クロスボーダーM&Aの成功・失敗事例ランキング!業種別評価額ランキングもあり!

クロスボーダーM&Aは近年増加傾向にあり、企業によっては成功したり、失敗するといった事例があります。そこでこの記事ではクロスボーダーM&Aについて成功・失敗の事例を紹介します。さらに業種別評価額についてもランキング形式で紹介します。


目次

  1. クロスボーダーM&Aとは
  2. クロスボーダーM&Aの成功事例
  3. クロスボーダーM&Aの失敗事例
  4. クロスボーダーM&Aの業界別評価額ランキング
  5. クロスボーダーM&Aを成功させる秘訣
  6. クロスボーダーM&Aの相談先
  7. まとめ

1. クロスボーダーM&Aとは

クロスボーダーM&Aとは

近年、国内の人口減少に伴う人手不足や売り上げ減少の影響で海外に進出する企業が増加しています。海外に進出する方法の1つとしてクロスボーダーM&Aがあります。クロスボーダーM&Aとは、国際間で会社や事業の譲渡・売買を行うことです。国内の企業に置き換えると、M&Aの取引相手が日本国外の企業の場合、クロスボーダーM&Aに該当します。

この記事では、近年注目されているクロスボーダーM&Aについて成功事例と失敗事例、さらに業種別の評価額についても紹介します。

2. クロスボーダーM&Aの成功事例

クロスボーダーM&Aの成功事例

まずは、クロスボーダーM&Aに成功した事例を10例紹介します。

①JTによるクロスボーダーM&A

まず最初に紹介する成功している企業はJT(日本たばこ産業)です。もともとは、日本専売公社のたばこ事業を民営化した会社で、現在はたばこ以外にも清涼飲料水なども販売しています。

日本のたばこ事情ですが、近年の国内での健康意識の高まりや国の禁煙の促進などにより、JTの国内での売り上げは低下しています。そこでJTは、海外での市場シェア拡大と販売網・ノウハウなどの共有によるシナジー効果を期待してクロスボーダーM&Aを積極的に行いました。その結果、2016年度の連結売上は約2兆1000億円となっています。

JTのクロスボーダーM&Aについて、さらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

JTのM&A成功の秘訣を徹底解説!買収失敗はあるの? | M&A・事業承継ならM&A総合研究所

②ソフトバンクによるクロスボーダーM&A

次に紹介する企業はソフトバンクです。ソフトバンクは、日本企業の中で一番M&Aに成功している企業といわれています。クロスボーダーM&Aの例として、2013年のアメリカのスプリント・ネクステル・コーポレーションの買収があります。

この企業はアメリカで携帯電話や通信事業を行っています。ソフトバンクは世界における事業基盤の確保と事業の収益を狙って、スプリント・ネクステル・コーポレーションを約1兆8000億円で買収しました。その結果、ソフトバンクの顧客数は日米合わせた数で第1位となりました。

③楽天によるクロスボーダーM&A

楽天も積極的なクロスボーダーM&Aを行っています。まずは2005年にアメリカのLinkShare社を約460億円で買収し、アメリカのアフェリエイト事業に参入をしました。

それ以降は、2012年にカナダのKobo社を約236億円で、2014年にはキプロスのバイバー・メディア社の無料メッセージングアプリViberを約920億円で買収し、連結での売り上げを大きく伸ばしています

④リクルートホールディングス株式会社によるクロスボーダーM&A

リクルートは人材紹介・人材派遣などを行っている会社です。この会社も積極的なクロスボーダーM&Aを行っています。2010年ごろからアメリカ・ヨーロッパ・オーストラリアなどを中心に約5000億円をかけて約20社のM&Aを行ってきました

特に一番売り上げに貢献している子会社は2012年に買収したアメリカの人材テクノロジー会社のIndeedです。人材募集のグーグルといわれているこの会社は買収後の5年間で年平均70%の売り上げ増加に貢献しています。

⑤日本電産株式会社によるクロスボーダーM&A

日本電産もクロスボーダーM&Aを積極的に行っている会社です。主に精密機器などの技術系の会社を買収し、ノウハウの共有などシナジー効果を得て、2018年度の売上高は連結で約1兆5000億円となっています

⑥第一生命ホールディングス株式会社によるクロスボーダーM&A

第一生命も積極的なクロスボーダーM&Aを行っています。保険事業は国内の人口減少による売り上げ減少の影響を受けています。そのため、2007年のベトナムの保険会社バオミンCMGの買収を皮切りに、オーストラリア・アメリカなどの保険会社の買収を積極的に行っています

⑦電通によるクロスボーダーM&A

大手広告代理店の電通も国内の売り上げ低迷により積極的なクロスボーダーM&Aを行っています。2013年のイギリス広告会社イージス社の買収を皮切りに100社以上の買収を行っています

この結果、電通の売り上げの半分以上は海外の子会社があげている分であり、今後さらにクロスボーダーM&Aを進めていく予定です。

⑧セブン&アイホールディングスによるクロスボーダーM&A

セブン&アイホールディングスは、コンビニ事業を主力としているのですが、近年は売り上げの伸びが鈍化していました。この状況から海外進出し、アメリカでの販売網を強化するために、2018年アメリカの中堅コンビニ企業であるスノコLP社からコンビニ事業とガソリン事業の買収を行いました

⑨クックパッド株式会社によるクロスボーダーM&A

クックパッド社も積極的なクロスボーダーM&Aを行っています。特に海外でクックパッドと同じようなレシピ提供サービスを行っている会社の買収を行い、現在では約67か国でサービスの提供を行っています

⑩武田薬品工業株式会社によるクロスボーダーM&A

武田薬品工業は新薬を開発している医薬品メーカーです。近年、医薬品メーカーは研究開発費以上の売り上げ額になる新薬の開発に苦戦しています。

このような背景により、優秀な人材と資金・開発ノウハウなどの得るために積極的なM&Aが行われています。特に武田薬品工業は2018年に国内のクロスボーダーM&Aとしては最高額となる約6兆8000億円でアイルランドの大手製薬会社シャイヤーの買収を行いました。これにより武田は世界で第8位のメガファーマとなりました

3. クロスボーダーM&Aの失敗事例

クロスボーダーM&A失敗事例について

次に、クロスボーダーM&Aに失敗した事例を10例紹介します。これからクロスボーダーM&Aを考えている経営者の方は、これらの失敗を参考に自社のM&Aで失敗しないようにしてください。

①ウォルマートによる西友へのクロスボーダーM&A

まずは、アメリカの大手ディスカウントスーパーのウォルマートによる西友へのクロスボーダーM&Aの失敗事例です。2002年にウォルマートは西友を完全子会社化し、人員削減などウォルマート流の経営改革で業績改善を図ろうとしました。

西友は、ウォルマート流のディスカウントスーパー方式により、販売を行いましたが、それが日本市場に合わなかったせいか近年は売り上げが低迷していました。そして2018年、ウォルマートは西友の売却を検討していることを発表し、ウォルマートは日本市場から撤退することを決めています。

②キリンビールによるスキンカリオールへのクロスボーダーM&A

キリンビールは2011年にブラジルのスキンカリオールへのクロスボーダーM&Aを行いました。キリンビールも売り上げを伸ばすために国内外で様々なM&Aを行っており、この事例はその1つでした。

当時のブラジルは成長著しい発展途上国で、ビール市場に参入することにより売り上げが伸びると見込んでいました。しかし、ブラジルの景気低迷やほかの企業の参入による競争激化、ブラジル通貨安が原因で予想していたほど売り上げは伸びませんでした。結果、クロスボーダーM&Aに失敗し、スキンカリオールの事業価値を再計算し、約1400億円の減損損失を計上しています

③三菱地所によるロックフェラーセンターへのクロスボーダーM&A

この事例は1980年代後半のことです。当時、日本はバブル景気で資金が有り余っていた一方でアメリカは不況という状況でした。1989年三菱地所はロックフェラーグループを約2200億円で買収し、事実上ロックフェラーセンターへのクロスボーダーM&Aを実施しました。

しかし、その直後日本ではバブルが崩壊し、さらに1995年にロックフェラーグループが破産するなどの影響で、1996年三菱地所は1500億円以上の特別損失を計上し、初めて赤字を計上しています

④NTTコミュニケーションズによるベリアへのクロスボーダーM&A

NTTコミュニケーションズは2000年にアメリカのベリア社へのクロスボーダーM&Aを実施しました。買収額は約6000億円でこれによりNTTコミュニケーションズにとっては初めての海外進出を果たしました。

しかし、買収直後から業績は悪化し、1年後には約5000億円を評価損を計上しています

⑤第一三共によるランバクシーへのクロスボーダーM&A

第一三共は新薬を開発している医薬品メーカーです。先ほど紹介したように新薬メーカーは研究開発費へ資本を集中させるために様々な戦略を行っています。第一三共は利益と研究開発費確保のために市場シェアが拡大している後発医薬品であるジェネリック医薬品の市場に参入する戦略を立てました。

そのため、インドのジェネリックメーカーであるランバクシー社へのクロスボーダーM&Aを行いました。しかし、ランバクシー社は買収前に医薬品の管理方法などたびたび指摘を受けていたにも関わらず改善をしていませんでした。そのため、買収後ランバクシー社の医薬品に対して取引制限がかかり、第一三共は約3500億円の減損損失を計上しています

⑥古賀電工によるルーセント・テクノロジーへのクロスボーダーM&A

古賀電工は光ファイバーなどの通信事業を行っている会社です。アメリカの通信事業への参入を行うために同じ事業を行っていた、アメリカのルーセント・テクノロジーを2001年に買収しました。

光ファイバーの拡大のために約900億円を投資しましたが、北米エリアの不況によりこの子会社は4期連続で赤字を計上しました。結果として古賀電工は2004年に1000億円の評価損を計上しています

⑦日立によるIBM社のハードディスク事業部門へのクロスボーダーM&A

日立製作所は2002年にIBM社のハードディスク部門を約2500億円で買収しました。これにより、ハードディスク装置を製造しているメーカーの中では世界第3位に浮上しました。

しかし、買収後から5年間黒字化することなく、最終的には2007年度会計で1600億円の評価損を計上しています

⑧LIXILによるグローエへのクロスボーダーM&A

LIXILは2017年にドイツのグローエ社へのクロスボーダーM&Aを実施しています。しかし、クロスボーダーM&Aは失敗に終わっており、その原因はデューデリジェンス(企業監査)が甘かったからです。

もともとグローエはジョウユウを子会社化していました。しかし、この会社のトップは中国人であり、当時中国ではトップによる不正横領などが頻繁に行われていました。それを知らずにグローエはジョウユウを買収しました。LIXILはそのことを知らずにグローエを買収したため、最終的にLIXILは約660億円損失しています

⑨富士通によるICLへのクロスボーダーM&A

富士通によるICLへのクロスボーダーM&Aも失敗しています。この原因は富士通の純資産低下です。富士通は、海外の関連事業に対して積極的なM&Aを行っていました。

そのため、純資産が低下していたのですが、ICL買収時も子会社化して上場すれば純資産が回復すると考えていました。しかし、ITサービスを海外に展開するには上場せず、子会社のままのほうが得策と考えて上場を見送りました。その結果、約2900億円の評価損を計上しています

⑩丸紅によるガビロンへのクロスボーダーM&A

最後の失敗した事例は2013年に行われた日本の大手商社丸紅によるアメリカ穀物大手ガビロン社のクロスボーダーM&Aです。丸紅は中国市場で増加している穀物需要に注目し、穀物会社を買収して、安価で販売しようと考えていました。

しかし、中国政府は安価で大量に販売されると中国市場で丸紅が寡占化するのではないかと考え、丸紅に対して輸出制限を行いました。この影響で丸紅は2015年度に約1200億円の特別損失を計上しています

この記事で紹介したクロスボーダーM&A以外にも成功・失敗したM&Aはたくさんあります。以下の記事ではM&Aのさらに詳しい事情や他の事例を紹介していますので、併せてお読みください。

M&A成功事例25選!【2018年最新版】 | M&A・事業承継ならM&A総合研究所

4. クロスボーダーM&Aの業界別評価額ランキング

クロスボーダーM&Aの評価額ランキングについて

次は、業界別でクロスボーダーM&Aが行われた被買収会社の評価額をランキング形式で業界別に上位3件ずつ紹介します。さらに詳しく知りたい方は、リンク先を掲載していますので、併せてお読みください。なお、この記事で紹介する業界別評価額ランキングは2、017年度に行われたM&Aのみを対象にしています。

業界別クロスボーダーM&Aの評価額について

M&A評価額について

M&Aの大きさは、被買収企業の評価額とM&Aでの取引額で知ることができます。被買収企業の評価額は、DCF法や配当還元法などで算出します。企業価値の詳しい算定方法については以下の記事でも解説しています。

M&Aの企業価値評価とは?算出方法を詳しく解説! | M&A・事業承継ならM&A総合研究所

企業価値には決まった算出方法で求め、これにより株価は決められています。つまり、M&A取引額と企業の評価額が同じ場合、すべての株式を取得したことになるので完全子会社化したことになります

一方で、評価額の方がM&A取引額よりも大きい場合は、全発行済み株式のうち一部しか取得できていないことを示しています。なお、全発行済み株式のうち50%以上を取得すると連結子会社となります

アプリ・WEBサービス業界のクロスボーダーM&A

アプリ・WEBサービスは日本国内からでも海外に発信できるため、クロスボーダーM&Aが実施されている件数は多くありません。しかし、今後は現地の文化を理解する必要があるため、現地の企業を買収するケースは増えると予想されています

①フリークアウト・ホールディングス

第1位はフリークアウト・ホールディングスによるADGEEK MARKETING CONSULTINGの買収です。取引額は9億円、評価額は13.5億円であり、66.7%の株式を取得して連結子会社化しています

②インフォテリア

第2位はインフォテリアによるThis Place Limitedの買収です。取引額・評価額ともに9億円であり、完全子会社化しました

③ピクタス

第3位はピクスタによるTopic Images Inc.の買収です。取引額は1.6億円、評価額は1.3億円であり、80%の株式を取得して連結子会社化しています

医療関係業界のクロスボーダーM&A

医薬品業界では研究開発への資本確保と優秀な人材確保のために積極的なクロスボーダーM&Aが行われています。今後もこのような傾向が続くと予想されています。

①武田薬品工業

第1位は武田工業薬品によるARIAD社の買収です。先ほど紹介したように2018年に武田薬品は取引額6兆8000億円でアイルランドのシャイヤーを買収しています。しかし、その前年にも比較的大型のクロスボーダーをM&Aを実施しており、取引額・評価額ともに6310億円で、ARIAD社を完全子会社化しました

②田辺三菱製薬

第2位は田辺三菱製薬によるニューロダーム社の買収です。取引額・評価額はともに1250億円であり、完全子会社化しました

③コニカミノルタ

第3位はコニカミノルタによるAmbry Genetics社の買収です。コニカミノルタのヘルスケア事業がAmbry Genetics社の大腸がんなどの遺伝子診断事業に注目して買収を行っています。取引額・評価額はともに902億円であり、完全子会社化しました

金融・保険業界のクロスボーダーM&A

金融・保険業界でも人口減少を市場縮小の影響を受けています。継続的な成長を維持するために今後クロスボーダーM&Aを行う企業は増加すると予測されています

①三菱東京UFJ銀行

第1位は三菱東京UFJ銀行によるインドネシアのPT Bank Danamon社の買収です。取引額は1330億円、評価額は1810億円であり、73.8%の株式を取得して連結子会社化しています

②三井住友海上火災保険

第2位は三井住友海上火災保険によるシンガポールのFirst Capital Insurance社の買収です。取引額は1740億円、評価額は1780億円であり、97.7%の株式を取得して連結子会社化しています

③SOMPOホールディングス

第3位はSOMPOホールディングスによるSompo Canopius AG社の買収です。取引額・評価額はともに1070億円であり、完全子会社化しました

不動産・住宅業界のクロスボーダーM&A

不動産・住宅業界では、クロスボーダーM&Aを行うことで海外ネットワークを拡大したり、商品の拡充・ノウハウの取得したりして安定的な成長基盤を整えようとしています。そのため、今後もクロスボーダーM&Aは活発に行われると考えられます。

①積水ハウス

第1位は積水ハウスによるアメリカのウッド・サイドホームズ社の買収です。取引額・評価額はともに533億円であり、完全子会社化しました

②パーク24

第2位はパーク24によるイギリスのNational Car parks社の買収です。いずれの企業も各国で駐車場の運営を行っている会社です。取引額は233億円、評価額は457億円であり、51%の株式を取得して連結子会社化しています

③エヌ・ティ・ティ都市開発

第3位はエヌ・ティ・ティ都市開発によるStuart Street Holdings LLC社の買収です。取引額は107億円、評価額は109億円であり、98%の株式を取得して連結子会社化しています

自動車業界のクロスボーダーM&A

自動車業界では市場のクローバル化により積極的なクロスボーダーM&Aが行われています。今後、テクノロジーの高度化や他業種の参入によりさらにクロスボーダーM&Aが加速すると考えられます

①住友ゴム工業

第1位は住友ゴム工業によるイギリスのMicheldever Group社の買収です。取引額・評価額はともに312億円であり、完全子会社化しました

②積水化学工業

第2位は積水化学工業によるPT Cayman Limited社の買収です。取引額は200億円、評価額は220億円であり、91%の株式を取得して連結子会社化しています

③豊田合成

第3位は豊田合成によるブラジルのペクバルインダストリア社の買収です。取引額は24億円、評価額は34.3億円であり、70%の株式を取得して連結子会社化しています

電気・電子・機械業界のクロスボーダーM&A

この業界では事業展開などを目的にクロスボーダーM&Aが積極的に行われています。今後も経営体制の合理化などを理由に増加すると予想されています

①クラレ

第1位はクラレによるCalgon Carbon社の買収です。取引額・評価額はともに1240億円であり、完全子会社化しました

②日機装

第2位は日機装によるCryogenic Industriesグループ傘下4社の買収です。取引額・評価額はともに合わせて490億円で、4社とも完全子会社化しました

③日本電産

第3位は日本電産でこちらもセコップの関連会社4社を買収しました。取引額・評価額はともに合わせて221億円で、4社とも完全子会社化しました

ホテル・旅行業界のクロスボーダーM&A

ホテル・旅行業界では経済成長が著しいアジア地域への進出を目的としたクロスボーダーM&Aが活発に行われています。今後は海外ネットワークやノウハウを生かしたM&Aが増加すると考えられています。

①大東建託

第1位は大東建託によるDaisho Asia Development社の買収です。取引額・評価額はともに137億円であり、完全子会社化しました

②、③H・I・S

第2位と3位はHISが関連しているM&Aです。買収された2社の評価額は131億円と38億円であり、うち1社は完全子会社化されています

食品・外食業界のクロスボーダーM&A

食品・外食業界でも物流の効率化などを目的として積極的なクロスボーダーM&Aが行われています。今後、食料需要が増加するアジア地域を中心に活発なM&Aが行われると予想されています

①JT

第1位はJTによるエチオピアたばこ事業の買収です。取引額は1630億円、評価額は490億円であり、以前から所有していた株式と合わせて70.95%の株式を取得したことになるため連結子会社化しました

②大塚ホールディングス

第2位は大塚ホールディングスによるデイヤフーズ社の買収です。取引額・評価額はともに361億円であり、完全子会社化しました

③サントリー食品インターナショナル

第3位はにサントリー食品インターナショナルよるタイの飲料会社の買収です。取引額は647億円、評価額は330億円であり、51%の株式を取得して連結子会社化しています

美容・ファッション業界のクロスボーダーM&A

現在、美容・ファッション業界では生産体制やマーケティング体制を整えるためにクロスボーダーM&Aが行われています。今後は事業拡大や海外進出によりさらにクロスボーダーM&A行われると予想されています

①TSIホールディングス

第1位はにTSI社よるHUF社の買収です。取引額は70億円、評価額は77.8億円であり、90%の株式を取得して連結子会社化しています

②アダストリア

第2位はアダストリアによるVelvet社の買収です。取引額・評価額はともに41.4億円であり、完全子会社化しました

③アイスタイル

第3位はにアイスタイルよるHermo社の買収です。取引額は14億円、評価額は23.3億円であり、60%の株式を取得して連結子会社化しています

繊維・素材業界のクロスボーダーM&A

繊維・素材業界では中国での需要増加に伴ってクロスボーダーM&Aが積極的に行われており、事業展開・経営基盤の強化が図られています

①日本紙パルプ商事

第1位はに日本紙パルプ商事よるオーストラリアの紙の卸会社2社の買収です。取引額は合わせて66億円、評価額は129億円であり、51%の株式を取得して2社とも連結子会社化しています

②アイカ工業

第2位はにアイカ工業よるThai Chemical社の買収です。取引額は21億円、評価額は35億円であり、60%の株式を取得して連結子会社化しています

③Metro Particle Co., Ltd.

第3位はMetro Particle社によるAlpine MDF Industries Pty社の買収です。取引額・評価額はともに31億円であり、完全子会社化しました

鉄鋼・非鉄業界のクロスボーダーM&A

鉄鋼・非鉄業界は日本国内では成熟しているため、現在も積極的なクロスボーダーM&Aが行われています

①三菱製鋼

第1位は三菱製鋼によるPT.JATIM TAMAN社の買収です。評価額は420億円で評価額の20.8%の株式を追加取得し、連結子会社化しました

②正大炭素製品

第2位は正大炭素製品による嘉祥東洋炭素社の買収です。評価額は9.1億円で評価額の55%の株式を追加取得し、完全子会社化しました

③日鉄鉱業

第3位はに日鉄鉱業よるアルケロス鉱山株式会社の買収です。取引額は5億円、評価額は8億円であり、62.81%の株式を取得して連結子会社化しています

クロスボーダーM&Aの現状

現在、どの業界も様々な要因によりクロスボーダーM&Aは積極的に行われています。クロスボーダーM&Aを行う大きな理由には以下のような点が挙げられます。
 

  • 日本国内では市場が縮小しているため
  • 新規マーケットを開拓するため
  • 生産体制・経営体制を整えるため

 

5. クロスボーダーM&Aを成功させる秘訣

クロスボーダーM&Aを成功させる秘訣

クロスボーダーM&Aを成功させるためには以下の6つが重要になります。

  1. 企業価値評価の分析
  2. 買収後の統合プロセスの徹底
  3. 各種契約事項の確認
  4. デューデリジェンスの実施
  5. 知的財産権の事前確認
  6. インサイダー取引等の防止

クロスボーダーM&Aを成功させるためには、一般的なM&Aの流れを知っておく必要があります。M&Aのスケジュールについては、以下の記事でも紹介しているので是非ご覧ください。

M&Aのスケジュールを解説!【買収までの流れ・手順】 | M&A・事業承継ならM&A総合研究所

①企業価値評価の分析

クロスボーダーM&Aは文化の異なる企業と統合するため、失敗するリスクは国内クロスボーダーM&Aよりも高いと考えられます。そのため、余分な資金をできるだけ流出させないように買収相手の企業価値を正確に算出する必要があります

②買収後の統合プロセスの徹底

一般的なM&Aでも統合プロセスは最も難しいところです。しかし、クロスボーダーM&Aでは会社の文化が大きく異なることからさらに困難が予想されます。そのため、買収後の統合プロセスの徹底が非常に重要になります。

③各種契約事項の確認

クロスボーダーM&A契約時の項目についての確認は必須です。海外では言語が異なるため、ニュアンスの違いにより認識が異なる可能性があります。買収先の言語に詳しい人を雇うなどの対策を行っておく必要があります。

④デューデリジェンスの実施

先ほども紹介したように買収先の子会社のトップによる横領などデューデリジェンスを実施しないことが理由で特別損失を計上する可能性があります。そのため、買収先のデューデリジェンスは子会社まで行っておく必要があります。

⑤知的財産権の事前確認

海外では知的財産権について疎い企業も存在します。そのため、買収先が保有している知的財産権が有効であるかはきちんと確認しておく必要があります

⑥インサイダー取引等の防止

海外では自身の利益を優先させるために自社株についてインサイダー取引を行う経営者も存在します。これにより経営者が逮捕されると企業のイメージが下がる可能性があるので契約時にインサイダー取引をさせないような対策をしておく必要があります

6. クロスボーダーM&Aの相談先

クロスボーダーM&Aの相談先

クロスボーダーM&Aは、買収先の文化や言語などM&A以外の知識が必要です。そのため、クロスボーダーM&Aの実績のあるM&A仲介会社などに相談することがベストです。M&A仲介会社の1つであるM&A総合研究所でもクロスボーダーM&Aの実績があるのでぜひ一度ご相談ください。

M&A・事業承継ならM&A総合研究所

7. まとめ

まとめ

クロスボーダーM&Aについて紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?この記事をまとめると以下のようになります。

  • クロスボーダーM&Aの事例の紹介について
  • →国内の市場縮小など様々な要因で積極的なクロスボーダーM&Aが行われています。
  • クロスボーダーM&Aを成功させる秘訣について
  • →買収先の文化や言語などを知っておく必要があるため専門家に相談する必要があります。

クロスボーダーM&Aは国内のM&Aに比べて難易度が高くなります。しかし、成功すると大きなリターンが得られるためリスクをとる企業が増加しています。M&A総合研究所での相談は無料です。クロスボーダーM&Aについてお考えの方はぜひご相談ください。

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