ビルメンテナンス会社のM&A動向!売却・買収の相場やおすすめ仲介会社は?【事例あり】

ビルメンテナンス会社は、管理物件の頭打ちや人手不足などにより、近年M&Aによる売却買収が積極的に行われます。今後は、国内だけでなく国外に向けたM&A・売却・買収も増加すると予測されます。当記事では、ビルメンテナンス会社のM&A動向や相場について、解説します。


目次

  1. ビルメンテナンス会社とは
  2. ビルメンテナンス会社を取り巻く現状
  3. ビルメンテナンス会社のM&A動向
  4. ビルメンテナンス会社のM&A・売却・買収相場
  5. ビルメンテナンス会社関連のM&A・売却・買収・譲渡事例
  6. ビルメンテナンス会社のM&Aにおすすめの仲介会社
  7. ビルメンテナンス会社のM&Aを成功させる仲介会社選びのポイント
  8. ビルメンテナンス会社のM&Aのメリット
  9. ビルメンテナンス会社のM&Aを成功させるポイント
  10. まとめ

1. ビルメンテナンス会社とは

ビルメンテナンス会社とは

ビルメンテナンス会社とは、オフィスビルや施設などの建物などが安全・快適に利用できるように維持管理のサービスを行う会社を指します。

ビルメンテナンス業界は、2012年東日本大震災の復興需要や、2013年以降のアベノミクスの影響により拡大傾向にあります。

しかし、今後はこれまでのような右肩上がりの状態が続く見通しは厳しく、M&Aによる買収売却がより積極的に行われるようになると予測されています。

ビルメンテナンス会社の管理対象

ビルメンテナンス会社の管理対象となっているものには、さまざまなものがあります。

具体的には、清掃や廃棄物処理などの環境衛生の管理、電気・エレベーターなどの設備に対する管理、警備や防災などの保安警備に対する管理、建物などの維持管理などが挙げられます。

大手企業はこれらの対象を総合的に管理しているケースが多く、中小企業の場合はどれか1つに特化しているケースが多くなっています。

【関連】建材・住宅設備機器業界のM&Aとは?メリットや相談先のまとめ!

2. ビルメンテナンス会社を取り巻く現状

ビルメンテナンス会社を取り巻く現状

近年のビルメンテナンス会社を取り巻く現状には、以下5つの特徴がみられます。ここでは、それぞれについてくわしく解説します。

【ビルメンテナンス会社を取り巻く現状】

  1. 管理対象の物件数が頭打ちになっていく
  2. 市場減少に伴う顧客の取り合いは必死
  3. 今後は業務・サービスの幅を広げることも予測される
  4. 多くの会社経営者が引退する年齢を迎える可能性
  5. 業界全体で人手不足も深刻

①管理対象の物件数が頭打ちになっていく

現在のビルメンテナンス会社は、景気や東京オリンピックの影響により、都市部を中心に需要は伸びてきています。

しかし、東京オリンピック開催以降は高齢化や人口の減少に伴い、管理対象の物件数は頭打ちになり、需要が減少することが予測されています。

②市場減少に伴う顧客の取り合いは必死

先述したように、ビルメンテナンス会社は高齢化や人口減少などが原因で市場の減少が予測されています。

ビルメンテナンス会社の市場が減少すれば、顧客が選択できる会社数自体も少なくなるため、当然のことながら今まで以上に顧客の取り合いが激しくなります。

そのような競争に中小企業が打ち勝つためには、専門分野へ特化したり、大手企業との業務提供など他社と協力体制を築くなど、対応の変化が求められます。

③今後は業務・サービスの幅を広げることも予測される

現在、ビルメンテナンス会社では従業員である「ヒト」が主な業務・サービスを行っています。しかし、昨今のAIなどの急成長により、将来的にはビルメンテナンス会社での働き方が大きく変化する可能性が考えられます。

今まで行っていた業務・サービスはAIが代わりに行えるものも増えてくると考えられるため、今後は業務・サービスの幅を広げ、新規分野に介入していく必要に迫られる会社も増えると予測されます。

④多くの会社経営者が引退する年齢を迎える可能性

ビルメンテナンス会社でも、他業種の中小企業と同じように経営者の高齢化が深刻な問題になっています。

2019年に帝国データバンクが発表した「全国社長年齢分析」によると、経営者の平均年齢は2016年で59.3歳、2017年で59.5歳、2018年で59.7歳と年々上昇しています。

このデータからも分かるように、ビルメンテナンス会社の多くの会社経営者が引退する年齢を迎えているため、今後は事業承継を目的とするM&Aも増加すると考えられます。

⑤業界全体で人手不足も深刻

ビルメンテナンス会社は業界全体の人手不足も深刻な問題になっています。ビルメンテナンス会社での仕事は肉体的な負担が大きいものも多く、その割に給与面が決して高いとはいえません。

そのため、特に若い人の離職率も高くなっており、企業にとっては人手不足解消が喫緊の課題となっています。

こうした背景により、人材確保を目的とするM&A・買収は、今後さらに増加していくものと考えられます。

【関連】中小企業の抱える課題から見るM&Aによる事業承継のすすめ

3. ビルメンテナンス会社のM&A動向

ビルメンテナンス会社のM&A動向

ビルメンテナンス会社における今後のM&A動向は、以下のように予測されています。

  1. 大手関連企業からのM&Aが増えると予測される
  2. 海外へのM&Aも増えると予測
  3. 小規模業者が多く経営者の高齢化によるM&Aも増加

①大手関連企業からのM&Aが増えると予測される

現在、多くのビルメンテナンス会社が技術者・清掃スタッフなど人材不足と高齢化の問題を抱えており、大きな転換期を迎えています。

スタッフ不足と高齢化の問題は今後も続くと考えられるため、その解決策として大手関連企業からのM&Aによる売却買収が行われると予測されます。

②海外へのM&Aも増えると予測

ビルメンテナンス会社がおかれている国内市場は縮小しているため、アジアを中心とする海外へのM&A・売却・買収が増えています。

海外への進出が成功すれば、新しい販路を獲得することができ、利益増加を見込みこともできます。また、日本の技術力は非常に高いため、M&Aによる売却買収した企業の信頼度などが上がる可能性もあります。

このような理由により、ビルメンテナンス会社の海外へのM&Aも増えていくと考えられます。

③小規模業者が多く経営者の高齢化によるM&Aも増加

ビルメンテナンス会社の業務割合は、一般清掃業務が約60%を占めています。会社の規模別でみると、小規模のビルメンテナンス会社になればなるほど、一般清掃業務を行っている割合が高くなる傾向にあります。

対して、ビルメンテナンス会社の規模が大きくなるほど、設備管理や警備の占める割合が高くなるという特徴もみられます。

今後は、一般清掃業務を行っている小規模業者の経営者の高齢化が進むため、大規模業者への売却も増加すると予測されます。

【関連】中小企業の会社売却の進め方を解説!中小企業のM&Aが得意な仲介会社も紹介

4. ビルメンテナンス会社のM&A・売却・買収相場

ビルメンテナンス会社のM&A・売却・買収相場

ビルメンテナンス会社業界の市場規模は2015年時点で6816億円となっています。M&A・売却・買収相場は、企業規模や従業員数で変わるものの、1000万~5000万円程度で成立しているケースが多くみられます。

近年は、東京オリンピックに関連する需要の高まりを受け、ビルメンテナンス会社のM&A・売却・買収相場は上昇傾向にあります。

しかし、東京オリンピック以降は需要の低下が予測されているため、ビルメンテナンス会社のM&Aを検討している場合は、業界動向に注目しておく必要があります。

【関連】M&Aの成功報酬の相場はどれぐらい?報酬の会計処理も解説

5. ビルメンテナンス会社関連のM&A・売却・買収・譲渡事例

ビルメンテナンス会社関連のM&A・売却・買収・譲渡事例

ここでは、ビルメンテナンス会社関連のM&A・売却・買収・譲渡実際の事例として、以下の4つを紹介します。
 

  1. M&Aにより三幸が都市総合サービスを買収
  2. イオンディライトによる白青舎の完全子会社化
  3. 東急コミュニティーがユナイテッドコミュニティーズを完全子会社化
  4. 日本管財によるオーストラリアPICA社の株式取得

①三幸による都市総合サービスの完全子会社化

施設総合管理会社である三幸は、2019年、都市総合サービスの全株式を取得し完全子会社としました。

都市総合サービスは、定期点検や営繕修理など設備管理業を主軸としており、両社は以前より業務委託等の協力関係にありました。

当M&Aは、三幸と都市総合サービスの更なる関係強化によって業務を拡大し、企業価値向上を図る目的で実施されています。

②イオンディライトによる白青舎の完全子会社化

イオンディライトは、2015年10月28日から12月10日までの期間にTOB(株式公開買い付け)を行い、2016年に白青舎を完全子会社化しました。

その際の買付け価格は普通株式1株800円であり、買い付け数は7,619,207株、買収額は最大で約60億円と大規模な買収となりました。

今TOBは、グループ企業が従来から保有する白青舎の株式と合わせて、発行済みの全株式取得を目的として行われ、イオンディライトは、イオングループ外の顧客獲得によってシェア拡大を目指すとしています。

③東急コミュニティーがユナイテッドコミュニティーズを完全子会社化

2013年、株式会社東急コミュニティーはユナイテッドコミュニティーズ株式会社の全株式を取得し、完全子会社としました。

当M&Aは、両社の複数ブランド戦略による成長力を強化し、居住者の高齢化・リニューアル・防災・減災対策などさまざまなニーズに対応することを目的として実施され、東急コミュニティーは、当時のマンション総合管理戸数において1位(約45万戸)となりました。

④日本管財によるオーストラリアPICA社の株式取得

2013年、日本管財株式会社は、オーストラリアの区分所有住宅等管理会社であるPICA社(Prudential Investment Company of Australia Pty Ltd)の株式を50%取得しました。この株式取得により、PICA社は日本管財の持分法適用関連会社となりました。

当時のPICA社は、オーストラリア全体のマーケットシェアの約8%を占めており、オーストラリアでマンション管理業界No.1の実績を誇っていましたが、警備・清掃・修繕などは外部委託する形をとっていました。

当M&Aにより、日本管財は海外進出への足掛かりとなり、PICA社は日本管財のノウハウを活用することで警備・清掃・修繕などを自社で提供することが可能となりました。

【関連】足場工事会社の事業承継ならM&Aを活用しよう!成功事例や注意点を解説

6. ビルメンテナンス会社のM&Aにおすすめの仲介会社

ビルメンテナンス会社のM&Aにおすすめの仲介会社

ここでは、以下のビルメンテナンス会社のM&Aにおすすめの仲介会社を紹介します。

  1. M&A総合研究所
  2. 株式会社コーポレート・アドバイザーズM&A
  3. 経営承継支援
  4. 清掃会社.com
  5. 株式会社経営再構築プラン

①M&A総合研究所

ビルメンテナンス会社のM&Aにおすすめの仲介会社1社目は、M&A総合研究所です。M&A総合研究所は、多くのM&A仲介会社のなかでトップクラスの評価を得ている会社です。

自社に会計士・弁護士が在籍しワンストップでの支援を可能としており、専門性の高いサポートにより平均3か月でのM&A成立を実現しています。

案件ごとにアドバイザー・会計士・弁護士が3名体制でつくフルサポート体制も強みです。

手数料・報酬など レーマン方式による成功報酬 相談料・着手金・中間報酬:無料
お問い合わせ先 0120-401-970
サイトURL https://masouken.com/lp/buildingmainte

ビルメンテナンス会社のM&A・事業承継ならM&A総合研究所
電話で無料相談
03-6455-5875
WEBで無料相談
M&Aのプロに相談する

②株式会社コーポレート・アドバイザーズM&A

ビルメンテナンス会社のM&Aにおすすめの仲介会社2社目は、株式会社コーポレート・アドバイザーズM&Aです。

コーポレート・アドバイザーズM&Aは、ベンチャー企業と中小企業を中心にM&A業務を行っています。M&A件数は120件を超えるなど情報力も豊富に持っており、交渉などは専門のチームを組んでサポートを行っています。

手数料・報酬など 要問合せ
問い合わせ 03-3593-3239
サイトURL https://co-ad.jp/services

③経営承継支援

ビルメンテナンス会社のM&Aにおすすめの仲介会社3社目は、経営承継支援です。特徴は、相談者の話をよく聞いたうえでM&Aが最適な方法と判断した場合のみ、M&Aの提案を行うことです。そのため、成功率も非常に高く、90%以上を誇ります。

手数料・報酬など レーマン方式による成功報酬、相談料・着手金:無料 中間報酬:100万円
問い合わせ 03-6279-0596
サイトURL https://jms-support.jp/

④清掃会社.com

ビルメンテナンス会社のM&Aにおすすめの仲介会社4社目は、清掃会社.comです。清掃会社.comは、ビル管理、ビルメンテナンス・清掃業界のM&Aに特化した会社です。

ビルメンテナンス・清掃業会社の経営を10年以上経験した従業員が、最適なM&A方法を提案しています。

手数料・報酬など 利用料無料
問い合わせ 電話番号の記載なし、問い合わせサイトあり
サイトURL https://seisou-match.com/consulting/ma.html

⑤株式会社経営再構築プラン

ビルメンテナンス会社のM&Aにおすすめの仲介会社5社目は、株式会社経営再構築プランです。経営再構築プランは、仙台に本社にある東北地区最大級のM&A支援コンサルティングファームです。120件を超えるM&A支援実績があります。

手数料・報酬など 要相談
問い合わせ 022-742-5755
URL http://www.m-a.co.jp/

【関連】M&A仲介会社を徹底比較!口コミ・評判・実績情報まとめ!

7. ビルメンテナンス会社のM&Aを成功させる仲介会社選びのポイント

ビルメンテナンス会社のM&Aを成功させる仲介会社選びのポイント

ビルメンテナンス会社のM&Aを成功させるためには、サポートを受ける仲介会社選びが大切です。ここでは、特に意識すべき5つのポイントを解説します。

  1. その分野の専門的知識・M&A実績を持っている
  2. 自社と同規模の案件実績がある
  3. M&Aに関する幅広い知識・経験を持っている
  4. 手数料・相談料・報酬体系が分かりやすい
  5. 担当スタッフの対応・相性

①その分野の専門的知識・M&A実績を持っている

1つ目のポイントは、その分野の専門的知識・M&A実績を持っていることです。仲介会社によって得意とするM&A分野は異なります。

ビルメンテナンス会社のM&A実績があり専門的知識を有する仲介会社であれば、より効果的な戦略を提案してくれます。

最近は特定の業界に特化した専門家も増えてきているため、ビルメンテナンス業界に精通した専門家を選ぶとよいでしょう。

②自社と同規模の案件実績がある

2つ目のポイントは、自社と同規模の案件実績があることです。前述したように、M&A仲介会社によって得意とする分野だけでなく、取り扱う案件規模にも違いがあります。

相談した仲介会社が自社と同規模案件の実績があり、さらにその分野の知識や実績を持っていれば自社の目的に合った会社がみつかる可能性が高くなります。

③M&Aに関する幅広い知識・経験を持っている

3つ目のビルメンテナンス会社のM&Aを成功させる仲介会社で重要なことはM&Aに関する幅広い知識・経験を持っていることです。

M&Aによる売却買収を行っていくにあたって全ての事柄がスムーズにいくことはほとんどありません。

交渉などが上手く行かなかった場合にM&Aに関する幅広い知識・経験を持っていればさまざまな状況に対して的確なアドバイスを行うことができます。

④手数料・相談料・報酬体系が分かりやすい

4つ目のポイントは、手数料・相談料・報酬体系が分かりやすいことです。仲介会社の料金体系は各社異なります。

手数料・相談料・成功報酬など、どの手数料がどの程度かかるのかを把握しておかなければ、想定していた以上に費用がかかってしまったということもあるでしょう。

想定外の費用がかかれば後の事業計画などに影響しかねないので、料金体系が分かりやすい仲介会社を選ぶことが重要です。

⑤担当スタッフの対応・相性

5つ目のポイントは、担当スタッフの対応・相性です。M&Aを成功へと導くためには知識も重要ですが、それだけでなく担当スタッフの対応・相性もカギになります。

実際の交渉や手続きなど担当スタッフが担う役割は大きいため、経営者自身が信頼できなければスムーズなM&Aは難しくなります。

実際、M&Aによる売却買収を経験した経営者からは、担当スタッフの対応が親切で丁寧だったとの口コミも多くみられます。

相談や連絡事項のやり取りから担当スタッフとの対応・相性を見極め、交代してもらいたいと感じたら遠慮なく申し出ることも必要です。

【関連】中小企業におすすめのM&A仲介会社一覧!選び方や手数料率まとめ

8. ビルメンテナンス会社のM&Aのメリット

ビルメンテナンス会社のM&Aのメリット

ビルメンテナンス会社のM&Aには、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、ビルメンテナンス会社のM&Aのメリットを、売却側と買収側からそれぞれ解説します。

売却側のメリット

まずは、売却側の5つのメリットについて解説します。

  1. 従業員の雇用先確保
  2. 後継者問題の解決
  3. 売却・譲渡益の獲得
  4. 大手グループによる資金提供
  5. 個人保証・債務・担保などの解消

①従業員の雇用先確保

会社を経営していくにあたって、従業員の存在は非常に大事なものです。多くの経営者は、自社の経営状態が思わしくなくなったとき、自身のことよりも従業員の雇用は何とかして確保したいと考えることでしょう。

万一廃業を選択してしまえば従業員から雇用を奪うことにもなりますが、M&Aによって自社を売却すれば、従業員の確保することができます。

②後継者問題の解決

近年、多く中小企業で経営者の高齢化が進んでいます。事業承継が必要であっても、少子化などの影響で後継者が不在の会社や、後継者がいても自社を引き継ぐ意思がない場合も多々みられます。

自分自身が引退を考えているのにも関わらず後継者がいない場合、M&Aによる売却は有効な手段になります。

③売却・譲渡益の獲得

M&Aによる売却を行うことにより、売却・譲渡益を得ることができます。全中小企業の7割程度は赤字経営となっており、会社によっては多額の借金を抱えていることもあります。

そのようなケースでは、M&Aで得た売却・譲渡益を借金の返済に充てることもできます。また、経営者の生活費にしたり、新事業の立ち上げに使用するなど、使い道は自由です。

④大手グループによる資金提供

中小企業の場合、十分にな資金がないために自社の成長が難しくなっているケースもありますが、その解決策としてもM&Aは有効です。

M&Aで大手グループの傘下となることができれば、豊富な資金を活用することにより自社のさらなる成長を見込むことが可能になります。

自社にノウハウなどの強みがあれば、買い手となる大手グループにとっても大きなメリットにつながります。

⑤個人保証・債務・担保などの解消

経営者が引退を考えたりした場合、子どもなどの身内に事業を引き継ぎたくとも、債務や担保のことを考えて実行に移せないといったケースは少なくありません。

廃業という選択をすれば債務の返済は引退後も続きますが、M&Aを選択すれば手法によっては個人保証・債務・担保などを買収側の会社に引き継いでもらうことができます。

手法や交渉によって引き継ぎが難しい場合でも、売却・譲渡益を使うことによって個人保証・債務・担保などの解消ができます。

買収側のメリット

続いて、買収側のメリットを5つ紹介します。

  1. 従業員の確保で人手不足の解消
  2. ビル管理の内製化に伴うサービスの充実
  3. 新規事業へ低コストで参入
  4. 顧客・取引先・ノウハウなどの獲得
  5. 事業規模・エリアの拡大

①従業員の確保で人手不足の解消

M&Aを行うことにより、買収側は従業員の確保ができます。例えば、包括承継である株式譲渡を用いれば、雇用契約を新たに結ばなくとも従業員をそのまま引き継ぐことができ、個別承継であっても従業員と個々に雇用契約を結べば、自社へ迎え入れることができます。

M&Aを行うことにより一気に人手不足の解消を行えるだけでなく、売却側に優秀な人材がいる場合は人材育成の時間とコストも大幅にカットすることができます。

②ビル管理の内製化に伴うサービスの充実

内製化とは、会社が外部の専門家に依頼していた業務を自社内で行うことをいいます。M&Aにより、今まで外部に依頼していた業務に関する事業を獲得すれば、以降はビル管理の内製化が可能になります。

内製化ができれば、顧客の要望やトラブルに対する対応も迅速に行えるようになり、サービスの充実を図ることもできます。

③新規事業へ低コストで参入

新規事業を始めるにあたっては、多くの準備や費用が必要になり、当然のことながら時間もかかります。

しかし、M&Aによる買収で新規事業を既に行っている会社を買収できれば低コストで新規事業に参入することができ、参入までの時間も大幅に短縮することが可能です。

④顧客・取引先・ノウハウなどの獲得

M&Aにより新しい事業や会社が増えるこということは買収先の顧客・取引先・ノウハウなどを新たに獲得することができます。

特に顧客・取引先に関しては新規に関してはなかなか急に獲得することは難しくなっていますが、M&Aを行うことにより、一気に獲得することができます。

⑤事業規模・エリアの拡大

会社を経営していくにあたって自社の事業規模や事業を展開しているエリアというのは決まっており、急に拡大することはできません。

しかし、同事業の会社をM&Aすることができれば事業規模とエリアを拡大することができ、更なる会社の成長に繋げることができます。

【関連】M&Aの手法を一覧比較!〜特徴・メリット・成功ポイント

9. ビルメンテナンス会社のM&Aを成功させるポイント

ビルメンテナンス会社のM&Aを成功させるポイント

ビルメンテナンス会社のM&Aには多くのメリットがありますが、それらを最大限享受するためにはまずM&Aを成功させなければなりません。この章では、ビルメンテナンス会社のM&Aを成功させるポイントを売却側と買収側から解説します。

売却側のポイント

まずは売却側のポイントとして以下の5つを解説します。

  1. 他社にはない強み・特徴を持つこと
  2. 売却のタイミングを見失わないこと
  3. 従業員の年齢がまだ若いこと
  4. 経営陣が売却に対して前向きであること
  5. M&Aの専門家に相談すること

①他社にはない強み・特徴を持つこと

M&Aを成功させるためにはどれだけ自社のことを好意的に思ってくれるのかが重要になります。

そのためには、買収先にはない自社の強みや特徴を持っていればスムーズに交渉を行うことができます。

M&Aを行う前にしっかりと準備を行い、改めて自社の強みと特徴を整理しておく必要があります

②売却のタイミングを見失わないこと

会社を経営していくにあたって業界に対する軌道の上下はどの業界にも当てはまります。

M&Aによる売却を行うタイミングがその業界が波に乗っていれば買収先を探すのはあまり難しいことはなく交渉に関しても優位に進めることができます。

しかし、逆にその業界が苦しいタイミングでM&Aを行っても買収先を見つけるのに苦戦し、もし見つけることができても優位に交渉することは困難になります。

③従業員の年齢がまだ若いこと

M&Aによる売却を行う際に関しては従業員の年齢が全体的に若いことは重要になります。

従業員の年齢が高齢化である場合では引退までの期間が短いなどの理由で変化を嫌う場合が多々みられます。

また、M&Aを行っても新しい環境に馴染むことができずに退職してしまう可能性もあります。

しかし、従業員の年齢が若いと引退までの期間が長かったりM&Aによる環境の変化をプラスに捉える従業員も多くいるため、従業員の年齢がまだ若いことは重要になります。

④経営陣が売却に対して前向きであること

M&Aによる売却は従業員の意思も大事ですが、何より経営陣が売却に対して前向きであることが何より重要になります。

M&Aによる売却を行うためには自社の評価をどのように高く見せるのかが重要になるためさまざまな準備やM&Aが決まるまでの期間は我慢が必要です。

もし、経営陣が売却に対して前向きでなかった場合は自社の評価を高く見せようとする努力などが見られないためM&Aによる売却はなかなか上手く行くことはありません。

⑤M&Aの専門家に相談すること

ビルメンテナンス会社に限らず、M&Aを成功させるためにはしっかりと戦略を立てたうえで自社の目的に合ったスキームを選択することが重要です。

どのような戦略でM&Aを進めていくべきかを判断するためには、専門的な知識やM&Aの経験が必要になるので、自社のみで決定して進めていくのは難しいでしょう。

M&Aの専門家に相談することで自社に最適なスキームを選択することができ、交渉や手続きもスムーズに進めることができます。

買収側のポイント

続いて買収側のポイントとして以下の3つを解説します。

  1. デューデリジェンスの徹底
  2. 統合プロセスの実施
  3. M&Aの専門家に相談すること

①デューデリジェンスの徹底

デューデリジェンスとは、M&Aを行う買い手会社が売り手会社に対して、経営・財務状況などの問題点がないかを詳しく調査することをいいます。

選択するM&Aスキームによっては、簿外債務なども引き継いでしまうため、徹底的に調査を行うことが不可欠です。

デューデリジェンスの結果によっては、条件や価格の変更についてあらためて交渉したり、M&Aを中止することも視野に入れなければならないため、専門家に依頼してしっかり調査することが大切です。

②統合プロセスの実施

統合プロセスとはPMIとも呼ばれるものであり、M&Aが成立した後に両社の経営方針や業務のルール、従業員間の意識融合などを図り、M&Aの目的をスムーズに実現するための必要過程です。

統合プロセスにはハード面・ソフト面があり、これらがうまくいかなければM&Aのシナジーを十分に得ることはできません。

非常に難易度の高い行程といわれているので、M&Aの専門家に相談しながら計画的に進め、メリットやシナジーを最大限得られるようにするとよいでしょう。

③M&Aの専門家に相談すること

買収側も売却先と同じく、M&Aの専門家に相談してサポートを依頼することは不可欠といえます。特に、デューデリジェンスや統合プロセスは専門家のサポートなしで行うのは困難なため、信頼できるM&Aの専門家に選ぶことが重要です。

専門家のなかでもM&A仲介会社であれば、士業が在籍していてワンストップ支援を行っているところも多いので、そのような会社に相談すれば効率的にM&Aを進めることができます。

【関連】M&Aのメリット・デメリットを買い手/売り手の両面で徹底解説

10. まとめ

まとめ

今回は、ビルメンテナンス会社のM&A動向や、M&Aを成功させるポイントいついて解説しました。

ビルメンテナンス会社を取り巻く現状は厳しくなっており、今後は業界での生き残りを図る手段としてM&Aが活用されるケースが増加すると考えられます。

ビルメンテナンス会社のM&Aを検討する際は、業界動向を注視しておき、タイミングを逃さず行えるよう早めに準備をしておくようにしましょう。


【ビルメンテナンス会社を取り巻く現状】

  1. 管理対象の物件数が頭打ちになっていく
  2. 市場減少に伴う顧客の取り合いは必死
  3. 今後は業務・サービスの幅を広げることも予測される
  4. 多くの会社経営者が引退する年齢を迎える可能性
  5. 業界全体で人手不足も深刻

【ビルメンテナンス会社のM&A動向予測】
  1. 大手関連企業からのM&Aが増えると予測される
  2. 海外へのM&Aも増えると予測
  3. 小規模業者が多く経営者の高齢化によるM&Aも増加

【ビルメンテナンス会社のM&Aを成功させる仲介会社選びのポイント】
  1. その分野の専門的知識・M&A実績を持っている
  2. 自社と同規模の案件実績がある
  3. M&Aに関する幅広い知識・経験を持っている
  4. 手数料・相談料・報酬体系が分かりやすい
  5. 担当スタッフの対応・相性

関連する記事

人気の記事

人気の記事ランキング

新着一覧

最近公開された記事