事業承継スキームまとめ!資産管理会社・持株会社への売却やファンドスキーム【成功事例9選】

当記事では、事業承継スキームのまとめとして、資産管理会社・持株会社の設立、資産管理会社・持株会社への売却を利用する方法、事業承継ファンドを活用する方法、信託を活用する方法を解説しています。また、各事業承継スキームのメリットや注意点、成功事例を紹介しています。


目次

  1. 事業承継のスキームとは
  2. 資産管理会社・持株会社への売却を利用する事業承継スキーム
  3. 事業承継ファンドのスキーム
  4. 事業承継の際に信託を活用するスキーム
  5. 個人事業主の事業承継スキーム
  6. 事業承継スキームの種類
  7. 事業承継で承継する要素
  8. 事業承継スキームの成功事例
  9. 事業承継のスキームの相談先
  10. まとめ

1. 事業承継のスキームとは

事業承継のスキームとは

事業承継のスキームとは、経営者が後継者に事業承継する際の方法を指します。中小企業で事業承継する場合、経営者が自社株式の株主であれば、自社株式を計画的に承継することが大切です。

自社株式を後継者に承継させる従来からの方法には、相続・生前贈与・譲渡があり、経営者の子息が後継者の場合はいずれかの方法を用いて承継すればよく、その他の事業承継スキームは必要ありませんでした。

しかしながら、最近は後継者が経営者の家族とは限らない場合もあり、さまざまな法律や制度を適用した事業承継スキームが用いられています。

具体的には、資産管理会社や持株会社への売却を利用するスキーム・事業承継ファンドのスキーム・信託を活用するスキームなどがあります。

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2. 資産管理会社・持株会社への売却を利用する事業承継スキーム

資産管理会社・持株会社への売却を利用する事業承継スキーム

中小企業において後継者に事業承継するだけであれば、自社株式を譲渡するだけで済みますが、よりメリットのある事業承継方法として、資産管理会社や持株会社への売却を利用する事業承継スキームがあります。

資産管理会社とは

資産管理会社とは、土地・建物などの不動産や機械・装置などの設備、有価証券など、投資目的の資産を管理を事業目的とする会社を指します

最近では、個人が所有する不動産や有価証券などの資産を管理するため、プライベートカンパニーを設立するケースもあります。

持株会社とは

資産管理会社の中で、子会社やグループ会社の株式管理のみを目的とする場合は、持株会社と呼ばれます。

資産管理会社のなかには、事業統合を目的として、複数の会社が持株会社を共同で設立するケースもあります。

メリット

メリットは、株式の譲渡・贈与が会社間での手続きとなるため、個人に返る利益が抑えられることです。

資産管理会社・持株会社を設立して自社株式を買い取れば、資産管理会社・持株会社の株価として経営者の個人財産として評価が決まります。

そして、子会社化した会社の利益が上がり株価が上昇した場合、その上昇分は資産管理会社・持株会社の含み益になります。

相続税評価額の計算では、含み益に対して法人税率を掛けた分が控除されるので、純資産価額方式の場合で38%が控除でき、自社株式のまま保有するより株価の上昇が抑えられることになります。

さらに、資産管理会社・持株会社が経営者から株式を購入する資金を金融機関から調達することで、資産項目の株式と負債項目の借入が相殺され、資産管理会社・持株会社の株価を抑えることができます。

資産管理会社・持株会社を設立することで、株価を抑えて後継者へ事業承継でき、相続税や贈与税の節税効果も大きくなります。

また、複数の会社を保有する経営者の場合、株式を資産管理会社・持株会社の下にまとめて後継者に承継させたり、後継者が資産管理会社・持株会社の株式を保有してオーナーとなり、子会社の経営は別の人に任せるといった柔軟な事業承継も可能です。

注意点

この事業承継スキームの注意点は、資産管理会社・持株会社を設立する際の手続きが煩雑であるということです。

具体的な設立方法には以下の2つがありますが、株式交換や株式移転は会社法上の組織再編行為にあたり、株主総会特別決議など一連の法定手続きが必要となるため、手続きが煩雑になります。

  • 株式移転によって新しく資産管理会社・持株会社を設立する方法
  • 資産管理会社・持株会社を設立してから、経営を渡したい会社の株式を株式譲渡あるいは株式交換により買い取らせる方法

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3. 事業承継ファンドのスキーム

事業承継ファンドのスキーム

中小企業が事業継承を行う際、大きな問題となるのが後継者探しであり、近年は子供や親族などに引き継ぐ意思がないなどの理由で承継が難しいケースもあります。

そのようなケースでは、事業承継ファンドを活用することにより、後継者問題の解決を図ることができます。

事業承継ファンドとは

事業承継ファンドを活用した事業継承では、ファンド(投資会社)が会社の株式を取得して新たなオーナーとなるとともに、後継者候補を探し出して経営を任せることにより事業を継続します。

事業承継ファンドは、中小企業基盤整備機構が民間のファンドに対してファンド総額の1/2の投資を行い、事業承継が必要な中小企業の経営支援を行います。

また、広義には、事業承継支援を行っている民間のファンドや金融機関が紹介するファンドも含まれます。

メリット

メリットは、後継者を会社内部の人材のみでなく、幅広いネットワークを活用して外部人材からも候補者を探すため、選択肢が広がり理想的な人材を後継者に据えることが可能になる点です。

また、事業承継ファンドは会社のオーナーとなり、経営者に代わって事業承継を推進するので、経営者に負担が掛かりません。

M&Aとは異なり、会社のコンセプトや特徴を把握して後継者を選抜・育成するので、経営者にとってより理想的な事業承継が可能です。

注意点

注意点は、適切な効果を得るためには、実績・ノウハウ・出資者の投資方針や理念などの観点から、自社に合ったファンドを選ぶ必要があることです。

事業承継ファンドごとに実績やノウハウに特色があり、成否は会社との相性によって左右されるため、会社との相性が悪ければノウハウが発揮できない可能性があります。

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4. 事業承継の際に信託を活用するスキーム

事業承継の際に信託を活用するスキーム

この章では、信託を活用した事業承継スキームや、信託と課税の関係などについて解説します。

信託とは

信託とは、財産管理を目的とした信託契約を結ぶことです。信託契約では、財産を託す人を「委託者」財産を託される人を「受託者」、信託契約により利益を得る人のことを「受益者」と呼びます。

受託者は委託者の依頼により、受益者のために財産の管理・運用・処分などを行います。


事業承継で信託を活用する場合、親族を受託者として信託契約を結び、財産管理を無償で委託する形で行うことが多いです。

信託を設定する方法には、信託契約を締結する方法・遺言書に信託を記載する方法・自己信託の設定証書を作成する方法がありますが、ここでは信託契約を締結する方法について説明します。

メリット

メリットは、信託契約で自社株式を経営者から後継者に確実に引き継げ、相続時に自社株式の分散を防げることです。具体的な方法には、他益信託と自益信託の2つがあります。

他益信託では、後継者を受益者に設定し、信託終了時に後継者が自社株の交付を受けることで、後継者の地位を確立します。

議決権(経営権)と財産権を分割して信託できるので、後継者に議決権、非後継者に財産権を取得させたり、後継者に財産権のみ取得させ、経営者が議決権を引き続き維持することも可能です。

一方の自益信託では、経営者(委託者)が自社株式に対して信託を設定し、経営者自身が受益者とした上で、経営者が亡くなった場合に後継者が受益権を取得する条件を付けます。

経営者が亡くなった場合のみでなく、事故や病気で意思能力や判断能力を失った場合に、効力を発生させることも可能です。

注意点

事業承継の際に信託を活用する場合は、課税関係に注意が必要です。受託者については、委託者から財産の移転があるので譲渡となりますが、課税関係では受益者に財産が移転したとみなされ、受託者は課税されません

他益信託の場合、信託契約の時点で後継者への受益権のみなし贈与となり贈与税が課せられ、以降後継者が得る収益には所得税が課税されます。

自益信託の場合、信託契約の時点で贈与税は課税されませんが、契約により相続等で後継者が受益者になった時点で受益権がみなし相続財産となり、相続税が課税されます。

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5. 個人事業主の事業承継スキーム

個人事業主の事業承継スキーム

個人事業主が事業承継をする方法には、家族・親族などに引継ぐ相続や贈与、事業譲渡により他人に引継ぐ譲渡(M&A)があります。ここでは、各承継方法の特徴をみていきましょう。

相続

相続による事業承継とは、経営者が亡くなり相続が発生したときに、保有していた固定資産などの相続財産を後継者が取得し、営業権譲渡などをして経営を引継ぐことです。

相続による事業承継では、遺言がなければ遺産分割協議によって、相続人同士の話し合いで決めることになりますが、亡くなった経営者の希望に添わないこともあります。また、遺言がある場合も、内容によっては遺留分の問題が発生します。

贈与

贈与による事業承継とは、他人や親族などに贈与として事業を譲渡する方法です。

現在では生前贈与が主流であり、贈与による事業譲渡は一番安心感のあるものとされています。

譲渡(M&A)

譲渡(M&A)による事業承継とは、事業譲渡をする対価として金銭を受け取る方法で、家族や親族ではなく、主に他人に事業を承継します。

事業譲渡先企業を探すときは、M&A仲介会社・事業承継センターに相談したり、マッチングサイトを活用したりすることができます。

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6. 事業承継スキームの種類

事業承継スキームの種類

前半では、資産管理会社や持株会社への売却を利用するスキーム・事業承継ファンドのスキーム・信託を活用するスキームについて述べましたが、ここでは、従来からの事業承継スキームのメリットと注意点を開設します。

【事業承継のケースと利用できるスキーム】

事業承継のケース 利用できるスキーム
親族間 相続
贈与
譲渡
親族外(従業員など) 贈与
譲渡
M&A 譲渡
外部から経営者を招く 譲渡

①親族間で事業承継するスキーム

1つ目は、親族間で事業承継する場合に使えるスキームです。親族間で事業承継する場合、相続が成立する親族であれば相続による事業承継が可能であり、相続が成立しない親族であれば贈与や譲渡で事業承継することになります。

以下では、そのなかの相続による事業承継について、メリットと注意点を解説します。

メリット

相続による事業承継とは、経営者が亡くなり相続が発生したときに、保有していた固定資産など相続財産の一部として自社株を後継者が取得し、営業権譲渡などをして経営を引継ぐことです。

相続で事業継承することに特にメリットはないため、事業承継する親族が確定している場合は、あらかじめ、生前贈与の形で事業継承するほうがよいでしょう。

注意点

相続による事業承継は遺言がない場合は、遺産分割協議によって相続人同士の話し合いで決めるため、現経営者の希望に添わないこともあります。遺言がある場合でも、内容によっては遺留分の問題が発生することがあります。

相続による事業承継では相続した親族に相続税が課せられますが、事業承継税制の適用を受けることで、事業承継に関する税金の納税猶予や免税の措置が可能です。

具体的には、平成30年からの10年間は、自社株式の承継にかかる贈与税と相続税の納税が全額猶予されます。事業を継続して一定の要件を満たすと猶予された贈与税・相続税は免除されるので、税負担なく自社株式を後継者に承継できます。

なお、後継者が事業をやめると納税猶予が打ち切られ、贈与税・相続税の本税と利子税を納税しなければなりません。

②親族外で事業承継するスキーム

2つ目は、親族外で事業承継する場合に使えるスキームです。親族外で事業承継する場合、贈与または譲渡で事業承継することになります。譲渡については以降のM&Aで説明しますので、ここでは贈与のメリットと注意点を見てみましょう。

メリット

贈与による事業継承とは、従業員や親族などに贈与として事業譲渡を行う方法です。

生前贈与が主流であり、従業員や親族などに事業を贈与するため、安心感がある点がメリットです。

注意点

贈与による事業承継の場合、後継者に贈与税が課せられますが、事業承継税制の適用を受けることで、事業承継に関する税金の納税猶予や免税の措置が可能です。

③M&Aにより事業承継するスキーム

M&Aにより事業承継するスキームは、主に家族・親族外の第三者を後継者に据え、金銭で事業または株式を譲渡する方法です。

メリット

譲渡による事業承継は、事業譲渡または株式譲渡をする対価として金銭を受け取り、家族・親族ではなく主に第三者(企業)に事業を引き継ぐ方法です。

幅広い選択肢のなかから自社に適した後継者を選べることがメリットであり、M&A仲介会社や事業承継センターへ相談して後継者を探す方法が一般的ですが、マッチングサイトを利用して自身で探すこともできます。

注意点

金銭による事業譲渡または株式譲渡であるため、利益が出ている会社の場合は譲渡益が発生し、結果として所得税を納税する必要があります。

④外部から経営者を招き事業承継するスキーム

4つ目は、外部から経営者を招き事業承継するスキームです。親族外で事業承継するスキームと同様、生前贈与で事業承継するか、M&Aにより事業承継するスキームと同じく、事業譲渡または株式譲渡で事業を引き継ぎます。

メリット

親族内や従業員に後継者がいない場合で、M&Aのように他人や企業に事業を売るのではなく、後継者となる経営者を外部招聘して事業を引き継ぐ形になります。

したがって、M&Aによる事業承継の場合と同様、M&A仲介会社や事業承継センターへ相談して探したり、マッチングサイトを活用したりすることもできます。

注意点


従業員から後継者を探す場合と異なり、外部招聘では会社の業務実態を十分把握していないことが多いので、一定期間役員として経営に参画してもらい、能力と資質を見極める必要があります。

事業承継のスキームとしては贈与や譲渡にあたるため、税制面では前述の注意点と同様です。

⑤廃業する場合

最後は、事業承継ができず、やむを得ず廃業するケースについて解説します。

メリット

廃業とは、会社の経営を経営者判断で清算することです。資金繰りが困難な状況に陥った場合の倒産(法的に借金を清算する)とは違い、廃業では掛け金や借入金など会社が抱えている負債を完済し、清算することが条件になります。

注意点

廃業した場合、まずは従業員を解雇しなければなりません。また、取引先など、関係各社との関係も終わってしまい、会社の資産売却では低く見積もられる場合があります。

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7. 事業承継で承継する要素

事業承継で承継する要素

この章では、事業承継で承継する要素について、人・資産・知的資産に分けて説明します。

①人の承継

事業承継する場合、従業員は残りますが、ノウハウや取引関係等が経営者個人に集中していることが多いので、承継後の事業を円滑に運営するためには、後継者の経営者としての育成が重要です。

②資産の承継

株式会社の場合は、資産の価値は自社株の評価になるため、事業承継では株式の承継が基本になります。

株式・事業用資産を贈与・相続により承継する場合、利益が出ている企業では多額の贈与税・相続税が発生することがあります。

事業承継税制の適用を受けることで、事業承継に関する税金の納税猶予や免税の措置が可能です。

③知的資産の承継

ノウハウ・顧客情報・特許などの知的資産が会社の強みや価値になるため、知的資産を次世代に承継できなければ企業は競争力を失い、事業継続が難しい状況になることも考えられます。

自社の強み・価値の源泉がどこにあるのかを経営者が理解し、確実に後継者に承継することが重要といえるでしょう。

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8. 事業承継スキームの成功事例

事業承継スキームの成功事例

この章では、ここまで解説した事業承継スキームの成功事例についてご紹介します。

  1. 生前贈与を使った事業承継
  2. 金庫株を使った事業承継
  3. 受益権分離型信託を使った事業承継
  4. 自社株事業承継に黄金株を活用した事業承継
  5. 生命保険を使った相続税対策・事業承継
  6. 逓増定期保険を使った相続税対策・事業承継
  7. 自社株相続に信託を活用した事業承継(信託契約を締結)
  8. 自社株相続に信託を活用した事業承継(遺言書に信託を記載)
  9. 自社株相続に信託を活用した事業承継(自己信託)

①生前贈与を使った事業承継

1つ目は、生前贈与を使った事業承継の成功事例です。A社の経営者は、親族の後継者に生前贈与を使った事業承継を行いました。

このケースでは、事業承継税制を活用することで贈与税が全額猶予され、実質贈与税無しで事業承継することができました。

②金庫株を使った事業承継

2つ目は、金庫株を使った事業承継の成功事例です。B社の経営者は後継者がなかなか決まらないため、金庫株を使った事業承継対策を行いました。金庫株とは自社株式のことで、会社に株式を買い取らせることをいいます。

このケースでは、後継者が決まるまでの間に経営者が死亡したため、相続により株式が分散するリスクを抑える目的で、一度金庫株として会社に株式を買い取らせています。

金庫株の買い取りには条件があり、買い取る自社株式の価額が剰余金の分配可能額を満たす必要があります。また、剰余金の分配可能額は、累積されてきた税引後利益の合算になります。

上記の条件を満たしていても、実際に金庫株を買い取るときには現金が必要になるので、会社のキャッシュフローを調整しつつ、適切なタイミングでの買い取りを行うことが大切です。

③受益権分離型信託を使った事業承継

3つ目は、受益権分離型信託を使った事業承継の成功例です。C社の経営者は、親族の後継者に受益権分離型信託を使った事業承継を行いました。

受益権分離型信託は、前述した信託を活用する事業承継スキームの一種で、信託の受益権は「元本受益権」と「収益受益権」から成り立ち、両者を分離する方法があります。これを利用した節税スキームが受益権分離型信託です。

このケースでは、元本受益権を経営者に収益受益権を後継者に設定することにより、信託開始時のみなし贈与の額を減らして贈与税額を低減しています。

④自社株事業承継に黄金株を活用した事業承継

4つ目は、自社株事業承継に黄金株を活用した事業承継の成功事例です。D社の経営者は、元従業員の後継者に据え、事業承継する際に黄金株を活用しました。

黄金株は種類株式の一種で、正式名称を「拒否権付種類株式」といいます。黄金株の最大の特徴は、株主総会の決議への拒否権を有している点です。

黄金株が発行されている場合、会社は株主総会に加えて種類株主総会を開催しますが、もし黄金株を持っている株主が株主総会の決議を拒否すれば、決議は不成立になります。

このケースでは、自社株式のほとんどを後継者に譲渡しましたが、引退する経営者が黄金株を持つことで、もし後継者が誤ったかじ取りをした際に、黄金株の拒否権行使でブレーキをかけることができるようにしました。

⑤生命保険を使った相続税対策・事業承継

5つ目は、生命保険を使った相続税対策・事業承継の成功事例です。E社の経営者は、親族の後継者への事業承継を考え、相続税対策として生命保険を活用しました。

事業承継対策として生命保険の受取人を後継者にすることにより、相続が発生した時点で後継者が保険金等を受取ることで、他の相続人からの遺留分減殺請求に対処する資金とすることができました。

生命保険を利用するケースでは、法人契約や個人契約を活用し、保険金額や受取人や受取割合等を自在に組み合わせることで様々なニーズに応え、相続人間のバランスを調整することも可能になります。

⑥逓増定期保険を使った相続税対策・事業承継

6つ目は、逓増定期保険を使った相続税対策・事業承継を使った成功事例です。F社の経営者は、親族の後継者への事業承継を考え、相続税対策として逓増定期保険を活用しました。

逓増定期保険とは、保険金額が徐々に増えるタイプの掛け捨ての保険のことで、支払った保険料のうち、一定の割合を会社の損金とすることができます。

このケースでは、相続時の経営者が保有する株式の評価額を下げることを目的に、経営者の退職金資金として逓増定期保険を活用しています。

⑦自社株相続に信託を活用した事業承継(信託契約を締結)

7つ目は、自社株相続に信託を活用した事業承継の成功事例です。G社の経営者は、親族の後継者を受益者とした信託契約を締結し、事業承継を行いました。

事業承継で信託を活用する場合、親族間で民事信託の信託契約を結び、親族に財産管理を無償で委託する形で行うことが多く、前述の通り、自益信託と他益信託があります。

このケースでは、親族を受託者として、経営者(委託者)が自社株式に対して信託を設定し、後継者を受益者としました(他益信託)。

⑧自社株相続に信託を活用した事業承継(遺言書に信託を記載)

8つ目は、自社株相続に信託を活用した事業承継を使った成功事例です。H社の経営者は、遺言書に信託を記載することで、親族の後継者に事業承継を行いました。

信託契約の場合、信託契約締結時に信託の効力が発生しますが、遺言書に信託を記載しているときは、原則として遺言の効力発生、つまり委託者の死亡により効力が発生します。

このケースでは、親族を受託者、後継者を受益者に設定する内容の信託契約を遺言書に記載しました。

⑨自社株相続に信託を活用した事業承継(自己信託)

9つ目は、自社株相続に信託を活用した事業承継を使用した成功事例です。I社の経営者は、自己信託の設定証書を作成することで、親族の後継者に事業承継を行いました。

受託者が居ない(委託者=受託者となる)信託を設定するケースでは、契約当事者が同一であるため、信託契約を結ぶことができません。

したがって、委託者の単独意思表示である信託宣言を行うことになりますが、信託宣言は、公正証書で書面を作成することによって効力が発生します。このケースでは、後継者を受益者に設定する内容の設定証書(公正証書)を作成しました。

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9. 事業承継のスキームの相談先

事業承継のスキームの相談先

事業承継のリスクを回避するためにも、ご紹介した事業承継のスキームを実施するときは、M&A仲介会社などの専門家に相談しながら進めていくことをおすすめします。

事業承継のスキームのご相談は、ぜひ専門の会計士のいるM&A総合研究所へご相談ください。

M&A総合研究所では、M&A・事業承継の実績豊富なアドバイザー・M&Aに精通した会計士・弁護士がチーム体制でフルサポートいたします。

着手金・中間報酬は無料の完全成功報酬制(レーマン方式)を採用しているので、成約に至らなければ費用は一切かかりません。

無料相談を行っていますので、M&A・事業承継をご検討の方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

M&A・事業承継ならM&A総合研究所

10. まとめ

まとめ

当記事では、事業承継スキームのまとめとして、資産管理会社・持株会社への売却やファンドスキームを紹介しました。

【紹介した事業承継のスキーム】

  1. 資産管理会社・持株会社への売却を利用する事業承継スキーム
  2. 事業承継ファンドのスキーム
  3. 事業承継の際に信託を活用するスキーム

【事業承継で承継する要素】
  1. 人の承継
  2. 資産の承継
  3. 知的資産の承継


事業承継を成功させるためには、スキーム(手法)の選択など専門知識が必要となる事項も多く、M&A仲介会社のサポートを受けながら進めていくことをおすすめします。

M&A総合研究所では、M&Aに豊富な実績・知識を持つアドバイサー・会計士・弁護士がチーム体制でフルサポートをいたします。

無料相談は随時お受けしていますので、M&A・事業承継をご検討の方は、どうぞお気軽にM&A総合研究所へご連絡ください。

M&A・事業承継ならM&A総合研究所

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