事業承継で廃業を防ぐ!4つの承継先を徹底解説!

近年では、廃業を回避するために事業承継を積極的に活用する中小企業が増えています。その理由には、廃業よりも事業承継のほうがメリットが多いこと、事業承継自体のイメージが改善されてきたことなどが挙げられます。本記事では、廃業を回避するための事業承継方法を解説します。


目次

  1. 事業承継と廃業
  2. 事業承継で廃業を防ぐ!4つの承継先
  3. 廃業より事業承継・M&Aがおすすめ
  4. 事業承継・M&Aの相談におすすめの仲介会社
  5. まとめ

1. 事業承継と廃業

事業承継と廃業

廃業数は近年減少傾向にありましたが、2019年には増加に転じ、2020年は新型コロナウイルスの影響で廃業がさらに増える可能性が指摘されています。

また、2025年までに廃業の危機を迎える企業数は127万社に及ぶとの試算もあり、今後は廃業数がさらに増えていく可能性があります。

国や地方自治体は廃業を防ぐために事業承継を推進しており、さまざまな施策を行っています。

本記事では、廃業を防ぐための4つの事業承継先について解説しますが、まずは事業承継や廃業の現状をみていきます。

事業承継とは

事業承継とは、後継者へ経営(人)・資産・知的資産を引き継ぐことを指します。また、経営者の想いや経営理念などを引き継ぐことも重要です。

しかし、これらすべてを滞りなく承継するには、計画的に準備を行う必要があります。事業承継の必要性や準備の大切さを理解しておかなければ、廃業を余儀なくされる可能性もあります。

事業承継の必要性

中小企業庁によると、2025年までに事業承継を実行しなければ、廃業の危機を迎える事業者の数は127万社を超え、日本の企業数の3分の1に及ぶと試算されています。

廃業や倒産によって会社がなくなれば、従業員や取引先・顧客だけでなく、地域経済や地域生活にも影響を及ぼす場合があります。

廃業を防ぐために事業承継準備の必要性を感じている経営者も多くいますが、実際には事業承継の準備になかなかとりかかれていないのが現実です。

事業承継は準備が大切

事業承継は、早い段階から準備を始めることが大切です。早い段階から準備を始めることで、最適なタイミングで事業承継を実行に移すことができ、廃業を防ぐことができます。

また、事業承継ではさまざまなトラブルが起きることもあるので、あらかじめ対策を打っておくことも必要になります。

さらに、事業承継を行う際は後継者を経営者として育成する期間や、現経営者や後継者、関係者が心の準備をする期間も必要です。

しかし、実際には、準備が十分でなかったり、まだ事業承継の準備にとりかかれていない事業者が多く存在し、結果的に廃業に至ってしまうケースも少なくありません。

事業承継には5年から10年の準備期間が必要とされています。現経営者が元気なうちにできることから始めておくことで、事業承継を成功させ廃業を防ぐことができます。

廃業とは

廃業とは事業を畳むことを指し、帝国データバンクの調査によると、中小企業の廃業数は2012年から2018年までは減少し続けてきました。2019年には微増したものの、全体として廃業数は減少傾向にありました。

しかし、新型コロナウイルスや自然災害の頻発で廃業の増加が懸念されています。ここでは、廃業件数の増加理由や経営者が廃業を選ぶ理由について解説します。

廃業件数が増加している

東京商工リサーチによると、2019年の廃業件数は43,348件となっています。新型コロナウイルスや自然災害の影響で、業績が悪化する前に廃業するケースが増加しつつあります。

また、経営者の高齢化により、2025年までに廃業の危機を迎える企業は127万社に及ぶという試算もあります。

何も手を打たなければ廃業件数はさらに増加していくこととなりかねないため、国では企業の廃業を防ぐために、さまざまな事業承継支援策を打ち出しています。

廃業危機にある企業数に対して、事業承継支援策の成果はまだごく一部の企業にしか出ていませんが、廃業を防ぐための事業承継支援制度は年々手厚くなってきています。

廃業が選ばれる理由

経営者の高齢化は深刻になってきており、2025年までに70代に突入する経営者は245万人に及ぶという試算もありますが、そのうちの約半数は後継者が決まっていないのが現状です。

廃業によって雇用が失われると地域の衰退にもつながるため、廃業ではなく事業承継を選んでもらう必要があります。

しかし、多くの経営者は廃業を防ぐために事業承継が重要であると認識していながらも、最終的に廃業を選ぶケースも少なくありません。

事業承継の重要性を認識していながらも廃業に至る主な理由として、事業承継の準備に取り組むのが遅い点が挙げられます。

事業承継の準備をしなければならないと思っていながらも、何からスタートすればよいのかわからないという経営者が多くみられます。

また、日々の仕事に追われているうちに事業承継の準備ができないまま年月が過ぎ、廃業せざるを得なくなるケースも少なくありません。

【関連】事業承継の件数が過去最多!急増の理由や課題、相談先を解説!

2. 事業承継で廃業を防ぐ!4つの承継先

事業承継で廃業を防ぐ!4つの承継先

廃業ではなく事業承継を選択した場合、その承継先には大まかに以下の4つがあります。この章では、それぞれのメリットやデメリット、手続き方法について解説します。

【事業承継による承継先】

  1. 親族内事業承継
  2. 親族外事業承継
  3. M&Aによる事業承継
  4. 上場

【承継先ごとのメリット・デメリット】
  メリット デメリット
親族内事業承継 従業員や親族からの不満が出にくい
経営者が後継者の人となりをよく知っている
相続トラブルによって事業に支障が出る可能性がある
選べる後継者が限られる
親族外事業承継 後継者が自社をよく把握している
経営者が後継者の能力を把握している
経営者としての資質があるとは限らない
譲渡資金確保の問題
M&Aによる事業承継 幅広い候補から選べる
オーナー経営者は譲渡益が得られる
相手が見つからない可能性がある
交渉がうまくいかない可能性がある
上場 短期間で多額の資金調達ができる
対外的な信用力が増す
株価・株主に振り回される
制限が多くなる

1.親族内事業承継

事業承継といえば親族内事業承継といえるほど、以前までは親族内事業承継が高い割合で行われていました。

しかし、近年は少子化の影響などにより、親族内事業承継が行われる割合は減ってきています。まずは、親族内事業承継のメリット・デメリットと手続き方法を紹介します。

対象者

後継者の対象となるのは、経営者の子どもや兄弟親戚など、親族が該当します。

メリット

親族内事業承継のメリットは、従業員や親族からの不満が出にくいことです。ほかの親族や従業員も後継者となるであろう人物を早い時期から認識しているケースも多いため、実際に事業承継を発表しても納得を得やすい点がメリットです。

また、親族であれば現経営者が後継者の人となりをよく知っていることもメリットであり、後継者の性格がよくわかっていれば、事業承継のための後継者教育もしやすくなります。

デメリット 

親族内事業承継の場合、相続で親族間のトラブルが起きる可能性があります。経営者があらかじめ対策をしておかなければ、泥沼化するケースもあります。

また、後継者に経営者としての資質があるとは限りません。親族のなかから経営者の資質がある人物を後継者に選ぶとしても、選べる人物はある程度限られているのもデメリットといえるでしょう。

さらに、経営者と後継者の関係が近いので、現経営者が経営から退いた後もいろいろと後継者のやり方に口出しをしてしまい関係性がこじれるケースもみられます。

事業承継の際にはあらかじめ経営者の想いや価値観をしっかりと伝えつつ、後継者の価値観も尊重することが重要です。

手続き

親族内事業承継の手続き一般的には以下の流れで行われます。いずれの手続きもそれなりの時間を要する工程となるので、早めに準備に取り掛かる必要があります。

【親族内事業承継の手続きの流れ】

  1. 後継者の選定
  2. 資産分配・経営権の分散対策
  3. 専門家への相談
  4. 税金対策
  5. 関係者への公表
  6. 後継者教育
  7. 段階的な権限移譲

2.親族外事業承継

親族内事業承継が減っている一方で、増加傾向にあるのが親族外事業承継です。ここでは、親族外事業承継のメリット・デメリットや手続き方法について解説します。

対象者

対象者は経営者の親族以外となり、主な後継者は自社の役員や従業員などです。

メリット

親族外事業承継のメリットは、後継者がすでに会社のことをよく知っていることです。会社の実務面から理念、企業文化まで身につけていることが強みです。

また、現経営者が後継者の実務能力を知っていることもメリットであり、何が得意で何が苦手かわかるので、フォローもしやすくなります。

デメリット

親族外事業承継のデメリットとして、後継者が経営者に向いていない場合があることです。社員としての実務能力は高くても、リーダーとしての素質がなかったというケースは少なくありません。

また、後継者が経営者としての覚悟ができていないまま、事業を引き継いでしまう場合もあります。いくら事前に経営者の厳しさを伝えても、実際にやってみなければわからない部分は多々あるため、実際に経営者になってから心が折れてしまうケースもあります。

そのほかのデメリットとして、事業承継資金の負担が大きいことが挙げられます。個人が事業を受け継ぐための資金を準備するのは簡単なことではありません。

そのため、お金の問題で事業承継を諦めざるを得ず、廃業するケースもあります。スムーズな事業承継を実現するためにも、現経営者は事業承継の資金調達に関するさまざまな制度を活用し、後継者をフォローする必要があります。

手続き

親族外事業承継の手続きは一般的に以下の通り進められます。特に、教育の面では社員としての実務能力は高くても経営者としての能力や覚悟が十分ではない場合があるので、時間をかけて計画的に育成しなければなりません。

また、資金調達についても、早めに金融機関と相談したり各種制度を活用したりするなど、準備が必要です。

【親族外事業承継の手続きの流れ】

  1. 後継者の選定
  2. 専門家への相談
  3. 関係者への公表
  4. 後継者教育
  5. 段階的な権限移譲
  6. 承継資金対策

3.M&Aによる事業承継

近年、急速に増えているのがM&Aによる事業承継です。親族内事業承継の減少による廃業を防ぐため、国や地方自治体は、地域の各専門家と連携しながらM&Aによる事業承継を推進しています。

続いては、M&Aによる事業承継のメリット・デメリットや、手続き方法について解説します。

対象者

他社(第三者)が対象となり、M&A仲介会社などの専門家を介してマッチングするのが一般的です。

メリット

M&Aによる事業承継のメリットは、幅広い候補者から後継者を選べることです。親族内事業承継や親族外事業承継の場合は候補者がある程度限られますが、M&Aによる事業承継の場合は全国から選ぶことが可能です。

また、M&Aによる事業承継の場合、経営者になるための教育が必要ないこともメリットです。後継者が経営者であれば経営者教育が必要ないので、事業承継の準備期間が大幅に短縮できます。

M&Aを利用すれば、相続や資金調達の心配をする必要もありません。親族内事業承継や親族外事業承継の場合、相続や資金調達、税金対策が壁となって結果的に廃業を選択するケースもみられますが、M&Aによる事業承継であればその課題はクリアできます。

さらに、現経営者は事業承継によって譲渡益を獲得することができます。引退後も何かとお金が必要になりますが、M&Aによる事業承継で譲渡資金が得られれば安心して引退生活が送ることができます。

デメリット

M&Aによる事業承継のデメリットは、承継相手がみつからない可能性があることです。M&Aによって相手を探す際は、多くの場合専門家に依頼したりマッチングサイトを利用したりします。

しかし、依頼した専門家や依頼したタイミングによっては相手が見みつからなかったり、交渉がうまく進まない可能性もあります。

また、交渉内容によっては不利な条件で成立する可能性もあります。親族内事業承継や親族外事業承継は主に現経営者主導で進むことが多いですが、M&Aによる事業承継は売り手と買い手両者の交渉内容と関係構築が重要です。

手続き

M&Aによる事業承継は一般的に以下の流れで進められます。M&Aによる事業承継は相手選びが重要であり、自社に合った専門家を選ぶことが事業承継の成否を左右します。

【M&Aによる事業承継の流れ】

  1. 専門家に相談
  2. 自社の企業価値評価
  3. 相手選定
  4. 交渉
  5. 基本合意書締結
  6. デューデリジェンス
  7. 最終契約書締結
  8. クロージング

4.上場

現在は、M&Aによるイグジットを目標にするベンチャー企業が増えていますが、以前までベンチャー企業のゴールといえば上場という価値観が主流でした。最後に、上場によるイグジットのメリット・デメリットと手続き方法について解説します。

対象者

株主が対象、上場すれば株式は一般公開され、自由に売買できるようになります。

メリット

上場のメリットは、短期間で多額の資金が調達できることです。上場前には資金不足で挑戦できなかった事業にも取り組むことができるようになります。

また、上場することで対外的な信用力が増すこともメリットです。上場前よりも営業がしやすくなり、売上の増加が期待できます。

デメリット

上場のデメリットは、株主の利益を優先しなければならないことです。株価が大きく下がった場合は、株主へ合理的な説明が必要です。

多額の先行投資によって大きな負債を抱える場合など、大きな経営判断の際は株主の意向も尊重しなければなりません。

また、上場前よりも厳しいコンプライアンスを守らなければならなくなります。ベンチャー時代は勢いで進めていたことも、上場と同時にできなくなることも多くあります。

株価の上下に振り回され、中長期的な事業投資がしにくいことを大きなデメリットと感じ、上場を目指さない企業や上場しても上場を廃止する企業が増えてきました。

手続き

上場手続きは一般的に以下の流れで進められます。上場審査を待つ間は新たな事業投資ができないなど、さまざまな制限があります。審査の間に問題点が発覚したりトラブルが起きたりと、上場手続は負担も伴います。

【上場手続きの流れ】

  1. 会計監査事務所を選ぶ
  2. 主幹事証券会社を選ぶ
  3. 大株主からの賛同を得る
  4. 証券会社による引受審査
  5. 証券取引所による上場審査

【関連】事業承継問題は日本の課題?2025年問題とは?

3. 廃業より事業承継・M&Aがおすすめ

廃業より事業承継・M&Aがおすすめ

廃業を検討している経営者のなかには、事業承継はトラブルが起こる可能性があったり、手続きや相手探しが面倒だから廃業を選ぶというケースもみられます。

実際に、準備不足による事業承継のトラブルは数多く報告されていますが、事業承継・M&Aで発生するトラブルのほとんどは、事前に綿密な対策を行うことで回避できるものばかりです。

また、廃業ではなく事業承継・M&Aを選択すれば、多くの大事なものを失わずに済む可能性が高く、経営者自身も譲渡益が得られるメリットもあります。

廃業を選択する前に、まずはM&A仲介会社などの専門家に相談してみることをおすすめします。多くの仲介会社は無料相談を行っているので、利用してみるのもよい方法でしょう。

【関連】事業承継の相談先はM&A仲介会社?弁護士?相談相手や相談方法を解説!

4. 事業承継・M&Aの相談におすすめの仲介会社

事業承継・M&Aの相談におすすめの仲介会社

廃業を防ぐには事業承継・M&Aが有効です。しかし、M&Aによる事業承継を成功させるには専門家によるサポートが欠かせません。

M&A総合研究所では、案件ごとに経験豊富なアドバイザー・M&A専門の会計士・弁護士が就き、ご相談からご成約までしっかりサポートいたします。

さらに、AI技術を活用した高精度のマッチングにより、短期間でのスピード成約と希望価格以上での会社売却が実現可能です。

料金体系は、M&A総合研究所では事業承継が完了するまで手数料が発生しない、完全成功報酬制を採用していますので、初期費用のご心配も不要です。

無料相談は随時お受けしております。オンライン無料相談も実施しておりますので、事業承継でお悩みの際はM&A総合研究所までお気軽にご連絡ください。

M&A・事業承継ならM&A総合研究所
電話で無料相談
03-6455-5875
WEBで無料相談
M&Aのプロに相談する

5. まとめ

まとめ

2025年までに廃業の危機を迎える企業数は127万社に及ぶとの試算もあり、今後廃業数は増えていく可能性があります。

そのため、国や地方自治体は廃業を防ぐために事業承継を推進し、さまざまな施策を行っています。すぐに事業承継を行う必要がなくても、将来に備えてできるだけ早めに準備しておくことが必要といえるでしょう。

【事業承継による承継先】

  1. 親族内事業承継
  2. 親族外事業承継
  3. M&Aによる事業承継
  4. 上場

【承継先ごとのメリット・デメリット】
  メリット デメリット
親族内事業承継 従業員や親族からの不満が出にくい
経営者が後継者の人となりをよく知っている
相続トラブルによって事業に支障が出る可能性がある
選べる後継者が限られる
親族外事業承継 後継者が自社をよく把握している
経営者が後継者の能力を把握している
経営者としての資質があるとは限らない
譲渡資金確保の問題
M&Aによる事業承継 幅広い候補から選べる
オーナー経営者は譲渡益が得られる
相手が見つからない可能性がある
交渉がうまくいかない可能性がある
上場 短期間で多額の資金調達ができる
対外的な信用力が増す
株価・株主に振り回される
制限が多くなる

関連する記事

人気の記事

人気の記事ランキング

新着一覧

最近公開された記事