事業売却とは?流れやスキームわかりやすく解説【事例あり】

事業売却とは、会社が保有する事業を売却することを言います。利便性が高く、様々なメリットを得られることから沢山の事例が見受けられます。本記事では、事業売却とはどのようなメリットが得られる手法なのか、事例と合わせてまとめています。


目次

  1. 事業売却とは
  2. 事業売却の流れを分かりやすく解説
  3. 事業売却のスキームを分かりやすく解説
  4. 事業売却のメリットとデメリット
  5. 事業売却を行った際の相場
  6. 事業売却の事例紹介
  7. 事業売却の仕訳・会計
  8. 事業売却を行う目的・買収する目的
  9. 事業売却を成功に導くポイント
  10. 事業売却におすすめのM&A仲介会社
  11. まとめ

1. 事業売却とは

事業売却とは

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事業売却とは

事業売却とは、事業の全部あるいは一部を売却するM&A手法です。M&A手法ですが、売却対象は事業のため、会社の経営権は手放さない特徴があります。

事業売却の大きなメリットは、売却・買収範囲を自由に決められることです。売り手は不要な事業を清算して事業資金を確保でき、買い手は重要な事業のみを買収して効果的な事業規模の拡大を図ることができます。

株式売却との違い

株式売却とは、売り手側の株式を売却することで会社の経営権を移転する手法です。株式会社は株式の保有率に応じて議決権が与えられるため、買い手側の保有株式が1/2を超えることで経営権を移転できます。

事業売却と株式売却の大きな違いは、売却対象です。株式を売買する株式売却は、資本関係が生じるので経営への干渉が可能になります。株式数に応じて影響力に強弱はありますが、取引後も関係を持ち続けます。

事業を売買する事業売却は、その場限りの取引です。売り手と買い手の間で資本関係が生じる株式売却とは異なり、お互いに経営に干渉することはありません。

2. 事業売却の流れを分かりやすく解説

事業売却の流れを分かりやすく解説

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事業売却では、株式売却とは異なる手続きが必要になります。この章では、事業の売買が完了するまでの手続き・流れを解説します。

【事業売却の流れ】

  1. M&Aの専門家などに事業売却の相談を行う
  2. 事業売却先を選定・打診を行う
  3. 意向表明書を受け取り交渉に入る
  4. 事業売却に関する基本合意書を締結する
  5. 買収側によるデューデリジェンスの実施する
  6. 取締役会にて決議する
  7. 事業売却に関する最終契約書を締結する
  8. クロージングにて事業売却完了
  9. 臨時報告書の提出(※有価証券報告書の提出義務がある場合)
  10. 公正取引委員会への届け出を行う
  11. 株主への通知・公告を行う
  12. 株主総会の特別決議(※全事業・重要な事業の一部を売却する場合)
  13. 名義変更や認可などの各種手続きを行う

①M&Aの専門家などに事業売却の相談を行う

M&Aの専門家とは、M&Aに関する高い専門性をもち、M&A仲介業務を行う機関・企業です。事業売却は必要な手続きが多岐に渡るため、専門家のサポートが欠かせません。

事業売却の際におすすめの相談先はM&A仲介会社です。M&A仲介業務に特化しているので、複雑な事業売却に関しても安定したサポートを期待できます。

②事業売却先を選定・打診を行う

事業売却の相談先が決まったら、相談先が保有するネットワークを活用して広範囲から事業売却先を選定します。

選定では、条件の合いそうな売却先を複数ピックアップします。現段階はノンネーム(匿名希望)で、複数社にそれぞれ打診します。

事業の譲り受けに対して前向きな姿勢を見せる売却先が現れたら、ネームクリアして詳細な資料を提供します。

③意向表明書を受け取り交渉に入る

意向表明書とは、事業の譲り受けの意向を示すための書面です。買い手側の意思を書面として残すことで今後の進行を円滑にする目的があります。

ここまでは複数の売却先候補との交渉を並行していましたが、意向表明書の提出移行は相手を絞って交渉することになります。

④事業売却に関する基本合意書を締結する

基本合意書とは、現段階の交渉内容に双方が合意していることを示す契約書です。契約書ですが法的効力はなく、これまでの交渉内容の整理と今後のスケジュール確認の意味合いが強くなっています。

ただし、独占交渉権や秘密保持のような一部の条項においては、法的な効力を持たせることが一般的です。法的効力を巡ったトラブルは起こりがちなので、締結時は慎重な確認が求められます。

⑤買収側によるデューデリジェンスの実施する

デューデリジェンスとは、売却する事業の価値・リスクを調査する活動です。事業売却は取引範囲が限定されるため、会社そのものを売買する株式売却とは必要な調査量が少なくなります。

具体的な範囲には、買収事業に関する資産・従業員・許認可などが対象となります。許認可とは、特定事業を行うために行政機関から取得する許可のことで、事業売却においては引き継ぎされないことが多いので焦点になりがちです。

【関連】M&Aでのデューデリジェンス(DD)の手続き方法!DD項目別に注意点も解説!

⑥取締役会にて決議する

取締役会とは、株式会社における意思決定機関です。事業売却のように重要な取引を行う際は、取締役会の決議が必要になります。

取締役会を設置していない会社では、2名以上の取締役がいる場合、取締役の過半数を持って承認とすることができます。

⑦事業売却に関する最終契約書を締結する

最終契約書とは、事業売却の最終的な交渉内容を記載した契約書です。双方のサインをもって契約書の効力が発生して、事業売却の交渉が成立します。

デューデリジェンスの内容が反映されているので全ての条項において法的な効力を持ちます。

不当な契約破棄や契約内容に反する行為は損害賠償のリスクがあるので、各条項について慎重に確認しておくことが大切です。

⑧クロージングにて事業売却完了

クロージングとは、売り手の事業引き渡しと買い手の取得対価の支払いを行う場です。交渉自体は最終契約書の締結で完了していますが、引き渡し準備を行うために一定の期間を空けてから実施します。

特に、事業売却では権利義務に関する個別の手続きが必要になります。包括承継の株式売却とは必要な手続きが異なるので、余裕をもった期間を設定することが多いです。

⑨臨時報告書の提出(※有価証券報告書の提出義務がある場合)

臨時報告書とは、企業内容に関する外部への開示資料です。金融商品取引法で規定されている事項が発生した際に提出義務が生じます。

事業売却において、以下の条件を満たす見込みがある場合は、内閣総理大臣に臨時報告書を提出しなくてはなりません。

【有価証券報告書の提出義務】

  • 事業譲渡・譲受によって、譲渡会社の純資産額が30%以上増減する場合
  • 事業譲渡・譲受によって、譲渡会社の売上高が10%以上増減する場合

⑩公正取引委員会への届け出を行う

公正取引委員会とは、公正な競争環境を維持して国民経済の健全な発達を目的とする日本の行政機関です。

事業売却によって譲り受ける事業の規模が一定以上の場合は、買い手側は事前に公正取引委員会へ届出する必要があります。

⑪株主への通知・公告を行う

事業売却の手続きを開始したら、事業売却の効力が発生する20日前までに株式への通知・公告を行います。

事業売却で会社に与えるリスクを嫌う反対株主が現れることが想定されるため、株式買取請求の機会を確保するために必要な処置です。

⑫株主総会の特別決議(※全事業・重要な事業の一部を売却する場合)

事業売却で全事業・重要な事業の一部を譲渡・譲受する場合、株式総会の特別決議による承認が必要になります。

【譲渡会社】

  • 全ての事業を譲渡する場合
  • 重要な事業の一部を譲渡する場合

【譲受会社】
  • 譲渡会社の全ての事業を譲受する場合

⑬名義変更や認可などの各種手続きを行う

事業のほかにも、さまざまな資産を譲渡することがあります。土地や建物などの不動産が含まれる場合、名義変更のために登記手続きが必要です。

また、許認可に関係する手続きも必要です。包括承継の株式売却とは違って、事業売却は引き継ぎもしくは再取得が必要な許認可が多いです。事業によって手続きの内容も変わるので事前確認が大切です。

3. 事業売却のスキームを分かりやすく解説

事業売却のスキームを分かりやすく解説

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スキームとは、手法・形態などを意味する言葉です。M&Aにおいては引き継ぎ方法を指し、M&Aの手法・形態などの意味合いで使われています。

M&Aのスキームは沢山ありますが、事業売却とは一体どのような効果を持つスキームなのでしょうか。この章では、事業売却スキームが持つ効果と活用される案件を紹介します。

事業売却スキーム

事業売却とは、会社が保有する事業を売却するスキームです。事業とは、営利を目的とした経済活動のことです。事業に関連する資産のほか、従業員・顧客・技術などの無形資産も含まれます。

ただし、事業に関連する権利義務関係については、当事者間の個別契約が必要になります。従業員や顧客の引き継ぎに関しては、個別に同意を得なければならない点に注意が必要です。

事業売却が行われる案件

事業売却が行われる案件は、会社の事業整理を目的としたものが挙げられます。事業売却は売却範囲を自由に決められるので、通常の売買取引と同感覚で事業整理を行うことができます。

事業売却は「会社の経営権は手放したくないが不要な事業は切り離したい」というようなケースに活用できるスキームです。

【関連】事業売却とはどんな意味?メリットや成功のポイント、従業員への対応などを紹介

4. 事業売却のメリットとデメリット

事業売却のメリットとデメリット

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事業売却には多くのメリットがありますが、当然のことながらいくつかのデメリットも存在しています。

メリットだけに気を取られていると思わぬ落とし穴にはまってしまうこともあるので、メリット・デメリットの両方を把握しておくことが大切です。

事業売却のメリット

事業売却の最大のメリットは売却範囲を選択できることにありますが、そのほかにも沢山のメリットがあります。特に大きな効果を得られるメリットには、以下の5つが挙げられます。

【事業売却のメリット】

  1. 売却による利益を得ることが出来る
  2. 後継者問題の解決ができる
  3. 従業員を会社に残すことが出来る
  4. 採算の取れない事業を切り離すことが出来る
  5. 債権者に対して通知・公告義務がない

①売却による利益を得ることが出来る

事業売却のメリット1つ目は、売却益の獲得です。事業売却では、事業価値に応じた売却益を会社が獲得します。

会社の事業資金として活用することができるので、今後の展開を考えている事業に投資することで効果的に事業規模を拡大させることができます。

②後継者問題の解決ができる

事業売却のメリット2つ目は、後継者問題の解決です。後継者問題とは、後継者がいないことで会社・事業の経営を引き継ぐことができない問題です。

事業売却は個人事業主も扱える手法なので、後継者問題で廃業危機に陥っている個人事業主が事業を存続させる方法として活用することができます。

③従業員を会社に残すことが出来る

事業売却のメリット3つ目は、従業員を会社に残せることです。転籍する従業員と、社内に残る従業員を自由に選択することができます。

事業とともに全ての従業員が転籍するわけではないので、事業売却後に従業員不足が原因で経営が不安定になることはありません。

④採算の取れない事業を切り離すことが出来る

事業売却のメリット4つ目は、不採算事業の切り離しができることです。会社にとって、不要な事業の切り出しは負担軽減に繋がります。

会社の財務状況の健全化を図りつつ存続事業にリソースを集中させられるので、経営戦略の一環として幅広く活用することができます。

⑤債権者に対して通知・公告義務がない

事業売却のメリット5つ目は、債権者保護手続が不要なことです。債権者保護手続とは、会社に与えられる変化によって債権者に損失を与えることが想定される場合に、通知・公告が義務付けられる定めです。

事業売却は債権者保護手続が定められていないので、債権者への通知や同意を得なくても実施することができます。

【関連】事業譲渡とは?事業譲渡のメリットと成功のポイント

事業売却のデメリット

事業売却で得られるメリットを最大化させるためには、デメリットについても認識しておく必要があります。事業売却のデメリットは主に以下の4つがあります。

【事業売却のデメリット】

  1. 一部の事業売却の際には株主総会の特別決議が必要
  2. 事業を売却しても負債が手元に残る
  3. 売却益に対して税金がかかる
  4. 競業避止義務が発生する

①一部の事業売却の際には株主総会の特別決議が必要

事業売却のデメリット1つ目は、株主総会の特別決議が必要になる場合があることです。全事業あるいは重要な事業を売却する場合は、株式総会の特別決議の承認が必要になります。

株主の招集通知の発送やスケジュールの調整など、さまざまな手続きを行わなければならないので、時間がかかってしまいます。

②事業を売却しても負債が手元に残る

事業売却のデメリット2つ目は、事業売却しても負債は残ることです。事業売却は包括承継ではないので、個別に契約を交わさない限り債務は引き継がれません。

したがって、不採算事業を売却したとしても、既に負債として確定している部分は引き継ぎしない点に注意が必要です。

③売却益に対して税金がかかる

事業売却のデメリット3つ目は、売却益に対して税金がかかることです。事業売却で売却益が発生する場合、売り手に法人税(30~40%前後)が課税されます。

他の手法と比較すると税率が高めの設定になっているので、売却益を活用した事業計画を検討の際は、税引き後の価格を考慮しておく必要があります。

④競業避止義務が発生する

事業売却のデメリット4つ目は、競業避止義務の発生することです。競業避止義務とは、事業売却後に再度似通った事業を開始するなどの競業行為によって買い手に損失を与えることを防ぐための制度です。

競業避止義務が課せられる期間は、売り手と買い手の交渉で決定します。該当の期間中は再度同じ事業を手掛けることはできないデメリットがあります。

5. 事業売却を行った際の相場

事業売却を行った際の相場

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事業売却の取引価格は、企業価値評価と呼ばれる計算方法を用いて算出します。企業価値評価とは、会社・事業の価値を算出する計算方法のことです。

企業価値評価の算出方法にはさまざまなものがありますが、事業価値の算出で利用されることが多いのは「時価純資産法を用いた価格に営業権を加味する方法です。

時価純資産法とは

時価純資産法とは、時価評価した資産から負債を差し引いた純資産額を事業価値とする方法です。事業に関する資産が1億円、負債が2000万円であれば、単純に8000万円の事業価値となります。

非常に単純な計算方法ですが、これでは資産・負債に計上されていない無形資産を考慮することができないため、営業権を含めて算出します。

営業権とは

営業権とは、知的財産・技術・ブランドなどの無形資産のことです。資産として計上されていませんが、事業価値として確かに存在するものなので、事業売却の際は営業権も考慮して事業価値を算出します。

こうして算出された価格が事業売却の相場となり、売り手と買い手の交渉を経て最終的な取引価格を決定します。

【関連】M&Aによる企業価値評価の算定方法を種類別に徹底解説!

6. 事業売却の事例紹介

事業売却の事例紹介

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事業売却は幅広く活用されているので事例も沢山見受けられます。この章では、近年の事業売却事例を10選紹介します。

【事業売却の事例】

  1. 西華産業による三菱重工エンジンシステムの事業譲受事例
  2. 東京一番フーズによる豊田の事業譲受事例
  3. 東洋ドライルーブによる萬松の事業譲受事例
  4. サイブリッジグループによるリアルワールドの事業譲受事例
  5. 大塚家具によるサァラ麻布の事業譲受事例
  6. みらかHDによる新潟縣健康管理協会の事業譲受事例
  7. ツクイによるアサヒサンクリーンの事業譲受事例
  8. ケアサービスによるクレアバーグの事業譲受事例
  9. ブシロードによるスターダムの事業譲受事例
  10. イードによるEmooveの事業譲受事例

1.西華産業による三菱重工エンジンシステムの事業譲受事例

西華産業による三菱重工エンジンシステムの事業譲受事例

出典: http://www.seika.com/

2020年6月、西華産業は三菱重工エンジンシステムの船舶用エンジン販売事業を譲受することを公表しました。売却価額は非公表です。

今回譲り受けた船舶用エンジン販売について、西華産業の販売ノウハウを活用した顧客獲得によりサービス拡大を図るとしています。

2.東京一番フーズによる豊田の事業譲受事例

東京一番フーズによる豊田の事業譲受事例

出典: https://www.tokyo-ichiban-foods.co.jp/

2020年6月、東京一番フーズは豊田の寿司店舗運営事業を譲受することを公表しました。売却価額は非公表です。

豊田は寿司店舗チェーン「寿し常」を主力に飲食店事業を展開しています。東京一番フーズは、水産物に強みを持つ同事業を取得することで、自社グループの水産SCM力を高めることを目的としています。

3.東洋ドライルーブによる萬松の事業譲受事例

東洋ドライルーブによる萬松の事業譲受事例

出典: https://www.drilube.co.jp/

2020年6月、東洋ドライルーブは萬松の九州事業所を譲受することを公表しました。売却価額は非公表です。

萬松の九州事業所は自動車部品やプラスチック部品の塗装コーティングを行っています。今回の譲受の目的は、東洋ドライルーブの自動車機器製造・販売事業との事業シナジー創出を目的としてます。

4.サイブリッジグループによるリアルワールドの事業譲受事例

サイブリッジグループによるリアルワールドの事業譲受事例

出典: https://www.cybridge.jp/

2020年2月、サイブリッジグループはリアルワールドの子会社リアルXより事業譲受することを公表しました。売却価額は非公表です。

今回の事業売却の対象になった事業はポイントサービス「Gendama」です。サイブリッジグループのインターネットビジネスで培った経営ノウハウを投下することで事業の成長を図るとしています。

5.大塚家具によるサァラ麻布の事業譲受事例

大塚家具によるサァラ麻布の事業譲受事例

出典: https://www.idc-otsuka.jp/

2020年2月、大塚家具はサァラ麻布より家具販売事業を譲受することを公表しました。売却価額は非公表です。

サァラ麻布は高級輸入家具の専門店として創業以来、多くの顧客を獲得しています。同じく高級家具を扱う大塚家具は、今回譲り受けた事業に大塚家具のブランドを活かす形でさらなる顧客の獲得を目指します。

6.みらかHDによる新潟縣健康管理協会の事業譲受事例

みらかHDによる新潟縣健康管理協会の事業譲受事例

出典: https://www.miraca.com/

2020年1月、みらかホールディングスは一般社団法人新潟縣健康管理協会の受託臨床検査事業を譲受することを公表しました。売却価額は非公表です。

みらかホールディングスは、グループ独自のICTを活用した連携ツールを保有しており、今回譲受した受託臨床検査事業に活用することで、顧客基盤の拡大を図ります。

7.ツクイによるアサヒサンクリーンの事業譲受事例

ツクイによるアサヒサンクリーンの事業譲受事例

出典: https://www.tsukui.net/

2019年12月、ツクイはアサヒサンクリーンの訪問介護事業を譲受することを公表しました。売却価額は非公表です。

アサヒサンクリーンは静岡を拠点に訪問介護事業や通所事業などを手掛けています。今後ツクイは、自社が手掛ける在宅事業の拡大や、静岡地域における訪問介護事業の発展に注力するとしています。

8.ケアサービスによるクレアバーグの事業譲受事例

ケアサービスによるクレアバーグの事業譲受事例

出典: https://www.care.co.jp/

2019年12月、ケアサービスはクレアバーグの訪問看護事業を譲受することを公表しました。売却価額は非公表です。

クレアバーグはデイサービス・訪問介護を取得とする介護事業者です。ケアサービスは自社の手掛ける在宅介護サービスとの高い事業シナジーを見出したことで、今回の事業譲受へと至りました。

9.ブシロードによるスターダムの事業譲受事例

ブシロードによるスターダムの事業譲受事例

出典: https://bushiroad.com/

2019年10月、ブシロードの子会社キックスロードはスターダムの女子プロレス事業を譲受することを公表しました。売却価額は非公表です。

スターダムは2011年に旗揚げした女子プロレス団体です。ブシロードは自社グループが保有する経営ノウハウを共有することで、同事業のさらなる発展を図るとしています。

10.イードによるEmooveの事業譲受事例

イードによるEmooveの事業譲受事例

出典: https://www.iid.co.jp/

2019年10月、イードはEmooveの観光メディア事業「SeeingJapan」を譲受することを公表しました。売却価額は非公表です。

SeeingJapanは訪日観光客に対象に全5ヶ国語で観光情報を発信するメディアです。イードは自社が培ってきたノウハウを同事業に投下することで、事業の成長と地域観光に貢献するとしています。

7. 事業売却の仕訳・会計

事業売却の仕訳・会計

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仕訳とは、取引を「借方」と「貸方」に分類して帳簿に記録することです。事業売却で発生する取引についても仕訳を行う必要があります。

事業売却においては資産を時価評価することが一般的ですが、仕訳においては簿価計上することが定められています。

そのため、発生する差額を事業譲渡益として貸方に計上する処理が必要です。例えば、簿価総額300万円の資産を400万円で売却した場合、仕訳は以下のようになります。
 

借方 貸方
現金預金 400万円 土地 150万円
    建物 100万円
    設備 50万円
    事業譲渡益 100万円

8. 事業売却を行う目的・買収する目的

事業売却を行う目的・買収する目的

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事業売却は成約まで時間のかかる手法ですが、それだけの時間をかけて行う理由はどのようなものなのでしょうか。この章では、事業売却の目的を、売却側と買収側のそれぞれの視点から解説します。

事業を売却する目的

事業売却は、得られるメリットによってさまざまな活用方法が期待できます。売却側の目的は主に以下のものが挙げられます。

【事業を売却する目的】

  1. 注力事業に資源や人員を投入したい場合
  2. 赤字の事業改善が難しいと感じた場合
  3. 今すぐにでも余裕資金を会社に残したい場合
  4. 後継者問題の解決を願った場合
  5. 法人格を継続したい場合

①注力事業に資源や人員を投入したい場合

事業を売却する1つ目の目的は、注力事業に資源や人員を投入したい場合です。将来性に不安のある事業を清算して、今後の成長が期待できる事業にリソースを集中できます。

会社の規模は一時的に縮小することになりますが、効果的に事業整理ができるので、結果的に企業成長に繋がります。

②赤字の事業改善が難しいと感じた場合

事業を売却する2つ目の目的は、赤字の事業改善が難しいと感じた場合です。改善が難しく赤字が拡大していくことが想定される場合、早期に売却することで被害を抑制できます。

また、赤字事業の場合も売却益を獲得することは可能です。買い手にとって将来性のある事業であれば高い評価を受けることも多々あります。

③今すぐにでも余裕資金を会社に残したい場合

事業を売却する3つ目の目的は、今すぐに余裕資金を確保したい場合です。事業売却は事業の売買なので事業価値に応じた売却益を獲得することができます。

事業売却の売却益は、会社の事業資金としてプールしておくことができます。近い将来の支出に備えて事業資金を用意しておきたい時に有効です。

④後継者問題の解決を願った場合

事業を売却する4つ目の目的は、後継者問題の解決を願った場合です。後継者問題を抱える個人事業主が事業売却を活用することで、事業を存続させることができます。

⑤法人格を継続したい場合

事業を売却する5つ目の目的は、法人格を継続したい場合です。事業売却の売却対象は事業なので会社の経営権に影響がないです。

例え事業の全てを売却した場合でも、法人格が消滅することはありません。会社の名前を残したい時や特定の事業を残して再始動したい時に有効活用できます。

事業を買収する目的

事業売却は、買収側にとっても多くのメリットがあります。買収側がメリットを活用することにより達成できる目的には、主に以下の3つがあります。

【事業を買収する目的】

  1. 欲しい事業・人材・取引先・ノウハウを選別できるため
  2. 負債などは引き継がないため
  3. 節税の効果があるため

①欲しい事業・人材・取引先・ノウハウを選別できるため

事業を買収する1つ目の目的とは、欲しい事業・人材・取引先・ノウハウを選別したい場合です。売り手が売却範囲を選択できるように、買い手も買収範囲を選択することが可能です。

特定事業の規模拡大を図る際に必要な資源だけを獲得することで、費用対効果を最大限にまで高めることができます。

②負債などは引き継がないため

事業を買収する2つ目の目的とは、負債などを引き継ぎたくない場合です。事業売却は包括承継ではないため、負債を自動的に引き継ぐことはありません。

売り手が抱える潜在的リスクを引き継ぐ可能性を極限まで抑えられる手法なので、活用されることが多くなっています。

③節税の効果があるため

事業を買収する3つ目の目的とは、節税効果を得たい場合です。事業売却の譲受にかけた支出額は、その年度の利益と相殺することができます。

通常、法人税について直接的な節税対策はできませんが、利益の抑制という間接的な形であれば、法人税を抑えて大幅な節税効果が期待できます。

9. 事業売却を成功に導くポイント

事業売却を成功に導くポイント

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事業売却を成功させるには、いくつかのポイントを押さえておくことが大切です。ここでは、事業売却を成功に導くポイントを解説します。

【事業売却を成功に導くポイント】

  1. 適切な売却価格を導き出す
  2. 売却する事業を明確に選別する
  3. 交渉中は外部への漏洩を気をつける
  4. 妥協しない
  5. 事業売却・M&Aの専門家に相談する

①適切な売却価格を導き出す

事業売却における売却価格は、経営者にとって関心の高い部分です。少しでも多く売却益を獲得するためには、適切な評価方法を用いて売却価格を導き出すことが求められます。

事業売却の売却価格の算出は、企業価値評価と呼ばれる計算方法を使います。いくつかの評価方法に分かれるので、売却を検討している事業の適切な評価方法を検討することが大切です。

②売却する事業を明確に選別する

売却する事業を明確にしておかないと、事業売却の方向性が定まりません。買い手を見つけにくくなるばかりか、事業売却後の経営戦略にも影響を及ぼしてしまいます。

事業売却のメリットを最大化させるためにも、事業売却の目的を明確にして、売却する事業と残す事業の選別を行うことが大切です。

③交渉中は外部への漏洩を気をつける

事業売却は情報漏洩に注意が必要です。事業売却の情報が中途半端な形で漏洩すると、株式市場を悪戯に煽ってしまうことになります。

また、従業員に動揺を与えてしまうリスクもあります。転籍対象であった従業員が退職すると、交渉条件を達成することができなくなり、進行が滞ってしまう可能性もあります。

④妥協しない

事業売却は売り手と買い手の条件のすり合わせを行いながら交渉を進めていきます。ただ、絶対に譲れない条件については妥協しないことも大切です。

買い手側が提示する条件をのみ続けると、本来の目的が達成できなくなってしまうことがあります。明確にしてある目的を中心にした妥協しない交渉を意識することも求められます。

⑤事業売却・M&Aの専門家に相談する

事業売却で得られるメリットは大きいですが、同時に押さえておくべきポイントも沢山あります。

メリットを確実に活かす形で事業売却を成功させるなら、事業売却・M&Aの専門家のサポートが欠かせないでしょう。

事業売却・M&Aの専門家は様々な機関・企業がありますが、特におすすめの相談先はM&A仲介会社です。

M&Aに関する高い専門性を保有しているので、事業売却の流れについて完全に把握しています。不安に思うことも安心して相談することができる専門家です。

【関連】中小企業におすすめのM&A仲介会社一覧!選び方や手数料率まとめ

10. 事業売却におすすめのM&A仲介会社

事業売却におすすめのM&A仲介会社

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事業売却は、ほかのM&A手法とは全く異なる手続きが必要です。事業売却の規模次第では必要な手続きが増えてしまうデメリットもあるので、事務的な負担も増えてしまいます。

こうした問題をクリアしながら円滑な事業売却を実現させるためには、事業売却・M&Aの専門家であるM&A仲介会社に相談することをおすすめします。

M&A総合研究所は、中堅・中小規模の事業売却・M&Aを得意とするM&A仲介会社です。あらゆるケースにおける事業売却の仲介実績を保有しており、豊富なノウハウを蓄積しています。

サポートに就くメンバーは、アドバイザー・会計士・弁護士の3名です。M&A経験豊富なメンバーが事業売却に必要な手続きを分担して効率的に進行します。

料金体系は完全成功報酬制です。着手金・中間金は発生しないので、事業売却が成約しなかった場合は手数料をお支払いいただくことはありません。

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11. まとめ

まとめ

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事業売却の流れやメリット・デメリットについて見てきました。事業売却は他の手法とは異なる特徴を持っていて、必要な手続きも多岐に渡るものです。

事業売却を実施する際は、メリット・デメリットを押さえた上で適切に進行することが求められます。必要に応じて専門家に相談することも検討すると、事業売却を成功させやすくなるでしょう。

【事業売却まとめ】

  • 事業売却とは事業の全部あるいは一部を売却するM&A手法
  • 株式売却とは売り手側の株式を売却することで会社の経営権を移転するM&A手法

【事業売却の流れ】
  1. M&Aの専門家などに事業売却の相談を行う
  2. 事業売却先を選定・打診を行う
  3. 意向表明書を受け取り交渉に入る
  4. 事業売却に関する基本合意書を締結する
  5. 買収側によるデューデリジェンスの実施する
  6. 取締役会にて決議する
  7. 事業売却に関する最終契約書を締結する
  8. クロージングにて事業売却完了
  9. 臨時報告書の提出(※有価証券報告書の提出義務がある場合)
  10. 公正取引委員会への届け出を行う
  11. 株主への通知・公告を行う
  12. 株主総会の特別決議(※全事業・重要な事業の一部を売却する場合)
  13. 名義変更や認可などの各種手続きを行う

【事業売却のメリット】
  1. 売却による利益を得ることが出来る
  2. 後継者問題の解決ができる
  3. 従業員を会社に残すことが出来る
  4. 採算の取れない事業を切り離すことが出来る
  5. 債権者に対して通知・公告義務がない

【事業売却のデメリット】
  1. 一部の事業売却の際には株主総会の特別決議が必要
  2. 事業を売却しても負債が手元に残る
  3. 売却益に対して税金がかかる
  4. 競業避止義務が発生する

【事業売却を行った際の相場】
  • 事業売却の相場は「時価純資産法+営業権」で算出することが多い
  • 時価純資産法とは時価資産と時価負債の差額を事業価値とする方法
  • 営業権とは知的財産・技術・ブランドなどの無形資産のこと

【事業を売却する目的】
  1. 注力事業に資源や人員を投入したい場合
  2. 赤字の事業改善が難しいと感じた場合
  3. 今すぐにでも余裕資金を会社に残したい場合
  4. 後継者問題の解決を願った場合
  5. 法人格を継続したい場合

【事業を買収する目的】
  1. 欲しい事業・人材・取引先・ノウハウを選別できるため
  2. 負債などは引き継がないため
  3. 節税の効果があるため

【事業売却を成功に導くポイント】
  1. 適切な売却価格を導き出す
  2. 売却する事業を明確に選別する
  3. 交渉中は外部への漏洩を気をつける
  4. 妥協しない
  5. 事業売却・M&Aの専門家に相談する

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