事業承継をする3つの方法を徹底解説!メリット・デメリットと税金も紹介

事業承継には大きく分けて3つの方法があり、それぞれメリットとデメリットがあります。この記事では事業承継の方法と、そのメリット・デメリット、かかる税金などについて分かりやすく解説しています。この記事を読み、自社に合った事業承継方法を見つけましょう。


目次

  1. 事業承継とは?基本事項を分かりやすく解説
  2. 事業承継を行う方法3つ
  3. 事業承継の方法別メリット・デメリットとは
  4. 事業承継にかかる税金を方法別に解説
  5. ベストな事業承継方法を決めるためのポイント
  6. 方法を決めた後はどうする?事業承継の基本的な手順
  7. 事業承継の方法についてはM&A総合研究所へご相談ください
  8. まとめ

1. 事業承継とは?基本事項を分かりやすく解説

事業承継とは、後継者や第三者に会社の経営を引き継ぐことです。後継者、というと単に次の経営者を誰にするか、という問題だと感じる人もいるでしょう。

しかし会社の資産や知的財産をどのように引き継ぐか、また後継者の教育をどうするのかなど事業承継で考えなければならないポイントは多くあります。

これまで築き上げてきた会社の実績や信頼をこれからも守るため、関係者一同がきちんと話し合い事業承継の方向性や計画を定めておくことが重要です。

ここからは事業承継が必要な理由、承継で引き継ぐべきものを解説していきます。

1-1.事業承継が必要な理由

中小企業では、事業承継が非常に大きな問題となっています。経営者の高齢化が進み事業承継の重要度が増す一方、後継者がすでに決定している会社は約43%となっており少ない状況です。

事業承継対策を行わなければ、お家騒動の危険が高まり従業員の生活も不安定になります。前もって事業承継を行えば理念や実績、今まで関わってきた取引先などを後の世代に残せるので事業承継対策は重要だと言えるでしょう。

1-2.事業承継で引き継ぐべきもの

後継者が会社の代表として経営を行うには、経営権だけでなく、会社が持つ有形無形の資産を引き継いでもらう必要があります

ここからは、事業承継で後継者に引き継がなければならないものについて、解説してきます。

経営権

事業承継において最も重視されるのが、経営権の承継です。

特に中小企業では人材や人脈が経営者個人に集中していることが多いため、現経営者の持つ資産をどれだけ後継者に渡せるかが重要となります。

現経営者の持つ信頼や人間関係を少しでも多く引き継ぐため、後継者育成にはしっかりと時間をかけましょう。

資産

株式や機械、設備や不動産など会社が保有する「モノ」は引き継ぐべき重要な資産です。

株式の承継に関しては、売買、贈与、相続などの方法があり、株式の価値によって支払う税金が大きく異なってきます。事業承継で株式譲渡を行う方は、ぜひ以下の記事もチェックしてください。

【関連】事業承継を株式譲渡でする時の流れやポイント・税金の注意点を解説!

知的財産

従業員の技能やノウハウ、信用やブランドなど目に見えないものも、会社の大切な資産です。

事業承継の際はこうした無形資産にも目を向け、会社の強みがどんなところにあるのか理解をしてから承継を行いましょう

以上が、事業承継の基礎知識でした。ここからは事業承継を行う方法について解説していくので、会社をこれからも存続させるため、ぜひチェックしてください。

2. 事業承継を行う方法3つ

経営の見通しが立たず困っている、適切な後継者が見つからず事業の引継ぎ先が無い、と悩むという中小企業経営者は少なくありません。

会社を残したいという思いがあるなら、事業承継の方法を知り早めに方針を立てておく必要があります。

経営者の交代を考えている会社が事業承継を行う方法は、以下の3つです。

  1. 親族内承継
  2. 親族外承継
  3. M&A

それぞれの特徴を理解し、自分自身、そして従業員や親族が納得できる方法で事業承継を行いましょう。

方法1.親族内承継

中小企業で最も一般的なのが、親族内承継です。親族内承継とは、会社や事業を子供や配偶者、孫などの親族に引き継いでもらうことを指します。

親族内承継は親族内承継は中小企業において一般的な承継方法なので、従業員から信頼されている親族であれば経営者交代に対する反発も少ないはずです。
 

方法2.親族外(従業員)承継

従業員などの中から後継者を決める従業員承継も、親族内承継に次いで一般的です。

既存の従業員だけでなく外部から経営者候補として新たに第三者を招き、事業承継を行う方法もこの親族外承継に含まれています。

従業員や身近な人の中で後継者が見つけられない場合は、M&Aによる事業承継が必要です。

方法3.M&A

M&Aとは、会社の合併・買収のことを指します。M&Aでは自分で買い手を探し、話し合いの中で売買価格を決めていく手間がありますが、後継者を見つけられず廃業するよりコストは少なく済みます

中小企業におけるM&Aはまだあまり知られていませんが、小規模な事業者であっても後継者問題解決のためM&Aを選択する企業は増加中です。

以上が、事業承継における3つの方法でした。基本的には、以上3つの中から自社に合ったものを選択し事業承継を行うことになります。

ここからはそれぞれの方法別にメリットとデメリットを詳しく解説していくので、ぜひ事業承継計画作成の参考にしてください。

3. 事業承継の方法別メリット・デメリットとは

ここからは、先ほど紹介した事業承継方法それぞれのメリット・デメリットについて解説していきます。

事業承継を少しでも有利に進めるため、事前にチェックしておきましょう。

3-1.親族内承継の場合

まずは親族に会社を承継する、親族内承継のメリットデメリットを解説します。

親族内承継のメリット

親族内承継では、早めに後継者としての教育を行いやすいことがメリットです。

後継者となる親族をあらかじめ決めておけば、数年かけて経営者としての心構えや仕事について教えることができるので、引継ぎもスムーズでしょう。

親族内承継のデメリット

親族内承継の場合、後継者として適切な親族がいないという事態も考えられます。

また経営状態が悪いなどの理由から子供などが会社の承継を拒否してしまい、事業承継が進まないケースも少なくありません。

3-2.親族外承継の場合

次は従業員など親族以外の個人に会社を承継してもらう、親族外承継のメリットデメリットを解説します。

親族外承継のメリット

親族外承継には、数ある従業員の中から経営者に適した人を直接選べるというメリットがあります。また従業員はすでに会社の事情について詳しく知っているため、事業承継はスムーズに進むでしょう。

さらに早めに後継者を決めておけば後継者教育にもしっかり時間をかけることができるので、安心して会社経営を任せられます。

親族外承継のデメリット

従業員が少ない場合、後継者に適した能力を持つ人物を見つけられない可能性もあります。

また外部から後継者候補を呼ぶ場合、会社に合う人物を見つけるまでに時間がかかってしまい事業承継が遅れるケースも少なくありません。

3-3.M&Aの場合

最後に、第三者へと会社を売却するM&Aのメリットデメリットを解説します。

M&Aのメリット

M&Aを行えば、後継者がいない場合でも会社を残すことができます

また会社全体を売却すれば債務や個人保証は売却先へ引き継がれるため、売却益を減少させることなく、会社に関する経営者個人の債務や個人保証を解消することも可能です。

さらにM&Aなら、会社売却の対価後してまとまった現金を得られます。退職後の暮らしに不安を感じている方であれば、創業者利益が大きくなるM&Aを選択すべきでしょう。

M&Aのデメリット

M&Aでは業務や会社の引継ぎのため、ロックアップが発生してしまい一定期間別の仕事ができなくなってしまいます

ロックアップとは、会社売却後、売却側の経営者が一定期間買収された会社で働くことを言います。ロックアップは必須ではありませんが、買い手から求められることもあるので別の仕事ができない可能性について事前に把握しておきましょう。

またM&Aによる買収に悪いイメージを持つ従業員も多いため、従業員や取引先が会社を離れてしまうこともあります。M&Aで事業承継を行う際は今後の方針について、関係者にしっかりと説明しておきましょう。

以下では、事業承継の方法別に発生する税金を解説していきます。事業承継にかかる費用をなるべく抑えたい方はぜひ参考にしてください。

4. 事業承継にかかる税金を方法別に解説

事業承継でかかる税金をなるべく減らしたいと考えている方は多いはずです。しかし具体的にどんな種類の税金がどれくらい発生するのか分からないままだと、どの方法で事業承継をすれば良いか決められません。

そこでここからは親族内・親族外承継とM&Aに分け、発生する税金を解説していきます。自社の資産状況に合った方法で、事業承継を成功させましょう。

4-1.親族内・親族外承継の場合

親族内承継では相続または贈与、親族外承継では贈与で会社の資産を後継者に渡します。ここからは相続、贈与で発生する税金を解説していくので、ぜひ参考にしてください。

相続で発生する税金

相続で事業承継を行う場合、相続税が発生します。およその相続税は、以下の速算表で確認できるので、ぜひチェックしてください。

基礎控除後の課税価格 税率 控除額
1,000万円以下 10% 控除なし
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1,700万円
3億円以下 45% 2,700万円
6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

この表から分かる通り、最大で課税対象の55%を相続税として支払う必要があります。

相続で事業承継を行う際には、後継者が多額の相続税を収められるだけの資金を持っているかどうか、事前に確認しておきましょう。

贈与で発生する税金

贈与で事業承継を行う場合、以下の表に沿って贈与税が課されます。速算表を参考に、贈与税の計算をしてみましょう。

基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10% 控除なし
400万円以下 15% 10万円
600万円以下 20% 30万円
1,000万円以下 30$ 90万円
1,500万円以下 40% 190万円
3,000万円以下 45% 265万円
4,500万円以下 50% 415万円
4,500万円超 55% 640万円

最大で55%もの贈与税が発生するので、贈与の場合も早めに税理士など専門家に相談しておきましょう。

4-2.M&Aでの事業承継の場合

M&Aで事業承継をする場合、選択する手法によってかかる税額は大きく異なります。以下では、中小企業のM&Aでよく使われる株式譲渡、事業譲渡の場合について解説していきます。

株式譲渡の場合

売買で株式譲渡する場合、支払う必要のある税金は、

  1. 所得税
  2. 復興所得税
  3. 住民税

の3つで、2019年現在合計で20,315%となっています。かかる税金の割合は一定ですが、専門家とともに納税額を確認しておくと安心です。

事業譲渡の場合

事業譲渡では、時価よりも高値で事業を譲渡できた場合、その利益分に対して税金が発生します。

事業を譲渡するときに発生する税金は、以下の3つです。
 

  1. 消費税
  2. 所得税や贈与税(個人の場合)
  3. 法人税(法人の場合)

事業を譲渡すると必ず発生するのが、消費税です。しかし全ての資産が課税対象となるわけではなく、土地・有価証券・債権などの非課税資産には、消費税はかかりません

個人で事業を譲渡した場合には、所得税や贈与税も発生します。事業売却による利益には20.315%(所得税が15.315%、住民税が5%)の税金、さらに時価を差し引いた利益について贈与税の支払いが必要です。

また法人の場合には、法人税が発生します。譲渡側が法人の場合、対象事業を時価で譲渡しても、時価よりも高値で譲渡しても、同様に取得金額との差額分が利益として計上され、その利益額に対して法人税がかかります。

以上、事業譲渡で発生する税金について紹介しました。

ここからはベストな事業承継方法を決めるためのポイントについて解説していくので、税制面を含め承継の方法について考えていきましょう。

5. ベストな事業承継方法を決めるためのポイント

自分の会社に合う事業承継方法について考えるため、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。
 

  1. 事業承継ガイドラインで基本的な事項を学ぶ
  2. 後継者にふさわしい人物がいるか考えてみる
  3. 創業者利潤をどれだけ獲得したいか明確にする

ここからはそれぞれのポイントについて解説していくので、ぜひ承継方法を決める前にチェックしてください。

ポイント1.事業承継ガイドラインで基本的な事項を学ぶ

事業承継ガイドラインとは、中小企業がスムーズに事業承継を行えるよう中小企業庁が策定したものです。

ガイドラインを読むことで理想の事業承継の流れ、準備の方法について知ることができます。事業承継の方法を決める前に、一度確認しておくべきでしょう。

事業承継ガイドラインの詳しい内容については、以下の記事で説明しているので要点だけ理解したいという方はぜひ参考にしてください。

【関連】事業承継ガイドラインの内容は?事業承継の理想的な手法や流れも紹介

ポイント2.後継者にふさわしい人物がいるか考えてみる

事業承継の方法を決めるうえで最も重要なのは、後継者の有無です。

後継者がいる場合、親族内承継または親族外承継を選択することになりますが、後継者が見つからない場合M&Aで会社を引き継いでもらう必要があります。まずは社内外で良い後継者がいないか探し、会社を継ぐ意思があるか確認しましょう。

どうしても適任がいない場合は、早めにM&A仲介会社などの専門家に相談し、M&Aの手続きを進めるのがおすすめです。

ポイント3.創業者利益をどれだけ獲得したいか明確にする

創業者利益をどれだけ求めるかによって、選ぶべき事業承継の方法は変わります。

親族や従業員を後継者とする場合、株式売却により事業承継をすればある程度の利益を手に入れることも可能です。

しかし親族や従業員が株式を全て変えるだけの現金を持っているケースは稀なので、株式の価値を低めに算出して渡さなければいけません。

一方M&Aの場合、会社の無形資産を含めた価値で会社を売却できるため、利潤は大きくなります。創業者利益を多く獲得したいなら、M&Aを前向きに検討するのがおすすめです。

ここからは、事業承継の方法が決定した後の承継の流れを解説していきます。事業承継の見通しを立てるため、ぜひ読んでみてください。

6. 方法を決めた後はどうする?事業承継の基本的な手順

事業承継の基本的な手順は以下の通りです。まずは、動き出す前に手順を確認して落ち着いて進められるようにしてみましょう。

  1. 事業承継準備の重要性を学ぶ
  2. 経営課題を把握する
  3. 課題をもとにした経営改善を行う
  4. 事業承継計画を策定する
  5. 事業承継を実行する

実際に事業承継に動き出すまでにはいくつか考えなければならないことがあります。

準備の重要性を学び、今の経営課題を把握しておかなくては承継している途中にも経営が傾く可能性は捨てきれません。課題をもとに改善しておかなくては、承継を拒まれてしまうこともあるでしょう。

ですから、段階を追って『事業承継計画』として戦略と進め方を考えていくべきです。

また、事業承継の計画ができれば進めていけるというわけでもありません。承継には税務や法務、必要な手続きなど多くの知識を必要とします。ですから、1つずつ確認して進めていく必要があるのです。

ですから、M&A仲介会社などの専門家に相談して進めていくのがおすすめです。

※事業承継計画については以下の記事で詳しく解説していますので、こちらも参考にしてみてください。

【関連】事業承継の計画はどう作る?作成前の準備やタイミングも解説

7. 事業承継の方法についてはM&A総合研究所へご相談ください

事業承継の方法についてお悩みでしたら『M&A総合研究所』へご相談ください。

方法を考えるときには、会社の現状についての洗い出しから経営課題の改善策の検討、承継の手法選択など動き出すまでにさまざまなことを決めなければなりません。中には専門知識を必要とするものや、第三者目線での意見が必要なもの、現在の市場から的確に会社を見据えるなどの必要性も出てくるでしょう。

事業承継の計画を決めて、方法を明確にするためには専門家の知識が必要となるはずです。

M&A総合研究所では、会計士などを含めて事業承継に詳しい専門家が的確にアドバイス・サポートをすることで方法の決定をお手伝いいたします。もちろん、方法だけではなく実際に事業承継に動き出すときにもお手伝いが可能です。

相談料は無料となっておりますので、疑問点や不安なことなどがありましたらお気軽にお声掛けください。

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8. まとめ

事業承継の方法は複数ありますが、それぞれにメリットとデメリットがあるため会社の状況に合うものを選ぶのがベストです。

事業承継を行う際には税金の支払いも必要となるので、方法別に税金を算出してから事業承継計画を策定すると良いでしょう。

承継方法の決め方や計画づくりに関しては、事業承継の専門家であるM&A仲介会社に相談するのがおすすめです。

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