資産管理会社に事業承継税制は適用される?要件や代替の税金対策も

原則として、資産管理会社は事業承継税制の適用が受けられません。しかし、紹介する3つの要件を満たすことで、資産管理会社であっても事業承継税制を利用できます。適用を受けるための要件やその他の税金対策についても押さえて、事業承継にまつわる税負担を軽減させましょう。


目次

  1. 資産管理会社は事業承継税制の適用を受けられない【原則】
  2. 事業承継税制の適用外となる資産保有型会社の定義
  3. 事業承継税制の適用外となる資産運用型会社の定義
  4. 資産管理会社でも事業承継税制の適用が受けられる3要件
  5. 資産保有型会社へ該当させずに事業承継税制を利用するには?
  6. 事業承継税制の認定後も資産管理会社にならないよう注意すべき
  7. 資産管理会社で事業承継税制が利用できない場合の税金対策3つ
  8. 事業承継税制に悩む資産管理会社はM&A総合研究所に相談を
  9. まとめ

1. 資産管理会社は事業承継税制の適用を受けられない【原則】

資産管理会社は事業承継税制の適用を受けられない

原則として、資産管理会社は事業承継税制の適用を受けられません。

事業承継税制は、経営者の世代交代を促して、企業の活性化や企業の存続性を保つために作られました。そのため、単に資産を保有しているだけの資産管理会社に対して事業承継税制を適用させることは、制度の趣旨としてふさわしくないのです。

ちなみに資産管理会社だけでなく、上場企業・風俗営業会社・総収入金額がゼロの会社・従業員がいない会社についても、事業承継税制が利用できないので注意しておきましょう。

ここで資産管理会社について簡単に知っておくために、以下の2項目に分けて解説します。
 

  1. 資産管理会社の種類
  2. 資産管理会社の判定タイミング

これら2項目を押さえておけば、資産管理会社について理解でき、事業承継税の利用判断をスムーズに行なえます。それでは、それぞれの項目を順番に見ていきましょう。

①資産管理会社は資産保有型会社と資産運用型会社の2種類

資産管理会社には、大きく分けて資産保有型会社と資産運用型会社の2種類が存在します。

資産保有型会社とは、特定資産(事業そのものに直接関係のない資産)が、賃借対照表における総資産の70%以上を占めている会社です。また資産運用型会社は、売上において特定資産の運用収入が75%以上を占めている会社をいいます。

資産保有型会社または資産管理会社いずれかに該当すれば、資産管理会社であると判定されて、事業承継税制が原則利用できなくなることを押さえておきましょう。

まとめると事業承継税制では、事業に直接的な関係のない特定資産を保有・運用するだけの会社について、優遇措置の適用を控えているということです。なお特定資産については、次章で詳しく紹介します。

②資産管理会社の判定がされるタイミング

資産管理会社に該当するかどうかは、相続や贈与がおこなわれる直前の事業年度開始日から納税猶予の期限確定までの期間において判定されるのが基本的です。

詳しく言うと、資産保有型会社に該当するかどうかは、贈与や相続による事業承継を行った日が属する事業年度の直前の事業年度から、申告書の提出期限までの帳簿上の残高によって判定されます。

また資産運用型会社かどうかの判定基準は、贈与や相続による事業承継を行った日が属する事業年度の直前の事業年度における収入です。

以上、資産管理会社について簡単に解説しました。ここまで読んで、自社が資産管理会社に該当するかどうかを知りたくなったと思います。

そこで次に「資産管理会社の定義を詳しく知って自社が該当するかを確かめたい」と思う経営者の方も多いはずです。ここからは、まず資産保有型会社の定義をまとめたので確認しておきましょう。

2. 事業承継税制の適用外となる資産保有型会社の定義

税制適用外となる資産保有型会社の定義

資産保有型会社は資産管理会社の1つであるため、原則として事業承継税制の適用外となります。

資産保有型会社の定義は、贈与や相続による事業承継を行った日が属する事業年度の直前の事業年度から、申告書の提出期限までの帳簿上の残高に占める「特定資産」価額の合計が、70%以上となる会社です。

ここからは、資産保有型会社に自社が該当するのかを確かめるために、以下の2項目に分けて紹介します。
 

  1. 特定資産に該当する5つの資産
  2. 特別子会社が持っている特定資産の扱い

これら2項目について押さえておけば、自社が資産保有型会社に該当するのか確認でき、事業承継税制をはじめとする税金対策を講じる際の参考となります。それでは、それぞれの項目を順番に見ていきましょう。

①特定資産に該当する5つの資産

特定資産に該当する資産は、以下の5つです。
 

  1. 有価証券等
  2. 自ら使用していない不動産
  3. ゴルフ場その他の施設の利用に関する権利
  4. 絵画、彫刻等の動産、貴金属及び宝石
  5. 現金、預貯金その他これらに類する資産

これら5つの資産を押さえておけば、自社が資産管理会社に該当するのか確認することができます。それでは、それぞれの資産について順番に詳しく見ていきましょう。

(1)有価証券等

1つ目の特定資産は、有価証券等です。

ここでは国債や地方債・株券・その他金融商品取引法に規定されている有価証券が含まれています。

さらに他の持分会社の持分も含まれるので、保有している場合には注意しましょう。

(2)自ら使用していない不動産

2つ目の特定資産は、自ら使用していない不動産です。

ここでは自社の事務所・工場・店舗等として使用している不動産以外が全て対象となっており、遊休地や第三者に貸している不動産なども対象となります。

ちなみに、従業員社宅は自社で使用している不動産となり特定資産に含まれないものの、役員社宅については第三者に貸している不動産という扱いを受けるため、特定資産に含まれることを押さえておきましょう。

上記の理由から、不動産賃貸業をメインに事業を行っている企業については、資産保有型会社に該当しやすいです。

(3)ゴルフ場その他の施設の利用に関する権利

3つ目の特定資産は、ゴルフ場その他の施設の利用に関する権利です。

ここではゴルフ場のほか、スポーツクラブやリゾート施設も含まれます。

とはいえ、上記の会員権の販売を目的としている販売業者の場合、販売目的や事業用として所有しているものについては、特定資産から除外されることを押さえておいてください。

(4)絵画、彫刻等の動産、貴金属及び宝石

4つ目の特定資産は、絵画、彫刻等の動産、貴金属及び宝石です。

ここでは工芸品や骨董品も含まれます。

なお、上記の資産の販売を目的としている販売業者の場合、販売目的や事業用として所有しているものについては、特定資産から除外されることを押さえておきましょう。

(5)現金、預貯金その他これらに類する資産

5つ目の特定資産は、現金、預貯金その他これらに類する資産です。

ここでは後継者や同族関係者への貸付金や、未収金の額も含めなければなりません。

②特別子会社が持っている特定資産の扱い

特定資産の合計額を算出する際、特別子会社が持っている分を含めるのかどうかが問題となります。

ここでいう特別子会社とは、会社と代表者、代表者の同族関係者が保有する議決権数の合計が過半数を超えている会社のことであり、会社法上の子会社とは異なるので注意してください。

押さえておきたいのは、特別子会社が資産管理会社に該当する場合には、特別子会社の有価証券等を特定資産に含めなければならないということです。

その一方で、特定子会社が資産管理会社に該当しないのであれば、特別子会社の有価証券等は含めずに、特定資産の計算が行われます。

上記のように、特別子会社が資産管理会社に該当するかどうかで特定資産の総額が変化することを覚えておきましょう。

以上、事業承継税制の適用外となる資産保有型会社の定義を紹介しました。ここまで読めば、自社が資産保有型会社に該当するのかどうか確認できます。

そこで次に「資産運用型会社の定義について詳しく知りたい」という経営者の方も多いはずです。ここからは、資産運用型会社の定義をまとめたので確認しておきましょう。

3. 事業承継税制の適用外となる資産運用型会社の定義

税制の適用外となる資産運用型会社の定義

資産運用型会社は資産管理会社の1つであるため、原則として事業承継税制の適用外となります。

資産運用型会社の定義は、贈与や相続による事業承継を行った日が属する事業年度の、直前の事業年度末の「総収入金額」に占める「特定資産」の運用収入合計が、75%以上である会社です。

このときの特定資産については資産保有型会社の場合と同じ内容であり、総収入金額については損益計算上の売上高・営業外利益・特別利益の合計によって求められます。

ただし総収入金額を計算する際には、譲渡資産が問題となります。ここからは、資産を譲渡した場合の総収入金額の計算方法を確認しておきましょう。

資産を譲渡した場合の計算方法

総収入金額に含まれる営業外利益や特別利益を計算する際、譲渡による資産については、譲渡の対象となる資産の譲渡価額によって計算してください。つまり譲渡益には該当しません。

なお、特定資産の運用収入の計算を行う際も、同様に譲渡価額を運用収入として算出します。

つまり譲渡による利益が出ていない状態であっても、譲渡価額が収入金額となって資産運用型会社の判定に用いられるため注意しておきましょう。

以上、事業承継税制の適用外となる資産運用型会社の定義を紹介しました。ここまで読めば、自社が資産運用型会社に該当するか確認できるはずです。

なお、例外的に、資産管理会社であっても要件を満たすことで事業承継税制の適用が受けられます。ここからは、資産管理会社でも事業承継税制の適用が受けられる要件をまとめたので確認しておきましょう。

4. 資産管理会社でも事業承継税制の適用が受けられる3要件

資産管理会社でも税制の適用が受けられる3要件

資産管理会社であっても、事業実態があると認められれば、事業承継税制の適用が受けられます。事業実態があると認められるための要件は、以下の3つです。
 

  1. 固定施設を所有または賃借している
  2. 常勤の従業員が5名以上在籍している
  3. 事業活動を3年以上継続して行っている

これら3つの要件を押さえておけば、資産管理会社である自社において事業承継税制が利用できるのか確認できます。それでは、それぞれの要件を順番に見ていきましょう。

①固定施設を所有または賃借している

資産管理会社でも事業承継税制の適用を受けるための1つ目の要件は、固定施設を所有または賃借していることです。

ここでいう固定施設とは、事務所や店舗や工場などを指します。

自社が資産管理会社に該当している場合には、まず事務所や店舗や工場などを所有もしくは賃借しているのか確認してみてください。

②常勤の従業員が5名以上在籍している

資産管理会社でも事業承継税制の適用を受けるための2つ目の要件は、常勤の従業員が5名以上在籍していることです。

ここでいう常勤の従業員とは、1週間で最大40時間のフルタイムでの労働をする職員のことを指します。

アルバイトやパートなど非常勤の職員は該当しないため注意しましょう。

固定施設を所有もしくは賃借している状況であれば、次は常勤の従業員数を確認してみてください。

③事業活動を3年以上継続して行っている

資産管理会社でも事業承継税制の適用をうけるための3つ目の要件は、事業活動を3年以上継続して行っていることです。

ここでいう事業活動とは、対価を得て商品の販売や資産の貸付や役務の提供を行っていることを指します。

固定施設を所有もしくは賃借している状況でかつ常勤の従業員数が5名以上在籍しているならば、最後に事業活動の継続年数を確認してみてください。

上記の要件を全て満たしていれば、資産管理会社への該当を回避できるので、事業承継税制の適用を受けることができます。なお、子会社が上記の要件を満たしている場合には、その子会社を特定資産に含める必要はありません。

以上、資産管理会社でも事業承継税制の適用が受けられる要件を紹介しました。ここまで読めば、自社が資産管理会社の定義に該当したとしても、事業承継税制の適用を受けるための方法が分かったはずです。

ちなみに、資産管理会社のなかでも資産保有型会社については、特定資産を圧縮して該当を免れることで事業承継税制の適用が受けられる場合があります。ここからは、資産保有型会社へ該当されずに事業承継税制の適用を受ける方法をまとめたので確認しておきましょう。

5. 資産保有型会社へ該当させずに事業承継税制を利用するには?

資産保有型会社とせずに事業承継税制を利用するには?

資産保有型会社へ該当させずに事業承継税制を利用するには、特定資産の価額が懸念材料となります。

つまり特定資産を圧縮することができれば、事実上、資産保有型会社への該当を回避できるのです。特定資産を圧縮する方法として、以下の2つを検討していきます。
 

  1. 保険契約
  2. オペレーティングリース取引における匿名組合への出資

これら2つの方法を押さえて、資産管理会社の該当を回避する方法として採用できるのかを確認してください。それでは、それぞれの方法を順番に見ていきましょう。

①保険契約

1つ目に紹介するのは、保険契約です。

ここでは保険料の支払いに預貯金を充てることで、特定資産を圧縮して資産保有型会社への該当回避を狙う方法を指します。その後に名義を法人から役員に変更した上で、タイミングを見て保険を解約すれば、保険料を回収することが可能です。

ただし長期平準定期保険をはじめとする一部の保険料は、特定資産に該当する保険積立金として計上しなければなりません。つまり活用する保険の種類によっては、特定資産の圧縮に失敗してしまう場合があります。

上記の理由から、保険契約による特定資産の圧縮を狙う際には、契約する保険の種類を充分に検討することが大切です。公認会計士を始めとする税務の専門家に相談した上で、貯蓄性の低い生命保険や損害保険を選ぶことをおすすめします。

②オペレーティングリース取引における匿名組合への出資

2つ目に紹介するのは、オペレーティングリース取引における匿名組合への出資です。

オペレーティングリース取引で活用される匿名組合への出資については、例外なく出資金として資産計上されてしまうため、特定資産に該当します。

オペレーティングリース取引とは、契約期間に応じたリース料を支払い、期間が終わると相手にリース資産を返却する取引です。

なお匿名組合とは、当事者の一方(匿名組合員)が相手方(営業者)の営業のために出資をして、その営業から生ずる利益を分配することを約する契約形態をいいます。

匿名組合への出資は特定資産に該当してしまうため、資産保有型会社への該当を回避できず、特定資産を圧縮するための有効策とはならないことを覚えておきましょう。

上記のように、資産保有型会社への該当回避を目的とした特定資産の圧縮は、充分に検討した上で実施しなければなりません。そんなときに役立つのが、事業承継をサポートするM&A仲介会社です。

M&A仲介会社には様々な種類がありますが、専門家からの丁寧なサポートが期待できる会社に依頼することが、スムーズに事業承継を済ませるための秘訣といえます。

そこで最適なのがM&A総合研究所です。1つの案件に対してコンサルタント1名と公認会計士2名という体制のバックアップを強みとしています。相談から最後まで公認会計士が支援いたしますので、M&Aや事業承継で生じる課題やデューデリジェンスにも円滑に対応可能です。

「資産保有型会社へ該当されずに事業承継税制の適用を受けたい」「事業承継における税負担をなるべく抑えたい」という場合には、M&A総合研究所にお任せください。

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以上、資産保有型会社へ該当されずに事業承継税制の適用を受ける方法を紹介しました。ここまで読めば、資産管理会社への該当を免れるための注意点が理解できたはずです。

くわえて無事に事業承継税制における認定を受けたとしても、その後に資産管理会社になってしまうことで、認定が取り消されてしまうことに注意しなければなりません。ここからは、事業承継税制の認定後における注意点についてまとめたので確認しておきましょう。

6. 事業承継税制の認定後も資産管理会社にならないよう注意すべき

資産管理会社にならないよう注意すべき

事業承継税制が無事に認定されてからも、引き続き資産管理会社にならないよう注意しなければなりません。なぜなら事業承継税制の継続要件の1つに、「資産管理会社にならないこと」が挙げられているためです。

つまり事業承継税制が適用された後に資産管理会社となってしまえば、事業承継税制の適用が取り消されてしまうだけでなく、それまで猶予されていた税金にくわえて利子まで支払う必要があります。

これにより、本来の納税額を超える税負担を強いられてしまうため、会社経営に大きなダメージを与えかねません。

必要以上の負担を強いられないよう、事業承継税制が適用された後も、売上額や貸借対照表のチェックを頻繁に実施するようにしてください。

ちなみに事業承継税制の継続要件や取消事由は、これ以外にもあります。これから紹介する継続要件を満たせなかったり取消事由に該当してしまうことでも事業承継税制の適用は取り消されてしまうので、まとめてチェックをしておきましょう。

事業承継税制の継続要件・取消事由まとめ

はじめに、事業承継税制の継続要件(一般措置)は、以下のとおりです。
 

  1. 後継者が会社の代表者であること
  2. 雇用の8割を維持すること
  3. 後継者が筆頭株主であること
  4. 上場会社、風俗営業会社にならないこと
  5. 対象となる株式を継続保有していること
  6. 資産管理会社にならないこと

これら6つの要件を、事業承継税制の申告期限から5年間は全て満たさなければなりません。以上の継続要件を満たせなかった場合、猶予されていた税金の支払いとその利子が一気に請求されるので注意が必要です。

なお事業承継税制の特例措置についても基本的に同じですが、「申告期限から5年間、雇用の8割を維持する」という条件が緩和されています。

つまり、基準日の雇用平均が相続時の8割を下回った場合でも、認定支援機関からの指導・助言を受ければ事業承継税制を継続可能であることを覚えておきましょう。

つぎに、事業承継税制の取消事由は、以下のとおりです。
 
  1. 対象株式の一部を譲渡または売却した
  2. 会社が資産管理会社になった
  3. 年次報告書・継続届出書を提出しなくなった

これら3つのうち1つでも該当すれば、事業承継税制の適用が取り消されるので注意が必要です。

上記のとおり、事業承継税制の適用中は、年次報告書や継続届書の提出が求められています。適用から5年経過した後は、3年に1度「年次報告書」と「継続届出書」を提出しなければなりません。

年次報告書や継続届出書の提出を忘れないためにも、M&A総合研究所のサポートのもとで事業承継を実施しましょう。

M&A・事業承継ならM&A総合研究所

以上、事業承継税制の認定後における注意点を紹介しました。ここまで読んで実践すれば、安心して事業承継税制の適用が継続して受けられます。

ところが、「事業承継税制の適用外となった資産管理会社は何の税金対策もできないの?」と不安になる経営者の方も多いはずです。ここからは、資産管理会社で事業承継税制が利用できない場合の税金対策をまとめたので確認しておきましょう。

7. 資産管理会社で事業承継税制が利用できない場合の税金対策3つ

資産管理会社で事業承継税制が利用できない場合の税金対策

資産管理会社であるために事業承継税制が利用できない場合の効果的な税金対策は、以下の3つです。
 

  1. 不動産の購入
  2. 生前贈与の活用
  3. 保険への加入

これら3つの税金対策を押さえて実践すれば、資産管理会社の事業承継であっても、最大限の税金対策を講じることができます。それでは、それぞれの税金対策を順番に見ていきましょう。

①不動産の購入

資産管理会社でも効果が期待できる税金対策1つ目は、不動産の購入です。

不動産を購入することで、株価を引き下げて事業承継における納税額を抑える効果があります。なぜなら、事業承継で発生する相続税や贈与税を算出する際の土地評価額が、実勢価格の7〜8割である路線価によって算出されるためです。

これにより、現金として保有しているよりも評価額が減少し、純資産額を下げられるため、結果として自社株も引き下がるので納税額を抑えることができます。

なお購入した不動産を役員・従業員・第三者に貸し出せば、家賃収入を得ることができ、経営基盤の安定を狙うことも可能です。

不動産購入で税金対策する際のテクニック

不動産購入によって税金対策をする際には、リスク管理が必要不可欠です。都市部の物件を選んで購入することで、時価の低下リスクを抑えることが1つのテクニックとして挙げられます。

また、もしも立地の良い土地を遊休地として持て余しているならば、アパート経営を行うのも良いです。立地が良ければ良いほど家賃収入が期待でき、経営基盤の安定化に繋がります。

なお、不動産の購入に注力しつつ、納税資金を確保しておかなければなりません。家賃収入を確保するのも良いですが、被相続人の財産のおける事業用不動産や自社株式などの換金可能性が低い財産比率を一定範囲に抑えておく工夫も大切です。

上記のように、保有資産のバランスを検討するには、専門的な判断が必要となります。M&A総合研究所には税務の専門家である公認会計士からのサポートを受けることが可能です。

納税資金の確保で悩んだらM&A総合研究所にご相談ください。

②生前贈与の活用

資産管理会社でも効果が期待できる税金対策2つ目は、生前贈与の活用です。

生前贈与とは、経営者が存命の時に財産を後継者に引き継ぐ行為をいいます。相続を行う前にあらかじめ財産を引き継ぐため、相続税の負担を減らすことが可能です。

一方で生前贈与では、後継者側には贈与税が発生することに注意しなければなりません。また贈与額によっては累進税率により、多額の贈与税が発生する可能性も把握しておきましょう。

上記のリスクを回避する形として、年間110万円以下の株式贈与を繰り返すことで、贈与税の課税を免れることができます。なぜなら、年間で110万円以下の贈与行為においては、贈与税が課税されないためです。

このように非課税贈与を継続することで、税負担を軽減した上で事業承継を実行できます。

しかし年間で110万円ずつの贈与では、事業承継の完了までに長い時間を要する点がデメリットです。そのため事業承継までの時間に余裕があるケースや、承継予定の財産が小規模であるケースで検討すると良いでしょう。

③保険への加入

資産管理会社でも効果が期待できる税金対策3つ目は、保険への加入です。

事業承継における税金対策として活用されている保険として、以下の4つを紹介します。
 

  1. 個人加入の生命保険
  2. 逓増定期保険
  3. 長期平準定期保険
  4. 終身保険

これら4つの保険の特徴や加入する目的を押さえておけば、自社の事業承継で税負担を効果的に抑えられます。それでは、それぞれの保険を順番に見ていきましょう。

(1)個人加入の生命保険を活用した税金対策

事業承継の税金対策として活用されている1つ目の保険は、個人加入の生命保険です。

個人加入の生命保険を活用すれば、相続税を軽減させつつ後継者個人のために必要な資金を準備することができます。

生命保険金は、本来であれば「みなし相続財産」として相続税の課税対象となりますが、「500万円×法定相続人数」の合計額分は控除されるため、その分の相続税は課されないメリットがあるのです。

また、ここで後継者が受け取る生命保険金は、民法上の相続財産には該当しないため、他の法定相続人の法定相続分や遺留分の対象にならず、後継者だけで独り占めできます。

ただし個人加入の生命保険を活用する際には、後継者が配偶者もしくは二親等以内の血族でなければなりません。二親等以内の血族とは、自分の子供・孫・親・祖父母・兄弟姉妹までを指します。

そのため従兄弟が後継者となるケースでは、事業承継時の税金対策とはならないので注意しましょう。なお、配偶者も二親等以内の血族のどちらもいないケースでは、例外的に三親等内の血族を後継者とすることが認められています。

(2)逓増定期保険を活用した税金対策

事業承継の税金対策として活用されている2つ目の保険は、逓増定期保険です。

逓増定期保険とは、加入期間が長くなるほど保険料が高額になる保険を指します。加入時点と比較して、最高で5倍程度まで保険料が増額する場合もありますが、死亡した際に受け取れる保険金も多額となるのが特徴です。

また解約時には多額の解約受戻金が受け取れるので、5年〜10年後に事業承継を控えているケースで効果的な保険といえます。

逓増定期保険は保険料が高額であるため、利益を圧縮して株価を大幅に下げる目的で活用可能です。その結果、事業承継時の税負担を抑える効果が期待できます。
 

(3)長期平準定期保険を活用した税金対策

事業承継の税金対策として活用されている3つ目の保険は、長期平準定期保険です。

長期平準定期保険は、死亡保険金が一定であるものの、逓増定期保険よりも保険期間が長く設計されています。

定期逓増保険とは異なり解約受戻金の上昇スピードは非常に遅いことが特徴です。しかし、解約受戻金のピーク期間は20年〜30年後と比較的長く続くので、事業承継までに時間的な余裕がある場合の有効策となるでしょう。

長期平準定期保険も、逓増定期保険と同様のプロセスで、事業承継における税負担を抑える効果が期待できます。

(4)終身保険を活用した税金対策

事業承継の税金対策として活用されている4つ目の保険は、終身保険です。

終身保険とは、前述の逓増定期保険や長期平準定期保険とは性質が異なり、加入後一生涯にわたって保障が継続されます。

つまり経営者が亡くなった際には、後継者は必ず保険金を受け取ることが可能です。その一方で、保険料の全額が資産計上されるため、事業承継時の税負担軽減には活用できません。

ところがその代わりに終身保険では、事業承継の資金を確実に確保できるメリットがあります。つまり後継者を受取人に設定して、相続時に多額の保険金を受け取れるようにしておけば、その保険金を用いて相続税を支払いが可能です。

上記の理由から、税負担を抑えることはできないものの、事業承継における納税において心強い存在となる保険といえます。

以上、資産管理会社でも実施できる効果的な税金対策を紹介しました。ここまで読めば、事業承継税制の利用も含めて、どの税金対策が資産管理会社である自社において実施できるのか理解できたはずです。

ところが、どの税金対策が自社にとって最も有効なのかを判断するには、事業承継における専門的な知識が必要となります。そのため事業承継を検討する際には、税務の専門家からのサポートが受けられるM&A仲介会社に依頼するのがベストです。

M&A総合研究所は、事業承継税制に悩む資産管理会社の最適なパートナーとなります。最後に、M&A総合研究所に依頼するメリットをまとめたので、M&A仲介会社選びの参考にしてください。

8. 事業承継税制に悩む資産管理会社はM&A総合研究所に相談を

資産管理会社はM&A総合研究所に相談

事業承継税制に悩む資産管理会社は、M&A総合研究所にご相談ください。

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さらに、M&A総合研究所は少数精鋭!通常、M&Aによる事業承継は成立まで6ヶ月~1年以上かかりますが、M&A総合研究所なら平均3ヶ月でM&Aを成立させます。

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9. まとめ

まとめ

原則として、資産管理会社(資産保有型会社・資産運用型会社)は、事業承継税制の適用を受けられません。

しかし資産管理会社であっても、以下の3要件を満たせば事業承継税制の適用が受けられます。
 

  1. 固定施設を所有または賃借している
  2. 常勤の従業員が5名以上在籍している
  3. 事業活動を3年以上継続して行っている

また、保険契約により特定資産を圧縮することで、資産保有型会社への該当を回避でき事業承継税制の適用を受けられるケースがあることも押さえておきましょう。

なお、事業承継税制の適用を受けた後に資産管理会社となってしまうと、認定が取り消されてしまうので注意が必要です。

上記のように要件や注意点が煩雑であるため、事業承継税制に悩む資産管理会社の経営者の方は、M&A総合研究所にお任せください。

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