バス会社のM&A・買収・売却・譲渡!みちのりHDの再建術も解説!

乗合バス・貸切バス・観光バスなどの事業を行うバス会社のM&A・買収・売却・事業譲渡についてまとめました。バス会社のM&A・売買動向や、買収・売却・事業譲渡の流れやメリットなどを解説すると共に、みちのりホールディングスによるバス会社の再建術も分析します。


目次

  1. バス会社業界の定義
  2. バス会社業界の現状とM&A・買収・売却・譲渡の動向
  3. バス会社を再建するみちのりホールディングスとは
  4. みちのりホールディングスがバス会社のM&A・買収・売却・譲渡に用いた再建術とは
  5. バス会社のM&A・買収・売却・譲渡の流れ
  6. バス会社のM&A・買収・売却・譲渡のメリット
  7. バス会社のM&A・売買相場
  8. バス会社のM&A・売買の注意点
  9. バス会社のM&A・買収・売却・譲渡の相談先
  10. まとめ

1. バス会社業界の定義

バス会社業界の定義

バス会社のM&A・買収・売却事業譲渡の解説の前に、まずは、バス会社事業の分類について確認しておきましょう。バス会社が行う事業については道路運送法に定められており、正式名称は旅客自動車運送事業です。

同法内において、旅客自動車運送事業は「他人の需要に応じ有償で自動車を使用して旅客を運送する事業」と規定されていますが、旅客自動車運送事業は、さらに以下の2種類に分類されます。
 

  • 一般旅客自動車運送事業:不特定多数の誰でも運送する事業(例:乗合バス、貸切バス)
  • 特定旅客自動車運送事業:特定の人や団体を運送する事業(例:スクールバス)

そして、一般旅客自動車運送事業には、以下の3種類があります。
 

  • 一般乗合旅客自動車運送事業
  • 一般貸切旅客自動車運送事業
  • 一般乗用旅客自動車運送事業

上記のうち、3番目の一般乗用旅客自動車運送事業とは、「乗車定員10人以下の自動車を貸し切って旅客を運送する」こと、つまり、タクシーです。

ここでは、バス会社の事業である一般乗合旅客自動車運送事業と一般貸切旅客自動車運送事業について、その概要を見てみましょう。

一般乗合旅客自動車運送事業=乗合バス

一般乗合旅客自動車運送事業とは、いわゆる乗合バスを指しています。法律上の規定では、「路線を定めて定期に運行する自動車により乗合旅客を運送する事業」です。つまり、乗合バスを別の表現でいえば、路線バスのことになります。

なお、観光バスは、基本的に貸切バス形態がほとんどなので一般貸切旅客自動車運送事業に該当しますが、乗合バスによる定期観光バスという形態もあり、その場合は一般乗合旅客自動車運送事業への分類です。また、高速バスは一般乗合旅客自動車運送事業に該当します。

公益社団法人日本バス協会の資料「2019年度版(令和元年度)日本のバス事業」によると、乗合バス事業の2017(平成29)年の市場概況は以下のとおりです。ただし、従業員数と運転者数は2016(平成28)年の数値になります。

乗合バス事業概況(2017年)

事業者数 2,279社
車両数 60,522車
輸送人員 43億4,226万1,000人 
営業収入 9,497億7,500万円
従業員数 125,611人
運転者数 84,224人
出典:公益社団法人日本バス協会「2019年度版(令和元年度)日本のバス事業」
http://www.bus.or.jp/about/pdf/2019_busjigyo.pdf

一般貸切旅客自動車運送事業=貸切バス、観光バス

一方、一般貸切旅客自動車運送事業とは、貸切バスであるツアーの観光バスや、同じく貸切バス形態である企業の送迎などに使われるバスが該当します。同じ貸切バスでも、用途はさまざまです。

公益社団法人日本バス協会の資料「2019年度版(令和元年度)日本のバス事業」で、貸切バス事業の2017年の市場概況も見てみましょう。なお、こちらも従業員数と運転者数は、2016年の数値です。

貸切バス事業概況(2017年)

事業者数 4,324社
車両数 51,109車
輸送人員 2億9,931万8,000人 
営業収入 5,764億7,000万円
従業員数 68,697人
運転者数 48,772人
出典:公益社団法人日本バス協会「2019年度版(令和元年度)日本のバス事業」
http://www.bus.or.jp/about/pdf/2019_busjigyo.pdf
 

【関連】タクシー会社のM&A・買収・売却・譲渡!相場や仲介会社を比較【事例あり】

2. バス会社業界の現状とM&A・買収・売却・譲渡の動向

バス会社業界の現状とM&A・買収・売却・譲渡の動向

乗合バス・貸切バス・観光バスのバス会社をM&A・会社売買によって買収・売却・事業譲渡しようと考えている場合、すぐにM&Aを実行するのではなく、バス会社業界の現状とM&A動向を確認することが大切です。

バス会社業界の現状とM&A・会社売買動向をしっかり理解していないと、タイミング悪くM&Aを実施してしまい、よい売買相手が見つからなかったり、希望価額で交渉を進められてしまったりする危険性があります。

したがって、乗合バス・貸切バス・観光バス会社の買収・売却・事業譲渡を検討する場合は、以下のバス会社業界の現状とM&A動向をしっかりチェックしておくことが必要です。

【バス会社業界の現状とM&A・買収・売却・事業譲渡動向】

  1. 新しい許認可を取りにくくなっている
  2. 引退年齢を迎える経営者やドライバーが多い
  3. 乗合バス事業の規制緩和による競争激化
  4. 労働条件の改善が行われた
  5. 零細企業は廃業している
  6. 同業・異業種いずれからもM&Aが行われている

①新しい許認可を取りにくくなっている

バス業界では、「新しい許認可が取りにくい」という現状があります。近年、貸切バス・観光バスによる事故の多発や、バス会社業界の過労運転などが問題視されたことで、一定部分での規制が強化されました。

具体的には、「過労運転防止」を目的とした「交代運転手の配置」や、貸切バス事業の許可申請・監査の厳格化などが進んでいます。これらにより、バス会社として新たな許認可を取ることが難しくなっているのです。

②引退年齢を迎える経営者やドライバーが多い

バス会社の経営者や、バス会社にとって欠かせないドライバーの多くが引退する年齢を迎えつつあるという現状があります。

特に経営者の場合は、少子化や価値観の多様化を原因として後継者不足問題があり、解決できない場合、事業承継ができず廃業の危機にあるバス会社も少なくありません。

③乗合バス事業の規制緩和による競争激化

2002(平成14)年に乗合バスに関する規制緩和が行われ、貸切バス会社・観光バス会社はもちろん、タクシー会社や運送会社などからの新規参入が急増しました。

その結果、バス業界全体での価格競争が激化し、労働者の賃金低下や過労を引き起こす労働体制などが問題視されています。

④労働条件の改善が行われた

規制緩和によって悪化した労働条件によって、悲惨な事故が引き起こされたことを受けて、近年では、労働条件の改善が進められています。

具体的には、バスの運行管理の規制強化・監査やチェックの強化、キャリアアップ助成金やキャリア形成促進助成金の提供などが行われるようになったのです。

⑤零細企業は廃業している

特に「乗合バス」においては、自家用車の普及や少子高齢化の影響を受けて、利用者が減少傾向にあります。

なかでも地方ではその影響が大きく、乗合バス事業者の約7割が赤字経営という状況です。その結果、廃業を余儀なくされるバス会社も増加しています。

⑥同業・異業種いずれからもM&Aが行われている

新しく許認可を取ることが難しい現状や、後継者問題・人材不足による経営難などを受けて、近年のバス会社業界では、同業・他業種いずれからもM&A・会社売買が積極的に行われるようになりました。

異業種企業としては、すでに許認可を持つバス会社を買収することで、たやすくバス会社業界に新規参入できます。また、後継者問題に悩まされているバス会社経営者は、事業譲渡・会社売却によって事業承継の実現を目指しているのです。

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3. バス会社を再建するみちのりホールディングスとは

バス会社業界を再建するみちのりホールディングスとは

出典: https://www.michinori.co.jp/

利用者の減少や人材不足などによって、苦しい状況に立たされているバス会社を再建しようとする会社をご存知でしょうか。それが、「みちのりホールディングス」です。

持ち株会社であるみちのりホールディングスは、東北・北関東のバス会社を買収して傘下に収め、そのバス会社各社の経営再建を図っています。

みちのりホールディングスによるバス会社のM&A状況

近年、みちのりホールディングスは多くのバス会社をM&A・会社売買によって買収しています。みちのりホールディングスのM&A状況は以下のとおりです。

【みちのりホールディングスのM&A状況】

  • 福島交通:2009(平成21)年3月
  • 茨城交通:2009年3月
  • 岩手県北バス:2010(平成22)年3月
  • 関東自動車:2012(平成24)年4月
  • 会津バス:2013(平成25)年8月
  • 湘南モノレール:2015(平成27)年6月
  • 東野交通:2016年12月
  • 南武バス:2017年3月
  • 日立電鉄交通サービス:2017年12月

みちのりホールディングスの経営方針

みちのりホールディングスは、「スケールメリットを生かす経営方針」を打ち出しています。スケールメリットとは「規模の経済」とも表現されるものです。

ベストな人事評価制度の共有や経営管理・PDCA手法の共通化、高速バスのネットワーク化、生産性向上のための労働分配などをグループ傘下企業全体で行うことで、単独経営では期待できない効果を生み出すことを目指しています。

みちのりホールディングスとバス会社業界全体の業績比較

みちのりホールディングスは、上記のようにM&Aを積極的に行い、東北・関東圏のバス会社を買収し、経営再建を図ってきました。

その結果、自社バスを持たずして「売上高50億円」を達成しています。これは、2017年の高速バス売上高ランキング第2位の業績です。

乗合バス事業者の約7割が赤字経営状態で苦戦しているなか、みちのりホールディングスの業績は抜きん出ているといえるでしょう。

4. みちのりホールディングスがバス会社のM&A・買収・売却・譲渡に用いた再建術とは

みちのりホールディングスがバス会社のM&A・買収・売却・譲渡に用いた再建術とは

厳しい状況のなかで目覚ましく業績を上げているみちのりホールディングスが、バス会社のM&A・買収・売却・事業譲渡に用いた再建術について説明します。

【みちのりホールディングスが用いた再建術】

  1. 親しみやすく使いやすいバスの提供
  2. IoT・ITを使った利便性の改善
  3. 高速バス事業の強化
  4. グループ規模の拡大

①親しみやすく使いやすいバスの提供

M&A・会社売買によって買収したバス会社を再建させるために用いた再建術の一つが、「親しみやすく使いやすいバスの提供」です。

たとえば、みちのりホールディングスがM&A・会社売買で買収した「会津バス」では、全国的に珍しい「ボンネットバス」を運行しています。

また、バス本体にカラフルな装飾が施された「ヒトものバス」も有名です。親しみやすく・頭に残りやすいバスを提供する再建術が、利用者増加に寄与しています。

②IoT・ITを使った利便性の改善

みちのりホールディングスは、「Iot・ITを使った利便性の改善」にも力を入れています。一例として、ベテランドライバーのハンドル操作をカメラ撮影し、ドライバーの動きのデータを収集することで「自動運転技術」への応用を検討中です。

また、ナビタイムやジョルダンなどの「乗り換え検索アプリ」に全社対応しており、利便性向上を図っています。

さらに、M&A・会社売買によって買収した各バス会社のホームページデザインを統一する・時刻表を統一するなどの細かな配慮も抜かりがありません。

③高速バス事業の強化

みちのりホールディングスは、「高速バス事業の強化」も行っています。都市間交通を担っている高速バス事業において、利便性の向上と社会的認知度の向上、ライバルである鉄道会社に対抗するための低運賃などを駆使し、年間で1億人を超える利用者を獲得しました。

さらに、路線ネットワークを見直すことで、高速バスのさらなる安全性向上と持続性維持を掲げています。

④グループ規模の拡大

上記のみちのりホールディングスのM&A・会社売買動向でも見て取れるように、コンスタントにバス会社の買収を行うことで、グループ規模を拡大しています。

みちのりホールディングスの経営方針は、「スケールメリットを生かす」ことであり、そのために、できるだけグループ規模を大きくしていっているのです。

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5. バス会社のM&A・買収・売却・譲渡の流れ

バス会社のM&A・買収・売却・譲渡の流れ

ここからは、乗合バス・貸切バス・観光バスといったバス会社をM&A・会社売買によって買収・売却・事業譲渡する流れを解説します。

実際にバス会社のM&A・会社売買の実施を検討されている方は、以下で説明する流れを参考に手続きを進めてください。

M&Aによるバス会社の売却・事業譲渡の流れ

【M&Aによるバス会社の売却・事業譲渡の流れ】

  1. M&A仲介会社に相談する
  2. 自社の企業価値を算定する
  3. 買収相手を選定する
  4. 交渉する
  5. M&A基本合意書の締結をする
  6. 最終条件の交渉・最終契約書の締結を行う
  7. M&A手続きのクロージング

①M&A仲介会社に相談する

会社売却・事業譲渡を検討しているバス会社は、まずは「M&A仲介会社」などのM&A専門家に相談することから始めましょう。

M&A仲介会社に相談することで、自社に適したM&A手法の助言を受けたり、希望条件にマッチした交渉相手を見つけたりできます。

M&A仲介会社に相談後、正式に仲介サービスを依頼する場合はM&A仲介会社と委託契約を結びますが、昨今は多くのM&A仲介会社が存在するため、どの会社にするか迷ってしまうかもしれません。

そこで、全国の中小企業のM&Aに数多く携わっているM&A総合研究所をおすすめします。M&A総合研究所はバス会社のM&A実績も申し分なく、最適なM&A仲介会社です。

随時、無料相談を受けつけていますので、まずは、お気軽にお問い合わせください。

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②自社の企業価値を算定する

自社を売却・事業譲渡する際に、どのくらいの売却・譲渡金額になるのかを把握するために、自社の企業価値算定を行います。

③買収相手を選定する

M&A仲介会社のネットワーク内にある「バス会社の買収を検討している企業」のなかから、候補先の提示を受けましょう。

そのなかから、自社の条件に適した買収相手を選定します。

④交渉する

自社の買収候補企業を選定したら、M&A交渉を進めていきます。内容は、M&Aに関する条件のすり合わせ、売買価額の交渉などです。

⑤M&A基本合意書の締結をする

交渉を進めた結果、双方が納得できる内容で条件のすり合わせができたら、基本合意書の締結を行います。この「基本合意書の締結」は仮契約である点に、注意が必要です。

⑥最終条件の交渉・最終契約書の締結を行う

買収企業によるデューデリジェンス(企業の監査)が完了したら、その内容を踏まえた最終条件の交渉です。最終契約書を締結したら、もう後戻りはできません。納得できる条件で合意確認しましょう。

⑦M&A手続きのクロージング

最終契約書の締結後、しかるべきタイミングでM&Aのクロージング(具体的なM&A手続きの実施)となります。クロージングでは、実施するM&Aスキームに応じた株式の引き渡しや資産の引き渡しなどと合わせて、M&Aにおける対価の決済を受けます。

M&Aによるバス会社の買収の流れ

【M&Aによるバス会社の買収の流れ】

  1. 買収したいバス会社についてM&A仲介会社に打診する
  2. M&Aの秘密保持契約を結ぶ
  3. 対象バス会社のM&Aを検討する
  4. 交渉する
  5. M&A基本合意書の締結をする
  6. デューデリジェンスを実施する
  7. 最終条件の交渉・最終契約書の締結を行う
  8. M&A手続きのクロージング

①買収したいバス会社についてM&A仲介会社に打診する

M&Aによってバス会社を買収したいと考えている企業は、まずM&A仲介会社などのM&A専門家に相談をして、自社が買収したい条件に合う会社や事業の候補がないか打診をします。

その際に、どのM&A仲介会社に相談すべきかお悩みの場合には、M&A総合研究所にご連絡ください。バス会社のM&Aに十分な実績を持つM&A総合研究所であれば、安心してM&Aのサポートをお任せいただけます。

無料相談は24時間年中無休で承っておりますので、バス会社のM&Aを検討される際には、お気軽にお問い合わせください。

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②M&Aの秘密保持契約を結ぶ

M&A仲介会社から提示された候補先企業に関する概要書を入手したら、M&A仲介会社と「秘密保持契約」を結びます。

③対象バス会社のM&Aを検討する

入手した対象バス会社の情報をもとに、実際にM&Aを進めるかどうかを検討します。その後、対象バス会社と交渉を進めたいと思ったら、M&A仲介会社とアドバイザリー契約を結び、先方との交渉です。

④交渉する

M&A実施を決定したら、買収対象のバス会社との交渉です。この交渉の段階で、売買価額のすり合わせなども行います。

⑤M&A基本合意書の締結をする

条件交渉の結果、双方の合意が行われたら、「基本合意書の締結」を行います。この「基本合意書の締結」はあくまでも仮契約であり、M&Aを完了させる本契約ではないので注意が必要です。

⑥デューデリジェンスを実施する

基本合意書の締結が完了したら、「デューデリジェンス」を実施します。デューデリジェンスとは、対象バス会社の財務状態や労務状態などを詳しく調査する作業のことです。

このデューデリジェンスを徹底することで、バス会社を買収した後の「簿外債務の発生」や「多額の負債の発覚」などといったリスクを未然に防げます。

⑦最終条件の交渉・最終契約書の締結を行う

デューデリジェンスの結果、買収対象のバス会社に特に大きな問題がないことがわかったら、最終条件の交渉です。その後、双方が合意できたら、「最終契約書の締結」を行います。

⑧M&A手続きのクロージング

最終契約書の締結が完了したら、M&A手続きのクロージングです。クロージングでは、M&Aの完了手続きと対価の支払いを行います。

【関連】M&A実務!流れや企業価値算定、契約書、クロージング手続きを解説!

6. バス会社のM&A・買収・売却・譲渡のメリット

バス会社のM&A・買収・売却・譲渡のメリット

ここからは、バス会社のM&A・買収・売却・事業譲渡のメリットについてまとめます。バス会社を買収したり、売却したりする際に、どのようなメリットを得られるのか気になる方は、ぜひ参考にしてください。

バス会社を会社売却・事業譲渡する側のメリットと、バス会社を買収・事業譲受する側のメリットを分けて解説します。

バス会社を売却・事業譲渡する側のメリット

まずは、バス会社を売却・事業譲渡する側のメリットについて説明します。

【バス会社を売却・事業譲渡する側のメリット】

  1. 後継者問題の解決
  2. 売却・事業譲渡益の獲得
  3. 運転手・従業員の雇用確保
  4. 大手資本の力で安定した運営
  5. 債務や個人保証・担保などの解消

①後継者問題の解決

バス会社業界では、人材不足と経営者の高年齢化によって「後継者問題」が発生しています。M&Aを実施して、バス会社を売却・事業譲渡を行うことで、事業承継を実施でき、後継者問題を解決できます。

②売却・事業譲渡益の獲得

バス会社を売却・事業譲渡することのメリットとして、「売却・事業譲渡益を獲得できる」というものがあります。かなりのまとまった現金を得られるはずですから、老後の生活資金として、あるいは、新事業資金などとしても十分な活用ができるでしょう。

なお、この売却・事業譲渡益は「創業者利益」と表現されることもあります。

③運転手・従業員の雇用確保

地方の中小企業などでは、経営難や後継者問題などによって、廃業を余儀なくされるバス会社が多くあります。M&Aによって、バス会社を売却・事業譲渡できれば廃業せずにすむため、「運転手・従業員の雇用を確保」できるのです。

④大手資本の力で安定した運営

M&Aによってバス会社を売却・事業譲渡できれば、買い手企業の大手資本を活かして、安定した経営が実現します。また、大手資本・豊富な経営資源を活用して、業績拡大も可能です。

⑤債務や個人保証・担保などの解消

M&A手法で「株式譲渡」を選んだ場合、会社が抱える債務や、経営者が抱える個人保証・担保などは、全て買い手企業に引き継がれます。これによって、バス会社の経営者は、負債や個人保証から解放されるのです。

バス会社を買収・事業譲受する側のメリット

続いて、バス会社を買収・事業譲受する側のメリットについて説明します。

【バス会社を買収・事業譲受する側のメリット】

  1. 許認可の獲得
  2. バス車両を一括で取得
  3. 経験豊かな運転手を獲得
  4. 新しいエリアへの事業拡大
  5. 低コストで新規事業への参入

①許認可の獲得

バス会社業界の現状でも解説したように、近年は許認可が取りにくい状況です。したがって、バス会社業界に新規参入したい異業種企業がバス会社を買収することで、「許認可を獲得できる」というメリットがあります。

②バス車両を一括で取得

バス会社を買収できれば、買収した会社が保有するバス車両を一括で取得できます。納車まで長い時間がかかるバス車両を一括取得できることは、非常に大きなメリットです。

③経験豊かな運転手を獲得

各バス会社にとって、「運転手」は非常に重要な人材といえます。しかし、「ベテラン運転手の定年」や「規制強化による交代運転手の配置」よって、運転手不足に悩まされているバス会社が多くあるのが現実です。

M&Aを実施して、バス会社を買収できれば、買収したバス会社に在籍する運転手や従業員も引き継げるので、人材不足を解消できます。

④新しいエリアへの事業拡大

自社が事業を展開しているエリアと異なるエリアを基盤としているバス会社を買収することで、「新しいエリアへの事業拡大」が実現します。

⑤低コストで新規事業への参入

新規事業へ参入する場合、従業員の育成や設備投資など、多額の初期費用と時間が必要となってしまいます。また、新規事業を成長させるためには、ノウハウや実績の確保にも多くの手間と時間が必要です。

M&Aを実施して、参入したい事業をすでに展開している会社を買収することで、新規事業にかかるコストと時間を抑えられます

【関連】M&Aのメリット・デメリットを買い手/売り手の両面で徹底解説

7. バス会社のM&A・売買相場

バス会社のM&A・売買相場

M&Aにおける売買の取引価額は、売却側企業の業績、保有資産、従業員数などで決まりますが、その内容は各社それぞれ異なりますから、残念ながら具体的な相場価額の掲示は難しいものがあります。

バス会社の場合は、特に保有するバスの台数や営業エリア・営業所数、運転手の人数などが重要要件であり、それらの数値によって、M&Aの売買価額は大きく変動するでしょう。

あくまでも概念的な目安の数字でしかありませんが、公表されている過去のM&A事例から類推すると、小規模のバス会社の場合は数百万円程度、中規模のバス会社の場合は数千万円レベル、大規模のバス会社では数億~10億円前後などがあり得ます。

【関連】会社売却・事業売却の相場とは?売却価格の決め方と高く売る条件・方法をわかりやすく解説

8. バス会社のM&A・売買の注意点

バス会社のM&A・売買の注意点

バス会社のM&A・売買を実施するにあたり、押さえておきたい注意点があります。特に以下の3点については、気をつけておきましょう。
 

  • M&A後のバス運転手の去就
  • 労務管理の不行き届き
  • 債権者対応

M&A後のバス運転手の去就

バス会社のM&Aでは、買収側としては運転手の確保も大きな目的です。しかし、買収後、就業環境の変化や労働条件の変更などが原因で、運転手が退職・流出してしまうケースが過去にありました。

バス会社に限らずM&Aというものは、従業員にとっては、ただでさえ動揺してしまい、ナーバスな心情になるものです。

運転手の退職・流出を未然に防ぐためには、M&A発表後の早い段階から従業員とのコミュニケーションを図り、待遇面での不安や不満を取り払うように努めましょう。

労務管理の不行き届き

バス会社のM&Aで売却側においては、日々の運営に手いっぱいで労務管理に不備がある会社も少なくありません。そして、労務管理に不行き届きがある場合の一番の問題は、未払い賃金です。

小規模な会社では、きちんとした労働契約が取り交わされておらず労働条件が不明瞭であったり、時間外労働がきちんと管理されていないために残業代の未払いがあったりなどの事象があります。

たとえ経営者の故意ではなかったとしても、そのような内容がデューデリジェンスで発覚すればM&Aが破談になりかねませんし、M&A後に発覚すれば損害賠償請求をされる恐れもあるでしょう。

したがって、バス会社を売却することを決めた場合には、あらためて労務管理の見直しを行い、不備があれば正して、特に未払い賃金だけは解消するように努めてください。

債権者対応

M&Aを実施する際、買収側であれ売却側であれ、会社の債権者から反対をされてしまうと、M&Aの手続きを進められなくなる可能性のリスクがあります。

そこまでではないにしても、債権者からの反対があれば、それに対して、さまざまな対応をしなければならないのは必至です。ただでさえM&Aの手続きには日常業務とは違う煩雑さや難しさがあるため、そこに債権者対応が加わると、大変な手間となります。

つまり、覚えておきたいM&Aでの債権者対応とは、反対表明などが起こらないように、M&Aを実施する前段階において、債権者に対してM&Aの意図・目的・意義などについて十分な説明を行い、事前に同意を得ておくということです。

【関連】M&Aを行う際の注意点とは?買い手と売り手ごとに徹底解説!

9. バス会社のM&A・買収・売却・譲渡の相談先

バス会社のM&A・買収・売却・譲渡の相談先

M&Aを安心・スムーズに進めていくためには、M&A仲介会社の利用が必要不可欠です。

M&A総合研究所では、豊富な経験と知識を持つM&Aアドバイザーが専任となり、相談時からクロージングまでM&A・事業承継を徹底サポートします。

これまでの実績で培った独自ネットワークを駆使し、通常は10ヶ月~1年以上かかるとされるM&Aを、最短3ヶ月でスピード成約する機動力も強みです。

料金システムは完全成功報酬制となっており、着手金や中間手数料などはなく、M&Aが成約するまで一切、費用は発生しませんし、仮にM&Aが成約しなければ、手数料の請求はありません。

また、成功報酬額は国内最安値水準ですから、安心してリーズナブルにM&Aの実現が目指せます。随時、無料相談を受けつけておりますので、バス会社のM&Aをお考えの際には、お気軽にお問い合わせください。

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10. まとめ

まとめ

バス会社の買収・売却・譲渡を検討する際のポイントは、以下のとおりです。

【バス会社業界の現状とM&A・買収・売却・事業譲渡動向】

  • 新しい許認可を取りにくくなっている
  • 引退年齢を迎える経営者やドライバーが多い
  • 乗合バス事業の規制緩和による競争激化
  • 労働条件の改善が行われた
  • 零細企業は廃業している
  • 同業・異業種いずれからもM&Aが行われている

【M&Aによるバス会社の売却・事業譲渡の流れ】

  1. M&A仲介会社に相談する
  2. 自社の企業価値を算定する
  3. 買収相手を選定する
  4. 交渉する
  5. M&A基本合意書の締結をする
  6. 最終条件の交渉・最終契約書の締結を行う
  7. M&A手続きのクロージング

【M&Aによるバス会社の買収の流れ】

  1. 買収したいバス会社についてM&A仲介会社に打診する
  2. M&Aの秘密保持契約を結ぶ
  3. 対象バス会社のM&Aを検討する
  4. 交渉する
  5. M&A基本合意書の締結をする
  6. デューデリジェンスを実施する
  7. 最終条件の交渉・最終契約書の締結を行う
  8. M&A手続きのクロージング

【バス会社を売却・事業譲渡する側のメリット】

  1. 後継者問題の解決
  2. 売却・事業譲渡益の獲得
  3. 運転手・従業員の雇用確保
  4. 大手資本の力で安定した運営
  5. 債務や個人保証・担保などの解消

【バス会社を買収・事業譲受する側のメリット】

  1. 許認可の獲得
  2. バス車両を一括で取得
  3. 経験豊かな運転手を獲得
  4. 新しいエリアへの事業拡大
  5. 低コストで新規事業への参入

MA&を成功させるためには、M&A仲介会社などのM&A専門家を利用することが重要です。

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