中国のM&A・買収の成功ポイント!法律や規制のリスク事項も解説!

M&Aで事業規模の拡大を図る際、海外企業の買収を視野に入れることが多くなっています。中でも中国の経済成長は目まぐるしく、真っ先にM&A先の候補に挙げられます。その際は、中国の法律や規制リスクについて把握しておくことが大切です。


目次

  1. 中国におけるM&Aの歴史
  2. 中国のM&Aの特徴・動向
  3. 中国のM&A件数
  4. 中国でM&A・買収を成功させるポイント
  5. 中国のM&Aで見られる法律・規制
  6. 中国でのM&Aのリスク事項
  7. M&Aを行う代表的な中国企業3選
  8. まとめ

1. 中国におけるM&Aの歴史

中国におけるM&Aの歴史

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近年、中国の経済成長は凄まじく、国内M&Aも活発に行われていますが、中国におけるM&Aの歴史自体は意外と浅いことで知られています。

中国最大規模の取引所「北京産権交易所」によると、中国のM&Aは2001年頃から始まったとされています。

2004年頃から本格的に成長を見せ始め、2009年のM&A取引高は約1300億元(北京産権交易所を通じた取引のみ)というデータが公開されています。その後も、中国の経済成長に合わせて中国のM&A市場も規模を拡大していくことになります。

2. 中国のM&Aの特徴・動向

中国のM&Aの特徴・動向

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中国はM&Aに関する複数の法律が定められています。国内同士のM&Aはもちろん、国外の企業が買収する場合もその法律に従って手続きをしなければなりません。この章では、中国のM&Aの特徴・動向を解説します。

【中国のM&Aの特徴・動向】

  1. M&A・買収の際に政府が審査する
  2. 貿易摩擦などによる欧米からの審査が強化
  3. 家電業界や食品業界のM&Aが多い

①M&A・買収の際に政府が審査する

中国経済の成り立ちとして特徴的なのは、国有企業の存在です。国有資産による投資または持株が50%を上回る場合は、国有企業とされ、実質的に中国政府の支配下におかれています。

事業方針について全てを国が決めるわけではありませんが、厳しい規則が設けられていることが多いです。

この国有企業の所有者は、中国における強い影響力を持つことを意味するため、国有企業あるいは国有企業の所有する資産を売却する場合は中国政府の審査を受けることが法律で定められています。

②貿易摩擦などによる欧米からの審査が強化

近年の動向として、2018年にはEU(欧州連合)が中国企業によるM&A・投資案件の規制強化の動きをみせたことで話題になりました。

当時、EU圏の高い技術力を狙った中国企業によるEU企業買収が乱立していました。前述した通り、国有企業は中国政府に支配されている企業であるため、重要な技術・ノウハウが中国政府に利用されることを危惧した結果によるものです。

また、米中間の貿易摩擦によって米国の強化もされています。米国の国益に反するM&A・投資案件は全てCFIUSがNGを出すという厳しい規制によって、中国企業による買収を防ぐことになります。これらの規制が要因となり、中国のM&Aは一時的に減退します。

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③家電業界や食品業界のM&Aが多い

中国の家電業界においては、中国家電大手の「美的集団」を筆頭にM&Aが目立っています。美的集団は、従業員数14万人を超える中国国内でも大きな影響力を持つ中国企業です。

2016年には、東芝グループより「東芝ライフスタイル」の株式約80%を530億円で買収しています。M&A後40年間は東芝のブランド名を使える契約になっており、現在も東芝の名前が使われています。

食品業界では、中国外食大手の「国際天食」や豚肉加工企業「万洲国際」によるM&Aが見受けられます。

2014年の国際天食によるポッカサッポロフード&ビバレッジの香港の子会社「ポッカ香港」を買収、2013年には「万洲国際」による米国の豚肉生産最大手スミスフィールド・フーズの買収などが行われています。

3. 中国のM&A件数

中国のM&A件数

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中国のM&Aは、2014年から国内M&A市場の成長を見せており、成約件数も増加の一途を辿っていましたが、2016年をピークに2年連続で減少します。

コンサルティング企業のデロイトが公開している「中国M&A・インバウンド投資市場動向」によると、中国のM&A件数は2017年1,511件、2018年1,263件と減少を続けています。

M&A件数が急激に減少する背景には、2016年に打ち出された対外投資規制政策があります。度重なるM&Aによる急激な外貨流出を防ぐために施策されたもので、2017年には本格的に娯楽業種に対する投資が制限対象とされました。

この政策は2018年以降も継続されており、非合理性のあるM&A・買収は引き続き中国政府によって規制されています。

一方、娯楽業種以外のITやエネルギー関連などの企業のM&A・買収は積極的な姿勢を崩しておらず、特定分野における中国企業のM&A件数が落ちることはありません。

4. 中国でM&A・買収を成功させるポイント

中国でM&A・買収を成功させるポイント

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中国企業のM&A・買収を実施する際は、いくつかのポイントを押さえておくことが大切です。この章では、中国でM&A・買収を成功させるポイントを解説します。

【中国でM&A・買収を成功させるポイント】

  1. 中国における法律・法規を理解する
  2. 中国国内の情報収集・仲介者の確保
  3. 中国M&Aの専門家に相談

①中国における法律・法規を理解する

日本と中国では法律・法規が全く異なります。M&Aの際も中国政府の審査が必要となる法律が定められており、中国政府の対外M&Aに対する警戒心が伺えます。

また、会社法や証券法による規制などもさまざまです。これら中国のM&Aに関する法律・規制については後の章で詳しく解説します。

②中国国内の情報収集・仲介者の確保

中国企業をM&A・買収して現地で事業を展開するならば、中国国内の情報について知っておく必要があります。

特に、中国政府によるM&Aに関する規制は厳しい内容となっています。既に施行されている規制を突然変更することもあるため、業界動向が急激に変化することがあります。

これらの分野に常にアンテナを張っている仲介者のサポートは欠かせないでしょう。その際、仲介者のスキルには、日中におけるM&Aの知識や日本語・中国語とかなり高いハードルを求めることになります。

③中国M&Aの専門家に相談

日本のM&A仲介会社のなかには、クロスボーダー(海外M&A)を取り扱っている仲介会社が何社か存在します。

クロスボーダーは、成熟しきった日本国内市場から海外市場に進出することで急速に事業規模を拡大させようとする企業を対象に展開しているサービスです。

クロスボーダーについては、昨今の中国の経済成長に目を付け、特に中国M&Aに力を入れる仲介会社も見受けられます。中国M&Aを実施するならば、このような専門家の知見を活用することも大切です。

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中国のM&Aのご相談はM&A総合研究所へ

規制の多い中国のM&Aは、その分野に明るい専門家のサポートが欠かせません。その際は、M&A総合研究所にご相談ください。

弊社に在籍するクロスボーダーに強い専門家と、中国の情勢に詳しい協力員との連携によって、万全の体制で中国のM&Aに臨みます。

無料相談は24時間お受けしています。中国でのM&Aをご検討の際はどうぞお気軽にご連絡ください。

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5. 中国のM&Aで見られる法律・規制

中国のM&Aで見られる法律・規制

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中国では数多くのM&Aに関する法律・規制が定められています。中国でM&A・買収するなら、これらの法律について把握しておく必要があります。

【中国のM&Aで見られる法律・規制】

  1. 外資投資方向の指導規定による規制
  2. 会社法による規制
  3. 証券法による規制
  4. 独占禁止法による規制
  5. 土地の所有に関する規制
  6. 中国の会計基準

①外資投資方向の指導規定による規制

中国のM&Aにおいて、原則として外資投資は認められていますが、一部の業種において規制・制限が設けられています。規制されている業種においては、完全に手出しすることができません。

①投資が規制されている業種

外資投資が完全に禁止されている業種もあります。主に、中国特有に技術が国外に流出することを避けるために設けられています。

【投資が規制されている業種】

  • 製造業
  • 電力・ガス及び水の生産・供給
  • 交通輸送及び郵便業
  • 卸売及び小売業
  • 金融業
  • 不動産業
  • リース及びビジネスサービス業
  • 科学研究・技術サービス及び地質調査業
  • 水利・環境及び公共施設管理業
  • 教育
  • 衛生・社会保障及び社会福祉業
  • 文化・体育及び娯楽業

②投資が制限されている項目

外資投資が制限されている項目には、以下のようなものがあります。該当するものは外資100%の投資が認められず、一定の制限がかかります。

【投資が制限されている項目】

  • 技術レベルが遅れているもの
  • 資源の節約及び生態環境の改善に不利なもの
  • 国主導の保護採掘及び特定鉱産物の探査・採掘に従事するもの
  • 国が段階的に開放する産業に属するもの
  • 法律・行政法規で規定する状況

②会社法による規制

中国の会社法による規制は、中国新会社法として改定されており、株式の発行に関する手続きが変更されています。

新会社法における明文の規程も少ないため、適宜規制に関する情報を仕入れる必要があります。ここでは、株式譲渡や合併に関する規制を順番に解説します。

①株式譲渡に関する規制

中国の株式譲渡は、法によって設立された証券取引所における取引または国務院(中国の最高国家行政機関)が定める方式と限定されています。

また、適切な払い込みを受けるために銀行との間で株式払込金取扱契約を締結します。払込後は銀行より払込証明書を受け取ることで支払いを証明することができます。

②合併に関する規制

中国の会社法において、合併は股東大会(日本における株主総会)または董事会(取締役会)の特別決議事項となっており、2/3以上の議決権を有する株主の同意を持って承認されるとしています。

この際に発生する1/3以下の少数株主に対しては、少数株主保護として買取請求権を付与することで救済されています。また、株式有限会社の場合は、国務院が授権した部門の承認を要します。

③分割に関する規制

中国における分割は「派生分割」と「新設分割」に分けられます。合併と同様に資本の増加・減少によって会社の基本構成に関わる問題であるため、股東大会または董事会を開催して特別決議を行う必要があります。

なお、株式有限会社の場合は、合併と同様に国務院の承認が求められます。

④資産譲渡に関する規制

資産譲渡は、中国のM&Aにおいて最も簡便な企業再編方法とされています。登記内容や資本金も変動せず、清算監査・税務調査もありません。なお、資産譲渡に関する税金は、課税資産に対して企業所得税25%が課税されます。

③証券法による規制

中国の証券法に関する規制は、公開会社に対して適用されています。これは、全ての株主・投資家が公平な立場で取引を行えるよう定められている法律です。

①公開買付に関する規制

中国の公開買付で注目するポイントは「公開買付が義務付けられるルール」と「公開買付価格」の2点です。

【公開買付が義務付けられるルール】

  • 証券取引所を通して公開会社の発行済株式の30%相当を取得した上で買付を継続する場合
  • 協議買収方式によって公開会社の発行済株式の30%相当を取得した上で買付を継続する場合

【公開買付価格】
  • 公開買付に応じる全ての株主に対して均一でなければならない
  • 買付期限内の同株式の売却を禁ずる
  • 買収後に対象企業の株主構成の変化により上場条件を満たさなくなった場合、対象企業の株式を保有する株式から、公開買付と同等の条件で買付しなければならない

②株式保有の開示規制

株式保有の開示規制は、株式市場の一定以上の透明性を保つために設けられている規制です。

特定の株主が公開会社の大量の株式を保有すると、対象の会社や関連会社に強い影響を与えることになるため、株式を大量に取得した場合は情報を開示しなければならないというものです。

中国の証券法においては、株式取得により5%以上を保有する場合に開示するよう義務付けられています。取得日より3日以内に「証券取引所への書面報告」「対象企業への通知」「公告」の3つを行う必要があります。

③インサイダー取引に関する規制

中国はインサイダー天国と呼ばれるほど、インサイダー取引が蔓延しています。インサイダー取引に関する規制も改定・強化が繰り返されており、規制内容も一定ではありません。

中国株の取引を扱う日本大手証券会社の中国株のインサイダー取引に関する記載においても「対象企業の重要情報に容易に接近しうる者」という一般的な内容しか記載されてないほどです。

こちらについては、中国のM&Aの専門家に最新情報を求めることを強くおすすめします。

④独占禁止法による規制

独占禁止法は、市場経済において公正な競争環境を維持するために設けられている制度です。

①独占的な合意に関する規制

独占的な合意に関する規制は、以下のようになっています。これらを無視した独占行為が蔓延すると、適正な市場取引が成り立たなくなるため、厳しく規制されています。
 

競争関係の事業者間の場合 ・価格の固定及び変更
・生産数量及び販売数量の制限
・販売市場及び原材料購入市場の分割
・新技術・設備の購入制限及び新技術・新製品の開発制限
・共同して取引を拒絶する
事業者と取引先間の場合 ・再販売価格の固定
・再販売価格の最低価格設定

②市場の支配的地位による濫用の規制

市場の支配的地位とは、該当市場における一定以上の影響力を保有していることを意味します。ここでは、市場の支配的地位の判断基準と氾濫行為について説明します。

【市場の支配的地位の判断基準】

  • 単独の事業者の市場独占率が1/2以上
  • 2つの事業者の市場独占率の合計が2/3以上
  • 3つの事業者の市場独占率の合計が3/4以上

【濫用行為の例】
  • 不公平な高価格による商品販売及び不公平な低価格による商品購入
  • (以下の氾濫行為の例は正当な理由がない場合に限る)
  • 原価を下回る価格での商品販売
  • 取引先に対する取引の拒絶
  • 取引先を特定事業者に限定する行為
  • 商品の抱き合わせ販売及び不合理な取引条件の付加
  • 取引条件における差別的待遇

③企業結合に関する規制

企業結合に関する規制は、同業種の大手企業が合併したりすると事業者が集中することになり、該当業種における市場環境が公正でなくなることを危惧したことで設けられている規制です。

この規制に関する審査は国務院の独占禁止法執行機関によって判定されます。

【企業結合審査】

第一次審査 ・届出受領日から30日以内にさらなる審査の要否について決定
・容認された場合は書面で通知
・さらなる審査の不実行の決定または30日が過ぎても決定されない場合は企業結合が容認されたものとする
第二次審査 ・第一次審査の決定日から90日以内に企業結合の容認について決定
・容認された場合は書面で通知
第二次審査(延長) 下記のいずれかに該当する場合、審査期限を最大60日延長可能
・事業者が延長に同意した場合
・提出されている資料が正確ではない場合
・届出後に重大な変化が生じた場合

④企業評価制度に関する規則

中国では、不当な評価による中国企業の海外流出を防止する目的で、中国特有の企業評価制度が設けられています。

中国企業にとって有利になるように制定されているものであるため、海外からのM&A・買収は不利になることが多いです。

それらを認めたうえ、中国政府の認可が降りる範囲で、企業評価方法を選択する必要があるでしょう。

⑤行政権限濫用による競争力の排除・制限に関する規制

行政機関や公共事務を管理する権限を有している組織に対して設けられている規制です。日本には存在しない中国特有の制度です。

【行政権限濫用による競争力の排除・制限に関する規制】

  • 他地域の商品に対して差別的な費用徴収項目を設定する行為
  • 他地域の商品に対して差別的な費用徴収基準を実行する行為
  • 他地域の商品に対して差別的な価格を設定する行為
  • 商品の流通阻害及び価格設定及び費用徴収行為

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⑤土地の所有に関する規制

日本における土地の所有は、個人・企業による所有が可能であり、固定資産税を支払うことで私有が認められています。

しかし、中国における土地の概念では所有権と使用権に区別されており、所有権は全人民所有権(中国政府所有)と集団所有権(農民集団所有)の2つしか存在しません。

つまり、M&Aによって中国の土地を取得したとしても、中国政府から一時的に土地の使用権限を与えられているだけということになります。

さらに土地の用途についても厳しい取り決めがなされており、申請済みの用途以外に利用する場合は、適宜申請が必要とされています。

買収時の用途から別の用途で利用する場合は、中国の法律に従って関連の行政機関より認可を得たうえで、用途変更手続きを取る必要があります。

⑥中国の会計基準

従来は中国独自の会計基準に従って行われていましたが、近年はIFRS(国際会計基準)が適用されているため、中国企業のM&Aにおいてもそちらを利用することができます。

やむを得ず中国の会計基準に従わなければならない場合は、別途専門家に相談する必要があります。

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6. 中国でのM&Aのリスク事項

中国でのM&Aのリスク事項

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中国のM&Aを実施する際は、いくつかのリスクが伴います。これらを軽視するとM&Aが失敗に終わる可能性もるため、注意が必要です。

【中国でのM&Aのリスク事項】

  1. 常に付きまとう政治リスク
  2. 国民性と向き合う人事労務リスク

①常に付きまとう政治リスク

最も懸念されるのは、政治リスクです。中国企業は国有企業として中国政府の支配下にあるため、政府の意向が各企業にダイレクトに反映されます。

米中の貿易戦争の加熱から、中国企業の子会社を買収しようとしたアメリカ企業のM&Aを非承認するなど、失敗になった事例も見受けられます。

日本においては政治とビジネスは完全に切り離されていますが、中国においては混同しているといっても差し支えないレベルで強く影響しています。

②国民性と向き合う人事労務リスク

日本企業が海外進出を図るうえでは、従業員の指導・教育も失敗要因になるといわれています。国民性の違いから、業務に対する取り組みが全く異なるという問題です。

例えば、飲食業の接客です。日本の外食産業市場は年々縮小傾向にあるため、海外進出が急務とされている業界です。世界人口1位(約14億人)の中国への進出は必要不可欠であり、多くの飲食事業者が中国への進出を果たしています。

しかし、日本特有のおもてなし接客の実現が難しく、経営理念を維持した事業展開は非現実的という問題を抱えています。このような点から労務トラブルが起き、中国のM&Aが失敗する可能性があります。

7. M&Aを行う代表的な中国企業3選

M&Aを行う代表的な中国企業3選

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中国の大企業はM&Aを繰り返して飛躍的な成長を遂げています。この章では、積極的にM&Aを行う代表的な中国企業3選とその事例を紹介します。

【M&Aを行う代表的な中国企業】

  1. アリババ
  2. 百度
  3. テンセント

①アリババ

アリババは、ECサイト運営において世界有数のシェア率を誇る巨大企業です。よく中国版Amazonといわれています。

中国のネット通販市場の拡大に比例して、アリババも急成長しています。その過程にはEC関連の事業を中心とした数多くのM&Aがあり、中国国内における影響力を高め続けています。

M&A事例

アリババの代表的なM&A事例は2016年に公表されたラザダのM&A・買収です。ラザダはドイツ運営会社が東南アジアで運営するECサイトで買収価格は約1080億円(10億米ドル)とされています。

ラザダは東南アジアのAmazonともいわれており、本M&Aにおいてアリババは東南アジアのEC市場を一定以上獲得します。

これにより、東南アジアにおけるEC市場の覇権争いは、中国アリババと米国Amazonの一騎打ちに発展することになります。

②百度

百度(バイドゥ)は、中国最大手の検索エンジンを提供する企業です。中国国内においては圧倒的な使用率(中国ではGoogle利用不可)を誇っており、世界市場においてもGoogleに次いで2位となっています。

M&A事例

百度の代表的なM&A事例は、中国の無料オンライン動画サービスを提供するPPS影音のM&A・買収です。買収価格は約373億円(3.7億米ドル)とされています。

本M&Aによってグループ内のオンライン動画サービスの拡充を図り、中国版Googleの立ち位置を獲得します。

③テンセント

テンセントは、ゲージ市場で世界トップを誇る中国のIT企業です。中国において2018年に9ヶ月のゲームライセンス凍結が行われたにも関わらず、テンセントはトップをキープするなど、驚異的な業績をあげています。

ゲーム業界は長い間モバイルゲームの時代が続いていましたが、ハードウェア不要で最新技術のゲームが遊べるクラウドゲームの台頭によって「GoogleのStadia」「MicrosoftのxCloud」「TencentのStart」の3強時代が訪れるという見方がされています。

M&A事例

テンセントの代表的なM&A事例は、人気モバイルゲーム「クラッシュ・オブ・クラン」を運営するスーパーセル(フィンランド)のM&A・買収です。2016年に発行済株式84.3%を約8990億円(86億米ドル)で取得すると公表しました。

クラッシュ・オブ・クランは1億人以上のアクティブユーザーを擁しているとされ、本M&Aによって欧米におけるモバイルゲーム市場の足がかりを掴んだとみられています。

8. まとめ

まとめ

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中国のM&Aの特徴・動向や法律から、中国のM&Aを成功させるポイントを見てきました。

中国特有の法律や規制から来るリスクも多数存在しており、これらのポイントを押さえた上で取り組まなければM&Aが失敗に終わってしまう可能性も高いです。

中国のM&Aを実施する際は、現地の協力員や中国の専門家への相談は欠かせません。

【中国のM&Aの特徴・動向】

  1. M&A・買収の際に政府が審査する
  2. 貿易摩擦などによる欧米からの審査が強化
  3. 家電業界や食品業界のM&Aが多い

【中国でM&A・買収を成功させるポイント】
  1. 中国における法律・法規を理解する
  2. 中国国内の情報収集・仲介者の確保
  3. 中国M&Aの専門家に相談

【中国のM&Aで見られる法律・規制】
  1. 外資投資方向の指導規定による規制
  2. 会社法による規制
  3. 証券法による規制
  4. 独占禁止法による規制
  5. 土地の所有に関する規制
  6. 中国の会計基準

【中国でのM&Aのリスク事項】
  1. 常に付きまとう政治リスク
  2. 国民性と向き合う人事労務リスク

【M&Aを行う代表的な中国企業】
  1. アリババ
  2. 百度
  3. テンセント

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