市場調査の実施
  4. 事業譲渡・事業売却の戦略オプション案の策定
  5. 財務・会計などを含め点検
【戦略を策定する際の留意点】
  1. 手法や目的が自社に合ってるかどうか
  2. 採用したM&A戦略が適切かどうか
  3. 自社のリスク対策の検討
  4. 情報漏洩の恐れはないか
【成功するポイント10選】
  1. 譲渡・売却予定の事業の実態・状況を把握する
  2. ①で確認された実態・状況をまとめて相談者に伝える
  3. 一貫した譲渡・売却目的・理由を決める
  4. 事業譲渡・事業売却のタイミングを見極める
  5. 買収ニーズを調査する
  6. 事業譲渡・事業売却の戦略を綿密に策定する
  7. 適切な譲渡・売却価格を算出しておく
  8. 秘密情報を保持する
  9. 役員・従業員には事前に相談する
  10. 事業譲渡・事業売却の専門家に相談する
【事業譲渡・事業売却の成約までの主な流れ】
  1. 事業譲渡・事業売却の相談を行う
  2. 譲受先・買収先を選定・打診する
  3. トップ同士の面談を行う
  4. 基本合意書を締結する
  5. デューデリジェンスを実施する
  6. 事業譲渡・事業売却契約書を締結する
  7. 株主総会の決議
  8. クロージング

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