事業承継の融資で悩む経営者に!融資・保証制度や補助金制度を紹介

事業承継のために融資を受けたい経営者に向けて相談先やおすすめの制度を紹介します。銀行に相談するときは、自社側が不利とならないよう注意しましょう。中小企業庁の事業承継における融資・保証制度を利用する場合には、紹介する4つのポイントを理解することが大切です。


目次

  1. 融資を受けるべき?事業承継で必要な資金の相場とは
  2. 事業承継の融資はまず銀行に相談しよう!
  3. 事業承継の融資を銀行に相談するときの2つの注意点
  4. 中小企業庁の事業承継における融資・保証制度とは?
  5. 事業承継における融資・保証制度のメリット2つ
  6. 事業承継における融資・保証制度を利用するときのポイントは?
  7. 融資と合わせて理解する!返済不要の事業承継補助金制度とは?
  8. 事業承継補助金制度の利用には仕組みの理解が大切!
  9. 事業承継における融資で悩んだらM&A仲介会社に相談しよう
  10. まとめ

1. 融資を受けるべき?事業承継で必要な資金の相場とは

事業承継で必要な資金の相場

事業承継するにはいくらほどの資金が必要なのか、気になる経営者の方は多いと思います。

事業承継にあたって、用意しなければならない資金は以下の3つです。

  1. 他の相続人や役員へ分散した自社株式・事業資産の買取資金
  2. 相続税や贈与税の納税資金
  3. 事業承継前後に行う会社の整備資金

上記3つの資金が、事業承継にあたり必要と考えられる資金です。事業承継には多額の費用が発生することが分かると思います。

資金の相場は事業規模により変動しますが、数百万円~数千万円の資金が必要となる場合が多いです。これらの資金を個人で用意できない場合、金融機関から融資を受ける必要があります。

資金調達は後継者と現在の経営者が協力して行うことが大切です。しかし経営者であっても数百万円の資金を調達するのは簡単なことではないでしょう。

そのため事業承継の資金調達に悩んだら、融資を受けることが得策です。

以上、事業承継で必要な資金の相場について紹介しました。ここまで読んで自社の事業承継では融資を受けるべきなのかイメージが湧いた経営者の方も多いはずです。

しかし「事業承継の融資に悩んだらどこに相談すべきなの?」と疑問に思う経営者の方も多いと思います。ここからは、事業承継の融資に悩んだらおすすめしたい相談先「銀行」についてまとめたので確認しておきましょう。

2. 事業承継の融資はまず銀行に相談しよう!

事業承継の融資はまず銀行に相談

事業承継の融資に悩んだらこれまでに融資を受けていた銀行へ相談することがおすすめです。

ただし「融資の返済を早められたり融資を中止されてしまうことはないの?」と不安になる経営者の方もいると思います。

まず押さえておくべきなのは、「銀行に事業承継を阻止する権利はない」ということです。あくまで銀行が担っているのは相談役としての役割であるため、基本的には事業承継に関する相談に乗ってくれます。

そのため銀行に相談すれば、事業承継に関する最大限の支援が期待できるはずです。なので自社よりも業績が悪い第三者に対して事業承継する場合であっても、まずは銀行への相談を検討してみましょう。

なお個人で銀行から融資を受けている場合、銀行に相談するべき意義がさらに高まります。なぜなら、経営者自身が連帯保証人になっているケースがあるためです。

経営者自身が連帯保証人ならば、事業承継に際して債務保証を解除してもらわなくてはなりません。そのためにも銀行に相談する必要があるのです。

しかし「銀行には具体的にどんなことを相談すれば良いの?」と疑問に思う経営者の方も多いと思います。ここからは、融資目的で銀行に相談するときの内容をまとめたので確認しておきましょう。

融資に際して銀行に相談すべき3つの内容

事業承継の融資に際して、銀行に相談すべき内容は以下の3つです。
 

  1. 事業承継の必要性
  2. 税金対策の方法
  3. 事業承継実施までの経営方法

これら3つの相談内容を押さえて、銀行への融資相談を検討してください。それでは、それぞれの相談内容を順番に見ていきましょう。

(1)事業承継の必要性

1つ目の内容は事業承継の必要性についてです。

これは事業承継を検討している段階での相談内容と言えます。とりわけ後継者不足に陥っている場合には、その旨を伝えることで引き継ぎ相手の相談を行うことも可能です。

ただし、銀行は自身の利益を優先するため、自社にとって不利になる事業承継案件を持ち込まれるおそれもあります。自社にとって有利な事業承継となるのかしっかりと判断し、不利である場合には断ることが大切です。

M&Aによる事業承継で悩んだらM&A仲介会社へ相談することもおすすめします。

※事業承継について詳しく知りたい方は以下の記事でまとめていますので、こちらも参考にしてみてください。

【関連】【保存版】事業承継とは?目的や税制、補助金の利用方法まで徹底解説!

(2)税金対策の方法

2つ目の内容は税金対策の方法です。

ここでは自社株の価格について取り上げます。自社株が高額である場合、事業承継に際して支払う税金もそれだけ高額になるのです。

そのため事業承継後に売却益を獲得するためのテクニックとして、自社株の価格を下げるという方法があります。

なるべく少ない負担で事業承継したいときや売却資金を獲得したいときには、自社株価格における税金対策の方法を銀行に相談すると良いでしょう。

(3)事業承継実施までの経営方法

3つ目の方法は事業承継実施までの経営方法です。

実際に事業を承継するまでには、やっておくべき準備がいくつかあります。例えば経営状況や経営課題の改善です。

自社の経営状態を正確に把握し、ビジネスモデルや商品・サービスの強み・弱み、今後の成長性を改めて確認しておく必要があります。また収益性が高くなるような収益構造を作りつつ、資産の売却などで借入金を減らしておくことも重要です。

いかなる事業承継の手法であっても、後継者が事業承継に積極的になれるような会社にしておくことが大切となります。

上記のような対策を含め、実際に事業承継が行われるまでにどのように経営すべきなのか相談するのも良いでしょう。相談をもとに、後継者が引き継ぎたいと思える会社に整えておいてください。

以上、融資に際して銀行に相談すべき内容を紹介しました。ここまで読んで、銀行への融資相談の検討を始めた経営者の方もいるはずです。

ところが一方で、銀行に相談する際には特有の注意点があり、知っておかないと自社が不利益を被るおそれもあります。ここからは、事業承継の融資を銀行に相談するときの注意点をまとめたので確認しておきましょう。

3. 事業承継の融資を銀行に相談するときの2つの注意点

事業承継の融資を銀行に相談するときの注意点

事業承継の融資を銀行に相談するときの注意点は以下の2つです。
 

  1. 売り手企業に不利な事業承継になるおそれがある
  2. 銀行の利益が優先されてしまうケースがある

これら2つの注意点をあらかじめ理解しておけば、安心して銀行に融資を相談できるはずです。それでは、それぞれの注意点を順番に見ていきましょう。

①売り手企業に不利な事業承継になるおそれがある

1つ目の注意点は売り手側企業に不利な事業承継になるおそれがあることです。

事業承継の相談を銀行にしていると、銀行の子会社である証券会社やM&A仲介会社を勧められる場合があります。

ここまではよくある話なのですが、「支援するからその代わりに報酬を支払って欲しい」というように銀行から営業をかけられることもあるのです。

銀行側にとってみると、安心して融資できる後継者に事業承継してもらえるかどうかが重要視されます。なので融資を行っている企業とは全く関係のない相手や、銀行が信頼をおけないと判断した相手との事業承継を渋るおそれがあるのです。

上記の理由から、自社が希望する相手との事業承継が叶わずに、結果として不利な条件で事業承継が実施されてしまうおそれがあるので注意しなければなりません。

自社にとって有利な事業承継となるのかをしっかりと判断し、不利だと判断したらきちんと断るようにしてください。

②銀行の利益が優先されてしまうケースがある

2つ目の注意点は銀行の利益が優先されてしまうケースがあることです。

銀行に融資を相談すると、銀行子会社の証券会社やM&A仲介会社のもとで事業承継が進められていくケースがあります。これにより銀行グループの利益がきちんと確保できるような事業承継を実施されてしまいがちです。

さらには銀行によって買い手企業へ資金提供が行われたり、証券会社へ顧客として自社が紹介されたりすると、利益相反行為となり自社の利益が優先されない可能性が高まります。

つまり銀行の利益になるよう、自社の事業承継がコントロールされてしまうおそれがあるのです。銀行に依頼するのは融資の相談だけに留めておき、仲介は銀行の利益と無関係の会社に依頼すると良いでしょう。

以上、事業承継の融資を銀行に相談するときの注意点を紹介しました。ここまで読んでおけば、銀行への融資の相談を慎重に検討できるはずです。

ちなみに事業承継における資金不足に悩んだら、銀行への相談だけでなく中小企業庁が実施する「事業承継における融資・保証制度」の活用もおすすめします。ここからは、中小企業庁の事業承継における融資・保証制度の概要をまとめたので確認しておきましょう。

4. 中小企業庁の事業承継における融資・保証制度とは?

中小企業庁の事業承継における融資・保証制度

資金不足に悩む中小企業向けに、中小企業庁は「事業承継における融資・保証制度」を設けています。

事業承継における融資・保証制度とは、自社株の買い取りや税金の資金など、事業承継で必要な資金の融資が受けられる制度です。公的機関である中小企業庁が実施しているため安心感や信頼度の高い制度となります。

「相続で分散した自社株式を買い取りたい」「相続税・贈与税の納税資金を工面したい」「経営者の交代で仕入先への支払条件が厳しくなった」等の理由で資金不足に悩んでいる場合、この制度を利用することで資金面で大きなメリットが得られる可能性が高いです。

ここからは、事業承継における融資・保証制度について以下の2つに分けて紹介します。
 

  1. 利用するメリット
  2. 利用するときのポイント

これら2つの事項について理解して、事業承継における融資・保証制度の利用を検討してください。それでは、それぞれの事項を順番に見ていきましょう。

5. 事業承継における融資・保証制度のメリット2つ

事業承継における融資・保証制度のメリット

はじめに事業承継における融資・保証制度のメリットは以下の2つです。
 

  1. 低金利で融資を受けられる
  2. 保証枠を2倍に拡大できる

これら2つのメリットを理解して、自社のケースでもメリットとなるのか確認してください。それでは、それぞれのメリットを順番に見ていきましょう。

①低金利で融資を受けられる

1つ目のメリットは低金利で融資を受けられる点です。

たとえば融資期間が5年であるとき、通常1.21%の利率のところ0.81%で融資を受けられるのです。

正確な利率は金融機関に問い合わせなくてはなりませんが、低金利で融資を受けられるのは事業承継における資金不足で悩んでいる経営者にとって大きなメリットとなります。

ただし融資を受けることができるのは、以下のケースに限定されているため注意してください。
 

  1. 会社または個人事業主が、後継者不在などにより事業を継続できない会社から、 事業や株式の譲渡などにより事業を承継するケース
  2. 会社が株主から自社株式や事業資産を買い取るケース
  3. 後継者である個人事業主が、事業資産を買い取るケース
  4. 中小企業経営承継円滑化法に基づく認定を受けた会社の代表者個人が、自社株式や事業資産の買い取りや、相続税や贈与税の納税などを行うケース

上記4つ目の「中小企業経営承継円滑化法」とは、中小企業が事業承継を円滑に進めるための法律です。中小企業経営承継円滑化法に基づく認定については、次章「利用するときのポイント」で説明します。

②保証枠を2倍に拡大できる

2つ目のメリットは保証金を2倍に拡大できる点です。

事業承継における融資・保証制度を利用できれば、事業承継に関する資金を金融機関から借り入れるとき、信用保証協会の通常保証枠とは別に、拡大された保証枠を使用できます

このとき拡大される保証枠は通称のものと同等です。つまり通常のものと拡大されたものを図示すると、以下のようになります。
 

  • 普通保証:2億円(通常枠)+2億円(拡大枠)=4億円(合計額)
  • 無担保保証:8,000万円(通常枠)+8,000万円(拡大枠)=1億6,000万円(合計額)
  • 特別小口保証:1,250万円(通常枠)+1,250万円(拡大枠)=2,500万円(合計額)

ただし保証枠が拡大されるのは、「中小企業経営承継円滑化法に基づく認定を得た会社および個人事業主」に限られます。中小企業経営承継円滑化法に基づく認定については、次章「事業承継における融資・保証制度を利用するときのポイントは?」で確認してください。

以上、事業承継における融資・保証制度のメリットを紹介しました。ここまで読んで中小企業庁が実施するこの制度を利用したくなったという経営者の方も多いはずです。

なお先ほどから「中小企業経営承継円滑化法」という法律名が登場していたと思います。事業承継における融資・保証制度を利用したい場合、中小企業経営承継円滑化法の認定を受けるべきケースがあるのです。

ここからは、中小企業経営承継円滑化法も含め、事業承継における融資・保証制度を利用するときのポイントをまとめたので確認しておきましょう。

6. 事業承継における融資・保証制度を利用するときのポイントは?

事業承継における制度を利用するときのポイント

事業承継における融資・保証制度を利用するときのポイントは以下の4つです。
 

  1. 利用できる人が決まっている
  2. 融資に限度額がある
  3. 返済期間が設定されている
  4. 中小企業経営承継円滑化法に基づく認定を受けるべき場合がある

これら4つのポイントを事前に知っておくことで、スムーズに融資制度を利用できます。それでは、それぞれのポイントを順番に見ていきましょう。

ポイント1.利用できる人が決まっている

1つ目のポイントは利用できる人が決まっていることです。

つまり誰でも事業承継における融資・保証制度を利用できるわけではありません。融資を利用できる人は、次のいずれかの条件に該当している人です。
 

  1. 安定的な経営権の確保などにより、事業の承継・集約を行う人
  2. 中小企業経営承継円滑化法に基づいた認定を受けた中小企業の代表者
  3. 事業承継に際し金融機関からの資金調達が困難となっていて、日本政策金融公庫が経営者個人保証を免除する人
  4. 現経営者と後継者が共に中期的な事業承継を計画している人
  5. 事業の承継・集約を契機に、第二創業を行おうとしている人

上記に該当しないと融資を受けられない可能性が高いため注意してください。不明点があればで各自治体の担当課に問い合わせてみましょう。

ポイント2.融資に限度額がある

2つ目のポイントは融資に限度額があることです。

つまり融資を受けられる金額は決められた範囲内で選ばなくてはなりません。それぞれ国民生活事業では7,200万円(そのうち運転資金は4,800万円)、中小企業事業では7億2,000万円(そのうち運転資金は4憶8,000万円)が上限額です。

なお国民生活事業と中小企業事業は、日本政策金融公庫の事業になります。日本政策金融公庫とは、創業する人や中小企業へ様々な制度に応じて実際に融資を行っている会社です。

ちなみに国民生活事業では、小規模企業や個人事業主を対象とした小口融資を行っています。主に無担保での融資を実施し、個人で行っている飲食店や工務店などの企業が利用する事業です。

その一方で中小企業事業では、資本金が1,000万円以上の中小企業へ融資を行っています。こちらは有担保での融資が中心です。どちらに該当するか分からない経営者は、まず国民生活事業で相談すると良いでしょう。

ポイント3.返済期間が設定されている

3つ目のポイントは返済期間が設定されていることです。

融資を受けた資金は決められた期間内に返さなくてはなりません。返済期間は資金の種類で異なっています。

つまり設備資金では20年以内、運転資金では7年以内が返済期間です。なお両方とも2年まで据置期間設定できます。据置期間とは、利息のみの支払いを行う期間のことです。据置期間が終了した後から、利息と元本の返済が始まります。

たとえば据置期間が1年の場合、2年目から利息と元本を合わせて支払うことになるのです。日本政策金融公庫の据置期間は2年までなら自由に設定できるため、事業状況や資金繰りを考慮しつつ据置期間を設定してください

ポイント4.中小企業経営承継円滑化法に基づく認定を受けるべき場合がある

4つ目のポイントは中小企業経営承継円滑化法に基づく認定を受けるべき場合があることです。

低金利で融資を受けられるケースの1つとして挙げられるほか、信用保証協会の別枠保証を受けるためには中小企業経営承継円滑化法に基づいて都道府県知事の認定を受けなければなりません

ここでは中小企業経営承継円滑化法について、以下の3項目に分けて紹介します。
 

  1. 中小企業経営承継円滑化法とは
  2. 認定を受けるために必要となるもの
  3. 認定の申請先

上記3つの項目について事前に押さえておけば、中小企業経営承継円滑化法に基づく認定をスムーズに受けることができます。それでは、それぞれの項目を順番に見ていきましょう。

(1)中小企業経営承継円滑化法とは

まずは中小企業経営承継円滑化法の概要を解説します。

中小企業経営承継円滑化法とは、中小企業が事業承継を円滑に進めるための法律です。平成20年に中小企業の事業承継を支援するために成立し、平成30年の税制改正において中小企業経営承継円滑化法の内容が大きく改正されることとなりました。

中小企業経営承継円滑化法が改正に至った理由は、以下の3つです。
 

  1. 親族以外への事業承継を円滑に行えるようにするため
  2. 中小企業の事業承継のサポートを強化するため
  3. 小規模企業共済法の一部改正による事業承継をさらに円滑にするため

親族以外の事業承継が増えてきたことを受けて、中小企業における事業承継のサポートを金銭面で強化して、さらに事業承継しやすくしたのです。また小規模企業共済法を改正して、親族への事業承継も廃業と同額の共済金を支給できるようにしました。

一連の法改正は中小企業に廃業より事業承継を選択してもらうことを目的としています。日本企業の約9割が中小企業で、その多くが後継者問題に直面しているのです。

中小企業の廃業は国力低下に繋がるため、政府は中小企業の廃業に対して今後も法改正などの対策が講じられると見込まれます。

(2)認定を受けるために必要となるもの

次に中小企業経営承継円滑化法に基づく認定を受けるために必要なものを紹介します。

中小企業経営承継円滑化法の認定を受けるためには、様々な申請書や証明書が必要です。必要書類は自治体により異なるため、必ず自治体の担当課に問い合わせてください。

参考までに、提出が求められると想定される書類を以下にまとめました。
 

  • 認定申請書
  • 認定申請書の写し
  • 認定申請時点の従業員数の証明書
  • 登記事項全部証明書
  • 定款の写し
  • 決算関係の書類
  • 上場企業に該当しない旨の誓約書

認定申請書は中小企業庁のサイトからダウンロードして記入します。事業承継を行うこととなった原因などを認定申請書に記載しましょう。スムーズに申請するためにも、分かる箇所だけでも記入して持参するようにしてください。

(3)認定の申請先

最後に中小企業経営承継円滑化法に基づく認定の申請先について紹介します。

中小企業経営承継円滑化法の認定申請窓口は、都道府県によって異なるため注意してください。全国の問い合わせ先は以下の通りです。(平成29年度4月時点)
 

都道府県名 担当する課
北海道 経済部地域経済局 中⼩企業課
⻘森県 商⼯労働部 地域産業課
岩手県 商⼯労働観光部 経営⽀援課
宮城県 経済商⼯観光部 中⼩企業⽀援室
秋田県 産業労働部 産業政策課
山形県 商⼯労働部 中⼩企業振興課
福島県 商⼯労働部 経営⾦融課
茨城県 商⼯労働観光部 中⼩企業課
栃木県 産業労働観光部 経営⽀援課
群馬県 産業経済部 商政課
埼玉県 産業労働部 産業⽀援課
千葉県 商⼯労働部 経営⽀援課
東京都 産業労働局 ⾦融部 ⾦融課⾦融調査担当
神奈川県 産業労働局 中⼩企業部 中⼩企業⽀援課
新潟県 産業労働観光部 産業政策課 産業⾦融室
富山県 商⼯労働部 経営⽀援課
石川県 商⼯労働部 経営⽀援課
山梨県 産業労働部 商業振興⾦融課
長野県 産業労働部 産業⽴地・経営⽀援課
岐阜県 商⼯労働部 商業・⾦融課
静岡県 経済産業部 商⼯業局 経営⽀援課
愛知県 産業労働部 中⼩企業⾦融課
三重県 雇⽤経済部 中⼩企業・サービス産業振興課
福井県 産業労働部 産業政策課
滋賀県 商⼯観光労働部 中⼩企業⽀援課
京都府 商⼯労働観光部 ものづくり振興課
大阪府 商⼯労働部 中⼩企業⽀援室 経営⽀援課
兵庫県 産業労働部 産業振興局 経営商業課
奈良県 産業振興総合センター 創業・経営⽀援部 経営⽀援課
和歌山県 商⼯観光労働部 商⼯労働政策局 商⼯振興課
鳥取県 商⼯労働部 企業⽀援課
島根県 商⼯労働部 中⼩企業課
岡山県 産業労働部 経営⽀援課
広島県 商⼯労働局 経営⾰新課
山口県 商⼯労働部 経営⾦融課
徳島県 商⼯労働観光部 企業⽀援課
香川県 商⼯労働部 経営⽀援課
愛媛県 経済労働部 産業⽀援局経営⽀援課
高知県 商⼯労働部 経営⽀援課
福岡県 商⼯部 中⼩企業振興課
佐賀県 産業労働部 経営⽀援課
長崎県 産業労働部 産業政策課
熊本県 商⼯観光労働部 商⼯労働局 商⼯振興⾦融課(商業分)
商⼯観光労働部 新産業振興局 産業⽀援課(⼯業分)
大分県 商⼯労働部 経営創造・⾦融課
宮崎県 商⼯観光労働部 商⼯政策課 経営⾦融⽀援室
鹿児島県 商⼯労働⽔産部 経営⾦融課
沖縄県 商⼯労働部 中⼩企業⽀援課

中小企業経営承継円滑化法に基づく認定は、上記の表から自社の都道府県の申請先を見つけて申請しましょう。

また事業承継において資金不足に悩んだら、まずは各都道府県で担当している課に中小企業経営承継円滑化法の認定を受けられるか問い合わせてください。

以上、事業承継における融資・保証制度を利用するときのポイントを紹介しました。ここまで読めば、事業承継における融資・保証制度をスムーズに利用できるはずです。

ちなみに事業承継において資金不足で悩んでいるならば、返済の要らない事業承継補助金制度が利用できるケースもあります。ここからは、事業承継補助金制度の概要をまとめたので確認しておきましょう。

7. 融資と合わせて理解する!返済不要の事業承継補助金制度とは?

返済不要の事業承継補助金制度

事業承継補助金制度とは、事業を引き継いだ中小企業・小規模事業者等が行う事業承継後の新しいチャレンジを応援する制度です。

1年に1度募集が行われて、事業承継の資金繰りを支援するために最大で600万円が支給されます。融資とは異なり、返済不要である点が大きなメリットです。

なお募集に落選すると補助金は受け取れません。しかし補助金を獲得する企業や補助金総額は年々増加しており、応募を検討すべき制度です。

場合によっては数年後に打ち切られてしまう可能性もあるので、事業承継を考えている人は中小企業庁のサイトを逐一チェックしておくようにしてください。

以上、事業承継補助金制度の概要について紹介しました。ここまで読んで、事業承継補助金制度の利用を検討したい経営者の方も多いはずです。

しかし事業承継補助金制度を利用するときには、仕組みを理解しておかなければ不利益を被ってしまうおそれがあります。ここからは、事業承継補助金制度の仕組みをまとめたので確認しておきましょう。

8. 事業承継補助金制度の利用には仕組みの理解が大切!

事業承継補助金制度の仕組み

事業承継補助金制度の仕組みを、以下の4項目に分けて紹介します。
 

  1. 事業承継補助金には2つのタイプがある
  2. 必要書類は専門家に作成を依頼すべきである
  3. 補助金の支給額は申請方法による
  4. 申請は7つの流れで手続きする

これら4項目で仕組みを理解して、事業承継補助金制度を上手に活用してください。それでは、それぞれの項目を順番に見ていきましょう。

①事業承継補助金には2つのタイプがある

はじめに事業承継補助金のタイプについて紹介します。

事業承継補助金には2つのタイプがあり、それぞれ後継者承継支援型と事業再編・事業統合支援型です。

1つ目の後継者承継支援型は、中小企業の経営者が交代することをきっかけに新たな取り組みをする経費を補助します。そのため単純な事業承継のみでは対象外で、後継者が経営者となった後に新たな取組をしなければ補助金を得られません。

2つ目の事業再編・事業統合支援型は、事業再編や事業統合をきっかけに新たな取り組みをする経費を補助します。このタイプの場合、経営者は変わらずともM&Aによって事業の合併や分割をした際に新たな取り組みをすれば補助金の受け取りが可能です。

なお新たな取り組みとは、新商品の開発や新規店舗の出店など、事業を活性化させる取り組みを指します。新店舗を出す場合の賃料や内装費や設備費なども含まれることを押さえておきましょう。

②必要書類は専門家に作成を依頼すべきである

2つ目に事業承継補助金に応募する際に必要となる書類について紹介します。

事業承継補助金に応募するときは、専門家へ書類の作成を依頼してください。補助金の申請書には経済産業省から認定を受けた認定支援機関によって作成された確認書を添付しなければならないためです。

経済産業省から認定を受けた機関は認定支援機関と言い、中小企業庁によって地域別に一覧が公表されています。近くの認定支援機関を探し、補助金申請書の作成を依頼しましょう。

③補助金の支給額は申請方法による

3つ目に補助金の支給額について紹介します。

事業承継補助金の支給額は、申請方法により異なるので注意しましょう。ただし、いかなる場合でも新たな取組にかかった全額を支給されることはありません。

具体的な補助金の支給額は、新しい取り組みにかかる費用の2分の1もしくは3分の2です。どちらの割合になるかは、応募タイプや事業規模や審査結果の順位などによって以下のように決定されます。
 

補助金のタイプ 事業規模もしくは審査順位補 補助率 補助金額の範囲
後継者承継支援型 小規模事業者
従業員数が小規模事業者と同じ規模の個人事業主
3分の2位内 100万円~200万円
小規模事業者以外 2分の1位内 100万円~150万円
事業再編・事業統合支援型 審査結果上位 3分の2位内 100万円~600万円
審査結果上位以外 2分の1位内 100万円~450万円

自社は補助金制度のどの部分に当てはまるのか、要件を確認して補助金額を計算しておいてください。

④申請は7つの流れで手続きする

4つ目に事業承継補助金の申請手続きについて紹介します。

事業承継補助金を受け取るまでには、以下の7つの手続きが必要です。
 

  1. 事業承継補助金の理解
  2. 新たな取り組みの計画
  3. 認定支援機関による確認書の取得
  4. 申請のための書類準備
  5. 交付申請
  6. 新しい取り組みの実施
  7. 補助金の受け取り

これら7つの流れで手続きすることで、事業承継補助金を受け取ることができます。それでは、それぞれの手続を順番に見ていきましょう。

(1)事業承継補助金の理解

まずはじめに事業承継補助金を理解するところから始まります。

事業承継補助金の募集要項をしっかりと読みこんで理解してください。もしも申請内容が条件に合わなければ補助金を受け取れません。

申請できる取り組みや申請書の作成方法、申請場所や申請に必要なもの、受け取れる補助金の計算などを確認しておきましょう。

(2)新たな取り組みの計画

2番目に新たな取り組みの計画です。

事業承継補助金を受け取るには、新たな取り組みをする必要があります。新たな取り組みについて、どのようなことを実施するか計画を立てましょう。

ただし現在の資金で実行できることでなければ補助金を受け取れません。補助金は新しい取り組みを行った後に交付されるためです。自社の事業活性化に繋がる取り組みを計画してください。

(3)認定支援機関による確認書の取得

3番目に認定支援機関による確認書の取得です。

新たな取り組みが決まれば、認定支援機関による確認書を取得しましょう。確認書がなければ事業承継補助金の申請ができないためです。

事業承継補助金募集サイトから認定支援機関による確認書をダウンロードして、近くにある認定支援機関に依頼することで確認書を作成してもらってください。

(4)申請のための書類準備

4番目に申請のための書類準備です。

事業承継補助金を申請するための準備をしましょう。なお申請書以外にも、次のような書類が必要です。
 

  • 補足説明資料
  • 住民票
  • 認定支援機関の確認書
  • 申請資格を有していることを証明する後継者の書類
  • 確定申告書(法人や個人事業主の場合)
  • 履歴事項全部証明書(法人の場合
  • 所得税青色申告決算書の写し(個人事業主)

申請する人によって用意する書類は異なるためしっかりと確認して揃えるようにしてください。

(5)交付申請

5番目に交付申請です。

書類が揃ったら交付申請をします。申請は原則として電子での申請です。

事業承継補助金の募集サイトから申請マイページを開設して必要事項を入力します。書類はファイルにして添付しましょう。

最後に申請内容を確認すれば交付申請は完了です。審査が行われたあと、申請マイページを通じて採否結果の通知があるのを覚えておいてください。

(6)新しい取り組みの実施

6番目に新たな取り組みの実施です。

事業承継補助金の交付が決定したら、計画していた新しい取り組みを実施してください。補助金は新しい取り組み完了後、30日以内に報告書を提出してから支払われます。

補助金交付決定後に新しい取り組みの内容や期間を変更したい場合には、申請マイページを通じて承認を受けなければなりません。なお新しい取り組みの進行状況についての報告も、適宜行う必要があるので注意しましょう。

(7)補助金の受け取り

7番目に補助金の受け取りです。

新しい取り組みが完了した後に報告をすると、事業承継補助金を受け取れます。ただし補助金を受け取った後も5年間は収益状況を報告しなければならないので注意してください。

なお新しい取り組みにおいて一定以上の収益があったと認められると、補助金で受け取った額を上限として収益の一部を納付しなければなりません。

以上、事業承継補助金を受け取るまでの手続きの流れを紹介しました。ここまで読んで、融資や補助金を受けるまでの手続きが複雑に感じた経営者の方も多いはずです。

そのため事業承継における融資で悩んだら専門家に相談することをおすすめします。最後におすすめの相談先についてまとめたので確認しておきましょう。

9. 事業承継における融資で悩んだらM&A仲介会社に相談しよう

事業承継融資で悩んだらM&A仲介会社に相談

事業承継における融資や補助金について悩んだら専門家に相談しましょう。

おすすめなのが、事業承継全般について知識と経験を持つ専門家への相談です。相談先としては税理士事務所などがありますが、税理士と提携しているM&A仲介会社なら会社の事情に合わせた承継プランを提案してくれます。

さらにM&A仲介会社は事業承継の専門家として経営に関する様々な観点からアドバイスを行うので、融資や補助金以外にも、事業承継に関する疑問に答えてくれ不安を解消してくれるでしょう。

「どういった方法で事業承継をすればよいか分からない」「融資や補助金の利用を含め様々な手段を検討したい」などの悩みは、事業承継のプロフェッショナルであるM&A仲介会社に任せてください

もし、「相談するべきM&A仲介会社がわからない…」ということであれば、「M&A総合研究所」にお声がけください。M&A総合研究所は相談料、着手金無料の完全成功報酬制なので、M&Aにかかる予算をなるべく抑えながら事業承継が可能です。

また経験豊富な公認会計士や税理士が事業承継のサポートを致しますので、税務に関する手続きの専門性は非常に高いと言えます。事業承継に興味をお持ちの方は、一度M&A総合研究所のサイトでこれまでの実績をチェックしてみてください。

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10. まとめ

まとめ

事業承継の際には、最低でも数百万円~数千万円の資金が必要となるため資金の融資が必要となるケースが多いです。

この記事では、事業承継のために融資を受けたい経営者に向けて相談先やおすすめの制度を紹介しました。銀行に相談するときは、自社側が不利とならないよう注意しましょう。

中小企業庁の事業承継における融資・保証制度を利用したい場合には、紹介したポイントを理解することが大切です。

また、中小企業庁の事業承継における融資・保証制度と合わせて、事業承継補助金制度の利用を検討してみてください。返済不要であるため、事業承継の際に心強い資金となるはずです。

事業承継の融資で悩んだらM&A仲介会社へ相談することをおすすめします。

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