【中小企業】後継者不足の原因は?不在割合は55%で廃業を防ぐ事業承継が急務

現在、中小企業の後継者不足は深刻化しており、東京商工リサーチによると、後継者不足の割合は約55%というデータもあります。本記事では、中小企業が後継者不足に陥っている原因や事業承継の種類、後継者不足解消のための相談先などを紹介します。


目次

  1. 【中小企業】後継者不足の原因は? 
  2. 【中小企業】後継者の不在割合が55.6%だという現実
  3. 【中小企業】後継者不足の中で廃業を防ぐための事業承継 
  4. 【中小企業】後継者不足の中で廃業せずに事業承継をするメリット 
  5. 【中小企業】後継者不足の解決に事業承継する際の相談先
  6. まとめ 

1. 【中小企業】後継者不足の原因は? 

【中小企業】後継者不足の原因は?

現在、中小企業の後継者不足は深刻な状況となっています。本記事では、中小企業が後継者不足を解決するための事業承継について解説していきますが、まずは中小企業における後継者不足の現状について説明します。

中小企業とは

中小企業基本法によって定義されている中小企業とは、資本金の総額または出資の総額と、常時使用する従業員の数が一定以下の企業のことであり、基準となる数字は業種によって変わります。

中小企業庁によると、日本の中小企業数は2016年時点で357.8万件であり、企業全体に占める割合は99.7%となっています。また、東京商工リサーチの調査によると、中小企業の55.6%が後継者不在の状況です。

つまり、180万社以上の中小企業が後継者不足の状態だといえます。後継者不足となっている原因はさまざまですが、主に以下の原因が考えられます。

後継者不足の原因

多くの中小企業が後継者不足に陥っている主な原因には、以下の3つが挙げられます。

【中小企業が後継者不足に陥っている主な原因】
 

  1. 子どもが事業を継ぐ意思がない
  2. 後継ぎの能力不足
  3. 事業の将来性がない

1.子どもが事業を継ぐ意志がない

後継者不足の原因のひとつとして、事業を継ぐ意思がない子どもの増加が挙げられます。親が無理に子供へ継がせようとしなくなったので、子どもも自由に仕事を探すようになりました。

本心では子供に継いで欲しいと思っている経営者も多いようですが、無理強いはしないケースがほとんどです。子どもの自由を尊重する風潮や、子どもの数の減少などが影響しています。

子どもが多い時代は、経営者の子ども(多くは長男)が家業を継ぐことが多かったですが、子どもが少なくなったことから、子どもに継がせることは難しくなっています。

もちろん、子どもの頃から継ぐ意思がある子どもや、1度就職してから実家に帰ってきて家業を継ぐ子どももいますが、その割合は減っているのが現状です。

2.跡継ぎの能力不足

事業承継後、後継者と従業員とのトラブルや、取引先とのトラブルが起きることは少なくありません。

後継者は子どもの頃から後継者教育を受けておらず、そもそも事業を継ぐ気がなかったオーナー経営者の子どもも多くいます。また、親が倒れたり亡くなったりなど、突発的な出来事により決心するケースもみられます。

しかし、いざ後継者となっても急な事業承継で能力を磨いていないため、うまくいかないケースも少なくありません。また、何年も耐えて一人前になっていくケースもありますが、途中で挫折するケースもみられます。

後継者に必要な能力は、実務能力とリーダーとしてのマネジメント能力だけでなく、メンタル面や経営者としての覚悟も求められます。

経営者としての孤独感や事業への飽きがきて、辞めてしまうこともあるでしょう。そうならないよう、後継者教育は時間をかけて行っておくことで、後継者不足を回避できる可能性が高くなります。

3.事業の将来性がない

将来の見通しの難しさも中小企業の後継者不足に影響しています。昨今は社会の変化が速く、事業の将来がどうなるか見通すことが難しい世の中となりました。

現状事業の継続は可能でも、子どもや従業員が今後数十年事業を継続できるかはわかりません。そのような負担を後継者に押し付けるわけにはいかないと考え、廃業を選択するオーナー経営者も少なくありません。

また、後継者側も将来のリスクを考えて、なかなか事業を継ごうという気持ちになれないケースがみられます。

事業に将来性を感じない、将来どうなるかわからない、事業をうまくやっていく自信がないなどの理由で事業承継をしないことも、後継者不足につながっていきます。

【関連】事業承継で廃業を防ぐ!4つの承継先を徹底解説!

2. 【中小企業】後継者の不在割合が55.6%だという現実

【中小企業】後継者の不在割合が55.6%だという現実

前述のように、東京商工リサーチの調査では中小企業の55.6%が後継者不在の状況であることがわかっています。

地域を支えている中小企業が廃業してしまうと地方が崩壊してしまうため、国や地方自治体は各専門家と連携して事業承継の推進を活発に行っています。

事業引継ぎ支援センターが平成30年度に受けた相談件数は全国で11,477社、引き継ぎ件数は923件であり、相談件数と引継ぎ件数はともに年々増加しいています。

しかし、相談件数と引き継ぎ件数は、後継者不足を抱えている中小企業のごく一部でしかありません。

新型コロナウイルスの影響による廃業の増加を止めるため、国や地方自治体はプッシュ型の事業承継支援を行うなど、地域との連携を深めながらさらに支援体制を強化しています。

これからピークを迎える中小企業の後継者不足を、どう食い止めるかが日本の課題といえるでしょう。

3. 【中小企業】後継者不足の中で廃業を防ぐための事業承継 

【中小企業】後継者不足の中で廃業を防ぐための事業承継

中小企業経営者が事業承継を検討し始めた際に悩むことの多いのが、何から始めれば良いかわからない、どこに相談すればよいかわからないという点です。本章では、事業承継の種類や相談先を紹介します。

事業承継とは 

事業承継には承継先・承継方法によって以下の種類があります。

【事業承継の種類】

  1. 親族内事業承継 
  2. 親族外事業承継 
  3. M&Aによる解決

1.親族内事業承継 

親族内事業承継とは、オーナー経営者の子どもなど親族間で事業承継を行うことを指します。

親族内事業承継は、かつて中小企業の事業承継で多く行われていたので、後継者不足に陥ることもありませんでした。

しかし現在は、事業を継ぐ意思のない子どもや継がせるつもりのない経営者が増えています。また、先のみえにくい社会などが原因で、親族内事業承継の割合は減っています。

親族内事業承継は、オーナー経営者が気が知れている相手が後継者となる点がメリットですが、気が知れているからこそ揉めることもあります。

親族を後継者にする場合は早めに自社に入れて教育する必要があります。他社で経験を積ませたとしても、自社で企業文化に馴染ませたり従業員と関係を作る期間が必要です。

よくある失敗パターンとしては、ほかで身に付けた成功体験などををのまま自社にも当てはめ、短期間で改革しようとするケースです。

特に、大企業で経験を積んでくると自社の悪い部分が目についてしまい、すぐにでも変えなければならない気になってしまいます。

しかし、後継者が前経営者や役員、古株の従業員の気持ちを無視した行動を取ると、失敗につながることが多くなります。

そのため、オーナー経営者は後継者を早めに自社で経験と人間関係を作らせるなどの下地作りが大切です。

2.親族外事業承継 

親族外事業承継とは、親族以外の役員や従業員などに事業を継がせることを指します。役員に事業承継する場合は、元々経営をみているうえに企業文化も理解している点が強みです。

生え抜き従業員の場合は、企業文化をよく理解している点と実務ができる点が強みである一方、他社を経験していないので経験不足な面がでる可能性があります。

また、親族外事業承継の場合、承継資金の準備に手間取ることがあります。後継者が個人で資金を用意するのは難しいので金融機関から融資を受けることが多いですが、信用面や金融機関からの条件面でなかなか交渉がまとまらない可能性もあります。

3.M&Aによる解決

M&Aによる後継者不足の解消は、親族内事業承継や親族外事業承継に代わって中小企業の後継者不足を救う方法として期待されています。M&Aによる後継者不足解消のメリットは、幅広い買い手候補から後継者を探せる点です。

親族内事業承継や親族外事業承継の場合、後継者として指名できる相手が限られるので、経営者としての資質がある後継者を選べるとは限りません。

しかし、M&Aの場合は幅広い相手から後継者を探せるので、はじめから資質と経験を持った相手に事業承継が可能です。

ただし、M&Aによって最適な相手に出会えるかどうかは、その時の自社の経営状態や外部環境、仲介する専門家のネットワークなどに左右されます。

そのため、M&Aを行う際は自社の企業価値向上を図ったり、自社に合ったM&A専門家を選んだり、最適な売却タイミングをも見計らったりするなど、戦略的に進めることが重要です。

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事業承継の相談先 

中小企業が後継者不足による事業承継相談をできる相談先には以下の種類があります。

【事業承継の相談先】

  1. M&Aの専門家に相談 
  2. 公的機関に相談 
  3. 金融機関に相談 
  4. 顧問の士業に相談 
  5. マッチングサイトを活用

1.M&Aの専門家に相談 

現在中小企業向けのM&A専門家は、数が急速に増えています。そのため、自社に合った専門家を選べるかが重要です。

M&Aの専門家が中小企業をサポートする形式には、仲介型とアドバイザリー型があります。仲介型は売り手と買い手の間を取り持つ形で円滑なM&Aを目標とする形式です。現在中小企業を中心にサポートするM&Aの専門家は、多くが仲介型の形式を採用しています。

一方のアドバイザリー型は、売り手と買い手どちらか片方と専属契約を結ぶことで、契約者の最大利益を目指す形式です。

また、報酬体系も専門家によってさまざまです。多くの仲介会社が着手金、中間金、成功報酬のいずれかを組み合わせた手数料を採用しています。

特に近年多くなっているのが、完全成功報酬制です。完全成功報酬制の場合、依頼者はM&Aが成立するまで手数料を支払う必要がないという安心感があります。

また、仲介会社側はM&Aを成功させなければ手数料がもらえないので、手を抜くことなく全力でサポートする点が強みです。

2.公的機関に相談 

2011年から各都道府県に設置された事業引継ぎ支援センターでは、後継者不足を解消する目的で中小企業・小規模事業者の第三者事業承継を支援しています。

また、2014年からは起業家とマッチングすることで後継者不足解消を図る「後継者人材バンク」も始まっています。

事業引継ぎ支援センターの主な役割は、第三者事業承継の周知と相談対応、マッチングです。売り手と買い手の感触がよさそうであれば、提携先仲介会社などに紹介し対応してもらいます。

また、事業引継ぎ支援センターで対応できそうな案件の場合は、税理士や弁護士などと連携してM&Aの成立を支援します。

公的機関による中小企業への事業承継普及活動もあってか、近年はM&Aによる事業承継を検討する中小企業が急速に増え、少しずつ後継者不足の解消につながっています。

3.金融機関に相談 

近年、M&A・事業承継支援業務に力を入れる地方金融機関が増加しています。各地方金融機関は従業員にM&A関連資格を取得させ、中小企業経営者からM&A・事業承継に関して基本的な相談をされても対応できるようにしています。

その結果、中小企業白書によると全国の地方銀行への事業承継相談数は、年々増え続けている状況です。

ただし、支援能力は金融機関によって大きく差があるため、相談業務のみを行い、あとはM&A仲介会社などの提携先に任せているケースも少なくありません。

4.顧問の士業に相談 

中小企業白書によると、中小企業経営者が事業承継に関する相談相手として最も多いのが、顧問の会計士・税理士となっています。

顧問の士業先生は中小企業経営者にとって身近な専門家なので、後継者不足に関する相談も気軽に行うことができます。

ただし、事業承継の基本的な知識や特定業務に関する知識はあっても、事業戦略としてのM&Aに精通しているケースは限られます。

顧問の先生だけに頼るのではなく、誰にどのタイミングで何を相談するか、選択肢を検討する必要があります。

5.マッチングサイトを活用

以前までは、中小企業や小規模事業者がM&Aによる事業承継を実施しやすい環境が整っていませんでした。しかし、近年急速に中小企業のM&A環境は整ってきており、後継者不足の解消が期待されています。

そのひとつが、マッチングサイトの質の向上です。TRANBIやBatonzといった大手マッチングサイトをはじめとして、さまざまな高いクオリティのマッチングサイトが増加しています。

マッチングサイトのメリットは、後継者不足で悩む小規模事業者や地方の案件も、簡単な登録だけで利用できる点です。

【関連】事業承継の相談先はM&A仲介会社?弁護士?相談相手や相談方法を解説!

4. 【中小企業】後継者不足の中で廃業せずに事業承継をするメリット 

【中小企業】後継者不足の中で廃業せずに事業承継をするメリット

中小企業が事業承継によって後継者不足を解消するメリットには、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、主な4つのメリットについて、それぞれ解説します。

【中小企業が事業承継によって後継者不足を解消するメリット】

  1. 従業員の雇用を守る 
  2. 会社が存続する 
  3. 取引先との関係が継続 
  4. 売却益・譲渡益を獲得する可能性

1.従業員の雇用を守る 

中小企業の廃業は従業員が雇用を失うことを意味します。従業員の雇用を考えてなかなか廃業に踏み切れずにいるオーナー経営者も少なくありません。

後継者不足の解消は中小企業の廃業を防ぐことにつながり、従業員の雇用を守ることにもつながります。

2.会社が存続する

経営状態に問題はないものの、後継者不足が原因で廃業せざるを得ない中小企業は少なくありません。中小企業白書によると、中小企業の数は毎年減り続けており、国は大きな問題として捉えています。

後継者不足による中小企業の廃業を防ぐには、M&Aによる事業承継を活発化させる必要があります。後継者不足による中小企業の廃業が減れば、地方経済の衰退も緩めることが可能です。

3.取引先との関係が継続 

後継者不足による中小企業の廃業は、取引先の連鎖廃業を生む可能性があります。廃業した企業が主要な取引先であった場合、その企業へのダメージも深刻なものになります。

M&Aによる事業承継は後継者不足を解消できるだけでなく、取引先との関係を継続でき、取引先の廃業・倒産を防ぐことにもつながります。

4.売却益・譲渡益を獲得する可能性

売り手中小企業側の株主は、後継者不足を解消できるだけでなく、M&Aによる事業承継で売却益・譲渡益の獲得が可能です。

中小企業の場合大半の株式をオーナー経営者が所持していることが多いので、オーナー経営者は獲得した売却益・譲渡益で次のライフプランへ資金の活用が可能です。

5. 【中小企業】後継者不足の解決に事業承継する際の相談先

【中小企業】後継者不足の解決に事業承継する際の相談先

中小企業が後継者不足を解決する方法として、M&Aによる事業承継は有効な方法のひとつとなりました。しかし、M&Aによる事業承継を成功させるには専門家によるサポートが欠かせません。

M&A総合研究所ではアドバイザー・M&A専門の会計士・弁護士によるサポートと、AI技術を活用した高精度のマッチングにより、短期間でのスピード成約と希望価格以上での会社売却を実現します。

また、M&A総合研究所では、事業承継が完了するまで手数料が発生しない完全成功報酬制を採用しています。

無料相談は随時受け付けており、オンライン無料相談も実施しております。後継者不足でお悩みの際は、M&A総合研究所までお気軽にご相談ください。

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6. まとめ 

まとめ

本記事では、中小企業の後継者不足問題について解説しました。現在、中小企業の後継者不足は深刻化しており、東京商工リサーチによると、後継者不足の割合は約55%というデータもあります。

そのため、中小企業の後継者不足解消が急務となっており、M&Aによる事業承継は解決のために有効な手段のひとつになっています。

【中小企業が後継者不足に陥っている主な原因】

  1. 子どもが事業を継ぐ意志がない 
  2. 跡継ぎの能力不足 
  3. 事業の将来性がない

【事業承継の種類】
  1. 親族内事業承継 
  2. 親族外事業承継 
  3. M&Aによる解決

【中小企業が後継者不足による事業承継相談をできる相談先】
  1. M&Aの専門家
  2. 公的機関
  3. 金融機関
  4. 顧問の士業
  5. マッチングサイトを活用

【中小企業が事業承継によって後継者不足を解消するメリット】
  1. 従業員の雇用を守る 
  2. 会社が存続する 
  3. 取引先との関係が継続 
  4. 売却益・譲渡益を獲得する可能性がある

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